昨今、「昔に比べれば個人主義が浸透して、自由になった」などと言われることも多いですが、本当にそうでしょうか。
就職試験やオーディションでは、「君はこの業種向いていないんじゃないの?」「才能がないよ」などと言われ、それが何十社にもなったりします。
そしていざ、会社に入社すると、どんなに緩いところでもまずは先輩方にあいさつ回り、その後は残業、そして帰りたいのに誘われるがままに飲み会。
新人のうちは何かを提案しても一言「却下」で終わることもあります。
結婚になれば、家族から「あんな人はやめなさい」「ふさわしくない」。
結婚後は親族から「あなたはウチのやり方に合わない」。
果ては隣近所から苦言を呈される始末。
考えてみると、現代の日本社会においても、個人が「自由だ!」と感じる機会はほとんどないのではないでしょうか。
ベストセラーになった「嫌われる勇気」。
この本はアドラー心理学を扱った本ですが、アドラーの一見して過激とも言える発想に惹かれた方が多いのも、その世情を反映してのことのように思えます。
そこで今回は、様々なことに対して縛られた世界で、自分が自分であるために、いかにして行動していけばいいのかを考えてみたいと思います。
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目次
就職試験に落ちたり、失敗してつらいとき。かつて門前払いされたマドンナ成功の理由は?
1 他人の意見に対して すぐに受け入れるのではなく、一旦疑問符「?」をつけてみる
たとえば「君はこの業界には向いていない」という言葉。
業界に惹かれて何十社、何百社と受けている中でこのような言葉を吐かれると、本当に精神がまいってしまいますよね。
そしてそういうときはこの言葉を額面通りに受け取り、「ああ、私って向いてないんだ・・・だからダメなんだ・・・」と自分を否定してしまうことにもなりかねません。
ですが、その前に一旦、「本当にそうだろうか?」と疑問に思ってみると、
まるで考え方が変わってしまいます。
上記の例で言えば、「私って向いてないのかな」→落ち込むのパターンの前に、「本当にそうなのかな?」を挟んでみるのです。
さらにはもっと踏み込んで、「君は向いていない」の段階で、「本当にそうかな?」と心で言えるくらいになるのがベストです。
これは主観的な世界観を一気に客観的に持っていき、より広い視野から物事を見ることで他人の言動に振り回されない思考域を確保する手段になります。
たとえば、
「この面接官は本当にそう思っているのだろうか。実際は圧迫面接で私のメンタルの強さを測っているのではないか」、
「この面接官の知る限りでは私は向いているカテゴリーではなかった。つまり未知の存在だからこそその強さをアピールできる」、
「人ひとりが知っていることなど限りがある。自分は枠にはまっていない独創性がある。ならばその独創性を活かして別分野に挑戦しよう」
などと違ったアプロ―チをかけることができます。
そして実際にそれが圧迫面接だった場合、前者の「そうかもしれない」と落ち込む人材と「いえ、だから私の強みを発揮できます」とやる気をアピールする人間とどちらが採用される確率が高いでしょうか。
また、同じく内定が一つも取れずに、「就職は無理なんだ・・・」と諦めてしまう場合と、
「就職という枠が合わなかっただけ。そもそも就職する必要があるだろうか?自分で起業してみようかな」
と考える場合では、たとえ内定が取れなかったという事実が同じでも、その先はまるで結果が違ってくると思います。
特に面接ですべてが決まるオーディション。
その厳しさは有名ですが、面接に落ち続けて、それでもあきらめずに活動をしていたら、それを見ていた関係者にスカウトされた、なんて話は意外に多いものです。
たとえばかの有名なマドンナ。
彼女はまだ若いシンガーソングライターとして活動していたとき、登竜門とも言えるミレニアムレコードの審査を受けました。
そして、その審査直後、審査員から
「ふん・・・このプロジェクトには才能ある人材が必要だ(つまりお前には才能がないよ)」と皮肉たっぷりの不合格通知をもらっています。
もし、この通知を受けて、「やっぱり私には無理」と故郷に帰っていたら後に1000万枚というとんでもないヒットを飛ばすマドンナという存在は生まれなかったでしょう。
マドンナは、「ふん、あんな審査員に私の何が分かるの?」
と活動を辞めることはありませんでした。
そして、あきらめずに自分らしさを追求した結果、世界的な歌姫になったのです。
面白いのは、こうして成功した人は大抵、こういう逸話を持っているということです。
逆に一回のオーディションで頂点に立った人ほど、早く舞台から去っていく場合もあります。
大切なのは、たった一人の意見に左右されないこと。
人間の世界など本当に狭いものです。
それにいちいち反応して、自分という存在を「定義させて」いたら、彼らの考える狭い世界の住人として終わるしかないでしょう。
誰にも自分を支配させない! 自分の価値は自分で決める!
いきなりこれほど強固な決意は難しいかもしれませんが、もし他人にきつく言われたときは、一度「本当にそうなのかな?」と疑問をもってみる。
これだけで他人の意見に左右されることが減っていきます。
ちなみに、起業、という選択肢があるかないかで人生は全然変わってきます。
今はネット一つで自由に起業できる時代です。
「私なんか無理」
「資金が」
と言わずに、まず起業について調べてみることをオススメします。
最初はきつくても、副業や内職という形で起業することもできますし、大学時代にネットで起業したら就職せずにそのまま・・・という方も多くいらっしゃいます。
2 恐怖を手放す
他人に嫌われたくない。
そう考えている人は多いと思います。
それはとても健全なことで、だからこそ社会が回っているとも言えます。
ですが、現代では、特に日本ではそれが過度になっており、反対に「他人と違う人間はダメ!」という風潮まで生み出してしまっている気がします。
特に学校や結婚、その後の親族関係、職場関係など、新たに他人との集団行動を強いられる場面では、自由を束縛されてとてもつらいですよね。
親に結婚を反対されたら? 上司に企画を反対されたら? 友達に何かを反対されたら?
