目次
シリア内戦の原因と理由、アサド政権問題をすごく分かりやすく解説。ロシア、アメリカ、イスラム国の関係とは。
1 シリア内戦とはそもそも?発端は何か
出典:https://pbs.twimg.com/
画像は、シリア内戦前の美しい街並みと、内戦後の同じ場所の風景です・・・。
発端は2010年以降に起きた「アラブの春」です。
アラブの春とは、イスラム教徒の中でも多数を占めるスンニ派が少数のシーア派を虐げ、経済の利権などを独占し、
また、スンニ派の独裁政権が長年支配していた体制を変えようと、チュニジア、エジプトなどで反政府運動がおこったことを言います。
この影響を受け、シリアでも独裁政権であったアサド政権打倒の動きが出たんですね。
ただし、アサド政権はシーア派であり、上記とは逆に人口の多数を占めるスンニ派が反体制派になっています。
2 アサド政権の何が問題なの?
出典:wiki
現在の国家元首であるバッシャール・アル=アサド大統領は、お父さんの地位を受け継ぐ形でシリア大統領になった人物です(国民投票を経て)。
シリアの政治的な腐敗をなくすために、多くの政治家たちを逮捕、粛清していきました。
さらに言論統制も行っています。
そして「アラブの春」によって反体制派が生まれると、武力による鎮圧を行い、多数の犠牲者を出しています。
これが恐怖政治ととられ、
米紙ワシントンポストの週刊誌「パレード」の「世界最悪の独裁者」ランキングにて第12位に選ばれたり、
アサド政権は対イスラエル闘争を続けるパレスチナのハマスやレバノンのヒズボラを支援しているとの嫌疑をかけられており、欧米から「テロ支援国家」と名指しされています。
アメリカとの関係が悪化したのは、シリアがイラク戦争後に武装勢力をかくまった(とされている)からであり、日本も彼に対して資金凍結措置をとっています。
宗派はシーア派の一派に属しており、そのため石油国イランの支援も受けています。
3 シリア内戦について分かりやすく
出典:http://memo-memo-blog.tumblr.com/
非常に分かりやすい図解があったので、引用すると、
アメリカやフランスなど西欧諸国とアラブ諸国はアサド政権を批判し、
一方、イランやロシア、中国はアサド政権を支援しています。
表面的には、自由シリア軍(反体制派とアメリカ諸国)vsアサド政権(ロシアやイラン、中国)です。
そこに第三者的にイスラム国が割り込む形で便乗して領土を奪っています。
反体制派(アメリカ等含む)の狙いは、シーア派による政権打倒(シリア国民の80%がスンニ派)、民主化を行うこと。武装勢力のあぶり出しです。
国と上層が握っているイランの石油利権を取り戻したいという意図もあります。
一方、アサド政権は、反体制派の一掃ととイスラム国の殲滅です。
4 ロシアや中国の狙いは何?
こちらは中東利権と地域の管轄を西欧にとられたくないという思惑(ロシアは古来よりこの地域を狙っていますよね)と、
イランと仲の良いシリアを西欧にとられ、石油価格が安定化すると、
自国の石油産業へダメージがある、と考えていると言われています。
(ロシアや中国は石油価格が高騰してくれた方がうれしい)
何より、親ロシアのアサド政権を失いたくない思いが強いでしょう。
5 現在どうなっているのか、これからどうなるのか。
出典:polgeonow.com
図の赤い部分が反体制派勢力です。
これは2013年の情勢ですが、ここにイスラム国が割り込む形で右上部をとっています。
この図よりも現在はイスラム国の領土は減少していると報道されています。
ただし、首都ダマスカスでは、毒ガス兵器の使用もされ、多数の犠牲者が出ました・・・。
これは反政府、政府軍双方がお互いに責任を押し付けています。
今後、アメリカとロシアが親密になると、
アメリカは手を引き、ロシアは反政府勢力を一掃しようとするでしょう。
さらに戦闘は過激化し、アサド政権側が優位になることと思います。
またシリア難民として、ヨーロッパに渡った方々の迫害も起こっているそうです。
トランプさんが大統領になったことでこの動きが加速しなければ・・・と思う次第です。
お読みいただきありがとうございました。
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