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007/ノー・タイム・トゥ・ダイネタバレ徹底考察!あらすじとエンディングのボンドの最後について感想!
以下、画像は007/ノー・タイム・トゥ・ダイ©より一部引用して考察します。画像はすべてyoutubeの公式pv等より引用したものになります。
また、これまでのダニエル版007の前作までのあらすじや登場人物も含めて考察しますので、未見の方はネタバレにご注意ください!
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これまでのダニエル版007の前作スペクターまでのあらすじと重要人物まとめ
ノータイムトゥダイのあらすじは、これまでのダニエルクレイグ版007シリーズの集大成なので、初見では分かりにくいと思います。
そのため、簡単に超わかりやすく前作スペクターまでの重要なキャラとあらすじを解説します♪
ダニエルクレイグ版007は、シリーズを通して、世界で暗躍する巨大組織との闘いがメインですが、実はその組織はすべて「スペクター」という組織が裏で手を引いていたことが分かります。
カジノロワイアルのあらすじ
最初のカジノロワイアルの敵だったのが、ル・シッフル。
「組織」の会計係で、最初に組織のお金をテロの株式の暴落を利用して増やそうとしたところをボンドに妨害されて大失敗。
その後、そのお金をボンドとのポーカー対決で取り戻そうとしました。
最終的にボンドに敗れ、組織の幹部ミスターホワイトによって命を奪われます。
そして、ヴェスパー。カジノロワイアルで出会ったボンド最愛の人。
ヴェスパーもボンドを愛していましたが、彼女は自分の彼氏を「組織」に人質に取られ、組織の言いなりになってお金を奪いボンドを裏切ります。
それでもボンドは彼女を助けようとしますが、最終的にボンドは彼女を助けられずに命を落とします。
シリーズを通してボンドが愛し続けた女性であり、ボンドは彼女が生きていれば007を辞めていたのです。
ミスターホワイト。
ボンドの宿敵。「組織」の大幹部としてカジノロワイアルで初登場。
一体、「組織」とはなんなのか?がカジノロワイアルで描かれたあらすじです。
この先のストーリーに関わってきます。
慰めの報酬のあらすじ
次作の慰めの報酬の敵はグリーン。
表の顔はNPO法人「グリーン・プラネット」の代表者。しかし裏の顔は、利権のために元ボリビア軍事政権トップであるメドラーノ将軍のクーデターを支援する巨大組織の幹部でした。
ボンドはこのグリーンの天然資源利権への野望を阻止するために戦い壊滅させます。
慰めの報酬では、最終的に彼のバックにいる組織「クァンタム」にたどりつくところまで行きます。
1作目から追ってきた組織とはクァンタムだったということです。
スカイフォールあらすじ
3作目スカイフォールの敵ラウル・シルヴァ。元MI6でMを憎むサイバーテロリスト。
各国のテロ組織に潜入している全てのNATOの工作員の情報が収められたハードディスクを奪い、破滅させようとします。
元MI6エージェントであったシルヴァは、香港勤務時に、任務外で違法に中国の情報を得ようとしたため、当時の上司Mが中国当局へ通報し、イギリス側に見捨てられた過去を持ちます。
以後、Mを仇として敵対組織に加入したのです。
ここでMは未だ世界には国でもなく地図にも載らない危険な勢力が存在する、と語ります。
それはクァンタムのことなのか?それとも?
