整形水ネタバレ考察!整形後の恐怖と整形をしない方がいい理由とは?
以下、画像は整形水©youtubeより一部引用して考察します。
整形水のネタバレを含みますのでご注意ください。
また、整形したいと思っている方にとってはマイナスになる可能性がありますので、ご注意ください。
まずはさっと整形水のあらすじを考察してみたいと思います。
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1整形水のあらすじ考察(ネタバレ注意)
整形水©
主人公はイェジ。韓国に暮らす芸能事務所のメイクさんです。
彼女には一つ強烈なコンプレックスがあり、それが自分の容姿が醜いこと。
それが分かっていながら、毎晩大量のジュースとポテトチップスを辞められない生活を続けています・・・。
整形水©
トップ女優ミリと新人俳優ジフン。ミリは芸能界に入るまでは普通の子だったが、美人ともてはやされるうちに心が荒んでしまった女性。
芸能事務所のトップ女優ミリには毎日容姿を馬鹿にされる日々でした。
そんなある日、新しく加入してきた超イケメンのジフンに「あなたの瞳の色はとてもきれいだ」と褒められ、恋心を抱いてしまうイェジでしたが、急遽エキストラ出演することになったCM撮影で、がつがつと食料を貪る様子が全国にアップされてしまい、
「韓国一のブサイク」
として有名になってしまいます・・・。
当然のことながら、街には出られず、仕事もできずに引きこもる日々。
毎日毎日SNSやニュースアプリで成功している人や容姿のいいひとの悪口を書いて憂さ晴らししています・・・。
整形水©
しかし、匿名でどこからか「整形水」を送られてきたことで、彼女の人生は一変することになるのです。
整形水とは、身体にしばらく浸すだけで一時的に肉体を柔らかくして、自分の造形通りに容姿を作れるというもの。
最初は半信半疑でしたが、ブサイクゆえにいじめられ、外出すらできなくなったイェジは決死の覚悟で整形水を使用します。
整形水©
イェジに整形水を送り付けてきたのが、この謎の女。整形水は選ばれた者しか使用できず、一本2億ウォン(約1900万円)という破格の値段がつけられている。彼女は特別サービスとしてイェジを特別の美人に変身させる。
両親に自分を変えるための資金を出さなければ命を絶つと脅してまで、究極の美を求めたイェジでした。
整形水©
結果的に、街の誰もが振り返る容姿に生まれ変わったイェジ。
今までどんな男性からも馬鹿にされ見向きもされなかったのに、容姿が変わっただけで待遇も変わり、「こんな世界があったの!」と最高の気分に酔いしれます。
さらに、元いた芸能事務所の同僚キムは、彼女がイェジだと気付かずに芸能界入りを示唆することに。
整形水©
イェジも「トップに上り詰めてやるわ!」と、かつて自分を馬鹿にし続けていた女優のミリを見返すことに情熱を注ぎます。
そして実際にイェジは韓国屈指の美人として有名になっていくのですが・・・。
整形水©
次第に、イェジは強迫観念に襲われるようになっていきます。
少しでも体に肉が付くのが嫌。容姿が崩れるのが嫌・・・。
彼女は食生活は前のまま、「崩れたらまた整形で元に戻せばいい」と安易に整形を選ぶようになってしまっていたのです。
そして、イェジは整形水を乱用し、結果的に身体はボロボロになってしまいます。
さらに、ボロボロになってしまった体をもとに戻すために、施術者を訪れ、自分の体を完全に元に戻してくれなかった施術者の命を奪い、その体を使って自分の肉を補うという狂気に囚われてしまうのです。
整形水©
整形後に、自分の美への執着から少しでも容姿が崩れるということを恐れ、さらに強迫観念から幻覚まで見だしたイェジ。
さらに、自分のために大金を用意し、さらに肉体をささげてまで支えてくれていた両親をも罵倒するようになっていく。
「なんで分かってくれないの!私はここで美人にならなければ先がないのよ!」
と困り果てる両親に当たるイェジ。
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そんなある日、イェジはかつて恋していたジフンに再会します。
トップ女優に上り詰めていたイェジは、ジフンに猛アプローチ。
ジフンもまた彼女を受け入れプロポーズに成功。
イェジは人生最高の時を過ごしていました。
「私幸せよ・・・」
整形しなければ決して手に入らなかった名誉と愛する人。
イェジはこの選択でよかったとつくづく思うのですが・・・。
しかし、同時に街では20代の美しい女性が次々に消えるという事件が起こっていて・・・。
同じくかつての先輩女優だったミリも消息を絶っていたのです。
整形水©
いつの間にか姿を消していたミリ。彼女はいったいどこへ・・・。
そして、プロポーズ後にジフンの家に招かれたイェジ。
初めてのジフンの家にドキドキしていたイェジでしたが、そこで見てはならないものを見てしまいます。
それはかつてのジフンのアルバム。
ジフンのアルバムには美人の姉と容姿に劣る妹の姿がありました。
「姉は美人だったが、性格がひどくてね。妹の方が天使だったんだ」
と語るジフン。
さらに、部屋の片隅に隠されていたのはまさかの整形水!
