シン・仮面ライダーネタバレ徹底考察!あらすじ&全怪人オーグと旧仮面ライダーとの違いの比較&小ネタを解説!感想を分かりやすく!ハチオーグが良すぎた!
以下、画像はシン・仮面ライダー©東映©より一部引用して考察します。
シン・仮面ライダーのストーリーを追いつつ、旧仮面ライダーとの違いなどを細かく考察していきますので、作品のあらすじのネタバレをおおいに含みます。未見の方はご注意ください!
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1シン・仮面ライダーの登場人物紹介。旧仮面ライダーとの違いを解説。
シン・仮面ライダーでは、シンゴジラやシンウルトラマンのように、もともとの世界観は引き継ぎつつも、リブート作品として、細かい世界観や登場人物の性格、価値観が大きく違っています。
そこで、旧仮面ライダーとの違いを見つつ、まずは登場人物たちを見てみたいと思います。あらすじ考察はかなり細かいので、後半に書いています。
1本郷 猛(ほんごう たけし) / 仮面ライダー
主人公は、池松壮亮さんが演じる本郷 猛です。
バイクをこよなく愛するという点は同じですが、性格の設定や背景が全く異なります。
シン・仮面ライダーの本郷猛は、頭脳明晰&スポーツ万能ですが、コミュ障で無職という現代漫画っぽい要素が加わり、まるで別世界の碇シンジくんを見ているようでした・・・(;´▽`A“
最初から最後までどちらかというと、淡々として、性格も暗めです。
そして、バイクはそんなコミュ障を忘れるためのものとして趣味として乗っています。
シン・仮面ライダーは、1号という名称ではなく、「仮面ライダー」となっています。
もともと初代仮面ライダーは確かに、1号ではなく、後々に1号という名称になったのでそこにもこだわりを感じます。
マスクも原作同様にヘルメットのように着脱可能になり、より現実に近い形になっています。マスクの後部から出ている髪がかっこいいです。
出典:石ノ森章太郎©
原作では、仮面ライダーの仮面は、顔の傷を隠すためのものでもありました。
今回のシン・仮面ライダーはそこも忠実に再現されています。
そして、こちらが旧仮面ライダー1号。
モチーフはバッタであり、もともとバッタ怪人でした。
マスクにあるギザギザの口元は、鋼鉄をもかみちぎる切断装置であり、
触覚は電波通信可能なアンテナ。
そして、目は複眼であり、常人の3倍の視力に、赤外線で闇の中でも見ることが可能です。
そして、鼻の部分にあたる0シグナルは、100メートル以内の怪人を察知する探知機であり、
聴覚は常人の40倍となっています。
ベルトの形状もよく見るとシン・仮面ライダーとの違いがよく分かります。
仮面ライダーはただのスーツでしょ?ということなかれ。
このベルト、タイフーンこそが変身の要であり、本郷の腰に埋め込まれているのです。
そして、このベルトのダイナモに風を受けると、風力を胸部のコンバーターラングで変換したエネルギーがベルトの横についているエナージ・コンバーターに蓄積されて、体内の超小型原子炉から供給されるエネルギーが、全身の改造人工筋肉に行き渡り肉体が変化し、最後に顔が仮面に覆われて変身が完了します。
つまり、ただの変身スーツではなく、原子炉を体の内部に埋め込み、そのエネルギーで人工筋肉が変化した姿が仮面ライダーということです。
そして、実は弱点があり、風力が必要なため、風がないと変身も肉体の維持もできません。
だからこそ、風がない場所では、サイクロン号に乗って、風を起こして変身するのです。
そして、その風がないという最大の弱点を補って新しく登場したのが、新仮面ライダーです。
53話で再び日本での戦いに復帰した本郷がさらに再改造手術を受けて強化された姿になっています。
仮面ライダーと言えば、「変身ポーズ」が有名ですが、「ライダー変身!」の掛け声とポーズによって、風がない場所でも変身できるようになったのが、この新仮面ライダーです。
(ややこしいですが、旧仮面ライダーの中の新仮面ライダーです(笑)。旧仮面ライダー1号の初期バージョンは、変身は風を受けての「トウッ」でした)
ちなみに、走る速さは時速240キロに強化され、100メートル1.5秒に強化されました。
旧仮面ライダーでは、藤岡弘さんが演じていました。
バイク好きなのは同じですが、こちらはプロの一流バイクレーサー。
両親には先立たれて天涯孤独の身であり、家族の詳細は謎のままです。
城南大学(1話では城北大学)生化学研究室所属の若き科学者でもあります。
というのも、本郷猛はIQ600・スポーツ万能というもともとの人間の時点で人間離れした能力を持つ天才科学者であり、それゆえにショッカー軍団に拉致された経緯があります。
実は、初期の仮面ライダーは正義感だけで行動する人間ではなく、結構、闇を抱えていたり、コウモリ男に「証拠を見せてくれたら、条件をのむ」と嘘を言って、怪人をだまして倒すという卑怯な手も結構使っていました(笑)。
ちなみに作品の初期は、仮面ライダーのスタントも藤岡弘さんが行っており、10話でバイクから転倒して、複雑骨折まで経験されています。
その大けがを理由に、14話から藤岡弘さんはヨーロッパに旅立った設定になり、仮面ライダーを引き継いだのが、次に紹介する仮面ライダー2号です。
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2一文字隼人 / 仮面ライダー第2号
シン・仮面ライダーの仮面ライダー第2号を演じるのが、柄本佑さんです。
旧仮面ライダー2号と違って、「第2号」というエヴァを彷彿とさせる名前になっています。
本郷と同様にオーグメンテーション(改造手術)を施された正義感に溢れるジャーナリストでしたが、ルリ子のパラハライズによって、元に戻り、以後は本郷猛の意志を継いで「仮面ライダー第2号」と後に名乗るようになった経緯があります。このあたりの設定も旧作品とは違います。
ただ、この一文字の設定は原作仮面ライダーにかなり近いので、後であらすじと一緒に解説します☆
シン・仮面ライダー第2号。1号とは違って、プラーナの圧縮がベルト内で行われ、変身を簡単に行うことができるようになっています。
シン・仮面ライダーの二人のツーショット。赤と白の対比が美しいです。
旧仮面ライダー2号はより明るい色になっています。
仮面ライダー1号を倒すために、作られたのが仮面ライダー2号。
しかし、脳改造をされる前に本郷によって救出されて、ショッカーと戦う彼の同志となりました。
胸部にパワー強化装置が組み込まれているので、1号よりも力が強いです。
そして、実は2号も新2号になります。
72話から登場したのが、南米から帰還したこの新2号です。
マスクは新1号と同じになり、グローブやブーツが赤に変化しています。
技の1号、力の2号と呼ばれるようになったのがこの時です。
そして、旧仮面ライダー2号の中の人が、
佐々木剛さんが演じる一文字隼人です。
一文字隼人は、フリーカメラマンであり、もともと柔道6段・空手5段という格闘の達人でした(だから、仮面ライダー2号は力の2号と呼ばれるほど戦闘能力が高い)。
その才能と本郷の知人であることをショッカーに見出されて捕まり、1号を倒すための改造手術を施されてしまいます。
しかし、脳改造の直前に本郷に救われて同志となりました。
シン・仮面ライダーでは、その設定が変更され、ルリ子のパラハライズによって救われました。
3緑川 ルリ子
ヒロインとなるのが、緑川 ルリ子です。
こちらは浜辺美波さんが演じられています。
個人的に、旧仮面ライダーとの一番の違いを感じたのが、ヒロインの立ち位置です。
緑川弘の娘で、もともとショッカーに所属していたという設定になっています。
口癖は「私は常に用意周到なの」という綾波レイっぽさもありつつ、アスカっぽくもあるといういいとこどりのようなイメージです。(n*´ω`*n)
父の緑川と一緒に、兄のイチローに反して組織を抜けて本郷を助け出すことになります。
旧仮面ライダーの緑川るり子と大きく違いますね。
旧仮面ライダーでは、真樹千恵子さんが演じられていました。
この真樹千恵子さんの緑川ルリ子が初恋の人という男性はかなり多かったと思います。
とにかく美人。しかも、当時、4年生大学に行く女性は少ない時代に通っていたというお嬢様の設定でした。
シン・仮面ライダーと大きく違うのは、もともとショッカーという存在を全く知らず、ただの大学生だったということ。
しかも、危険な眼鏡店だから調査しに行くというのに、「その店でかっこいいサングラス買ったからかけました♪」と言って、操られる等というかなりおちゃめ?な面も持っていました。