さらに、ジュディ・デンチ演じるMはここで命を落とします。
ピアース・ブロスナン演じるボンドからの続投でしたが、今作では新ボンドを見守る母親のような要素が強かったように思います。
最終的に、ボンドは生家のあるスカイフォールにてシルヴァと決着をつけたのです。
このボンドの生家というボンド自身の過去に繋がるというのが伏線です。
まだボンドの戦いは終わりません。クァンタムを壊滅させるためにメキシコへ向かいます。
スペクターあらすじ
4作目スペクター。
敵の集会に潜入したボンドでしたが、これまでのシリーズで暗躍してきたクァンタムという組織が、実は「スペクター」という巨大組織の下部組織だったと判明します。
それを操っていたのが、画像のブロフェルド。すべての黒幕です。(他の007シリーズでも黒幕として描かれる存在)
初代ブロフェルド。「ドクターノオ」で初登場しました。
この時は手と猫だけの登場でした。
その後、「ロシアより愛をこめて」「サンダーボール作戦」でも登場しますが、顔は不明のまま、部下をボタン一つで始末する悪でした。
そして姿を現したブロフェルド。顔出しは初。
「007は二度死ぬ」。
この時の猫と傷がスペクターでも再現されています。
二代目ブロフェルド。
「女王陛下の007」にて登場。
傷があった顔を整形したとのこと。
3代目ブロフェルド。
「ダイヤモンドは永遠に」に登場。
またも顔を整形したそうで、恰幅の良いおじさんになっています。
そして四代目がスペクターで登場したフランツ・オーベルハウザーというわけです。
しかし、ここでとんでも情報が!
実は、彼はボンドの義兄弟であり、ボンドの両親が亡くなった後に後見人になってくれた家で兄弟となった存在。父親に寵愛されるボンドを疎ましく思っていたとのこと。
それで父親を雪崩事故で他界させ、自分も命を絶ったと見せつつ裏社会でのし上がったそうです。。。
そしてクァンタム含めて世界の犯罪組織とこれまで登場した悪役たちを操り、世界のテロや政治軋轢を引き起こしていたのです。
スペクターのあらすじは、そんなブロフェルドが、世界各国の情報を一つにまとめたナインズという情報システムを手に入れようと暗躍する話です。
さらに、シリーズを通しての敵だったミスターホワイトですが、ここでボスとの方針の違いによって組織を裏切ったことが明らかになります。
スペクターの中盤で、隠れ家でボンドに「娘」のことを託して息絶えたミスターホワイト。
もともとスペクターという組織は政治介入こそすれ、女子供などには手をあげない組織だったそうです。
そして、ミスターホワイトの娘が、今作のヒロインマドレーヌ。
精神科医のカウンセラーであり、ミスターホワイトの仕事は知っていたけれど、組織には入っていませんでした。
スペクターでは、最終的にたどりついたブロフェルドの基地を壊滅させ、そこから二人で脱出。
最後は宿敵だった敵組織の「スペクター」のボス、ブロフェルドを逮捕して、ボンドとマドレーヌは平和に暮らすことを選び、007を辞めた・・・というところで終わります。
ここから、すぐノータイムトゥダイのあらすじにつながります。
重要なのは、ボスは逮捕したけれど、まだスペクターは壊滅していないということです。
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007/No time to dieストーリー考察(ネタバレ注意)
以下、↑のこれまでの話を踏まえてノータイムトゥダイのあらすじを考察していきます。
ネタバレにご注意ください。
1マドレーヌを襲う謎の男
舞台は、マドレーヌの子ども時代から始まります。
前作スペクターで、マドレーヌはスペクターの幹部であったミスター・ホワイトの一人娘であることが明かされていましたが、その時のマドレーヌの会話の中で、
「ある日、家に父親を捜して暗殺者が乗り込んできたの」
とボンドに説明するシーンがありました(銃の扱いをボンドが列車の中で教えるシーン)。
その時に話していた描写がまさに描かれています。
ミスター・ホワイトによって家族の命を奪われたある一人の男が、マドレーヌとその母親を襲撃するシーンです。
ミスター・ホワイトはスペクターの幹部であり、工作員だった。そのミスターホワイトによって家族の命を奪われたリュートシファー・サフィン。彼は家族の復讐を果たすために、ミスターホワイトとその家族であるマドレーヌと母親の命を奪おうとする。
謎の男サフィンの襲撃により母親の命は奪われましたが、逃げた先で凍った湖に落ちて命を失いそうになったマドレーヌを、なんとこの謎の男が助けることになります。
一体、この男の正体はなんなのか。
謎だらけの展開からあらすじが始まることになります。