そう、実はイケメン実業家だったジフンもまた、整形水によって容姿を変えていたのです。
さらに、部屋の奥から出てきたのは、これまでニュースで行方不明になっていると伝えられて生きた女性たちの身分証。
そこには女優のミリのものもありました・・・。
つまり、ジフンは20代の美人たちを連れ込み、整形水によって彼女たちを溶かして自分の容姿のために利用していたのです・・・。
整形水©
そして、本性を表すジフン。
「私はいつも馬鹿にされてた。頭も悪く、性格も最悪だった姉ばかりが優遇されて、何をしても許されたの。私をイジメても・・・」
ジフンの正体は、実は女性。アルバムにあった容姿に優れない妹だったのです。
「美人なんて世の中に山ほどいるわ。だから私は男になることを選んだのよ」
と語るジフン。
整形水によって性別や背格好さえも変えて、さらに実業家としてのし上がっていたのです。
整形水©
本性を現したジフン。彼(彼女)は整形水とメイクアップによって誰にでもなりすますことができる。また、彼女は芸能事務所の会長でもあった。
ジフンの真実を知ったイェジ。必死に逃げ出そうとしますが、捕まってしまい、彼女もまたジフンによって整形水につけられてしまいます。
「僕は最高の美を求めてるんだ。ミリは鼻が美しかった。そして君は目が美しい・・・最初に会った時からその目が欲しいと思っていた」
最初にジフンと会った時に褒められていた目の色。
ジフンはその目を手に入れるために、イェジが自分に恋するように仕向けていたのです。
そして・・・。
整形水©
イェジが囚われたのはジフンの脚。
ジフンの脚には女優のミリの鼻とイェジの眼が埋め込まれ、さらにたくさんの女性の顔が体に埋め込まれていたのです・・・・。
イェジはそこで一生を生きていくことになったのでした。
というのが、整形水のあらすじになります。
整形で幸せになれるはずが、最後はまさかのさらに美に執着する人間によって、取り込まれてしまう・・・というオチ。
ホラーですね・・・。
以下、考察と感想を書いていきます。
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2整形はするべきではないのか?整形水に込められたメッセージとは。整形に対する感想と考察。
韓国でも芸能人はほとんど整形と言われ、街でも一般的になっている整形。
日本でも湘南〇外科クリニックなど、整形の広告が電車でも普通にみられています。
そんな世界に一石を投じたいというのが、監督の希望だったようです。
整形水ではひたすらに整形の恐怖が描かれていますが、実際に整形は悪なのでしょうか?
