目次
シンウルトラマンネタバレ徹底考察!全怪獣とゼットンや小ネタ解説&あらすじの個人的な感想まとめ!
以下、画像はシンウルトラマン©より一部引用して考察します。
引用する画像は全て公式pv(youtube)及び劇場パンフレットによるものです。
考察や感想は、あくまで個人的なもので公式ではないことをご了承ください。
気楽に見ていただければうれしいです。
また、あらすじを追いながら、旧ウルトラマンの作品と比較したりしますので、シンウルトラマンのネタバレを大いに含みます!未鑑賞の方はネタバレにご注意ください。
また、不十分な点もあるかと思いますが、これから何度か見ていく中で追記していきます。
スポンサーリンク
シンウルトラマンと旧ウルトラマンの登場人物の比較
早速、登場人物の比較からしていきたいと思います。
シンウルトラマンはウルトラマンとは別の作品であり、完全なリメイクではありません。
そのため、登場人物のいきさつも名前も全然違います。
ただ、作中でのふるまいや怪獣による巨大化など、旧ウルトラマンと比較して同じ部分も多々ありました。
詳しくはあらすじを追いながら考察していきますが、その前に登場人物をさっと見てみましょう♪
まず、旧ウルトラマンでは科学特捜隊・SSSP(Science Special Search Party)があり、その中のハヤタ隊員がウルトラマンでした。
科学特捜隊は国際科学警察機構の下部組織であり、パリ本部をはじめとして世界中に支部を持つ巨大国際組織でした。
名前がカタカナ表記なのも、国際的な面と、子供にも分かりやすく覚えやすいようにという配慮があったように思えます。
当時、ひょうきんなイデ隊員も大好きで、ムラマツ隊長もめちゃめちゃかっこよかったです・・・。
シンウルトラマン©
一方、今回のシンウルトラマンでは、禍威獣特設対策室(禍特対(カトクタイ)略称は同じくSSSP)となっており、これは政府公募によって決まったとされています。
さらに、国際組織ではなく、あくまで日本の防衛省の下部組織である、防災庁の班という扱いです。
だから、日本政府が権力構造として上にあり、より官邸や防衛大臣の言うことに振り回されるという点がありますね。
また、禍特対のメンバーもそれぞれの省庁からの生え抜きが出向している、という点も日本の省庁の意地や面目、力関係を見ているようで面白いです。
それぞれ見ていきましょう。
神永新二(かみながしんじ)斎藤工
シンウルトラマンの主人公。
警察庁公安部より出向の作戦立案担当官。
単独行動が好き。
警察庁公安部は、警察庁でも超エリートが所属するところです。
そのため、おそらく、神永新二はキャリア試験を突破した官僚だろうと思われます。
名前がシンジなのは、エヴァを意識してでしょうか・・・?
ちなみに、旧ウルトラマンのハヤタ隊員も、科学特捜隊養成所を首席で卒業したエリート。
生真面目な性格で、その点はシンウルトラマンにも引き継がれています。
浅見弘子(長澤まさみ)
原作のフジ隊員の位置を占める女性隊員。
公安調査庁より出向の元二ノ四分析官 上席調査官。
プライドが高く、お尻を叩く癖がある(謎)。
同じくキャリアの可能性大。
作中ではロシア語もペラペラでしたね。
「ウルトラマン(最重要機密案件を意味するウルトラ)」と命名したのも、浅見になっていました。
旧ウルトラマンのフジ隊員は、主に通信オペレーション担当の紅一点でした。
入隊以来一度も休暇を取っていないという逸話もあり、仕事に熱心な性格が受け継がれています。
「かわいそうね…私たちと姿形が違って、少しばかり力がありすぎるから追放されて」
と、怪獣に対しても優しい気持ちを持つ女性でした。
ちなみにお尻をたたく癖はありません(笑)。
班長 田村君男(西島秀俊)
ムラマツ隊長の位置を占めるのが、田村班長になります。
防衛省防衛政策局より出向。
間違いなくキャリア。
旧ウルトラマンのムラマツ隊長。見た目はずっと年上に見えますが、実は36歳。
なので、田村班長よりむしろ年下の設定になるのかもしれません。
科特隊の前身となった対宇宙防衛研究所の宇宙実験班に所属し、東宝映画『ゴジラ』に登場した山根恭平博士の助手を務めていたという経緯もあるようで、ゴジラとウルトラマンの世界観の共通性を匂わせたりもしています。
シンウルトラマンの田村班長は、いかにもキャリア官僚という描かれ方でしたが、ムラマツ隊長はどちらかというと、体育会系で、抜けたところのある隊員をビシッと指導しつつ、やさしさや余裕をあわせもつ本当のリーダーという感じでした。
小柄だけど、一番大人で頼りがいがある。
子供のころの私はムラマツ隊長を本気でかっこいい!と思ったものでしたが、大人になった今あらためて見ても、やっぱりものすごくかっこいいです!
船縁由美(早見あかり)
汎用生物学者。文部科学省より出向。
ストレスに弱く、やけ食いをする癖がある。
まったく似てもいないですが、立ち位置的にはアラシ隊員かと思います。
射撃の名手にして、熱血。しかし、ナイーブな一面もある存在で、そこが共通している気が・・・?
ちなみに、俳優の毒蝮三太夫さんはウルトラセブンにもフルハシ隊員役として登場されています。
滝明久(有岡大貴)
非粒子物理学者。城北大学理学研究科非粒子物理学専攻。
非粒子物理学とはなんぞや?と思ってしまいますが、これは粒子物理学の粒子で説明できるもの以外の分野を指すようです。うん、よく分かりませんが、(;´▽`A“とにかく天才だそうです。。
旧ウルトラマンとの比較をあえてするならば、イデ隊員でしょう。
イデ隊員は、科特隊が使う武器や兵器を開発し、隊一番の科学能力を持っていました。
すごくひょうきんな一方で、怪獣との闘いで深く考えさせられる名言もたくさん残しています。
と、簡単に登場人物の紹介をしました。
以下、シンウルトラマンのあらすじを追いつつ、細かく旧ウルトラマンとの比較をしながら考察していきたいと思います!
ネタバレ注意でお願いします。
スポンサーリンク
シンウルトラマンあらすじ考察(ネタバレ注意)
まず最初のオープニングからなんですが、これは知っている人が見るとお!となるかと思います。
シンゴジラから、シンウルトラマンにタイトルが変わる演出。
これはまさに旧ウルトラマンで、ウルトラQ(ウルトラマンの前身の作品)からウルトラマンにタイトルが変わる演出をそのまま採用していましたね。
ウルトラQはウルトラマンの前に放送されていた特撮シリーズ。
ここからウルトラマンの世界につながるという演出で、
どーん、とウルトラマンのタイトルに変わりました。
これがそのままシンウルトラマンに受け継がれています。
つまり、シンゴジラからシンウルトラマンに変わったということは、世界観が共通している・・・?