【ちょこっと感想】
マドレーヌの少女時代から始まったストーリーですが、ここで、マドレーヌは実は父親であるミスター・ホワイトのことを医者だと思っていたと描かれています。
一方、母親は飲んだくれで、その世話を一生懸命にするマドレーヌ。そんな彼女に、「あんたの父親はひとごろしなんだよ」と冷淡な事実を突きつけていました。
スペクターの幹部の家にしてはセキュリティがお粗末なことに違和感がありますが、マドレーヌは父親のことを尊敬して愛していたにも関わらず、詳しい経緯を知らずに育っており、さらに彼女が精神科医(心理カウンセラー)になったことにもこの伏線があったからな気がしています。
・父親をもともとは医者だと思っていた。
・飲んだくれで精神不安定な母親と暮らしていた。
このことがきっかけで、彼女は医者の道を選んだのかなと。
2ボンドと幸せそうに暮らすマドレーヌ。
ノータイムトゥダイの舞台となったイタリアのマテーラ。
舞台は、スペクターのエンディングの直後から。
二人はアストンマーチンでイタリアのマテーラを駆け巡り、泊まります。
二人の愛は最高潮。
しかし、ボンドの気持ちがいまだにカジノロワイアルで失った最愛のヴェスパーにあることを見抜いていたマドレーヌは、ボンドに過去への決別を持ち掛けます。
「もう彼女を許して・・・先に進むべき時よ」
「僕が彼女を忘れたら・・・」
「私の秘密も話すわ」
どうやら、マドレーヌにはボンドに話していない過去があるようで?
ボンドは過去に愛したヴェスパーを忘れるために、彼女の墓を訪れます。
しかし、そこをスペクターに狙われ、ボンドは墓場ごと爆破に巻き込まれます。
自分とマドレーヌ以外には、ここにいることは分からないはず。それなのに、狙われたということは・・・?
ボンドは愛し始めていたマドレーヌもまた、敵のスパイだったのではないか?と疑念を持つことになるのです。
なんとかスペクターの襲撃から逃げ延びたボンドとマドレーヌでしたが、ボンドの中の疑念が晴れることはなく、マドレーヌを一人汽車にのせ、別れを告げます。
「疑うのなら、いっそのこと私をこ〇して!」と懇願するマドレーヌに
「もう会うことはない。君とはこれきりだ」
と冷たく突き放すボンド。
それを悲しそうに見つめながら、自分のお腹をそっと触るマドレーヌ。
愛し始めていた二人はここで一旦別々の道を行くことになります。
【ちょこっと感想】
これまで何人もの女性と浮名を流してきたはずのボンドですが、ヴェスパーのことをずっと思い続けていたという・・・プラトニックな一面が今シリーズでは強調されていましたね。
ここまで一人の女性を愛したボンドは、「女王陛下の007」以来であり、いつものその場限りの関係のボンドと大きく違うことが分かります。
これまでのシリーズのボンドはスパイのプロフェッショナルに徹するあまり、家族は作らないし、愛する人は持たず、その場限りの関係というのを貫く人物として描かれていました。
ここが、一見して淡々としたダニエルボンドの大きく違うところですね。
ちなみに、マドレーヌと別れた後、ボンドは「もう美人はこりごりだ」と話しているので、そこから5年もの間、女性関係は絶っていたようです。
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3CIAの依頼により、スペクターの集会に乗り込むボンド
ジャマイカで悠々自適の生活を送っていたボンド。
しかし、そこにCIA工作員であり、カジノロワイアルからの付き合いであるフィリックスがたずねてきます。
カジノロワイアルでボンドの勝利を信じて大金を貸したフィリックス。それ以来、ボンドとは国を超えての仲です。
曰く、「キューバにてスペクターの集会が開かれる」とのこと。
しかし、スペクターは前作スペクターにて親玉であった「フランツ・オーベルハウザー ことエルンスト・スタヴロ・ブロフェルド」が捕まっていたはず・・・。
ボンドは「もう一度世界を救おう」というフィリックスの誘いに乗って、スペクターの集会に乗り込む決意をします。
そこで出会ったのが、パロマ。キューバ出身のCIA新人エージェントでどこかおっちょこちょい。でも、最終的に抜群の活躍を見せます。今作品のボンドガールの一人。
スペクターの集会に乗り込んだボンドでしたが、実はボンドが来ることも彼等にはお見通しであり、黒幕の「ブロフェルド」は、MI6の監視下で牢獄にありながら、義眼を使って世界を監視していたのです。
さらに、ブロフェルドは部下を使ってMI6が管理していた研究施設から「ナノボット」を使った兵器とオブリチェフ博士を拉致しており、恐るべき「ヘラクレス計画」を使ってボンドを始末しようと企んでいました。
※ヘラクレス計画とは?