ここで重要なのは、本人の心にあると思っています。
整形水©
映画の主人公だったイェジは、バレエダンサーとして優秀だったけれど、容姿によって差別され、さらに実生活でも男性にもてることもなければ、容姿を馬鹿にされる日々だったようです。
実際にそんな生活で、もしも容姿を変えることで人生を変えられるのなら、誰だって整形を否定することはできないと思います。
しかし、問題だったのは、イェジの心です。
彼女は容姿を美しく変えることができたがゆえに、「美」に執着してしまい、さらにもっともっと美しくなりたいと望んでしまいました。
そして、彼女は心と内面を変えなかったがゆえに、食生活や運動という基本的な努力を放棄して「手っ取り早く」整形で自分を変える道を選んでしまったのです。
結果的に楽な道を選んでしまったがゆえに、彼女はさらに楽な道を求めるようになり、
どんどん整形に依存してしまったように思います。
たとえば、芸能界に入ったり、異性にもてたいという目的があって、そのために整形という手段をとるのは間違っているとは思いません。
しかし、実際にはその気持ちは「他人にどうみられるか」という他人目線に依存しており、そもそもの自分への自己肯定が低い状態です。
だからこそ、一度整形しても、これがダメ、あれがダメと悪いところばかり目についてしまって、最終的に整形依存で顔面崩壊になっていくという結末があります。
逆に、もしも整形が一切できない世の中だったなら、どうしようもないがゆえに、運動や食生活から自分を変え、さらに自分を受け入れて「これでいい」と思える自分に会えたかもしれません。
結局、他人目線で生きている限り、整形でどんなに外見を変えても満たされないのです。たとえ一時的に満足して言い寄ってくる人間がいても、それはその時だけ。
結局、外見で他人を見る人に気に入られても、年をとって衰えれば彼等は自分を捨てます。
また、どんなに美人に整形しても、最終的にはそれは崩れていきます。
そして、もちろん整形後の痛みや後遺症も残りえます。
私自身も含めて、尊敬している周りの人々には芸能界に入れるような美人はいませんし、失礼ながらむしろ世間的には決して美人と言われることのない遠い存在かもしれません。
でも、周囲には結婚したり、独身でも幸せに生きている方がとても多いです。
それは、彼女たちが自分を受け入れ、むしろ内面を磨いているから。
そして、パートナーもまた、外見ではなく内面で評価してくれているからこそ、その関係は一生続くのです。
自分が外見にこだわるということは、パートナーも必然そんな人が寄ってきますし、整形する=美に執着している、ということは、結局、自分自身が一番他人を「そういう目」で見ているということ。
内面ではなく、外見で出てきた人を判断しているということです。
整形水で出てきたトップ女優ミリも、普通の女の子だったのに、皆に美人ともてはやされた結果、自分こそが至上で他はダメであり、容姿がすべてという価値観にとらわれてしまった人間でした。
容姿にこだわる人は、結局美人になれば、今度はそうでない人を見下します。
そんな人に本当に魅力があるでしょうか?
今の世の中、雑誌やテレビ、YOUTUBEを見ても、「美男美女」特集ばかりのルッキズムがはびこっています。
それにあまりにも触れているからこそ、それが自然だと思い、その「標準」に合わない自分はダメだ・・・と自己否定になってしまいます。
私自身がそうなのです。。(´;ω;`)
でも、そんな人間社会から離れて広大な自然を見たとき、大好きなペットを見たとき、彼等は自分を容姿でなんか判断しませんよね。
ただ、「自分」というだけで愛してくれますし、そこにいることができます。
ただ、そこにいるだけで認めてくれる存在。それこそが本当に大切なものだと思うのです。
そして、ルッキズムなどというものは、その時代によって、言えばその時の雑誌や流行を作る一部の人間によって自由に変えられてしまうのです。
今の時代では標準ではない、昔の日本の美人(太っていて目が細い)や民族によって首が長かったり、耳に大きな穴が開いている人が美人だったり、あるいは一時期は今ではほぼ見ないガングロなどもはやったことがありました。
結局、私たちはそういう一部の人々の思考によって美男美女を決められており、それに感化されて洗脳された大衆が騒いでいるだけなのです。
そんな洗脳された人々が、「お前はこの基準からしたらブサイクだ!美人だ!」と騒いでいるのが、今の世界であり、その時代や場所を変えるだけで、基準がコロコロ変わる。
そんな洗脳された人間に本当に愛されたいのか?
そんな洗脳された人々の価値観に本当に従いたいのか?
そんな洗脳された世界に自分を合わせるのが、本当にしたいことなのか?
自分自身もまた洗脳されていて、その洗脳のために犠牲を払ってまで生まれ持ったものを整形しようとしているのではないか・・・?