そして、その後に登場した6体の禍威獣たち。
これらも全てウルトラQに登場した怪獣たちです。
1オープニングに登場した6体の全怪獣(禍威獣)
シンウルトラマン©パンフレットより
一番最初に現れた怪獣ゴメス。まだ巨大不明生物になっています。
見た目がそのままゴジラに近いですね。
シンゴジラのゴジラが、あのエンディングからさらに進化して「ゴメス」になったと考えると面白いですが、あくまで別作品なので個人的な妄想にとどめておきます(笑)。
自衛隊が総力戦でゴメスを撃破します。
ちなみに命名は防衛大臣の趣味で決まるそうです(笑)。
ちなみにこちらが、ウルトラQのゴメス。
今見ると、むしろかわいいです。(#^^#)
地中温度の上昇により目覚めた古代生物でした。
ゴメスは怪鳥リトラと戦って敗れているので、この辺が少し違います。
シンウルトラマン©パンフレットより
二番目に現れたのが、マンモスフラワー。
こちらは見た目も、ウルトラQとほぼ同じ。
有史以来の吸血植物であり、ジュラ紀に生息していた花。
炭酸ガスと火炎放射の攻撃により撃破されます。
倒し方もウルトラQと同じで、炭酸ガスで花を枯らせられ、根っこを火炎放射で焼かれています。
シンウルトラマン©パンフレットより
巨大不明生物第3号 ぺギラ。
冷凍ガスを吐き、東京を氷河期にしてしまった怪獣です。
女性生物学者の弱点発見により、駆除されたとのこと。
これはおそらく船縁由美のことであり、この功績で禍特対に配属になったのでしょう。
ウルトラQのぺギラ。核実験の放射能の影響でペンギンが突然変異した存在。
中心部がマイナス130度に達する冷凍光線を吐きます。
ウルトラQでは倒すことはできず、ペギミンHという南極の架空の苔の成分から抽出した物質を浴びて逃げていきました。
シンウルトラマンでも、船縁由美がこの物質を利用したとするなら、生物学者が駆除した、ということに一致しますね。
シンウルトラマン©パンフレットより
敵性大型生物4号 飛翔禍威獣「ラルゲユウス」。
ここから敵性という言葉がつき、さらに禍威獣という命名がされました。
取り逃がして、現在も消息不明とのこと・・・。
禍威獣にステルス機能があるのでは?という伏線が残されました。
これは結果的にメフィラス星人の仕業だったと考えてよさそうです。
こちらがウルトラQのラルゲユウス。
第三氷河期以前に生息した鳥の祖先であり、孤児の三郎少年に飼われていました。
少年の心をいやす存在として描かれましたが、警察署に収容されて巨大化しました。
最終的に、この作品でも三郎少年にお別れをして飛び去り、所在不明になっています。
シンウルトラマン©パンフレットより
敵性大型生物第5号 溶解禍威獣「カイゲル」。
この時点で、政府は防災庁を設立し、禍威獣特設対策室(禍特対(カトクタイ)を発足させています。
禍特対の初出動であり、自衛隊と協力して駆除に成功。
ここから5人の活躍が始まるわけですね。
ウルトラQだと、カイゲルという名前ではなくて、ゴーガでした(さらに元のサンプルストーリーをたどるとカイゲルになります)。
溶解液で人間を溶かしてしまう恐ろしいカタツムリ。
6000年前にアランカ帝国を滅ぼしたとされる伝説の怪獣です。
東京に密輸入されたゴーガの像に封印されていたもので、放射線を浴びて巨大化。最終的に自衛隊火器部隊の一斉攻撃で倒されました。
シンウルトラマン©パンフレットより
敵性大型生物第6号 放射性物質捕食禍威獣「パゴス」。
顔がエヴァンゲリオンの使徒っぽくなっています。(;´▽`A“
禍特対の指揮により駆除成功となっています。放射性物質を体内に宿すため非常に苦労したと作中で触れられていました。
ウルトラQのパゴスはかなり顔が違います。。
こちらも同じく放射性怪獣。
原子動物であり、ウランを食べる地底怪獣でした。
なんといっても、その攻撃がすさまじく、分子構造破壊光線を口から吐きます。
名前からしてすごい光線だと分かりますね。。
最後はネオニュートロン液を搭載したミサイルを撃ち込まれ、全身の体細胞が風化して倒されました。
おそらく、シンウルトラマンも同じく風化していたため、この倒し方だったのでしょう。
そして、現在。ついにウルトラマンが登場します!
スポンサーリンク
2ネロンガVSウルトラマン登場!
シンウルトラマン©youtube
禍威獣第7号「ネロンガ」が登場します。
ネロンガは透明化することができ、電気を食べます。
透明になっても粉塵をあげて姿を追えることから、滝に「透明の意味ねーじゃん」と馬鹿にされてしまいますが、田村隊長曰く、「電気を食べて力を得てから実体化して周囲を威嚇するのは理に適っている」とのこと。
確かに、じっとしていれば透明化は有効だし、というか、そもそも光学的にすごいことなので、もし現実に現れたら世界各国がその体細胞を採取したいに違いありません・・・(;´▽`A“
物理学者なら、のどから手が出るほど欲しい技術?のはず・・・。
ちなみにネロンガは旧ウルトラマン第3話にも登場した怪獣であり、見た目も能力もあんまり変わってないです。
今見ると、スーツですがネロンガはむしろ生々しく感じます。
このネロンガを倒すために集まった禍特対。
「毎度おじゃましまーす」と指揮権を自衛隊から譲り受けてテントにて対策本部を立てています。
基本的に現場より本部にいて、必要時に出動していた科特隊とは大きな違いですね。
そして、放射性物質の有無、威力偵察を兼ねての攻撃、電気関係なので経産省への連絡など、現実的な指揮をとっていきます。
旧ウルトラマンのネロンガは電気攻撃は人間一人にショックを与えるくらいだったのですが、このネロンガは日本中の電気を吸収して、本州全域に放電する被害をもたらすとのこと。
そのため、禍特対の室長である宗像によると、「政府は核兵器使用条約に既に批准しており、
核を使うことを正当化するつもり」とのこと。
それを防ぐために、禍特対はなんとかその前に倒そうと尽力します。
ここで、主人公の神永が集落に逃げ遅れた子供を発見し、保護に向かいます。
しかし、大気圏外より1万2千キロの速度で飛来した巨大物体(ウルトラマン)の爆風に巻き込まれ、神永は命を落とすことになるのです・・・。
シンウルトラマン©youtube
そして、神永の命を救うために身体に宿ったウルトラマンがついに登場します。
「シルエットはむしろ人間のそれです!」
「なんなんだこれは・・・銀色の巨人・・・」
シンウルトラマン©パンフレットより
「高エネルギー反応!」
「イオン濃度が高い・・・大気がプラズマ化されてる・・・!いったい何ジュールの熱量なんだ・・・」
というシーンはエヴァを彷彿とさせます。
ウルトラマンの圧倒的強さを印象付けたシーンでした。
ネロンガの50万キロワットの電気攻撃もウルトラマンには通用せず、平然と投げ飛ばし、その後にスペシウム光線によってネロンガを爆散させます。このシーンは圧巻。個人的にシンウルトラマンで一番好きなシーンでした。
その後、禍特対はウルトラマンをレーダーで追尾しようとしますが、中空で消えて追うことはできませんでした。このなんとか追尾しようという姿勢も、現代っぽさを感じます。
【ここでシンウルトラマンちょこっと感想】
シンウルトラマン©パンフレットより
シンウルトラマンのスペシウム光線を発する前のポーズシーンは鳥肌が立ちました!