さらに、1話で本郷猛が父親の緑川弘の首を絞めていると勝手に勘違いして、本郷を憎み、2話で驚くべきスピードで誤解が解けるという、今のドラマではありえないほどの伏線回収の急展開でした。
最後の最後まで、本郷猛が仮面ライダーであることを知らずに協力し、前述した藤岡弘さんのケガで本郷猛がヨーロッパに行ったという設定に応じて、本郷猛が好きだった緑川ルリ子もヨーロッパに行く、ということで13話以後、出演はありませんでした・・・。
でも、影のあるヒロインという点では、シン・仮面ライダーに通じる点があると思います。
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4緑川 弘(みどりかわ ひろし)
そんな緑川ルリ子のお父さんにして、ショッカー軍団の研究者だったのが、緑川弘です。
シン・仮面ライダーでは塚本晋也さんが演じられています。
ショッカー軍団の一員として、本郷猛をバッタ人間に改造しました。
もともと、神経科学の研究員だった緑川弘ですが、妻の命を救えなかった後悔からSHOCKERで研究にのめり込むようになっていきます。
そんな緑川弘が研究しているのが生命エネルギー「プラーナ」の活用です。
人の命を救うことができる技術として、プラーナを活用し、オーグメントと呼ばれる強化手術をすることで、人間は進化できます。
しかし、普通の人間の精神では耐えきれず自我が崩壊していきます。
旧仮面ライダーの緑川は、本郷の大学の恩師である生化学者の教授でした。
ショッカーに拉致されて改造人間の研究に携わり、本郷を被検体として推薦しましたが、組織の真の目的を知って、脳改造寸前の本郷を救出して一緒に逃亡します。
その後、蜘蛛男によって裏切り者として始末されてしまいました。
旧作では緑川教授は1話のみの登場ですが、シン・仮面ライダーではスピンオフを含めてかなり重要な役割となっています。
二人とも役者さんがすごくよく似ています。
5緑川 イチロー(みどりかわ イチロー)
シン・仮面ライダーで初登場となったのが、この緑川イチローです。原作でも未登場。
緑川弘の息子にして、ルリ子の兄となっています。
『シン・仮面ライダー』スピンオフ漫画の主人公です。
学校でいじめられっ子を助けたばかりに、逆に自分がイジメの標的になってしまったのがイチローです。
そんな彼にとっては優しい母親だけが精神的な頼りでした。
しかし、人間の犯人による通り魔事件によって母が死んでしまい、父である緑川教授と共に世界を変えるためにSHOCKERに身を寄せるようになりました。
彼の願いは「暴力」がない世界を作ること。
そのために、イチローは鍛錬を重ねていくのですが・・・。
詳しくは後のあらすじ考察にて解説します。
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2ショッカー軍団の旧ライダーとの価値観の違いについて解説
旧仮面ライダーの初期のショッカーは、かなり人間味のある姿でした(笑)。
一方のシン・仮面ライダーの下級構成員はスーツを着ており、ビジネスマンのようないでたちになっています。
旧仮面ライダーのショッカー軍団の大ボスである、ゲルショッカー首領。
顔から閃光、毒ガスを出すというまさに怪物でした。
最後は仮面ライダーと一緒に自爆しようとしますが、失敗します。
その後、仮面ライダーv3で再登場します。
そんなゲルショッカー首領とショッカー軍団の目的は、「世界征服」でした。
悪の秘密組織として、人間を改造し、ショッカーとして操るという、本当にそんな技術があるなら簡単に世界征服できそうな巨大組織だったのです。
しかし、シン・仮面ライダーでは、全く違う組織になっています。
その名もSHOCKER。
Sustainable Hapiness Organization with Computational Knowledge Embedded Remodeling(計算知識を埋め込んだ再造形による持続可能な幸福組織)です。
要約すると、計算可能な知識を改造手術によって埋め込むことによって、人類を持続可能な幸福に導く秘密結社ということですね。
改造手術のことも、オーグメントという名称になっています。
外世界観測用自律型人工知能のケイが「組織の使命は金儲けではなく人類の幸福への奉仕ですから」と言っており、もともとの組織の目的は幸福にありました。
しかし、その創設者である首領は既に死んでしまい、その後、後継者争いが勃発します。
そして、権力を担っているのが、人工知能の「アイ」。
ケイの対になる存在でもあります。
本当に幸せになれるとしたら・・・?
そのために命をかけて戦う怪人がいたとしたら・・・?
これが、シン・仮面ライダーのストーリーに大きく関わってきます。
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3シン・仮面ライダーの怪人オーグ一覧を旧作品と比較して解説
以下、SHOCKERの怪人であるオーグを見てみたいと思います♪
細かい部分はあらすじ考察で見ていきます。まずは簡単にご紹介します。
緑川博士の作ったプラーナによるオーグメントで人間離れした存在になったのが、オーグです。
上級オーグとして、サソリオーグ、クモオーグ、コウモリオーグ、ハチオーグが存在し、
その下に簡易オーグメントを受けた下級構成員が存在します。
1クモオーグ
人間とクモの合成オーグメントであるSHOCKERの上級構成員です。
もともと丁寧に話し、イチローの友達にもなったすごくいいやつ。
ですが、実験の犠牲によって自我を失ってしまいました。
後で詳しく考察します。
こちらが、旧仮面ライダーの蜘蛛男です。
1話に登場し、本郷猛をさらって改造手術を受けさせた原因となった怪人です。
緑川博士の裏切りを許さずに始末し、再登場も果たすなど、一番最初の怪人としての活躍を見せています。
今見ると頭の触覚がかわいいです(笑)。
2コウモリオーグ
人間とコウモリの合成オーグメントであるSHOCKERの上級構成員です。
演じるのは、手塚とおるさん。
白衣を着て、かなり理知的なイメージなっています。
こちらが、旧仮面ライダーの蝙蝠男。2話に登場しました。
実は、このコウモリ男も、ショッカーの科学班が作り出した頭脳を持つウイルスを牙から挿入し、血液に侵入された人間は、コウモリ男の手先になるという、今思うとめちゃくちゃ恐ろしい相手でした。
しかも、吸血鬼のように、感染した人間が噛みつくと、またどんどん感染者が増えていくという、まさにショッカー軍団の理想を叶えるのに一番近い最恐の存在。
ですが、緑川ルリ子を人質にまでしたのに、本郷猛に「血清があるという証拠を見せれば、お前たちに従う」と言われた言葉をうのみにして、自分の体の翼のトゲが血清だと正直に見せてしまった結果、
本郷猛に「そうと分かればこっちのもんだ!」と思いっきり騙されてライダー投げでやられるという、なんとも悲しい結末をたどりました・・・。
戦闘方法が裏方タイプなんだから、ウイルスばらまいておとなしくしておけばよかったのに・・・。
そう考えると、シン・仮面ライダーのコウモリオーグはそれを守ってくれているのかも?
3ハチオーグ
個人的にシン・仮面ライダーで一番好きなのが、ハチオーグです。
見た目がキルビル!
演じるのは西野七瀬さん!まさかのサプライズでした。
こんななーちゃんのオーグがいたら、皆SHOCKERに入りたいかもですね(笑)。
旧仮面ライダーの蜂女と大きく違うのが、まず、ハチオーグは和装で、しかも日本刀を使うということ。また、ルリ子の親友のヒロミの設定になっています。
これは原作からですね。
蜂女は、サーベルを使うフェンシングスタイルでした。
姿も、ミツバチ風から、スズメバチ風にバージョンアップしています。
蜂女は、ガス製造工場の工場長でもあり、世界征服のために毒ガスが必要とのことで、かなりやり手のビジネスウーマンでもありました。
工場で作った眼鏡を自分の店で売りさばき、サングラスに仕込んだ特殊装置で人々を操って工場で働かせるという頭脳系。
サングラスを買って、危険だからと言われたのにうっかりかけてしまった緑川ルリ子を人質にして、仮面ライダーを捕まえようとしましたが、失敗。
その後、緑川ルリ子にイヤリング型の追跡装置をつけて、本郷猛の居場所を特定するなど、かなりやり手でしたが、逆にその発信機を本郷に利用されて敗れました。
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シン・仮面ライダーのストーリーを徹底考察!ネタバレ注意!