MI6のMが極秘に進めていたプロジェクト。
人間の細胞レベルに小さなナノボットを使って、特定のDNAの人間のみ命を奪うようプログラムされた最新兵器。
これを投与された人間は、天然痘にかかったように皮膚がただれ、ものの数秒で死に至る。
さらに、同じDNAを持っている血縁者にも感染し、一度感染すると二度と体から除染することはできない。一方、特定のDNAのみに反応するため、違うDNAを持っていれば無害。
しかし、同じDNAを持っているということは、民族だろうと、あるいは国家だろうと簡単に崩壊させられるということ・・・。
本来は、M曰く「イギリス最強の兵器」として国防のために用いるつもりだったが、Mの失態で「オブリチェフ」という敵側の人間を研究員に入れていたことからその計画は瓦解する。
しかし、ブロフェルドの企みはオブリチェフ博士の裏切りによって失敗します。
実はオブリチェフ博士はスペクターに捕らえられる以前から、もう一人の黒幕である「サフィン」の支配下にあったのです。
ボンドを始末するためのDNA兵器は、逆にスペクター幹部たちのDNAにプログラムされ、スペクターは一度に全滅。
裏社会を仕切っていた巨大組織スペクターはあっという間に謎の男「サフィン」によって消されてしまったのです。
さらに、ボンドの親友であったCIAエージェントのフィリックスも、味方のはずだったCIAエージェントアッシュによって命を奪われます。
CIAに政府から派遣されたとされていたアッシュ。どこか頼りない青年のように見えたが、実は敵側の手先。笑いすぎる癖があるが、それが逆に怖い。
アッシュもまた「サフィン」の所属する組織の手先だったのです。
この結果、オブリチェフ博士や彼の持つヘラクレス計画のデータは敵サフィンの手に落ちることになりました。
【ちょこっと感想】
ここで登場したのが、新生007であるノーミ。シリーズ初の黒人女性007です。
ボンドが抜けた穴を埋めるために割り当てられたとのこと。今作では、途中で現役復帰したボンドに一度007を返上しました。
次回作は本当にノーミが007になるのかも・・・?