手首に光る部分を交差させて、こうやって出すのか!という詳細が美しく描写され、さらに、ネロンガの攻撃にもびくともしない姿。
よく見ると、ウルトラマンの足元がアースになって電流が流れており、新しい細かい描写も面白いです。
実は、旧ウルトラマンでもネロンガの電気攻撃はウルトラマンにはまったく通用しないのですが・・・(;´▽`A“
衝撃だったのは、カラータイマーがなく、さらに色も銀→赤→緑に変化すること。
ウルトラマンと言えば、3分のカラータイマーのピコンピコンの音が印象深いので、不思議な感覚になりました。確かに、カラータイマーがあると脱着スーツに見えてしまうし、今作のウルトラマンは地球を助けに来たわけではないので、そもそも戦う装備をしていなかったとも考えられます。
禍特対が自衛隊テントに入っていく際の引継ぎだったり、官邸や大臣の駆け引きだったり、現実的な対応というのは、やっぱりシンゴジラから引き継がれており、大人の視点で見ると面白いです。
ただ、そんな作戦のブレーンを担う禍特対の一員である神永が、子供が集落に取り残されているからといって、「自分が行きます」「よし、行ってこい」になるのか?という点はちょっと疑問に思いました(笑)。
作戦指揮を担う立場である神永であるから、より現実的に考えるなら、ここは自衛隊員が行くべきだし、しかも、走っていくのではなく、車を使うのではないか?と。
もっとも、ウルトラマンの導入ゆえに仕方ないとは思います(;´▽`A“
スポンサーリンク
3浅見弘子登場。ウルトラマンの人間社会への導入が描かれる
シンウルトラマン©youtube
ウルトラマンが現れてから後日のこと。
公安調査庁から新しく浅見が出向してきます。
アナリストの彼女は、ウルトラマンを見たであろう神永のバディーとして選ばれ、彼に詰め寄りますが、神永は変な回答を返します。
「神永だ。バディーは相棒と理解していいのか」
え?と驚く浅見。
さらに、自分だけコーヒーを用意して飲む神永に、
「そういう気が利かないところ女性にもてないわよ」と浅見が言うと、
「我々は個体で生命が完結している。自分のことは自分でやればいい」と返します。
「人は誰かの生命で生きている。社会性の動物なのよ!」と浅見が言い返すと、
「そうか、それが群れか」と悟ったようにつぶやくのです。
神永(ウルトラマン)のとんちんかんな会話に「アホなの、この男は」と返す浅見(人間)。
個体で圧倒的強者として生きる外星人と、群れで生きる弱い人間との文化や価値観の違いを表しているシーンで面白かったです。
さらに、神永は人間社会を学ぶために、一人で単独行動をして書物を読み漁っていきます。
※ちなみに神永が読んでいた書物はレヴィストロースの「野生の思考」です。人間の定義というか、人間について学んでいたウルトラマンらしい選択のように思えます。
野生の思考(アマゾンで買えます。人類の見方を変えるとも言える名著なのでぜひ)
4ガボラVSウルトラマン
シンウルトラマン©youtube
一時の平和もつかの間。次に現れたのは、地底禍威獣「ガボラ」。
パゴスと同様の形状をしており、体内に放射性物質を持っています。
核廃棄物処理場を目指して頭部のドリルを使って地中を進撃します。
ウルトラマンのガボラ。
こちらも同じくウラン235を食べる放射性怪獣でした。リュームレーザーという放射線光線を吐きます。
実はパゴスが再登場する予定が新怪獣となったのが、ガボラであり、パゴスの着ぐるみを再利用しています。そういう意味でも、旧ウルトラマンでもパゴスの親戚です(笑)。
核廃棄物処理場に到達される前に撃破するべく、禍特対は米軍から地中貫通型爆弾を買い取り、横田から爆撃機のB-2スピリットを導入して攻撃します。
(米軍から即爆弾を買い取れるというのは、禍特対がいかに特権を持っているのかを示しているように見えます。もっとも、「請求はウチではなく、防衛省に回すように」と宗像室長が言っているので、予算的には厳しいようです(笑))
シンウルトラマン©パンフレットより
ガボラの突進とドリルを素手で平然と受け止めるウルトラマン。
米軍兵器の効力もなく、なすすべなし、というところで神永がウルトラマンに変身します。
地上から突如現れたウルトラマンに驚く一同。
ガボラの突進攻撃を手で抑え、さらに放射線攻撃をも全て受け止めます。
曰く「放射線を身体で除去している(そのエネルギー消耗で身体の色が緑に変化)」。
ウルトラマンはガボラの攻撃にも一切ひるむことはなく、パンチ一撃でガボラを気絶させ、放射線をまき散らせないように、宇宙へと持ち去っていくのでした。
シンウルトラマン©パンフレットより
大量のエネルギーを消費し、緑色になったウルトラマンは、禍特対のメンバーとアイコンタクトをして去っていった。
「ガボラの特性も全て知っていたのよ!」と彼等はウルトラマンが自分達の味方であると察知します。
その後、何食わぬ顔で手をあげて合流する神永だったのです。
スポンサーリンク
5ザラブ星人VSウルトラマン 外星人という存在が登場!
シンウルトラマン©youtube
そして、次に現れたのが、ザラブ星人。
禍特対の本部に突如として現れ、電磁波でデータを吹き飛ばしてしまいます。
外星人第2号を自認し(1号はウルトラマン)、考えただけであらゆる電子データの復元や改ざんが可能という、現代社会の仇敵とも呼べる存在です。
しかし、ザラブ星人はあくまで目的は平和外交であり、総理大臣と平和条約を結びたいのだと主張します。
国際社会での主導権を握りたい日本は、ザラブ星人の技術力を手に入れるために、まさに隷属とも呼べる不平等条約を結びます・・・。
この不平等条約を見た神永(ウルトラマン)は、ザラブの真の目的である「国家同士を争わせ、原始的生命である人類を効率的に全滅させる」作戦を知ります。
透明化して神永の車に乗り込んできたザラブ星人。実は神永(ウルトラマン)はこのことすらも予知していた。
ちなみに神永の車はレクサス ISの3代目モデルとのこと。
そして、ザラブもまた神永の正体がウルトラマンだと知っており、彼に唐突に接触。
「未成熟でむやみに増殖し、高度な科学力を持つ人類は危険極まりない・・・」
だから滅ぼすのだ、とザラブはウルトラマンに仲間になるように伝えます。
しかし、ウルトラマンは提案を拒否。ザラブは神永を眠らせ、そのまま拉致したのです。
シンウルトラマン©youtube
その後、ザラブは自身を光学的に変身させ、偽ウルトラマンとして横須賀を攻撃。
人類にウルトラマンは敵だと認識させます。
さらに、神永新二がウルトラマンである、と全世界にアップロードし、彼を敵だと仕向けます。
ウルトラマン抹殺計画なるものを作成するザラブ。
それにまんまとだまされる首相官邸。。
ウルトラマンの正体が同僚の神永だと知って動揺する禍特対メンバー。
「にわかには信じられない・・・理性で真実を認めよう」
とウルトラマンと戦う決意をします。
一方、ザラブはウルトラマンの本体を別次元のプランクプレーンから呼び出すための点火装置である「ベータカプセル」を探しますが、実は危険を察知していたウルトラマンはそれをあらかじめ相棒の浅見に送っていたのです。
シンウルトラマン©youtube
自らの最大の重要機密であり、要ともいえるベータカプセルを浅見に送っていたウルトラマン(神永)。個人的には届くまでの万一の紛失が怖いです(笑)。
公安の加賀美の協力を得て、拉致された神永を救出した浅見。
「あなたの正体がばらされているわ」という浅見に
「そうか」とあくまで淡々としている神永。
シンウルトラマン©youtube
自分がウルトラマンだと認めるのね、と激高してビンタする浅見に「バディだからな」と神永は答えます。
「一つだけ教えて・・・あなたは外星人なの?それとも人間なの?」と聞く浅見。
「両方だ。あえて狭間にいるからこそ見えることもある・・・」
心のうちを応える神永に浅見は全面的な信頼を寄せます。
「私を信じて預けてくれた。私もあなたを信じる」
仲間に信用を得たウルトラマン。
再び町に現れて暴れる偽ウルトラマンを倒すべく、浅見が届けてくれたベータカプセルによって変身します。
そして、ウルトラマンと戦っても敵わないと悟ったザラブ。
最終的にウルトラマンは八つ裂光輪によって逃げるザラブを真っ二つにしたのです。
その後、外星人扱いとして拘束対象となった神永は一時的に姿を消し、禍特対は公安はもちろん、CIAやSISの監視対象となってしまいます。。
さらに、なぜか浅見も行方不明となり、ゴシップ記事にはウルトラマンと浅見が「逃避行」をしていると、載せられてしまうのです。
【シンウルトラマンちょこっと感想】
ここで登場したザラブ星人。
外星人という概念を持ち込みました。
宇宙人というと、地球人である私たちも含めてしまうので、外星人。
ウルトラマンが第1号であり、第2号がザラブ星人。
外星人は禍威獣とはまた違った存在であり、高度な文明を所持しています。
旧ウルトラマンのザラブ星人は凶悪宇宙人ザラブ星人という名前でした。
他の文明を破壊することが目的であり、シンウルトラマンと同じく、最初は「地球人の兄弟だ」と名乗り、地球人に友好的に接していましたが、イデ隊員を催眠術で操ったり、フジ隊員に化けてコーヒーに薬を仕込んだりして、科特隊をほんろうします。
ザラブ星人が主導して、国際的に日本が有利に立とうと会議するシーンも旧ウルトラマンであります。
ザラブ星人はその星の住人同士の信頼関係を壊して自滅に追い込む、というのがやり方でした。
さらに、ベータカプセルを盗もうとするのもシンウルトラマンと同じです。
ただ、旧ウルトラマンではハヤタ隊員がうっかりベータカプセルを忘れていたために盗むことができず、偽ウルトラマンに変身して町を破壊します。
こちらが偽ウルトラマン。
目が吊り上がっていて、今思うと(現実的に)全く別だと分かるので、住民も騙されなさそう(笑)。シンウルトラマンでは本物そのものと変わらない姿でしたね。
最終的に、救出されたハヤタ隊員がウルトラマンに変身し、ザラブ星人はスペシウム光線で爆散します。
このあたりのあらすじは同じなのですが、ザラブ星人の話す目的が深くなっていましたね。
星の文明(知的生命体)を滅ぼすことはあくまで「生まれながらの私の仕事」というのが、旧ウルトラマンのザラブ星人ですが、シンウルトラマンでは、「未成熟な人類が高度な科学力を持つことは宇宙にとって危険だから」という、大局的には宇宙の正義のために人類を滅ぼそうとしていました。
確かにごもっともではありますが、だからといって簡単に他の文明を滅ぼそうとする異星人の方が、宇宙にとって危険な気もします・・・(´;ω;`)
ただ、シンウルトラマンでも、なぜか神永の命を奪おうとはしませんでしたね。
人類を滅ぼそうとしているのに、ウルトラマン一人の命に同情したとは考えにくいです。
つまり、その理由はやはり宇宙警備隊であるウルトラマンの命を奪ってしまうと、光の星からの援軍で自分達が完全に滅ぼされてしまうことを悟っているからかもしれません。
後にメフィラス星人も途中で逃げ出しますが、これもその意味があるのだと思っています。
スポンサーリンク
6メフィラス星人VSウルトラマン
シンウルトラマン©youtube
行方不明だった浅見。
しかし、その浅見が突如として巨人化して丸の内28番街に現れます!