いよいよシン・仮面ライダーの本筋の考察&解説をしてみたいと思います。
シン・仮面ライダーを楽しむためには、個人的には最低3作品の知識がいると思っています。
それが、もともとの漫画の仮面ライダーの原作、テレビ版の旧仮面ライダー、そして、漫画版のスピンオフ「真の安らぎはこの世にはなく」です。
この3つを見ていると、シン・仮面ライダーがかなり早送りで難解だった部分の裏が見えて面白くなると思うのです。
庵野監督作品の中でも一番オタク要素が強くて、難しい部分が多いので詳しく解説してみたいと思います。
1本郷猛と緑川ルリ子が登場!オープニング
オープニングはいきなり、本郷猛と緑川ルリ子の二人が山道をバイクで疾走しているシーンから始まりました。
二人を追っているのは、人外融合型オーグメント「クモオーグ」。
「裏切り者には死を・・・」
クモオーグは機動隊に化けたショッカー構成員によってルリ子を捕まえますが、
そこで本郷猛が変身し、仮面ライダーとして敵を倒して二人は逃亡します。
このシーンが、正直、シンウルトラマンなどにはなかった過激な血しぶきの舞うシーンとなっていて、「pg12」の設定になるほどと思われました。
【ちょこっと解説】
テレビ版の仮面ライダーを見慣れていると、最初の残酷な顔をつぶすようなシーンはゾクっとするものがあります。
でも、実はもともと原作の仮面ライダーでは、本郷猛がその力によってショッカーを残酷に倒し、嫌悪するシーンがあります。
今回のシン・仮面ライダーはそこを忠実に再現している、と解釈してよさそうです。
石ノ森章太郎©
また、シン・仮面ライダーの顔の傷も原作の再現になっています。
また、仮面ライダーの乗るサイクロン号のナンバープレートもテレビ版を再現していると分かります。シン・仮面ライダーは結構、ナンバープレートも出てきますが、このあたりの細かい部分も再現されていてオーっとなります。
また、コメントにていただきましたが、
本郷&ルリ子が乗ったマシンを追いかけるトラックに書かれた《三栄土木》は、ライダーを含む特撮モノで頻繁に使われたジャリ山(採石場?)の会社です。
by なおドンv3さん
トラックにも細かくリスペクトが現れていますね。
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2緑川博士登場!プラーナとは一体なんなのか?
なんとかクモオーグから逃亡した本郷猛と緑川ルリ子。
しかし、本郷猛は自分の中の異様なパワーと血だらけの手に震えます。
「僕が殺した・・・?」
「体が勝手に動いていた・・・分からない・・・なぜ人を殺して平気なんだ・・・」
本郷猛の手は、既に人間のものではなく、バッタを模した怪物のものになっていたのです。
そこにルリ子が現れ、言います。
「これであなたは自由」
さらに、ルリ子の父親である緑川博士が登場し、「君は私が作った最高傑作だ」と、事の顛末を語るのです。
実は、本郷猛と緑川博士は大学時代の先生と生徒の関係でした。
「先生が僕を・・・?」と驚く本郷。
「私が君を協力者として選んだ。なぜなら、君が強い力を望んでいたからだ」
緑川は、本郷が大学時代に経験した絶望を知り、人々を守るための強い力を本郷自身が欲していたのだと語ります。
そして、SHOCKERという組織があり、彼等は個人のエゴのために多くの力なき人々を食い物にしようとしているのだと伝えます。
「組織を倒すんだ」と。
そのために作られたのが、昆虫合成型オーグメンテーションの最高傑作であり、プラーナ吸収によって、バッタオーグへと変身できるコンバータと、サイクロン号だったのです。
「頭脳明晰でスポーツ万能。だけど、コミュ障だから無職。唯一の趣味がバイク。昔からバイク乗りには必需品なんでしょ。よく知らないけど」
とルリ子は本郷の首に赤いマフラーを巻いたのです。
【ちょこっと解説】
石ノ森章太郎©
もともと、主人公の本郷猛は、城北大学の生物学研究室に努める研究者という設定でした。
さらに、プロのオートレーサーでもあり、実家は大金持ちです(テレビ版では不明)。
しかし、シン・仮面ライダーでは、そういう設定は全てなくなり、単純に頭脳明晰&スポーツ万能のコミュ障の無職になってしまいました。(;´▽`A“
このあたりはエヴァンゲリオンのシンジ君を意識したのでしょうか?
プラーナとは一体何か?
映画の最重要キーワードとなってくるのが、プラーナです。
プラーナという用語はシン・仮面ライダーが初出。
もともと、サンスクリット語で「生命エネルギー」という意味があり、生物の生命力、とも考えられます。
シン・仮面ライダーでも、プラーナ=生命エネルギーであり、人間の魂とも言ってよさそうです。
プラーナは大気中、至るところに存在しており、
オーグメントによって強化された人間は、このプラーナを利用します。
仮面ライダーは、プラーナを大気中からベルトのコンバータに取り込み、それを自分の力とすることによって、超人的な力を発揮できるのです。
緑川博士は、このプラーナを研究することによって、人間の命の概念を超えようとしていました。願わくば、理不尽に命を奪われた妻のような悲劇を起こさないために・・・。
オーグメントとは何か?
出典:真の安らぎはこの世にはなく
そして、プラーナを利用して、人体強化を行う手術をオーグメントと言います。
英語のaugmentで、「強化」の意味ですね。
もともと緑川教授が生命科学として研究していたプラーナを、死神博士こと、イワンによって強化手術として確立されたのが、オーグメンテーションプロジェクトです。
オーグメントを受けることで、人間は強化人間「オーグ」となります。
(これはおそらく原作の設定が「サイボーグ」だったので、そこからオーグになったのかと)
石ノ森章太郎©
仮面ライダーは体はほとんどサイボーグであり、脳のみ人間。ゆえに変身できます。
しかし、オーグメンテーションにはデメリットがあり、それが、強い絶望を抱いた人間に、甘い夢を見せて、その多幸感によって精神が崩壊、洗脳されてしまう、というものがあります。
ゆえに、段々と自我が失われて欲望に忠実なモンスターになっていくのです。。。
つまり、プラーナ自体は、生命エネルギーの活用という生化学分野の研究でしたが、SHOCKERによって、それが悪用されていったということですね。
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3クモオーグとの死闘!クモオーグの過去を知ると切ない・・・
緑川博士と本郷猛、ルリ子はセーフハウスにて身を潜めていましたが、
クモオーグがルリ子につけていた、小型クモロボットによって居場所がバレ、クモオーグによって緑川博士は命を奪われてしまいます。
「裏切り者には死を・・・獲物の命は自らの手でいただく・・・私の礼儀です」
「あなたも私の幸福の一部になってください。未来永劫幸せに・・・・」
と、シンウルトラマンに出てきたあの人のようなセリフを吐くクモオーグ。
一旦は、「バッタオーグも同じオーグとして見逃しましょう」と爆弾を仕掛けて逃げ出すクモオーグでしたが、仮面ライダーに変身した本郷によって、すぐに追いつかれます。
そして、仮面ライダーvsクモオーグの戦いが始まるのです!
シン・仮面ライダー©
さすが最高傑作とも言える力で、クモオーグを圧倒する仮面ライダー。
ちなみにクモオーグの声優さんは、大森南朋さんです。
あまりに雰囲気が似ているので、メフィラス星人の山本耕史さんかと思ってました(笑)。
ダムでの戦いは、空中戦に持ち込んだ仮面ライダーの圧倒的勝利でした。
意外とあっけない幕引き。しかし、クモオーグのことを知っていると、すごく悲しくなります。。
【ちょこっと解説】クモオーグの過去について
出典:真の安らぎはこの世にはなく
映画ではあっけなく倒されてしまったクモオーグ。
しかし、スピンオフ漫画を読んでいると、クモオーグの最後は悲しくて泣きそうになりました。
クモオーグはもともとSHOCKERに所属していた戦闘員でしたが、緑川イチローがやってきた後に、一緒に授業を受けたり、親身に接してくれた友達のような存在でした。
出典:真の安らぎはこの世にはなく
イチローを鍛えたのも、クモ。
丁寧で紳士的。曲がったことが嫌いという性格。
出典:真の安らぎはこの世にはなく
実は、もともと東京大学(おそらく作中では城北大学)に所属するエリートでしたが、友人がゲイということを知り、仲間の誹謗中傷によって命を絶ってしまったことをずっと後悔していたのです。
そして、自分自身も仲間から外れないように、大好きな親友のことを「気持ち悪い」と言ってしまいました。
これが彼の心に深い傷を残したのです。
出典:真の安らぎはこの世にはなく
そして、クモは「人間」のことを心から嫌いになり、同時に人間ではない存在になれるということで、イワン博士の実験に参加しました。
イワン博士の実験によって、絶望の中から得られる多幸感に支配されてしまったクモ。
以後、彼はクモオーグとして、嫌悪する「人間」を始末する喜びに飲み込まれてしまうのです・・・。
映画内でのセリフでは、
「私は人間が嫌いです。オーグメントのために人間を殺す。それが私の幸福・・・」
「人ではない喜び・・・あなたも死んで私の幸福の一部になってください!」
と言っていましたが、これも、オーグメントによる副作用によって、精神が支配されてしまった結果ということですね。
もともとは、人間であったイチローの親友であったことを考えると、SHOCKERのオーグ達は、それぞれ洗脳によって悲しい存在になってしまったのだと分かります。
詳しくは↓
4緑川ルリ子の正体が判明!さらに緑川イチローが登場!
