実際に作るとなると、莫大な費用がかかるメキシコ国境の壁。
既に1000キロにわたってこのような壁は作られています。
目次
1メキシコに壁を建設するとしたら、その長さや費用はどのくらいなのか?
こちらの地図の緑の線の部分がメキシコとの国境になります。
その長さは約3100キロメートルで、
鹿児島から北海道までの直線距離よりも長いのです。
この距離に壁を作る、というイメージだとどれだけ大きく長い壁なのかが分かります。
まさに万里の長城のようです。
その費用はどのくらいかかるの?
既にこのうち約1000キロメートルはフェンスや壁が設置済みで、
岩や川など、
自然な障害物を除くと残りは約1600キロメートルになります。
その建設費用は少なく見積もっても、
約1兆8000億円と言われています。(多くて2兆8300億円)
約2兆円弱・・・Σ(´∀`;)
さらに維持費が年間7億ドル(約800億円)と巨額な費用になります。
2実際に壁を超えてくる不法移民はいるの?理由はなぜ?
不法入国後にアメリカから強制送還され、家族と離れ離れになった人々。
壁越しに会話をしています。。。(´;ω;`)
ティフアナ市内の別の場所では、二重、三重に柵や壁が国境沿いに張り巡らされていた。
1980年代までは簡素な金網だったが、90年代から不法移民対策として米政府が建設を進め、2001年の米同時多発テロ以降にさらに強化された。
今では両国の国境、約3200キロの3分の1ほどに金属製の柵や壁がある。
それでも、米国を目指す人の流れは止まらない。
出典:朝日新聞より引用
トランプ大統領の言うとおり、確かにメキシコからアメリカ国境を超えてくる人は後をたちません。
なぜか。
それは、アメリカとメキシコの賃金格差が大きいからです。
1賃金格差の大きさはどのくらいあるの?
出典:JETRO
こちらはメキシコの製造業に従事する方の一か月の賃金を比較したグラフです。
メキシコは約400ドル/月というのが分かります。
つまり、日本円で約4万円/月ほど。
アメリカは日本と同じか、それ以上になりますので、
月給を考えると、同じ労働をしても4~5倍近く違うことになります。。。
それなら、「裕福なアメリカに行った方がいい!」と考える人が多いのです。
(中国や韓国から毎年、日本へのたくさんの不法入国がありますが、これも同じです)
2生地主義の恩恵を求めて
日本では、日本国籍をもったお父さんかお母さんの子供が日本国籍を得られます(血統主義)。
しかし、アメリカでは「アメリカ国内で」子供を生めば、その子はアメリカ国籍を持てるのです(生地主義)。
そのため、なんとかアメリカに入り、子供を生み、
あとはその子の両親として、
「定住権」を得られれば、いずれ永住者として堂々とアメリカで生活できるのです。
中にはアメリカに向かう飛行機の中で子供を生もうとする強者も・・・。(;´▽`A“
ですが、それだけ貧困が切実なんですね。
3どうして規制するの?
でも、それを認めてしまうと、もともとアメリカで働いていた人の仕事が奪われたり、
実際にアメリカに来たものの、
言語が違うために、仕事につけず(メキシコはスペイン語圏)、
結果、密輸などの
裏の仕事に従事して
犯罪を引き起こす
・・・という場合が多くあったようです。
3メキシコに壁を建設すれば改善するのか?実際は?
実際に壁を作って効果があるのか、ですが、
実は「不法移民」の40%は合法的に入国した人間で、
いわゆるオーバーステイで、滞在し続けている人々です。
残りの60%はこっそりと密入国した人々ですが、
メキシコの国境から来る人以外に、
飛行機や船などで南米やアフリカ・ヨーロッパからやってくる方々も多く占めています。
そのため、メキシコ国境に壁を作ってもその効果や影響は限定的で、
そんなに巨額の費用を使う価値があるの・・・?と専門家には疑問視されています。
(ただ、アメリカからメキシコに逃げようとする犯罪者もいますので、彼らの検挙には役立つかもしれません。。。)