催眠状態にあり、呼びかけにも応じない浅見。
その時、空から声が響きます。
「彼女に対する攻撃はやめた方がいい。これはプレゼンテーションの一環にすぎません。」
「この(巨大化)技術はウルトラマンだけのものではないのです」
それだけ伝えると、巨大化した浅見は倒れてしまいます。
旧ウルトラマンでも、フジ隊員がメフィラス星人によって巨大化させられているので、個人的には長澤まさみさんが巨大化した時そこまで驚きませんでした(笑)。
ただ、やっぱり巨人になってもとんでもなく美人でしたね(n*´ω`*n)
ブルーシートで覆われた浅見に対して、大臣の「スリーピングビューティとガリバートラベルのコラボだな」というセリフは確かに的を得ていましたね(笑)。
メフィラス星人はその後、ザラブ星人のように日本政府と交渉を望みます。
メフィラス星人はウルトラマンの使うベータカプセルと同じ原理で、より巨大なベータボックスを出現させ、人類の巨大化による外星人からの自衛計画を提案します。
シンウルトラマン©パンフレットより
メフィラス星人が持ってきたベータボックス。
ウルトラマンが使うベータカプセルはこれを小型化したものであり、より高度。
つまり、光の国の技術力がメフィラス星人のものよりさらに高いことが分かる。
プランクブレーンという高次元空間にアクセスし、一部の生物を巨大化させることができる。
また、このボックスもプランクブレーンの広大な空間の中に隠されていた。
使用した場合、人間の体細胞は置き換わり、銃火器も通用しない鋼の身体になる。
メフィラス星人は人類に軍事力を提供するその見返りとして、自分を上位概念として認めてほしいと言うのです。
「備えあれば憂いなし。私の好きな言葉です」
メフィラスはあくまで平和的に人類の発展を望み、自分は神のような扱いで他に何もしないと主張します。そして、敵対者には軍事的な抑止力や協力も必要なのだと。
「呉越同舟。私の好きな言葉です」
しかし、その本心はまた別の所にありました。
シンウルトラマン©パンフレットより
メフィラスを演じたのは、山本耕史さん!シンウルトラマンの助演男優賞があるとしたら、彼を推したいと思うほど。それくらい役になり切っていました。
これは、警察に囲まれた二人が「場所を変えよう」とその後居酒屋へと移動するシーンですが、二人の話した場所などは実在していますので、最後にご紹介します。
ウルトラマンこと神永を探し出し、接触したメフィラス星人。
彼等は居酒屋で語ります。
最初の禍威獣たちは人類が環境破壊で生み出した生物たち。
しかし、ネロンガやガボラは電気や放射性物質という人類の基幹産業を狙った攻撃であり、極地制圧型の戦略兵器としてメフィラスが送り込んだものだと判明します。これによって、暴力ではかなわないことを地球人に教え、
さらに、ザラブ星人もまた、人類に無知を知らしめて、無力・無気力へいざない、メフィラス星人に無条件に従うようにそそのかすための存在として彼等が送り込んだものだったのです。
メフィラス星人はウルトラマンよりも早く地球に来ていたことから、実は外星人0号であり、
メフィラス星人の真の目的は、ベータボックスによる人類の生物兵器化でした。
巨大化した浅見のように、人類を巨大化させて軍事利用しようと考えていたのです。
「人類は貴重な生物資源だ。他の知的生命体に抑えられる前に管理しておきたい」
メフィラス星人にとって、人類とはあくまで資源に過ぎず、その存在価値はウルトラマン同様、ベータボックスを利用することによって巨大化できる100億の生物兵器を量産できる管理体制を作っておきたいということだったのです。
同時に「あくまで平和的にこの地球という美しい星が欲しい」のだと。
そのために、ウルトラマンにも協力を頼みたい、と。
しかし、ウルトラマンは提案を拒否します。
「人類の意思を守っていきたい」と。
こうして、メフィラス星人と決別するウルトラマン。
メフィラスは既に国際社会に受け入れられつつあり、日本政府とも密約を結ぼうとしていました。
それを阻止するためには、ベータボックスを奪うしかない。
ウルトラマンと禍特対は、浅見の巨大化時についた「匂い」を追跡することにより、別次元のプランクブレーンに隠されたベータボックスを見つけ出し、奪取するのです。
シンウルトラマン©パンフレットより
近場の工場地帯を戦いの場所に選び、集まっていた人々への被害を最小限にするように配慮しているようにも取れるシーン。シンウルトラマンではザラブ星人との闘いでビルを壊すが、それ以外の場面では人々が戦いに巻き込まれるようなシーンが非常に少なくなっている。ウルトラマンの心理的配慮も描いているのかもしれない。
「目的のためには手段を選ばず。私の嫌いな言葉です。捲土重来。私の苦手な言葉です」
密約が失敗してしまうことを嫌がったメフィラスは、自身がベータボックスを使ってついに巨大化し、ウルトラマンと戦うことを決意します。
ウルトラマンのスペシウム光線や体術にも動ぜず、互角以上の戦いを見せるメフィラス星人。
シンウルトラマン©パンフレットより
このシーンはまさにエヴァンゲリオンそのもの!エヴァvsウルトラマンを彷彿とさせるシーンでした。
しかし、ウルトラマンの背後にゾーフィがいることを察知したメフィラスは、
「よそう。やっかいなものが来ている。さらば、ウルトラマン」
と言って、去って行ってしまいます。
なぜ、メフィラスは去ったのか。
これはザラブ星人の所でも書いたように、宇宙警備隊長であるゾーフィと光の星を敵に回したくないからでしょう。
言うなれば、大陸の国が日本の近くにまだ未踏の地を見つけて、日本にちょっかいだしてきたけど、背後にアメリカがいて、さすがにそこと争う気はない、とやめたようなものかと思います。
未踏の星の資源を先に手に入れようとしたけれど、光の国が関わる(ゾフィーが来た)のなら、もうそれは宇宙全体の問題であり、自分の手に負えないと判断したのだと思います。
「ネゲントロピーを利用する私と違って、ウルトラマン、君は消耗が激しい」
と言っていましたので、おそらくあのまま戦っていれば、ウルトラマンは敗北していたでしょう。
そして、メフィラスが去った後、ウルトラマンとゾーフィがついに対面することになったのです。
【シンウルトラマンちょこっと感想】
デザインが一番かっこよくなっていたメフィラス星人。
旧ウルトラマンでは「悪質宇宙人」という二つ名がついています。
メフィラスの名前の由来は、戯曲ファウストに出てくる「メフィストフェレス」。
つまり、ファウストに世界最高の知を約束して翻弄した悪魔です。
物理というより心理戦を挑む、ウルトラマンのある意味最大で最凶の敵ですが、暴力が嫌いで、あくまで平和的に地球を侵略してきます。
今作でも、日本語の熟語もたくみに操りながら、人類の「弱み」を的確についていましたが、人間に化けて熟語を多用したり、「私の好きな言葉です」「割り勘~」等のセリフはシンウルトラマンが初です(笑)。
ちなみにIQはなんと1万!