シン・仮面ライダー©
クモオーグとの闘いの後、さらにその力と人の命を奪ったことに「つらい」と苦悩する本郷猛。
しかし、緑川ルリ子は、「辛いに、一本線を足せば、幸せになる。あなたは誰かを守ったの。そのあなたの辛さで誰かが幸せになっているのよ」
と励まします。
その一方で、「優しすぎるかも」と、本郷猛の優しさを弱さだと感じるようにもなります。
そんなルリ子は、自分の正体について、本郷猛に語ります。
シン・仮面ライダー©
「私はプラーナの実用化のために、緑川が作ったの。父の遺伝子情報のみで作られた存在」
つまり、緑川ルリ子は、緑川博士の実の娘というよりは、緑川博士のDNAとプラーナを活用して人工子宮で作られた、演算機能を埋め込んだ「生体電算機」だったのです。
・・・綾波レイやん・・・
(と映画館でツッコんだのは私だけじゃないはず・・・(;´▽`A“)
シン・仮面ライダー©
ケイの中の人はまさかの松坂桃李さん!
ちなみにコメントにていただきましたが、ケイのモデルは、ロボット刑事K、
ジェイのモデルはキカイダーかと思われます(感謝)。
そして、さらに、クモオーグを倒されたSHOCKERでは、大ボスである緑川イチローと外世界観測用自立型人工知能のケイが登場します。
「暴力には暴力だ」と語る緑川イチロー。その姿はもはやかつての純粋な少年ではありません。
そして、ケイも「データさえ残していただければ、誰がいなくなっても構いません」とケイらしからぬ発言をします。
「ケイ、君のそういうところが好きだ」と語るイチロー。
そして、その横には、新しい昆虫型オーグメントとして作られた一文字隼人の姿があったのです・・・。
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5情報機関の男と政府の男にあの人が再び登場!SHOCKERとは一体なんなのか?
シンゴジラ、シンウルトラマンに続いて政府の男を演じられたのが、竹野内豊さん。この人が出てくると、世界が共通しているのでは?という考察をしたくなります。
そして、情報機関の男を演じたのも、上記2作品に続いての斎藤工さんでした。
ちなみに2人の名前は立花と滝。旧仮面ライダーのおやっさんと主人公を支えた熱い男、滝です。
「私は用意周到なの」
とクモオーグを倒した後に緑川ルリ子と一緒に訪れたのが、彼女が用意したアジト。
しかし、そこには既に、政府の男と情報機関の男が待ち構えていたのです。
彼等は、情報提供と警護の代わりに、仮面ライダーとして政府のために協力してほしいと持ち掛けます。その名もアンチショッカー同盟!(テレビ版でも92話で出てきました)。
そもそもSHOCKERとは一体なんなのでしょうか?これが政府の男から語られます。
真の安らぎはこの世にはなく©
もともと、SHOCKERの創設者は、日本の大富豪であり、世界最高の人工知能であるアイを作り出しました。
この時の会社がファウストという会社です。
そして、人口知能アイは、クローズドネットワークによって外世界からは隔離されているので、外の情報を知るために、外正解観測用自立型人工知能ケイ(前バージョンはジェイ)を作り出しました。
ファウストの創設者は、アイとケイに人類を幸福に導くという命令を与えて、自殺。
その後、アイは演算の末に、
「最大多数の最大幸福ではなく、最も深い絶望を持つ人間を救うことこそ、人類の幸福になる」という結論を見出します。
※最大多数の最大幸福、という概念は、もともとイギリスで生まれた功利主義というもので、ベンサムという法学者によって知られるようになりました。つまり、人間の本質は幸福の追求であり、多数の幸福になるかどうかが法律を作る時の善悪の判断になりうる、という考えです。
多数の幸福より、最も絶望している人間を幸福を導くことが、人類の幸福になる、という考えは、平均値や中央値を考えると、実に演算コンピュータらしいとも言えます。
これによって、偏った絶望を持つ人間を救済する、という目的で作られたのが、SHOCKERであり、その絶望を幸福に導くのが、オーグメントである、ということです。
そして、悲しい記憶を多幸感で上書きして洗脳するのが、現行SHOCKERのやり方ということですね。
下級構成員たちは、簡易オーグメントによって強化されています。
彼等もまたある意味幸福の中にいるということです。
そして、それは主人公である本郷猛にも当てはまり、
本郷猛の父親は警察官であり、人質を取った犯人によって命を奪われていました。
警察官であるから、拳銃を使えば無力化できるのに、そうしなかった。
そして、当時の自分には助ける力もなかった。
その絶望から、「使える力が欲しい。そして、その力を行使したい」という願いを抱くようになり、その結果、オーグメントによって、本郷猛は力を得たのです。
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6コウモリオーグVS仮面ライダー
シン・仮面ライダー©
政府の男との接触により、次なる敵のコウモリオーグの居場所を知った緑川ルリ子は、単身アジトに乗り込みます。
「ごぶさたね。コウモリおじさん」
とかつての仲間のコウモリオーグにたどりついた緑川ルリ子。
コウモリオーグは、「私の研究を馬鹿にした報いを受けろ!」と恐ろしいバットヴィールスをばらまき、緑川ルリ子を洗脳します。
そこにやってきたのが、仮面ライダー!
「疫病は、増え続ける人口を減らし、選ばれた人間を幸福にするのだ!」と持論の幸福を語るコウモリオーグ。
確かに、ある意味、コウモリオーグも人類の幸福を考えている、ということですね。
しかし、「疫病は人類をあまねく不幸にするだろ!」という仮面ライダーの意見と衝突し、さらに、洗脳されたふりをしていた緑川ルリ子に騙された結果、翼を失ってしまいます。
「プラーナは生物には万能なの」と、プラーナによって体内のヴィールスを解毒した、というルリ子。
このあたりの科学的な説明は皆無に近いので、謎ですが、気にしないことにします。
石ノ森章太郎©
原作でも、緑川ルリ子を洗脳する場面は同じですが、ここでは天才生化学者である本郷猛が、自分でウィルスの血清を作り出し、投与していました。
翼が壊されるのは、テレビ版も映画も原作も同じです。
そして、主人公たちにコウモリ男が騙されるのも、同じでした・・・(;´▽`A“
そして、翼を失ったコウモリオーグはあっけなくやられてしまうのです。
最初に作り出していた無数のルリ子クローンで物量攻撃するなり、バットヴィールスで洗脳した人類をけしかければいいのに・・・というツッコミが出てしまいましたが、その辺は「人間を信用しない」コウモリオーグの弱点だったのかもしれませんね。
シン・仮面ライダー©
「(戦うことへの迷いは)もう大丈夫なの?」と心配するルリ子に、
「もう大丈夫だ。ボクは人を守りたいと思う。自分の心を信じる」
と語る本郷。
先ほどまでは、自分の力に怯えて迷いがあった本郷でしたが、
ここから、ルリ子と本郷は二人で本当のパートナーになったのです。
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7サソリオーグのあっけなさが切なくて泣く。長澤まさみさん登場!
シン・仮面ライダー©
そして、次の相手はサソリオーグかと思いきや、まさかの政府の男が機動隊を用いて、サソリオーグを一掃してしまうのです。
すごく気になっていたサソリオーグ。
その正体は、まさかの・・・長澤まさみさんでした!
シン・仮面ライダーパンフレット©
シンウルトラマンに続いての出演になった長澤まさみさん。
完全にサプライズ出演で、しかも出番が超短かったので、特別友情出演という形でしょうか。
ちなみに仮面のモデルは、快傑ズバットに登場した地獄組組長の地獄竜…?
「大量〇人パーティよ♪レッツ世直し~♪」と明るい声で「こ〇しあいを楽しみましょう♪」と叫びながら、
「エクスタシー・・・!」と甘美な声を上げるサソリオーグ。
最後は機動隊によって撃ちまくられて、「サソリオーグの排除を確認」と言われて終わりました。
映画だけを見ていた人は、「・・・・なんだったんや・・・」と思っても仕方ない場面かと思います。_(┐「ε:)_ズコー
スピンオフ漫画を見ていたら、このあっけなさが悲しすぎて、また泣きそうになりました。。
その辺を少し解説します。
サソリオーグの正体について
サソリオーグもまた、緑川イチローの友人にして、SHOCKERで親身に接してくれたお姉さんでした。もともとは、SHOCKERの戦闘員(俗にいう暗殺者)です。
性格は、映画の「エクスタシー」でも分かるように、マゾッ気があり、戦闘で興奮するタイプです。
しかし、もともとはすごく優しくて、クモがオーグメントでおかしくなった時も、クモを心配したり、助けようと必死になるような人でした。
真の安らぎはこの世にはなく©
イチローと作戦に参加するときも、サソリのやさしさが見えますし、映画のように、訳も分からずに人の命を奪う人間ではなかったということがよく分かります。
映画公開段階では、まだサソリの過去と絶望が描かれていませんが、おそらく今後、サソリの絶望が描かれ、オーグメントによって、その絶望に飲み込まれてしまう過程が描かれるのだと思います。
サソリとのオーグメントによって、好戦的な欲望がより強調されてしまったということでしょうか・・・(´;ω;`)
サソリが正直漫画内で一番好きなキャラなので、映画でのこの終わり方はすごく切なくて少し泣きそうになって見ていました。
ちなみに、テレビ版のサソリ怪人は、男です。
こちらも悲しい過去があり、もともとはオートバイレーサーの早瀬五郎がサソリと合成された改造人間です。
サソリが男から女に変更された理由は、もしかしてさそり座の女・・・?