と考えてみるきっかけになりました。
整形水では、イェジは最後に、実は自分の存在をそのまま受け入れてくれる人々が近くにいたことに気付きます。
容姿がどうであれ、自分の行動と努力を誉めてくれていた両親。
そんな人々を愛することこそが本質だと気付いて、イェジは最後を迎えました。
でも、ルッキズムに洗脳されていたイェジは最後になるまでそのことに気づけず、
見た目が変われば世界は変わる、こんな見た目に産んだ両親は悪!という悲しい心になっていたのです。。
第三者としてみたら、巨大な宗教集団の中で、その基準に合わない人間を罵倒し、自分を罵倒し、その宗教集団に気に入られるために必死になっているような哀れな存在に見えてしまいます。。
整形は決して悪いことだとは私は思いません。
たとえ洗脳されていたとしても、大衆がその洗脳の中にあって、ルッキズムが今の世の中の常であるならば、ある程度それに合わせるのも「生きやすさ」という面で有利になるからです。
芸能界に入りたいとか、そういう夢を持つ場合も必要な手段かもしれません。
ただ、内面としては、洗脳で作られた「美」というものに執着しない、「心」を失わない必要があると思います。
逆に「心」が美に執着せず、自由であったならば、きっとその人はその点において誰にも負けない魅力があるはずです。
たとえ、他人が何を言おうが、気にしない。
他人が「美男美女」で騒いで差別していたなら、「洗脳されててかわいそう」くらいで、相手にすらしない。
そんな洗脳された人々の価値観に自分の容姿を合わせること以外に大切にしたいものがあって、そのために生きていられる。
きっと、そんな人がいたら素敵だと思います。
そもそも外見で人を差別するような人間は、結局、その程度の人間でしかなく、いずれにせよ自分を幸せにはしてくれません。
そんな人間は自分がどうあろうと、離れるべき存在。
同じく、外見で人を差別するような業界は、きっと一時的にうまくいったとしても、心は満たされず、年齢を経るにつれ、苦しくなっていくのではないでしょうか。
【整形水を見て思ったことまとめ】
・整形は悪いことではない。ルッキズムに支配された世界では有利になることも多いから。
・ただ、そのルッキズムは一時的なもので、老いれば結局美は失われることを理解しておく必要がある。それでも、今のために手段としてやる価値があると思えるか?
・また、美に執着して安易に整形に手を出すと、そこからまた気に入らないところを変えたいという欲が生じる。それが恐ろしい整形依存と強迫観念になっていく。
・今の自分を肯定できないなら、整形してもまた気に入らないところが出てくるし、きっと老いた時も苦しい。
・逆に自分を肯定して、内面を磨き、ルッキズムから自由になれたなら、きっとそんな人は誰もが憧れる存在になる。
・そもそもルッキズムで美男美女を求める人は、結局、外見で人を差別する人。付き合う価値はない。
・自分自身もいつの間にか、外見がすべてという価値観に染まっていないか?他人の価値観に支配されていないか?を見つめなおす必要がある。
・まずは自分の内面と欲に囚われていないかを見つめなおしたい。
というのが、整形水を見て感じた感想です。
きっとイェジも、ジフンも最初に整形という手段を取らず、自分の内面と能力をひたすら向上して自分を受け入れて、他人目線の価値観に支配されなければ、この映画のような不幸な結末にならなかった気がします。
今、世界ではルッキズムを見直そうという運動も始まっていますが、それでもまだまだ与えられた価値観を覆すのは大変そうです。
本能として美しくなりたいというのは事実だし、たとえ与えられた価値観でも、そんな世界で生きている以上、美しくなりたいと思うのも自然だと思います。
私自身、そこで苦しんでもいて、だからこそこの映画を見るきっかけになりました。
まずは今の自分を肯定できているか?他人の価値観に支配されていないか?を問い直したいと思います。
とりあえず、条件なしに自分を「全肯定」できたら素敵ですね♪
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View Comments (5)
まあでも好みってのは避けられないよなあ…悲しいけど
ここで話せるトピックがたくさんあることを私は知っています。きちんと話せるといいですね。このトピックは見ることができるニュアンスでいっぱいです、そして私達がこれでもっと話すことができるいくつかの変化があることを願っています。
かれんさんの言葉がとても心に響きました
素晴らしい考え方だと思います
『整形水』を観た後、整形について考えさせられ、現在の整形に関する状況や、人々の整形への意識の調査、整形の是非について調べながら、是非を考えていました。その中でこの記事に辿りつきましたが、主さんの考えが一番自分に合っていました。自分は、本人がメリットデメリットを冷静によく考えた上でやるならそれはそれで良いと思いますが、社会全体が容姿重視となっているのがとても嫌ですね。やはり、内面と能力を磨いていこうと思いました。
また、記事が分かりやすくまとめられていてとても良いと思いました。
私は、少し容姿も問われたりする世界にいますが、とても素敵な記事に出会えて良かったです☆
この記事を書いてくださり、本当に、ありがとうございました❁