バルタン星人やザラブ星人を含めた異星人たちの大ボス的存在でもありました。
そのため、地球制服はメフィラス星人にとって実は簡単なのですが、旧ウルトラマンのメフィラス星人の目的はあくまで「地球人が自ら地球を自分に差し出すという心」であり、気に入った子供であるサトルに「戦争もない天国のような星に連れて行ってあげる。その代わり地球をあげると言ってほしい」とそそのかします。
しかし、サトルはその提案を拒否。結果、怒り出し、ウルトラマンと戦うことになります。
旧ウルトラマンでも戦いは拮抗しますが、「宇宙人同士が戦ってもしょうがない。私が欲しいのは地球の心だったのだ。だが、私は負けた。子供にさえ負けてしまった。しかし、私はあきらめたわけではない。いつか、私に地球を売り渡す人間が必ずいるはずだ。必ず来るぞ」と話して去っていきました。
メフィラスはまさに人類を誘惑し、契約し、それに乗れば破滅へといざなうような悪魔のような異星人だったのです。
もしも、人類がメフィラスの言葉に乗っていたら・・・。
もしかしたら、本当に争いのない世界に連れて行ってくれたのかもしれません。。
シンウルトラマンでは、もし彼に従っていれば、強大な武力を手に入れた人類同士が争いをはじめて、それを治めるためにさらにメフィラスを頼り、その悪循環が加速して、完全にメフィラスに従うような体制になっていたでしょう。まさに神のように・・・。
そして、必要な時に宇宙に兵器として巨大化した人類を自ら望んで送り込むように洗脳されていたかもしれませんね。
演じた山本耕史さんがいい役だったので、うっかり「いい人」と騙されそうになりますが、それがもう危ないのかも(笑)。
ちなみに、最終兵器であるゼットンを使ったゼットン星人もまた異星人の会議に出てくる描写があり、メフィラスの配下であった可能性があります。
また、ウルトラマンメビウスで初代ウルトラマンの最大の因縁の敵として登場したのも、このメフィラスだったことを付け加えておきます。
スポンサーリンク
7ゾーフィが人類の敵に!ゼットンVSウルトラマン
シンウルトラマン©パンフレットより
倒れたままの神永の体を見つめるウルトラマンとゾーフィ。
この神永の肉体は本人そのものなのか、心の中の情景なのか・・・。
ゾーフィと再会したウルトラマン。
ゾーフィはウルトラマンの本名を呼びかけます。
「リピア」と。
そして、なぜ光の国の掟で禁じられている人類との融合をしたのか、とウルトラマンに聞きます。
曰く、「自分が来た時の衝撃から小さな子供を守って命を絶った神永が興味深く、他者のために自らの命を差し出した人類を理解したいから」だと、ウルトラマンは答えます。
そのウルトラマンの意見を聞くゾーフィ。
しかし、その結果としてマルチバース全ての知的生命体に、この星の人類が(ウルトラマンと同化して巨大化できたように)生物兵器になりうることを知らしめてしまったのだと、教えます。
そして、このまま地球を放置することは全天体にとって危険であり、地球は天体ごと滅ぼすのだと決まった、と。
そのために用意されたのが、天体制圧用最終兵器ゼットン。
ゼットンは1テラケルビンの光熱球を発射する兵器であり、地球はおろか太陽すらも燃やし尽くすというのです。
ゾーフィはゼットンをセットした後、猶予がないことを伝えて去っていきます。
シンウルトラマン©パンフレットより
ゼットン。
旧ウルトラマンのゼットンと比べると、怪獣というよりも衛星のような、より機械的な形状でした。ただ、ピポポポという音を聞くとやっぱりゾクゾクします。いずれの作品でもやはり最強でした!
もはや人類どころか太陽系が亡びる事態になってしまいます。
それでもなおウルトラマンを国際的に利用しようとする人類。
やってきたのが、「政府の男」という名目の竹野内豊さん。
シンゴジラに続いて政府関係者を演じた竹ノ内豊さん。
今作の役柄は「政府の男」。
特に役職は明かされず、しかし、重要な交渉やシンウルトラマンに直接物を言いに行く姿から、裏方のトップという感じがします。
国際的に軍事力とみなされたウルトラマンは、共同管理下に置くことになったと言うのです。
首相官邸の「言うことを聞かないなら、禍特対の命は保証しない」という脅しに対して、ウルトラマンは「禍特対に手を出すのなら、私が先に人類を滅ぼす」とまで言い、政府を追い返します。
「なせばなる、なさねばならぬ何事も。やってみるだけだ」
ウルトラマンはゼットンが完全に生成する前に止めるべく、一人でゼットンに立ち向かうのです!
しかし・・・巨大すぎるゼットンにはまったく歯が立ちません。
「無駄な抵抗はやめよ」というゾーフィ。
絶望し、もう何もしなくていいという首相官邸。ゼットンを公表することもせず、何も知らないまま終わらせるのがせめてもの幸せだと考えます。
そんな状況になっていることも知らずに、平和に過ぎる一般市民の日常シーン。
シンウルトラマン©パンフレットより
超巨大で空に全身が浮かび上がるゼットン。こうして全身を見ると、「あ、ゼットンだ!」とよくわかります。対して、日常のシーンでは人々が遊んでいたり、サラリーマンが仕事をしていたり・・・。今作では超常の存在としてゼットンが出てきますが、現実でも災害がいつ起きてもおかしくない現実を考えると、いつもある日常が愛おしく、同時に寂しくも感じます。
頼みの物理学者、滝も自暴自棄で「ちっぽけな人類にできることなんかないんですよ」と匙を投げようとします。
しかし、そこにあったのが、神永が残していたUSBメモリー。
見てみると、そこにはウルトラマンが人類の言葉と数式で書き起こしたベータシステムの基礎原理と高次元領域に関するデータが入っていたのです。
「強制的に発達させることを許してほしい。ベータシステムを人類自らの手で作り出してほしい。その先は君たちにゆだねようと思う。ウルトラマンは万能の神ではない。君たちと同じ、命を持つ生命体だ。私は君たち人類に期待する」と。
「人類は弱い。だけど、生き延びたいから強くなる。そのための知恵と勇気なのよ。」
船縁にもそう言われた滝は人類の叡智を結集し、PSVRを駆使して、この難解に挑むことを決意するのです!
8シンウルトラマン クライマックス&エンディング
シンウルトラマン©youtube
ゼットンに挑んで敗れたウルトラマンこと神永。目が覚めるとそこにいた浅見に言われます。
「私たち人間のしぶとさをあなたに見てほしい」と。
ゼットンは完成し、いよいよ超高熱球を撃とうという時、滝を中心とした科学者たちがベータシステムを解析し、唯一の解決策をひねり出します。
それが、ウルトラマンの持つベータカプセルを使い、6次元を通して余剰エネルギーを発生させ、ゼットンの発射する高熱球を、別次元のプランクブレーンに飛ばしてしまうというもの。
そのために、一度目の変身後、二度目のベータカプセルの使用を行い、余剰エネルギーを発生させ、その後すぐ1ミクロン秒でゼットンを殴ることで、平行宇宙に飛ばしてしまう必要があると言うのです。
ウルトラマンは承諾し、自らの命を賭して人類のために最後の変身を行うことを決意します。
「必ず帰ってきて・・・!いってらっしゃい」
神永を信じてそう声をかける浅見。
シンウルトラマン©youtube
ウルトラマンはその声にうなづき、「いってくる」と最後の変身をします。
変身したウルトラマンは大気圏外で、もう一度ベータカプセルを使用。その余剰エネルギーを利用した赤い光球となり、ゼットンにぶつかっていきます。
シンウルトラマン©パンフレットより
シンウルトラマンではゼットンは怪獣として戦うというより、巨大な要塞としてウルトラマンの攻撃をことごとく跳ね返した。ウルトラマンの最大の攻撃が八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ)だったのも印象深い。
そして、ウルトラマンとゼットンの放出した超高熱球とが衝突した結果、第6次元の扉が開き、そのすべてがプランクブレーンを通して、平行宇宙へと吸い込まれていきます。
ウルトラマンは必死にそこから逃れようとしますが、そのままプランクブレーンへと飲み込まれていったのです・・・。
プランクブレーンに飛ばされたウルトラマン。
そこに助けに来たのが、ゾーフィでした。
人類の生き延びたいという渇望と、死への覚悟、ゼットンに抗おうという勇気と知恵に感銘を受けたゾーフィは、人類を滅ぼすという計画を取りやめたことをウルトラマンに伝えます。
そして、一緒に光の星へ帰ろうと誘うのです。
しかし、ウルトラマンは「私は人間になりたい」と望むのです。
神永というたった一人のために、命を無駄にするなと言うゾーフィ。
それでも、ウルトラマンは自分の命を神永に与え、自分の肉体は渡す、とさえ言うのです。
「ウルトラマン、そんなに人間を好きになったのか」と問うゾーフィ。
人類はまだ幼い。私は彼等を見守りたいのだと、ウルトラマンは応えます。
ウルトラマンの言葉を受け入れたゾーフィは、彼の願いを聞き届け、神永にウルトラマンの命を与えることにしたのです。
そして、エンディング。
目が覚めた神永に、禍特対の皆が笑顔で語り掛けます。
浅見もまた神永をうれしそうに見つめ言いました。
「おかえりなさい」
と、ここまでがシンウルトラマンの簡単なあらすじ考察なのですが、気になることや感想を以下に書いていこうと思います♪
スポンサーリンク
シンウルトラマン考察と感想
1ゼットンが最強すぎる理由とゾーフィがゼットンを使用した理由
旧ウルトラマンで最大最強の敵として登場したゼットン。
もともとはゼットン星人という異星人が操る最終兵器です。
バリアはもちろん、瞬間移動、1兆度の高熱球を吐きます。スペシウム光線も全く通用しません。
ゼットン星人。ゼットンは彼等が操る宇宙恐竜という生物兵器。ただ、ゼットン星人自体は弱いので、簡単に倒されてしまいます。
ウルトラマンもまったく歯が立たなかったのですが、旧ウルトラマンでは人類が開発した無重力弾によって簡単に倒されてしまいます。
これは人類の力がウルトラマンに頼らない自立を示した、とも取れますが、個人的にはそんな兵器を手にした人類が恐ろしくも感じました。
ちなみに一兆度という温度がどの程度のエネルギーなのか、というのは空想科学読本に詳しく掲載されており、
身近なところだと、たとえば太陽の表面温度が6千度だ。太陽の中心部では、核融合反応が間断なく続いているが、その温度でさえ1500万度。人類がこれまでに作り出した最高温度は1億度である。これらをはるかに上回る1兆度とは、現在の宇宙では、ブラックホールに吸い込まれた星間ガスが猛烈な重力で加速され、互いにぶつかり合うときにだけ到達できる超高温だ。
こんなモノを地上で吐いたら、どうなるか?