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8ついに西野七瀬さんのハチオーグが登場!その正体は!
シン・仮面ライダー©
サソリオーグを政府が倒してしまったので、残るオーグはあと2人。
そのオーグの一人は、緑川ルリ子のかつての友人であるというハチオーグ。
緑川ルリ子と同じように、ハチオーグはSHOCKERで生まれ育った幼馴染であり、もともとヒロミという緑川ルリ子にとって大切な友人でした。
しかし、今のハチオーグは、「人々を服従させる」という欲望に支配されており、街の人間を支配して強制連行させたりしていました。
そんな大切な友人だったヒロミことハチオーグも今や敵。
ルリ子と本郷は二人でハチオーグのアジトに乗り込むのです。
(それにしても、こんなに簡単にアジトが分かるなら、政府が戦闘機で爆破すれば終わる気が・・・(´;ω;`))
シン・仮面ライダー©
アジトにいたのが、なぁちゃん演じるアスカ・・・・ごほん、・・・ではなく、ハチオーグとなってしまったヒロミでした。
ハチオーグはサーバーを通して人々を電子的に支配している、ということで、仮面ライダーにはサーバーの破壊を頼みます。
一方、ハチオーグはかつての友人ヒロミとして、ルリ子に組織に戻ってくるように願います。
「ルリルリ♪SHOCKERのすばらしさをあなたも知ってるでしょう?私たちの幸せを形にしてくれる」
「支配こそ私の幸せ。奴隷たちは服従したいという欲望があって、私はそれを叶える。奴隷システムの構築よ」
と淡々とした笑顔で語るハチオーグ。
(※確かに、この世界には、支配したいという人間と、支配されてもいいから安心が欲しいという人間がいますよね。
実際、アイドルとファンという形もハチオーグの語るものに近いかもしれません。
それも一つの幸福の形なのだとしたら、ハチオーグの言っていることも哲学として分かりますが、ハチオーグはそう望んでいるかどうかに関わらずに、強制的に支配しようとしているのが、やっぱり行き過ぎな気もします。)
完全に変わってしまった友人ヒロミを目の当たりにして、さらに、操られた人々を攻撃することに躊躇して、一時撤退する仮面ライダーたち。
(今回の目的はサーバーの位置の把握でもあります)
「戦わず撤退とは・・・優しすぎるわね」とあきれ顔のハチオーグ。
「常在戦場。私は常に用意周到なの」
逃げ出した先で、ルリ子は語ります。
もともと、ルリ子も緑川教授も、SHOCKERにおいてプラーナの活用に積極的でした。
しかし、プラーナは他生命のプラーナを自分のエネルギーにすることもでき、結果的にその技術が確立すると、他の命を吸い続け、プラーナの奪い合いになると考えたのです。
その後、サーバーの位置を把握した二人は再びハチオーグのもとへと行くのです。
「希望の先にあるのは、常に絶望よ」
ルリ子は、把握したサーバーの位置を仮面ライダーに教えて空中から破壊します。
これによって、洗脳システムが破壊され、人々は元の生活に戻るのです。
(この場面で、洗脳が解けた人々が動揺も見せずに、ほら、行こうぜと生活に戻っていくのが少し不思議でした。これは監督なりの昔っぽさを出したコミカルな演出だったのかも?)
「これで君の計画は潰えた」とハチオーグに迫る仮面ライダー。
しかし、「それむしろ逆効果」と怒り、「私はルリ子を泣かせたいの」と冷たく言い放ちます。
そして、おつきの男からプラーナを奪い、「チェンジ」とついにハチオーグが変身します!
この場面は映画で一番かっこよかったです。
「基本スペックはお前と同じ」と仮面ライダーに日本刀まで渡して互角の勝負を挑むハチオーグ。
「では、参る!」
と敵らしからぬ武士道で仮面ライダーと高速の戦いを演じます。
なぁちゃんのアクションは初めて見ましたが、かっこよかったです。
「あなたのおもちゃを壊してあげる!泣きつぶれて涙を見せて!」とルリ子に叫ぶハチオーグ。
しかし、仮面ライダーの強さの前には歯が立たず、「あらら」と敗れます。
「こっちを向け!」とルリ子に覚悟を求める仮面ライダー。
親友を倒してもいいのか?という問いかけでしたが、
「それは避けたい」と仮面ライダー自身が言います。
「うん、ダメ」、とこれまで淡々としていたルリ子も、ここで初めて人間らしさを見せます。
やっぱり大切な親友を失いたくなかったんですね。
しかし、そこを狙っていたのが、政府の男。
サソリオーグから作り出した猛毒性のSVI弾によって、ハチオーグは狙い撃ちにされ、
「残念・・・ルリルリに殺してほしかったのに・・・」と言って息を引き取ります。
この時のハチオーグの心情はどういうものだったのでしょうか?
個人的な考察ですが、
ハチオーグこと、ヒロミはルリ子の反応を見るに、二人はめちゃくちゃ仲がいい親友だったのには間違いありません。
それはある意味、相手を手に入れたいと思うほどの愛(友情)があり、それが、組織に縛られていたヒロミの「自由になりたい。支配されるより、支配したい」という欲望とまじりあって強化され、結果的にルリ子の心も支配したいという願いになったのかなと思っています。
ルリ子の涙が見たい、というセリフも、人前では決して涙を見せなかったルリ子の心を欲していたヒロミだからこその内面を見たい、心を見せてほしいというセリフなのかなと。
でも、やっぱり心のどこかで自分を止めてほしいという願いもあって、だからこそ、最後に「ルリルリに殺してほしかったのに」という言葉になったのかもしれません。
この後、ルリ子は「ちょっと胸借りる・・・」と本郷の胸に頭をうずめて泣くのです。
ある意味、ヒロミの願いが叶い、自分のために泣くというルリ子の親友への愛が見えるシーンでもあり、同時にルリ子もまた一人の人間であり、女の子であるということを強く見せるシーンでした。
その後、ルリ子と本郷の距離は急速に縮まり、
「常に隣にいて。私を守るなら常に隣に。」
「大丈夫だ。安心してくれ」
「安心・・・・初めて言われた・・・」
「生まれて始めて誰かに甘えてみたかっただけ」
と、ルリ子と本郷の心を深めるシーンになります。
(正直なところ、脳内ではシンエヴァの綾波レイとシンジ君が再生されていました(;´▽`A“)
ちょこっと解説。蜂女とヒロミについて考察してみる。
実は今回のハチオーグの設定は、旧作仮面ライダーや原作の色んな要素がまじりあっています。
まずは、ハチオーグの従者として出てきた若い男。
これも蜂女に出てきた眼鏡店の店主であり、蜂女一番の部下だった男のオマージュでしょう。
ちなみに、テレビ版では、失態を演じたこの男は蜂女の手自らで始末されました。
シン・仮面ライダーでは、男のプラーナを吸収するという演出に変わっていたので、ある意味救われたのかも?( ´艸`)
石ノ森章太郎©
そして、ルリ子の親友のヒロミ。
ヒロミも実は原作に登場していて、コウモリ男の回に出てきました。
原作ではルリ子は大学生であり、ヒロミは同じ大学に通う彼女の親友です。
しかし、コウモリ男のウィルスに感染してしまい、操られてルリ子に噛みつこうとしました。
その後、突き落とされて、ヒロミは命を落とします。。
さらに、映画ではサソリ女が開発していた、という毒ガス兵器ですが、実はこれもテレビ版の蜂女が開発していたもので、毒ガス兵器を作るために、人々を洗脳していたという経緯があります。
そのため、シン・仮面ライダーで最後に毒でやられたという演出は、この辺もまとめてオマージュされているのかなと思っています。
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9緑川イチローがチョウオーグに。ハビタット計画とは?