また、これまでのシリーズで一番の敵であり、裏社会の犯罪を牛耳っていたスペクターがあっという間に崩壊したのはびっくりでした。
Mはヘラクレス計画をイギリスの国防のために開発していたと話していましたが、こんな恐ろしい兵器を作ること自体が国際法違反になりそうだし、むしろ007に狙われてもおかしくない案件だったように思います。(;´▽`A“
4ブロフェルドに会いに行くボンド。マドレーヌとの再会。
スペクターを追っていたはずのボンドでしたが、謎の敵「サフィン」によってスペクターは壊滅させられ、さらに重要人物のオブリチェフ博士とそのデータも敵に持っていかれてしまいました。
敵のことを知るには、やはりその敵に聞くしかない。
そのため、ボンドは宿敵だったブロフェルドに尋問しにいくことになるのです。
そこで出会ったのが、5年ぶりのマドレーヌ。
MI6の中でもブロフェルドに会うことができるのは、唯一過去に父親がスペクターの大幹部であり、心理学者(精神科医)であるマドレーヌということ。
二人ともちょっとぎこちない再会に動揺していましたが、どこかうれしそうにも見えました。
しかし、ここでマドレーヌは「私はこんなことしたくないの!ここから出して!」と錯乱します。
一体どういうことなのか分からないボンドでしたが、実はマドレーヌはここに来る前に黒幕のサフィンと会っており、手に例のナノボットを仕込まれていたのです。
久々の兄弟再会。だが、ブロフェルドの心はボンドへの憎しみに溢れており、最後まで二人の仲が回復することはなかった。最後はあっけなく終わる。
そんなこととも知らず、ボンドはマドレーヌに触った手でブロフェルドを触ってしまいます。
ブロフェルドは「敵はマドレーヌだ」「ヴェスパーの墓(の爆破)は私がやった」などと、ボンドをひたすら挑発する言動を繰り返したため、ボンドが怒ってブロフェルドをきつく尋問してしまったのです。
結果的にブロフェルドはサフィンの思惑通りにナノボットによって死亡します・・・。
つまり、ブロフェルドの言っていた「敵はマドレーヌだ」の言葉はある意味正しかったのです。
ボンドは、マドレーヌことをまだ何も知らなかったと悟り、彼女に会いに行きます。
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5マドレーヌに子供が!ボンドの子供ができていた
ブロフェルドの死とスペクターの壊滅。
敵はマドレーヌに接触していた・・・と知ったボンドは、マドレーヌの家を訪ねます。
そこでマドレーヌのそばにいたのが、マチルダという小さな女の子。
年齢はちょうど4歳くらい。
しかも、目はブルー。
「あの子は・・・目がブルーだから・・・」
と驚くボンドに、
「あの子はあなたの子ではないわ」
と冷たく話すマドレーヌ。
そして、疑問を持ちながらも「君を愛していた」と語るボンド。
そこでマドレーヌはついに敵の正体と彼女の過去を語ります。
「敵の名はリュートシファー・サフィン。かつて私を襲った暗殺者」
サフィンは自分の家族をスペクターとブロフェルド、ミスター・ホワイトによって奪われており、襲撃で唯一生き残った存在。
スペクターを壊滅させ、世界に秩序をもたらすために動いているというのです。
敵の正体を知ったボンドたち。そこに再び敵の手が迫り、マチルダとマドレーヌは連れ去られてしまったのです。。
【ちょこっと感想】
スペクターという悪の組織があり、その手先だったミスターホワイトによって家族を奪われ、さらに自分の顔にも大きな傷を残してしまっていたサフィン。
そんな彼はスペクターに対抗するべく自分のテロリスト組織を作り上げ、結果的にスペクターの壊滅に成功。
さらに、新たな世界秩序を作るために恐怖の力を用いようというこれまでの悪とはちょっと違う悪です。
スペクターは利権のために悪を成す、という分かりやすい悪でしたが、サフィンは利権よりも「自分の正義」のために悪を成すという違いがあります。
ちなみに、サフィンを演じるのは、ボヘミアンラプソディーでフレディを演じたラミ・マレックです。
6クライマックス!ボンドが毒の島に乗り込む!
サフィンによって連れ去られてしまったマドレーヌとマチルダを救うため。そして、サフィンの恐るべき計画を止めるために、ボンドは「毒の島」と呼ばれる日本とロシアが揉めている海域に潜入します。
これはつまり、北方領土であり、サフィンの衣服や和室など日本要素が散りばめられていることからも、サフィンは日本系の血が入っているのかもしれません。
そこでボンドが見たのは、触れれば一瞬で溶解する毒の池に大量の毒草。さらにあらゆるDNAサンプルとそれに対応したナノボットだったのです。
もしもこれが世界にばらまかれれば、ヨーロッパだけで数百万人が犠牲になるというレベル。
既にサフィンのもとにはこの兵器を手に入れようとするバイヤーが向かっています。
ボンドはマドレーヌとマチルダを救うと同時に、この基地からサンプルが運び出される前に破壊せねばなりません。
※サフィンの目的とは?