あなたはどうしますか?
実際にその場面になると「そうですよね・・・」と自分の気持ちを押し殺してしまうことも意外にあるのではないでしょうか。
でも、そんな生き方はとてもつらいもの。
ここで心理学でよく問われることがあります。
そうまでして他人に従って得られるものはなんですか?
それをやらずに壊れてしまう人間関係は本当にあなたに必要な物ですか?
自分がこの世にさよならを言うときに、それを誇ることができますか?
実は、大抵のことはそれに当てはまりません。
残業も飲み会も、学校も、隣近所との付き合いも、実際はやってもやらなくても、人生の根幹にはあまり影響がなく、ただ自分で自分を「そうしなければ」と縛っているだけなのです。
根本には恐れがあります。
そうしないと、仲間はずれにされる。そうなると・・・生きていけなくなるのでしょうか。
そんなことないですよね。
毎回飲み会に行かなくても、勉強があるので、と断っている新人はむしろ毎回行って先輩のご機嫌を窺う新人より頼りにされたりしますし、はっきりと自分の意見を言う人間の方が、結局のところ一目置かれたりします。
心理テストで面白い結果があるのですが、人が一番最初に切り捨てる関係は「いつも自分に気を使ってくれる人間」だそうです。
それだけ軽く見られてしまうということです。
結局、マイナスな気持ちで付き合っても、マイナスな結果しか生まない、ということで、これは心理学的にも、現実的にも当てはまると思います。
恐怖に従っても悪い結果にしかならない。
なら、そんな気持ちは捨てて、自分のためになるように投資しましょう。
恐怖を捨てるコツは「自分の目標に(大切なことや人のために)まい進すること」です。
恐怖に打ち勝つ唯一の方法とも言えます。
3 罪悪感を捨てる
「恐怖なんかじゃない。相手に悪いから行くんだ。これは協調だ」
そう言う方もいるかもしれません。ですが、実際は違います。それが本当に協調なら、「自分から行きたくて仕方ない」はずなんです。心からそう願っているのだから。
でも、実際は嫌な気持ちが大きい。
それは実は本心ではないからです。心が否定しているのに、頭で抑え込んでいます。その結果、嫌なことをやり、無理やり笑顔を作って、結果的に雰囲気も嫌なものになり・・・となりかねません。
その正体は「罪悪感」。
自己評価の低さと劣等感に縛られているとき、人は罪悪感という虚構を作り出し、それに大義名分を与えようとします。
そうやって「私は悪いことはしていない。いいことをしているから救われるはず(心が晴れるはず)」と守ろうとするんです。
でも、実際は罪悪感は自分を守るために作り出した自己本位的な感情にすぎません。
「なんか他人に悪い気がする・・・」
確かに実際に罪悪感を感じて自分を戒める場面も必要です。
ですが、それも本当は「そうすることで自分に不利な状況になるのではないか?」という恐怖心が生み出しています。
本来この世界には善も悪もなく、等しく自然が生み出したものです。
価値観は人間が作り出したものにすぎません。
「他人に悪い」という気持ちも本当は「他人に嫌われるのが怖い(自分に不利になる)」→それを補完して「行かないのは悪」→「行かざるを得ない」と自分をコントロールしていると言えるのです。
だって、本心からそう思ってるなら、そうすることで心が晴れやかになるはずですから、楽しくなってくるはずです。
そうならないのは、本心を自分が頭でコントロールしているから、と考えてみましょう。
罪悪感はあくまで自分を守るためのもの。
そう考えた結果、必要と思えるならやり、そうでもなければ心が望むようにしましょう。日々の積み重ねが人生を作ります。なるべく嫌を削り、楽しいを増やしていきましょう!
4 最後に上記を踏まえて「NO!」と言う
嫌われる勇気を持つというのは本当に一理ありますが、それは裏を返せば、自分の望む生き方をする幸せになる勇気を持ちましょう、ということです。
「常に好かれていたい」という気持ちは、実際は「嫌われたくない」という気持ちの裏返しであり、他人に良い評価を求める自己本位的な行動にすぎないこと。
それは相手を信頼していないということ。
自己本位が悪いことではないし、信頼が絶対でもありません。
ですが、その視点を持つことで軸をもって行動できます。
以上を踏まえた上で、いかに「NO!」というか、ですが・・・すごくシンプルです。
ただ、「すいません。無理です(できません)」とだけ言いましょう。
余計な理由はいりません。聞かれたら言えばいいですが、最初に断るときは余計なことは言う必要はないのです。
断るときって勇気がいります。だからこそ、シンプルに伝えるようにしましょう。
たったこれを言うだけです。少し気が楽になりませんか?
相手も断られたという事実に加えて、あれこれ理由を言われたら、「ああ、行きたくないんだな(嘘だな)」と逆に考えてしまうと思います。
でも、はっきり上記だけ言われると、むしろ清々しく「何か理由があるんだな(やることがあるんだな)」と深読みを肯定的にとらえてくれます。そこで質問されたら端的に理由を述べればいいのです。
これにはメリットがあって、「NO」とシンプルに言う癖をつけると、段々抵抗がなくなり、断りやすくなります。最初に必要だった勇気もいらなくなってくるのです。
いかがでしたか? 以上の4つを心がけるだけで、人間関係はずっとずっと楽になってくると思います。嫌われても就職活動がうまくいかなくても、世界が終わるわけではありません。
ひたすら自分の心のままに道を行きましょう!(#^^#)
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