シン・仮面ライダー©
ハチオーグを倒した仮面ライダー。
一方、SHOCKER本部では、緑川イチローがさなぎからチョウオーグへと進化していました。
政府は、チョウオーグを倒すために、実働部隊を派遣しますが、その全員が魂を抜かれてしまっていました。
それも全ては緑川イチローによる「ハビタット計画」の遂行だったのです。
ハビタット計画とは、プラーナを強制的に全て抜き取ることにより、その人間の魂を別の世界へと導く計画です。
生命エネルギーであるプラーナは、おそらく人間の記憶なども含んでおり、そのプラーナをハビタット世界と呼ばれる異世界に送ることで、人間は嘘をつくことのない、本音だけの世界で幸福になれる、というのです。
しかも、ハビタット世界には肉体がないため、寿命というものがなく、さらに暴力も存在しません。その願いはある意味究極の幸福であり、イチローはそのために全人類の掌握を狙っています。
この願いもまた、緑川イチローの過去うや願いを見ているとよくわかります。
そして、ハビタットシステムには、ルリ子のデータが必要であり、同時にルリ子もハビタット計画の阻止のために、イチローに接触する必要があったのです。
アジトに乗り込み、イチローと接触した二人。
「おかえりルリ子」
イチローとルリ子は手を合わせ、お互いに、データの共有を開始したのです。
「お兄さん、お父さんが死んだの」
「・・・自業自得だ」
というイチローのセリフは、かつてのイチローとは全く違うことがよく分かります。
(詳しくは後述します)
また、「これは復讐じゃない。救済だ。魂だけの世界。ユートピアだ」と、自分の理想を語るイチロー。
「外の世界にはいろんな世界がある。お兄さんも私たち以外の世界を見て!」
「他人を信じることで辛い目にあってきた。幸せとは一本の線を抜くだけで簡単に辛いに変わるものだよ。暴力を使う人間・・・だから肉体を消すことにしたんだ」
と互いの主張は平行線です。
正直、どっちが正しいのか分かりません。
ハビタット世界というのは、不老不死で本音だけの魂の世界であり、エヴァのような全てが集合意識として統一されたものでもなく、おそらく個々に生きる世界なのでしょう。
完全に暴力も痛みもない世界。それはある意味究極の幸福かもしれませんね。
ですが、終わりのない不老不死は正直つらすぎるし、肉体あってこそ、という感覚もあるので、個人的にはハビタット世界には行きたくないような・・・。
互いのデータの共有が終わった後、
ルリ子はイチローのデータから完成したパリハライズシステム(洗脳除去)を試そうとしますが、イチローの圧倒的なプラーナの量に敗北します。
さらに、イチローは用意していた第2バッタオーグこと、一文字隼人をけしかけてきたのです!
ちょこっと考察。緑川イチローの過去について少し解説。
シン・仮面ライダーの緑川イチローのハビタット計画を理解するためには、スピンオフの話が絶対不可欠なので、下に少し解説します。
真の安らぎはこの世にはなく©
緑川イチローは、もともと普通のお母さんが大好きな男の子でした。
ある日、イジメの現場を見て、お父さんの緑川博士に相談したところ「言うべきことは言って、それで皆と仲良くするのが理想だ」と言われ、その通りに、イジメを注意します。
しかし、今度はイジメの標的が自分になり、つらい日々を送っていました。
それでも、お母さんだけはイチローの味方だったのです。
そんな時、悲劇が起きます。
通り魔によって母親の命が奪われてしまったのです・・・。
絶望した父親の緑川博士は、二度とこんな悲しいことにならないように、SHOCKERに加入し、生命の限界を超える「プラーナ」の研究に没頭していきます。
一方のイチローもSHOCKERの中でクモやサソリという仲間に恵まれて勉強していくのですが・・・、
SHOCKERの中でも、金儲けを目指す派閥と創設者の理想を目指す派閥に分かれて分裂し、イチローがその犠牲になってしまいます。
真の安らぎはこの世にはなく©
犠牲になったイチローをなんとか助けようと、緑川博士はイチローに大量のプラーナを投入します。これによって、人外の力を得たイチロー。
しかし同時に恐ろしい副作用にも悩まされるようになっていきます。
真の安らぎはこの世にはなく©
その後、イチローは初代仮面ライダー第0号となるのです(現在ヤングジャンプにて連載中のため、この過程が今後描かれていきます)
この時のモデルは、仮面ライダーの没になった初期案のひとつ「十字架面(クロスファイアー)」だと思われますので、第0号というネーミングがぴったりです。
気になった方は、すぐ読めますので是非どうぞ♪
最新号のヤングジャンプにて連載中です。ちなみに現在の表紙は西野七瀬さん♪
ヤングジャンプ
そして、イチローの言うハビタット計画は、これらの過去が大きく影響しています。
真の安らぎはこの世にはなく©
母親を暴力でなくし、イジメの経験もあるイチローは暴力を何より嫌悪していました。
真の安らぎはこの世にはなく©
そして、父親の理想であった、「言いたいことを言って、それで仲良くする」という願いはイチローに託されていたのです。
緑川博士の死をルリ子に聞いた時、「自業自得だ」と言いましたが、
これは、そんな父親に託された願いを自分が一生懸命にかなえようとしているのに、そんな自分と組織を裏切ったという父親への怒りがあったのだろうと、一種の愛情の裏がえしだったのではないか?と見ています。
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10仮面ライダー第2号一文字隼人との決戦!
シン・仮面ライダー©
チョウオーグによってけしかけられた、仮面ライダー第2号との対決。
「変身」の声一つで、風なくして変身できる第2号。
一方、風がないと変身できない仮面ライダー本郷。
第2号は、「すっきりしないからな」と、あえて風を貯める時間を稼ぐ本郷を逃がし、工場地帯で決闘を挑みます。
この時、マスクをした状態で力を抑えられていましたが、これは個人的な考察として、チョウオーグに挑む前にルリ子がマスクに仕込んだ何かを話した時に「というより・・・〇〇〇よ」と声無しで発音した内容が優しさよだったのでは無いか?と思いました。
※追記。コメントにていただきましたが、言われてみると口の形が「ゆいごん」になっている気もします。その後の展開を見てもその方がしっくりくるので、追記とさせていただきます。
本来の説明だと、仮面ライダーのマスクは、映画冒頭の緑川博士の説明によると、自分の命を守るために、狂暴性を増し、戦うために力の制御ができないようになっているはずでした。
それが、この時、「このマスクをしても力を抑えられるのか」と一文字が言っているところを見ると、ルリ子があの時、細工したのではないでしょうか。
本郷の良さが優しさだと認めたルリ子だからこそではないかと。
仮面ライダー第2号との対決では、より強く改造された第2号が優勢でした。
足を折られて身動きできない仮面ライダー。
しかし、そこを緑川ルリ子がパリハライズによって、仮面ライダー第2号の洗脳を解き、救い出したのです!
これもイチローとデータを共有したおかげであり、もしもこのパリハライズシステムが完成するまで政府の男が待っていてくれたら、ハチオーグも救えていたかもしれません。。。(´;ω;`)
「あなたも仮面ライダーになって」
と願い、赤いマフラーを巻いてあげるルリ子。
しかし、そこを背後からカマキリ・カメレオンオーグ(KKオーグ)によってぶすりとやられてしまうのです。。。。
シン・仮面ライダー©
ハイブリッドのカマキリカメレオンオーグを演じるのは、本郷奏多さん!
映画では初の3種合成型オーグですが、テレビシリーズでは後半のゲルショッカー編からは普通に混合型ショッカーがたくさん出てきて、カマキリ&ワシ型もいます。
また、透明化は、普通にゲルショッカーの下級構成員でも使ってきたりしてました。
「裏切りは人殺しよりも悪。先輩クモオーグの仇うちは正義だ!」
と語るKKオーグ。きっと優しかったクモオーグの世話になっていたのでしょう。。
組織内部の人間関係を想うと、彼の行動も理解できる気がします。
仮面ライダー第2号として覚醒した一文字隼人によって、カマキリカメレオンオーグは倒されますが、
緑川ルリ子はここで命を落としてしまいます・・・(´;ω;`)
「私のプラーナが残っているうちに・・・」とマスクに彼女はデータを全て移行します。
「遺言も残しておくわ・・・マフラー似合ってよかった・・・」
まさかの展開・・・。
絶望して泣く本郷・・・。
データに残されたルリ子の映像には、本郷猛への感謝のメッセージに溢れていました。
パリハライズシステムはマスクに残しておいたこと、必ず兄を止めてほしいこと、
そして、「マフラー似合ってよかった」というセリフは直接最後に言いたいことが残されていました。。
「あなたの背中とても心地よかった・・・幸せって何か私にもわかった気がする・・・ありがとう猛さん・・・さようなら」
本郷猛は一人、海岸で泣くのです。(´;ω;`)
ちなみに、この時本郷猛がいた場所は千葉県の木更津にある江川海岸です。管理人撮影。
すごく幻想的な場所なので聖地巡礼にぜひ♪
今回の仮面ライダーのロケ地は後ほどまとめてご紹介します。
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11偽仮面ライダーとの対決!
シン・仮面ライダー©
「ルリ子の意志を継ぎ、望みを叶えたい。ルリ子は消えていません」
と本郷猛は政府の男たちに話し、最後の決戦に挑みます。
そこに向かってきたのが、11体の大量発生型相変異バッタオーグ!
原作でもテレビ版でも登場した偽ライダーたちです。
群生相はより狂暴だ・・・とチョウオーグによって作られたバッタオーグ達に追い込まれる本郷。
しかし、そこに現れたのが、仮面ライダー第2号の一文字隼人でした!