「私の力は死後も残る。人間の価値は死後に何を残したかで決まる。君も僕も大切なものをすべて奪われた。君と僕は同じだ」
とボンドに語るサフィン。
さらに、「言われるままに生きること。忘却の中に生きること。人は心の中で求めている。大半はそれを望む人々だ。そして、一部にそれを与えてやる使命を持つ人間がいる。それが僕だ」
そして「神となる」のだと言うのです。
つまり、サフィンはヘラクレス計画のDNA兵器をもって、自分の言う通りに秩序のある世界で安穏と生きる人々のみを残し、それ以外の逆らう人間や民族を淘汰することで自分は神になろうとしていたのだと考察します。
スペクターという悪の組織に家族を奪われ、母親も自分の足元で息絶えるのを見たサフィン。
きっと彼は法や国といった表の世界は悪を生むほどに不完全であり、自分のような圧倒的な強者によって完全に支配された世界こそが、平和を生むという思想に至ったのでしょう。
確かに、DNA兵器さえあれば、もう悪人だろうと国だろうと、一層することが可能なので、実質「神」になることは可能かもしれません。
ある意味、これも正義の形であり、だからこそオブリチェフ博士やアッシュも参加したのかもですね。
しかし、思想が夜神月っぽいです・・・。
サフィンは「行きたければいけばいいよ」とマチルダを人質から解放するなど、徹底した悪というより、ゆがんだ正義をもつ人間として描かれています。
しかし、ボンドにとってはある意味恐怖で支配された世界など許せるはずもなく、最終的にイギリス海軍のミサイルを基地に打ち込ませることで、基地ごと壊す計画を実行します。
なんとかマドレーヌとマチルダをノーミにまかせて脱出させるボンド。
最後に基地のミサイル防衛システムを解除しようとします。
そして、それを良しとしないサフィンとボンドの最終対決。
触れてはいけない毒草の庭の池で二人は異なる意見をもって、最後の決戦に挑みます。
サフィンは肉体戦には弱く、あっけなく決着がつくかと思われましたが、「いざというときのため」に保有していた最終兵器であるナノボットが砕けてしまったことにより、サフィンとボンドは最悪の兵器に感染してしまいます。
曰く、「これに触れてしまったら、二度と他人に触れることはできない。手を握ることも、キスも、何もできず、もしも触れれば大切な人もその関係者も皆命がないんだ・・・」
つまり、サフィンが隠し持っていた最終兵器は、感染した人間以外の他の人間すべての命を奪ってしまうというものだったのです。
Qに聞くも、「一度感染すればそれを除去する手立てはない」。
つまり、ボンドは生涯、他の人間の誰にも触れることができず、もし触れれば関係者皆死んでしまうという、まさに自分自身が最終兵器になってしまったということ・・・。
それを察したボンドは、イギリス海軍から発射されたミサイルを眺めながら、マドレーヌに電話をかけます。
迫るミサイルに「早く逃げて!」と叫ぶマドレーヌに、
「無理なんだ」
と優しく語るボンド。
そして、その決意を知ったマドレーヌは、
「この子、青い目をしているのよ・・・」
とマチルダがボンドの子供であることをほのめかします。
「知ってたさ(I know)」
と短く答えて微笑むボンド。
そして、そこに無数の爆撃が降り注いだのです・・・。
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7 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ エンディング ノータイムトゥダイの意味とは?
ボンドが世界を救ってからしばらくして。
MI6ではボンドの追悼が行われていました。
そこで、Mがボンドに贈った言葉
「人間はただ存在するだけでなく、生きなければならない。そして、ただ生きるだけでなく、僕はその時間を使い切りたい」
これこそが、まさにボンドの生きざまそのものであり、今作のタイトルであったノータイムトゥダイ(NO TIME TO DIE)の意味である「死ぬ時間すら惜しい(死ぬ暇すらない)」に当てはまるのかなと思います。
途中で、新007であったノーミが悠々自適にキューバで過ごすボンドに、「あなたはただ時間を殺してるだけよ」と皮肉を言っていましたが、
目的をもって、全力で今を生きているのか?ただ飲み食いしているだけではなく、「生きている」と言えるのか?という哲学的な問いが最後にこの映画に込められていた気がします。
そして、マドレーヌとマチルダはボンドの愛したアストンマーチンに乗って、マチルダに父親であるボンドの思い出を語りながら、ボンドの残した平和な世界を笑いながら駆けていくのでした。
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3ノー・タイム・トゥ・ダイ感想と評価。撮影場所や聖地など。
東宝シネマズ日比谷がある日比谷ミッドタウンにて期間限定で展示されているアストンマーチンDB5。そのほか、ディフェンダーやボンドが乗っていたトライアンフのバイクなども展示されています!