地球の上に、太陽が470兆個出現したのと同じである。そのすさまじい熱で、地球は一瞬のうちに蒸発する。太陽も、その熱を受けて膨張し、宇宙に拡散して消滅する。太陽系内の水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、さらには無数の準惑星や小惑星も次々に蒸発。その前に、ウルトラマンはとっくに蒸発しているし、そもそもゼットン自身が真っ先に蒸発しているはずだ。
1兆度の火球による被害は、これらに留まらない。
高温の物体からは、エネルギーの大半がγ(ガンマ)線として放たれる。γ線は、レントゲン撮影に使われるX線より強力な放射線で、生物は強いγ線を浴びると死滅する。
ゼットンの火球は、1兆度もあるため、放たれるγ線のエネルギーもモノスゴイことになる。もちろん、γ線は火球から放射状に広がるから、ライトの光が遠くでは暗くなるように、距離が遠くなるほど薄まっていく。とはいえ、最初のエネルギーが莫大なので、なかなか安全なレベルにまで薄まらない。
火球の燃えた時間がわずか1秒間であったとしても、そのとき放たれたエネルギーが人間くらいの大きさの生物を即死させる限界まで薄まるのは、なんと402光年の彼方! つまり、地球から402光年以内の距離にあるすべての天体に住む生物は生きられない。
中略
1兆度の火球とは、宇宙規模でムチャクチャに迷惑な武器だったのだ!
ということで、人類が巨人化して兵器になったところで、まったく問題にすらならないような甚大な被害をもたらす兵器なのです・・・。
そりゃ、地球を一瞬で蒸発させて、太陽470兆個分なら、天体ごと消せるよ…ってなりますねヾ(>y<;)ノ
ちなみにシンウルトラマンではゼットンのエネルギーは1テラケルビンと呼称されていたと思います。
1×10の12乗(摂氏)なので、やはり1兆度ですね。
メフィラス星人がゾーフィを見てすぐ手を引く理由も分かります(笑)。
これを使われたら母星が消えてしまいますし…。
それを容赦なく使うゾーフィこそ、悪の親玉ではないのかと思ってしまいますが・・・。
どうしてシンウルトラマンではゾーフィがゼットンを使ったのか、というと、これも小ネタになりますが、
このように誤った記載が当時のいくつかの本に載っていたからです。
ゾーフィがゼットンを操って大暴れすることになっています。(´;ω;`)
しかも紹介が普通の宇宙人・・・_(┐「ε:)_
今回ゾーフィがゼットンを使用したのは、それをモチーフにしたのかもしれません。
旧ウルトラマンではゾフィは最後まで味方だったのですが・・・。
追記:なぜゾフィーがゾーフィになったのか?
シンウルトラマンのゾーフィと旧ウルトラマンのゾフィー。見た目もですが、性格も全然違います。
ゾフィーは兄弟一のしっかり者で人類を守ってくれる存在です。
ゾーフィとゾフィーの違いについてご質問いただいたのですが、元々公式では「ゾフィーまたはゾフィ」が正式名称です。
シンウルトラマンでなぜゾフィーがゾーフィになったのかと言うと、これも先程の雑誌の誤植で、宇宙人ゾーフィがゼットンを操るという記載をモチーフにしていると考えられます。
つまり、シンウルトラマンのゾーフィは、旧ウルトラマンのゾフィーとゼットン星人の両方を兼ね備えた存在として描かれていて、だからこそ、誤植の宇宙人ゾーフィそのものになりえるわけですね。
その辺の細かい部分はかなりマニアックですが、知っているファンにはお!と楽しめる要素ともなっています。
また、米津玄師さんの曲「M八七」のモチーフの1つは、ゾフィーの最強の攻撃M87光線でもあることも付け加えておきます。
M87光線は、スペシウム光線よりも遥かに強く、宇宙最強とも言われる攻撃です。
ウルトラマンを恐れないメフィラスが逃げ出す理由はこういう所にもあったのかなと(笑)。
スポンサーリンク
2ウルトラマンと旧ウルトラマンの価値観の違い
ウルトラマンの価値観についても、シンウルトラマンはかなり特徴的でした。
旧ウルトラマンでは、歌にもあるように「正義のために」地球で怪獣と戦います。
もともとは、宇宙怪獣ベムラーを怪獣墓場に送る途中に逃亡され、地球にやってきたときにハヤタ隊員の命を奪ってしまったから、その代わりになる、というのがはじまり。
別段、最初から地球を救うために来たわけではない、というのはシンウルトラマンと共通ですが、シンウルトラマンが神永の命を救ったのは罪悪感ではなく、単に、他人のために命を投げ出した神永に興味を抱いたから。あくまで探求心のためだったのです。
一方、旧ウルトラマンはハヤタの命を救いたい、申し訳ない!という罪悪感と謝罪の純粋な気持ちであり、その後人類を守ろうと正義の使者になりました。
旧ウルトラマンはとにかく優しくて、怪獣に対しても、「許してくれ、地球の平和のためにやむなくお前たちと戦ったのだ」と語るハヤタと、心の中で謝罪するウルトラマンの姿がありました。
かたや、シンウルトラマンは、禍特対のメンバーが恫喝されれば、人類を滅ぼすと平然と言ったり、決して正義のために戦っているのではないと分かります。
ある意味、シンウルトラマンは人類に過剰に肩入れしない一異星人として公平な存在、悪く言えば淡々としたサイコパスのように描かれており、それが一番大きな違いなのかなと思ったりしました。
個人的には子供のころ見ていた「人間らしい情もある」ウルトラマンと「外星人として描かれた」シンウルトラマンは別物としてとらえています。
また、ゾーフィも光の国の掟を重視し、そのためには人類の命など気にもしない存在として「恐ろしい存在」になっていました。彼等から見たら、人類は住宅地(宇宙)で生まれたハチの群れのような存在(知的に劣るが、脅威になりうる)であり、危険が及ぶ前に駆除したいというのも道理な気がします。
確かに、100億の人類が一気にウルトラマンと同じ身体になって巨大化したら、光の星も滅ぼされそうな気がします。。(;´▽`A“まさに進撃の巨人のラスト・・・。
そのため、↑の動画のように旧ウルトラマンではゾフィが最後に2つある自分の命の1つをハヤタに与えますが、シンウルトラマンではあくまでウルトラマンの命をそのまま神永に融合させただけになっていましたよね。
*シンウルトラマンはなぜ地球に来たのか?