「つるむのは嫌いだが・・・好きになることにした!本郷、今から俺は仮面ライダー第2号だ!」と仮面ライダーの共闘を見せます。
そして、ダブルライダーキックによって決着をつけるのです。
石ノ森章太郎©
ちなみに原作では一文字隼人を含めての12体でした。
その後、一文字隼人はライフルの弾によって正気を取り戻し、仮面ライダー2号となったのです。
やっぱりライダーの共闘は燃えるものがあります。
テレビ版でも、6体のショッカーライダーを相手に戦います。テレビ版はもう少し人間味があって、偽ライダーが仲間に潜入したりして、かなり活躍します。
スペックが同じ偽ライダーに苦戦し、
そのために行ったおやっさんによる特訓によって、本郷と一文字は強くなり、高速で円を描き、飛び上がってきた6体を衝突させて爆散させたのです。
この時の二人のトウっのモーションが映画も同じでした♪
この後、テレビ版と今回のシン・仮面ライダー、原作では大きく違うところがまだあって・・・。そこはエンディングに関わるので、この後に書きます。
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12チョウオーグとの最後の戦い!
シン・仮面ライダー©
「また来たか」
「あなたの父と妹に託された望みと願いのためにあなたを止めます」
「分かった・・・相手をしよう」
そして、ついにチョウオーグは真の姿になるのです!
「変身」
シン・仮面ライダー©
今回の映画でもっとも現代っぽいデザインになったのがチョウオーグこと、仮面ライダー第0号。めちゃくちゃかっこいいです。平成ライダーや現代っぽさも入れると仰られていたので、ここにもその要素が入れられてるのかな?と思いました。
モデルは仮面ライダーBLACKの宿敵であるシャドームーンかなと思います。
また、コメントにもいただきましたが、サナギから蝶に進化という点は、イナズマンをモデルにしている可能性も高いかと思われます。
チョウオーグは、石ノ森章太郎のイナズマンのオマージュでは?イナズマンは、チョウでしたし、サナギマンから変身します。ベルトの形は、V3ですもんね
by 匿名さん(感謝)
「チョウは不死の象徴。神の使いでもある。完全体チョウオーグ。アルティメットオーグ。俺は俺なりのやり方で人類を救う。仮面ライダー第0号だ!」
2人の仮面ライダーが相手にならないほどの強さで、0号は仮面ライダーを圧倒します。
いじめられっ子だった緑川イチロー君が、ここまで強くなったことを考えると感慨深いです。
しかし、サイクロン号によっては以後のプラーナ供給システムを破壊されたチョウオーグは、大量に消費するプラーナによって、段々と弱体化していきます。
「全ての人間をハビタット世界へ・・・」
願いのために戦う第0号。ですが、そこは本郷猛も同じです。
「僕も不当に父の命を奪われた。他人は分からない。分かるように、自分を変えたいんだ!」
そして、最後の力を振り絞った頭突きによって、チョウオーグの仮面を壊し、そこにルリ子の思いがのった自分の仮面ライダーの仮面をかぶせるのです。
「ルリ子さんの願いだ・・・彼女もそこにいる」
そして、プラーナの接続による魂の世界で、イチローはルリ子に接触します。
「ルリ子・・・ここに残っていたのか・・・」
「兄さんもここに残れる。そのためのプログラムも仕込んである」
しかし、イチローはそれを拒否します。
「ここは3人には狭すぎる・・・これ以上誰も失いたくない。俺はもう・・・ごめんだ・・・」
「すまなかったな・・・ルリ子・・・」
「兄さん、待って・・・!」
そう言って、イチローは接続を切るのです。
「このままだとお前も消えるぞ」
と本郷に語り掛けるイチロー。
「自分を捨ててでも、他人の心に尽くすか・・・ルリ子が信じた人間を、俺も信じることにしよう」
そう言って、緑川イチローは満足した表情で消えていくのです。
同時に、
「後を頼む。一文字・・・」
本郷もまた、イチローの後を追うように泡となって消えていきました。。
チョウオーグとの闘いでコンバータをやられ、プラーナの絶対量がなくなってしまった本郷もまた生命力を使い果たし、命を落としたのです。。
「なんだよ・・・また、一人かよ・・・」
「まぁ、いいか。人間生まれる時も死ぬ時も1人だ…」
アジトに一人残された一文字隼人は寂しそうにつぶやくのでした。
ちょこっと解説。本郷猛の死はあらかじめ決まっていた?!
本郷猛こと、仮面ライダーの死は一緒に見ていた友人には結構ショックだったようで、え!主人公死ぬのおかしくない?と鑑賞後に結構言われました。
でも、原作でも実は本郷猛は命を落とします。
石ノ森章太郎©
しかも、ラスボスでもなく、↑に前述した、偽仮面ライダーとの対決です。
映画でも、偽仮面ライダーがマシンガンを使っていましたが、原作ではピストルで本郷猛は撃たれまくって命を落とします。
しかし、その後に本郷猛は復活します。
それが、シン・仮面ライダーのエンディングにも共通しています。
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13シン・仮面ライダーエンディング
シン・仮面ライダー©
エンディングでは、コブラオーグを確認した政府から依頼され、仮面ライダー第2号として、一文字隼人がバイクで走っていく様子が描かれます。
そこでは、回収されて修理された本郷猛のマスクを新しいマスクとしてかぶる一文字隼人の姿がありました。
実は緑川ルリ子のプログラムによって、仮面ライダーのマスクにはルリ子と本郷猛のプラーナが残されており、すなわち、魂として生きているのです。
ルリ子のプラーナは安全な場所に政府によって固定され、
仮面ライダーの新マスクには、本郷猛のプラーナが残されていました。
「なぁ、すっきりした好きな気分だ。感じるか、本郷、この風を」
「あぁ、マスクの中だが、感じる」
「俺たちはいつも2人だ。一緒に戦おう」
そして、二人は新生仮面ライダーとして残ったSHOCKERとの闘いに身を投じていくのです。
END
シン・仮面ライダーのエンディングを解説
テレビ版の仮面ライダーでは、最後にゲルショッカー首領を倒し、本郷猛と一文字隼人は生還します。その後、複数の作品でも登場します。
シン・仮面ライダーは原作にどちらかというと忠実に作られており、このエンディングも、原作と同じ展開になっています。
石ノ森章太郎©
原作では、偽ライダーによって命を取られた本郷猛でしたが、脳だけは無事でした。
石ノ森章太郎©
シン・仮面ライダーでは、プラーナという独自の魂という観念で生還しましたが、原作はもうちょっと生々しく、研究所の中で脳だけ永劫に生きるという結末になっています。
そして、この後は、まだまだ仮面ライダーの物語は続いていって、一文字隼人の仮面ライダーとして戦っていくのです。
個人的には、テレビ版の終わり方の方がすっきりして好きです(笑)。
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14シン・仮面ライダーのその他の考察
初見の人からしたら、ラスボスのチョウオーグ倒したのに、エンディング後にまだオーグがいるの?と思うかもしれませんね。
SHOKCERはこの後どうなるのか?エンディング後を考察
映画ではラスボスの立ち位置にいたチョウオーグこと緑川イチローでしたが、セリフで「組織の壊滅もオレに任せておけ」と言っていたように、実はSHOCKERは、まったく終わっていません。
これはスピンオフをみるのが早いのですが、SHOCKERは内部でも派閥や分裂があり、もともとがファウストという巨大な企業なのです。
どちらかというと、映画での描かれ方は死神博士によって作られた失敗作のオーグ達が描かれた気がしています。
真の安らぎはこの世にはなく©
漫画版でのSHOCKERの立ち位置で示されたのは、「絶対悪」だそうです。
つまり、庵野監督にとって、絶対悪とは、単純な悪意ではなくて、迷いや葛藤のない肥大した純粋な欲望(エゴ)だと分かります。確かに何するにしても罪悪感がなくて、欲望のままなら、他人にとっては絶対悪になりえるのかなと。
単純な世界征服とかではなくて、個人の純粋な欲望の追求。それは確かに他人からは悪(迷惑)だけど、欲の追求が人間の本質なら、それは同時に究極の幸福なのかもしれませんね。
この映画に出てきた怪人オーグはある意味皆幸せの中にいて、むしろ苦悩を抱えていたのは理性を持つ主人公側、というのがある意味私達へのアンチテーゼになってる気がします。
ちなみに、漫画作品の死神博士ことイワンがどうなるかはまだ執筆時点では分かりませんが、彼の目的は組織の掌握なので、実質的なボスにのし上がっていそうです。
あと、スピンオフと言えば、ケイの性格が違っていたのが、ショックでした。
映画がやっぱり本筋なので、そちらを尊重すべきなのでしょうが、スピンオフをずっと追ってきた私としては、スピンオフのキャラへの思い入れが強くて・・・。
映画でのケイは「データのためなら、誰が残ろうと関係ない」と冷たく話しましたが、スピンオフはもう少しあたたかく描かれています。
もしかしたら、この後に何かアイによるアップデートがあったのかもしれませんが。
ちなみにテレビ版では、仮面ライダーの続編はV3という作品になり、そこでまたゲルショッカー首領がデストロンという組織で復活します(笑)。
2個人的に熱い立花藤兵衛のおやっさんが見たかった
ウルトラマンでも隊長を務めていた小林昭二さん演じるおやっさん。
私が旧仮面ライダーで大好きだったキャラクターです。
シン仮面ライダーにも立花と滝という名前で登場されています(私は1回目の最後聞き逃して2回目で気づいたので追記します。ご指摘感謝)。
それが、政府の男と情報機関の男達でした。
最後に立花だ、滝だと語っていましたね。
言われてみると確かに主人公達をサポートしている様子や、最後に親身に話を聞く描写がなるほどなと思いました。
ただ、旧仮面ライダーと違うのは、おやっさんと滝が家族のように描かれていた熱い男達だったのに対して、淡々としたものだったということ。だからこそ、最初見た時は、政府の男として好きになれませんでしたが、おやっさんと滝というバイアスで見てみると、2人がまた違う姿に見えて面白いです。
バッタオーグのエンブレムも、テレビ版の立花レーシングから継承されていました!