↓ノータイムトゥダイで使用されたボンドカー一覧。
アストンマーティン「DB5」↑現在では5000万円-1億円が相場とのこと。
アストンマーティン「V8サルーン」
アストンマーティン「DBSスーパーレッジェーラ」こちらは007モデル。中古車だと3000万以上します。
価格は1億5000万円ほど。アストンマーチンのフラッグシップモデル。
ランドローバー「レンジローバースポーツSVR」
ランドローバー「ディフェンダー」
マセラティ「クアトロポルテ」
トライアンフ「タイガー900ラリープロ」バイク。
トライアンフ「スクランブラー1200」バイク。
最後に感想です。
今作はとにかくアクションがすごかったです。
最初にダニエルが演じた時からしたら、ダニエルクレイグはもう53歳なので貫禄がかなり出ていましたね。
カジノロワイアルでは、007になる前の青二才のボンドが描かれ、その後に愛する女性ヴェスパーの死を経て、本格的に007として成熟していくボンドがシリーズで描かれました。
これまでの007は最初から立派なスパイとしてのボンドが描かれ、特に全シリーズのピアース・ブロスナンは、皮肉屋でスパイとして余裕がありすぎるくらいのボンドでした。
それがダニエルクレイグ版では、どちらかと言えばまだ未熟なところから経験を経て、さらにプラトニックな情愛をもつ本当に「人間らしい」ボンドが描かれた気がしています。
ストーリーとしては、多くの映画で見たことのある設定というのが否めないですが、007としてはボンドが最後に命果てるというのは驚きました。
また、最終的にボンドは愛する女性を見つけ、自分の子供を残してこの世を去るわけですが、
これはサフィンの話していた「人間何を残したかがその価値を決める」というセリフにもつながる気がします。
ボンドは、最後の最後に自分の愛するべき存在を守るために命を捧げ、最後の最後まで時間を使い切って散りました。
私も毎日、「早く時間過ぎて仕事終わらないかな・・・」とか、スマホいじっていていつの間にか時間過ぎていたりということが多いので、すごく思うところがありました(笑)
_(┐「ε:)_ズコー
毎日気楽に生きることを否定したり、子供や何かを残すことが人生の重要なことだとは思いませんが、ただ何も考えずに、いつの間にか人生終わってた・・・ということだけは避けたいし、まさにサフィンの言う「何も考えずに生きたい人間が大半」に当てはまりたくないな、と思ったりもした次第です。
ボンドのように、最後の最後まで時間が惜しいと思いながら人生を全うできたら最高かもしれません。
ボンドは実は生きてるのでは?という考察も可能かもしれませんが、個人的にはあり得ないと思っています。
他の人に触れれば確実に命がないDNA兵器と、最後にミサイルの爆破で明らかにボンドが散っていく様が描かれたため、やはりあそこで終わったと考えるのが自然かなと。
007ノータイムトゥダイロケ地(聖地)
ノルウェーNorway Nitteldal
サフィンがマドレーヌを追いかけた湖があります。
ジャマイカ Jamaica, Port Antonia
ボンドがまったり過ごしていた場所。
スコットランドScotland, Aviemor
ボンドの生家があったところ。
イギリスEngland, London
言わずもがなMI6のあるところ。
イタリアItaly, Matera
ちなみに、ボンドが橋から落ちるシーンはスタントマンがやっています。
スタントマンの方も相応のお年!すごい・・・。
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