シンウルトラマンのウルトラマンがそもそも地球になぜ来たのかの理由についてですが、これは元々光の国の裁定者(文明監視員)として地球を監視していたウルトラマンが、地球で禍威獣が多発しているのを見て、(好奇心もあって)地球にやってきたというのが理由のようです。
旧ウルトラマンのようにベムラーを追っていたわけでも、地球を守るために来たわけでもなく、あくまで調査のためだったんですね。
そこで、たまたま神永の命を奪ってしまい、同時に他人のために命を投げ出した神永を不思議に思い、好奇心で助けたということ。
結果的にその行為は裁定者として光の国の掟に背くものであり、同時に人類がベータボックスで巨大化しうるという証明をメフィラスに与えることになってしまいました。
そう考えると、ウルトラマンという存在は地球を守ったけれども、そもそもの原因はウルトラマンが作ったとも取れるので、外星人は人類にとって善でも悪でもない(いずれにもなりうる)ということを象徴している気もします。
3そもそもウルトラマンとは?背景を考察。
ウルトラマンが初の方のために簡単に紹介すると、
ウルトラマンはもともとM78星雲にある光の国の宇宙警備隊員という肩書があります。
(米津玄師さんの曲のタイトルは「M八七」ですが、こちらも実は元々実在するM87星雲という設定が旧ウルトラマンの台本の誤植で78になったという逸話を庵野さんから聞いたためだそうです。
また、↑に書いたように、ゾフィーの最強攻撃がM87光線なのも、この台本の誤植が嫌で、87という数字にこだわったからとも言われています。)
宇宙警備隊とは、宇宙の平和を守る実力組織であり、その中でも「ウルトラ兄弟」と呼ばれるゾフィーを隊長とする一団は、宇宙警備隊の超エリートです。
ウルトラ兄弟という名前ではありますが、血のつながりがあるというわけではなく、他の作品でも登場するウルトラの父や母も彼等の家族ではありません(タロウだけ父と母の実の息子)。
ウルトラの父は、はるか昔に宇宙で起こった大戦争(ウルトラ戦争)を治めた大英雄であり、宇宙警備隊の最高司令官です。
(後作品では、ウルトラマンゼロはウルトラセブンの息子であり、ウルトラマンタイガはタロウの息子という形でシリーズが続いています)
宇宙警備隊は地球で言えば国連軍やアメリカ軍のようなものでしょうか。
そして、地球に警備隊員として初めてやってきたのは、「帰ってきたウルトラマン」のウルトラマンジャックからです。
ウルトラマンは、ベムラーを追ってたまたま地球にやってきて、
その後のウルトラセブンは、もともと地球の観測に来た「恒点観測員340号」でした。
シンウルトラマンも、そもそも地球を守る任務でやってきたわけではないからこそ、ゾーフィには帰ってこいと言われてゼットンを設置されるし、外星人も遠慮なくやってきたと考えると面白いです。
こういう経緯を見てあらためてシンウルトラマンを考察すると、シンウルトラマンでゾーフィが「ゼットン」という最終兵器をなぜ所持していたのか、メフィラスがなぜ軍事力を手に入れようとしたのか=宇宙では戦争があり、今も地球での国際社会のように大国がせめぎあっている状態だからと考察できる気がします。
ちなみに小ネタですが、「ウルトラマン」という名前をつけたのは、シンウルトラマンでは浅見でしたが、旧作品では主人公のハヤタです。
さらに、ウルトラマンの職業は宇宙大学教授&宇宙警備隊銀河系局長という肩書と当時の雑誌に書かれていたりします。つまり、光の国でもかなりのお偉いさん。普段は教鞭をとっている教授が戦っていると思うと面白いです。(n*´ω`*n)
また、バラージの青い石という回で、5000年前にはウルトラマン(本人か光の国の仲間かは不明)は地球にやってきており、その時にノアを導いた存在ともされています。つまり、地球におけるノアの神です。
スポンサーリンク
4ウルトラマンとシンウルトラマンの外観の比較。なぜカラータイマーがないのか?色が変わった理由を解説。
シンウルトラマンと旧ウルトラマンの価値観が違うことに加えて、外見も結構違うので面白いです。
こちらが旧ウルトラマン。
ウルトラマンにはABCの3タイプの種類があって、回を重ねるごとに変化しました。
個人的には、AとCの印象が強いですが、Aタイプは今見ても本当に宇宙人感が出ている気がします。
そして、こちらがシンウルトラマン。
シルエットがすっきりしていて、ウルトラマンをよりスマートにしたように見えます。
ちなみに旧ウルトラマンと違って、シンウルトラマンと禍威獣はCGで作られています(プランクブレーンに吸い込まれたり、回転するシーン等は特撮)。
この点に関しては賛否両論あるかもしれません。
ただ、CGだからこそ、美しさがより際立った気もしますし、スーツでの「中に人がいるからこその人間らしさ」が減り、より高次元から来た異星人らしさが出た気もしています。
旧ウルトラマンを見ていた人が一番気になったのが、ウルトラマンの特徴であったカラータイマーがシンウルトラマンではなかったことかもしれません。
これについては、初代ウルトラマンのデザインを手がけた故・成田亨さんのコンセプトを再現するためです。
ウルトラマンの当初のデザイン案には、カラータイマーは存在しなかった。
「ウルトラマン」は宇宙人でしょう。
「ウルトラマン」は宇宙の人間です。宇宙人も人間であると、僕はそう思っていました。
それが危なくなったら、ピコピコいうのはおかしいじゃないですか。ピコピコったらロボットでしょう。
だから僕は、「ウルトラマン」のエネルギーが切れかけたら、目の光を弱めるとか、顔の色をライティングで青くするとか、なんか他に考えられないかって提案した。
出典:特撮と怪獣 わが造形美術
つまり、ウルトラマンは異星人なのだから、胸にカラータイマーをつけて着ぐるみのような感じを出すのはおかしい、という観点です。
そして、成田さんの意見にもあるように、その代わりとしてシンウルトラマンは、エネルギーが切れると緑色に変化するようにした、ということですね。
この辺も、旧作品のデザイン成田亨さんへのリスペクトが感じられます。
※ちなみに、なぜシンウルトラマンのエネルギー切れの色が緑色になったのか?という点については、以前小学館の雑誌に以下のような記載があったからだと推測します。
「赤は宇宙警備隊のユニフォームだ」と書いてあり、緑色の隊員は警備隊になっていない「光の国」の人々だそうです。
緑色のウルトラマンシリーズは今のところないので、ちょっとうれしいです。
スポンサーリンク
5マルチバース世界へ。シンゴジラとのつながりとは
ウルトラマンという作品は、もともとマルチバース世界なのですが、
シンウルトラマンでもはっきりと「マルチバース」という単語や「平行宇宙」という言葉が出てきました。
つまり、シンウルトラマンも旧ウルトラマンも別宇宙に存在するパラレルワールド足りうる、ということですね。
そこで、気になったのが、シンゴジラの存在。
考察の冒頭で、ウルトラQからウルトラマンにタイトルが変わり、それは同じ世界観を継承していることを示しうると書きましたが、
シンゴジラからシンウルトラマンになったことで、その可能性は高まりました。
それが、まずシンゴジラの片山臨時外務大臣。シンウルトラマンでは大隈首相として登場。
同じくシンゴジラでは竹野内豊さん演じる赤坂秀樹内閣総理大臣補佐官が、「政府の男」として登場。キャラクターもそのままでしたね。平行世界でも、彼は政府の重要人物なのは変わりないようです。
そして、主人公の神永は、シンゴジラでは自衛隊の中隊長でした。
全員名前が違っているうえ、最初の禍威獣はゴメスなので、シンゴジラとは全く違いますし、そのままシン・ゴジラから引き継いだ世界では無いのは明らかですが、
シンゴジラの世界線とシンウルトラマンの世界戦は、平行宇宙でつながっている、ということは考察できそうな気がしています。
シンゴジラもシンウルトラマンの世界でも、人間による環境破壊でゴジラや禍威獣が生まれたけれど、シンゴジラではウルトラマンや外星人は地球を訪れることはなく地球人による戦いが描かれている、というパラレルワールドを想うと面白いです。
6プランクブレーンとはなんなのか?