サイクロン号と言えば、立花レーシングのエンブレム♪これで旧作通りに特訓してくれる熱いおやっさんがいたら、個人的には完璧だったかも笑
いずれにせよ、シン・仮面ライダーは説明がほとんどなくて、テレビ版とも違っている面も多く、難しい単語も多いので、シン・仮面ライダー分からないから面白くない!と思われた方でも、原作やテレビ版で補完すると面白くなってくると思います。
3シン・サイクロン号の元ベースのバイクは何?
シンサイクロン号のモデルですが、これはCB250Rとレブル250だと思います。
ベース車両が、CB250Rで、ヘッドライト部分がレブル250になっています。
もう一つのサイクロン号は、CB650Rでしょう。
4安田顕さんと仲村トオルさんの役は何?
エンドクレジットで判明したのが、シン・仮面ライダーでの仲村トオルさんと安田顕さんの出演でした。
松坂桃李さんや本田さんは解説しましたが、正直この2人はどこにいたか2回見てもかなり判別が難しいです。
まず、仲村トオルさんですが、チラッと見た感じ、本郷猛の父親役の可能性が高いかと思います。警察官で犯人に刺される役です。あぶない刑事繋がりかと。
そして、安田顕さんの役ですが、こちらは仲村トオルさんを刺した犯人役と思います。小さい上にマスクで判別が難しいですが、クレジットの位置的に。
追記。公式より、確定しました!
市川実日子 さん 「イチローの母」
仲村トオル さん 「本郷猛の父」
安田顕 さん 「犯人」
上杉柊平 さん 「ハチオーグの側近の背広の男」
とのことです。
こういう、シークレット?出演も面白いですよね笑
5シン仮面ライダー聖地巡礼!ロケ地を巡る
シン仮面ライダーは、本当に美しい景色が沢山出てきました。
先にご紹介した江川海岸はもちろんのこと、旧仮面ライダーの撮影地でもあった場所も沢山出てきます。
画像はシン仮面ライダー公式Twitterより。
クモオーグと戦った場所は奥多摩町の小河内ダムです。旧仮面ライダーでも同じ場所で蜘蛛男と戦いました。
ハチオーグに操られた人々と歩くシーンは、高崎市の高崎中央銀座商店街です。
高崎での聖地は多く見られます。
その他のロケ地↓
山口県宇部市 下関市:角島大橋
東京都 奥多摩町:小河内ダム
調布市日の出町
神奈川県 川崎市:多摩川スカイブリッジ
横須賀市 湯河原町・箱根町・小田原市:アネスト岩田ターンパイク箱根
千葉県 木更津市 君津市:千葉石産
鴨川市 館山市
埼玉県 秩父市:浦山ダム、滝沢ダム
群馬県
榛東村(しんとうむら):陸上自衛隊相馬原駐屯地
嬬恋村:浅間山
山梨県
富士河口湖町:河口湖ステラシアター アジトのシーン。
北杜市 笛吹市
茨城県 工場地帯のシーン。
鹿嶋市:鹿島臨海工業地帯
神栖市:鹿島臨海工業地帯、鹿島臨海鉄道
取手市:東取手病院
福島県 須賀川市
静岡県 小山町 富士宮市
兵庫県 ベルトコンベアのシーン。
神戸市:ベルトコンベアトンネル
シン・仮面ライダーyoutube予告より
シン仮面ライダーで特に好きなシーンと場所が、雪の浅間山をバックにした本郷猛と一文字隼人のシーンでした。
また、ラストに一文字隼人が走る長い橋は、山口県下関市の角島大橋となっています。このシーンも良かった!
撮影が終わった後も追い撮が公開ギリギリまであったとのことで、庵野監督のこだわりが窺えます。
聖地巡礼としてロケ地巡りもゆっくりしてみたいです( * ॑꒳ ॑*)
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15シン・仮面ライダーの感想と評価
シン・仮面ライダー©
色々な細かい要素が詰め込まれてるので、何度でも見たくなるシン・仮面ライダー!
マニアにはたまらない作品でした。
1回2回では細かい部分は追いきれないので、あと何回か見ようと思っています。記事でも結構書いていますが、ここでは書ききれないような細かい部分もたくさんあります。
最初一緒に見た友達は、舞台挨拶で「シン・仮面ライダー見終わった後絶対気持ちが上がる」って皆話してたけど、正直、全く意味不明でがっかりだった・・・と絶望していました。(;´▽`A“
それもそうかも。。。と、私は仮面ライダーも原作も全巻何度も見てるくらいなので、大体の展開だったり、コマとコマの間の行間的なストーリーを補完できましたが、初見で仮面ライダーを見た人にはかなり厳しい作品だったのではないかなと思います。
その点、シンゴジラやシンウルトラマンはずっと分かりやすい作品で、子供向けでもありましたが、今回のシン・仮面ライダーは、庵野監督による庵野監督のための庵野作品はこれだっ!という感じで、描写も含めて子供には勧めにくいです。
庵野監督は、「仮面ライダーが好きで見ていた人向けに作りたいし、今の子供が見ても面白いものを作りたい」とおっしゃっていました。
最初の仮面ライダー好きな人向けという点は多いにありだと思いますが、最初の血しぶきのシーンで、PG12なので、今の子供向けという点はちょっと・・・という感想です(;´▽`A“
血しぶきが飛ばない、というのも子供心には結構大切な気がします。仮面ライダーBLACKSUNだったり、他の作品にも残酷な描写もありましたが、やっぱり大人向けな気がします。
大人になったら、血しぶきもリアルがあって、本郷猛の苦悩がよりわかる気がして良かったですが、子供のころにあの冒頭場面を見せられていたらトラウマになりそうです。。。
テレビ版仮面ライダーでは、ショッカーは普通におやっさんのパンチでも倒せるし、怪人も爆散はするけれど、ぐしゃぐしゃにはなりません。
そういうぼたぼた感も今思うとありな演出な気がします。
そのため、正直、映画の評価はかなり別れるだろうなと予想しています。
あと、庵野監督作品の主人公とヒロインは、やっぱりシンジとアスカとレイなんだなぁと再確認しました(笑)。
(それにしても、主人公の本郷猛の方が、電子生体の緑川ルリ子よりも淡々として機械的だったのが、不思議・・・)
演技については、浜辺美波さんと森山未来さんの演技が光っていた気がします。
演出については、西野七瀬さんのタイアップ映画というくらい、西野七瀬さんの回が光っていましたね。なぁちゃん大好きなのでそれはうれしかったし、アクションも素敵だったのでよかったのですが、
個人的には、スピンオフのクモオーグとサソリオーグの扱いをもう少しなんとかしてほしかったです。。。。(´;ω;`)
個人的な好みの話をすると、やっぱり私は藤岡弘さん演じる本郷の仮面ライダーが大好きです。
子供のころに憧れる、「かっこいい大人ってこんな感じなんだな」という要素が詰まっている気がするのです。
孤独に戦う面がありつつも、堂々としたふるまいと、「はっはっは」という藤岡弘さんそのものな笑い方で、怖い怪人の前でも深刻さを感じさせない。
そういう「憧れ」の対象としての仮面ライダーでした。
(てっきり、今回のシン仮面ライダーにもこっそり出演されると思っていたのでちょっと残念)
一方、今回のシン・仮面ライダーは、そんな「憧れ」を抱いた少年が、現実にぶちあたって、絶望して、その中でもがいていく等身大の仮面ライダーだった気がします。(n*´ω`*n)
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シンエヴァンゲリオンやシンウルトラマンについても徹底考察しています!
シン仮面ライダー映画で全く理解できなかったけれど、よく分かりました!
前知識がないと、楽しめないとこにも困ったことに庵野監督らしさがある気がします。
よく言えば、噛みごたえのある苦味のあるスルメのような。