シンウルトラマン©パンフレットより
劇中で出てきたプランクブレーンという言葉。
詳しい説明は作中ではありませんでしたが、これはブレーン宇宙論からきていると推察します。
ブレーン宇宙論とは、私たちのいる四次元宇宙(三次元世界に時間を加えたもの)は、さらに高次元に埋め込まれた膜(ブレーン)である、という考え方で、重力のみ、高次元の余剰次元に伝播しうるとされています。
言うなれば、5次元や6次元という、より高い次元空間と我々のいる4次元との間にある「膜」がプランクブレーンであり、そこもまた広大な空間があるのかな、と。
より簡単に我々の宇宙の隣(の膜)、という言い方でもいいかもしれませんね。
最後に余剰エネルギーで吸い込まれていったのも、重力のみが影響を持つ、という点を反映してかな、と思います。
我々のいる次元から、高重力で別次元に吸い込まれて、そこでゼットンは爆発し、ウルトラマンはその間のプランクブレーンという膜に留まったからこそ、助かったのかもしれません。
物理学者ではないので、難しいですが、個人的にすごく気になったので・・・・(笑)。
スポンサーリンク
7メフィラス星人を訪ねて。聖地巡礼。
シンウルトラマン©
シンウルトラマンで強烈なインパクトを残したメフィラス。
特にメフィラスとウルトラマンの話し合いのシーンは印象に残りました。
実はウルトラマンという作品には団地のシーンがかなり多く出ており、当時の高度経済成長時代の団地ブームの背景をほうふつとさせます。
この場所にぜひ行ってみたいと思って色々調べると、どうやら千葉県市原市の菊間団地の公園でロケが行われたようです。
また、二人がその後に移動した居酒屋は、浅草の一文というお店。
ここは絶対に行ってみたいです・・・!たぶん、聖地ということで人がしばらく多そうなので、落ち着いてから・・・(;´▽`A“
聖地巡礼、行って参りました!
メフィラス耕史がウルトラマン斉藤を連だって、酒を飲みながら地球の運命を話していた(^_^;)、浅草一文本店さん!なんと、禍特対ステッカーが貼られ、シンマンさんがそこはかとなく鎮座!(許可を得て撮りました)#シンウルトラマン #浅草一文本店 pic.twitter.com/09mrVA0uex
— 十貫坊 (@jyukkanbo_77) May 18, 2022
シンウルトラマン
ネタバレにはならないと思うけど、信濃駅近くの首都高速4号新宿線の高架下がロケ地で出てきましたね。大都会PART3や西部警察で車関係で何回か使ってますがプロハンターの爆破シーンや最近だと素敵な選タクシーにも出てました。 pic.twitter.com/i2uhrKhMqq
— 火曜9時のりょう (@ryoppiof9scale) May 14, 2022
その他、横須賀港や平塚市市役所の本館、NTT日比谷ビルなどもロケ地になっています。
メ:「聖地巡礼。私の好きな言葉です。」
ウ:「ロケ地を訪れる時は絶対に住人の方や他の方の迷惑にならないよう気を付けるんだ」
メ:「ウルトラマン、ぜひ一緒に行こう。その時は・・・割り勘でいいか?」
8シンウルトラマンと旧ウルトラマンの小ネタ
最後にもう少し小ネタをご紹介します。
実際に動画を見てもらうのが早いのですが、シンウルトラマンとウルトラマンはいろいろ撮影的にも画角やセリフも共通しています。
見比べると面白いですよね。(#^^#)
これを踏まえて、もう一度旧作と見比べてみるとより楽しめそうな気がしています。
スポンサーリンク
9シンウルトラマンの感想と評価
最後にシンウルトラマンの感想と評価です。
まずは皆の感想から。
見てきました。ん〜ちょっと残念かなぁ。シンゴジラで期待のハードルが上がりすぎてたかなぁ?「庵野テイストのウルトラマン総集編」なだけで、新規軸な設定やシーンも「それ、他の作品でも見たことあるな」ってちょっと冷めて見ちゃうんだよかぁ。
シン・ウルトラマン観ました。やっぱりシン・ゴジラは奇跡のような作品であり、奇跡は二度続かないというのが僕の感想です。
いやいやいや!こういうのでいい!
マジでいい!!!
シン・ゴジラが現実対虚構だったのに対してシン・ウルトラマンは空想特撮映画です!!!ってのがバンバン伝わってくる内容で大満足🥳🥳🥳
シン・ウルトラマン、シン・ゴジラの時以上に早くソフト化して!!ってなってる。一時停止して見たいシーンがあまりにも多い。
『シン・ウルトラマン』
この物語から感じたのは「絶望を打破するのは気合と根性ではなく、知性と実行力」だという事。だから勉強しよう、考えよう、人と話そう、選挙に行こう。意外とそんなベタな事。当たり前の事。
皆の感想と評価を見ると、すごい良かった!という人と、シンゴジラよりも評価が低い方と様々です。
私個人の感想を書くと、
シンウルトラマンはシンゴジラに似ているけれど、また違う作風だと思いました。
というのも、政府関係者は主人公や人類と共闘するためにもがく存在ではなくて、外星人と利権のために手を結んで人類を崩壊に導く悪のように描かれていたからです。
この点で、シンゴジラで描かれた人類の総じた「足掻き」というものが少なく、頂上の存在が際立って、そこに物足りなさを感じた方がいたのかも?と思ったりします。
一方、旧ウルトラマンのような分かりやすさ、子供に道徳や正義、様々なことを考えさせるようなある意味教育的な(世界へのアンチテーゼ含めて)内容とは違って、より大人向けに現実的に作られているように感じました。
これはいい意味では、「そこも描くのか!」という感動を呼ぶし、一方で子供が見るにはつらい(ウルトラマンが単純な正義でないし、用語が難しい)という点を作るのかなと思います。
でも、どちらもウルトラマンは結局は「人類が好きだ(好きになった)」という言葉に集約されますし、その点でやっぱり感動を覚えます。
あとは、贅沢を言えば、個人的に大好きな怪獣が出てきてほしかった、という願望はあります(笑)。
バルタン星人は言わずもがなとして。
ゴモラやレッドキングなど最強系。テレスドンの夜のシーンも大好き。
ジャミラ 「人間のエゴ」を批判するイデ隊員の有名なシーンは必見。
ウーのような感動系。
は今の技術で見たらどうなるんだろう・・・・というワクワク感があります。
本当に願望なのですが、シンウルトラマンシリーズとして、ネットフリックスでもAmazonプライムでもいいからドラマ化してほしいです。
もっとも、今作は2時間の映画にめちゃめちゃ詰め込んだ内容だったので、正直、それだけで衝撃なのですが(;´▽`A“
上で見てきたように、あらすじとしては完全に新しいものではなくて旧ウルトラマンの総集編的にまとめられている部分もありました。
ただ、制作陣はあくまで旧ウルトラマンとは離れようとしてシンウルトラマンを作られたそうです。
庵野さんらしさが少ない、という意見もありますが、以下の動画を見ると、庵野監督の大好きな「ザラブ星人」だったり、庵野さんの「ウルトラマンは宇宙人なんですよ!」という意見が大きく採用されていると思います。
個人的には、これこそ庵野さんのウルトラマンだと思うのです。
「地球防衛軍という組織をちゃんとやりたい」という点、「侵略者を描きたい」という点、
「ウルトラマンが味方かどうか分からないところから描く」という点が本当にシンウルトラマンで描かれていましたね。
その「宇宙人を描く」という観点が、ウルトラマンとシンウルトラマンの考え方の違いや、異星人が地球に来たらどうなるのか、という新しい視点でのウルトラマンを見れた良い点になったと思っています。
最後に評価ですが、個人的評価は2時間夢中であっという間の、100点満点です!
現実にウルトラマンがやってきたとしたら、どうなるか?という点を描いた作品としては旧ウルトラマンとは違った楽しみで、最初から最後まで本当に夢中で見てしまいました。
(細かい点は映画では追いきれないので、DVDで停止しながらゆっくりみたいです(笑))。
次回は2023年のシン・仮面ライダー!こちらもめちゃめちゃ楽しみにしています。
また詳しく旧仮面ライダーについて書きたいと思います☆
スポンサーリンク
遂に明かされたコナンの宿敵「ラム」の正体についても徹底考察しています!
シンエヴァンゲリオンについても徹底考察しています!
シンウルトラマン最高でしたね!