目次
アメリカ大統領の権限・権力と日常の仕事・年収って?弾劾はあるの?権力は強いのか、弱いのか、分かりやすくまとめてみました。
1まずはアメリカ大統領の権限まとめから
以下が、アメリカ大統領の持つ強力な権限のまとめになります。
特に重要と思われるものを上に記しています。
1行政執行権
2軍の総司令官
3法案の拒否権。
4教書によって法律や他施策を制定するように議会に勧告する権利。
5大統領令の発布権。
6裁判官、大使、各省長官をはじめとするすべての連邦公務員の指名権。(上院の承認が必要)
7条約の締結権(上院の3分の2以上の賛成による承認が必要)。
8各省長官の罷免権
9大使その他の外交使節の接受権。
10連邦議会の停会権および非常時における臨時招集権。
11上院休会中に生じた欠員に対して休会任命をする権利。
12刑の執行延期及び恩赦をおこなう権限。
13各省長官から意見を求める権利
それぞれ重要なものを詳しくみてみましょう♪
1強力な行政執行権
今後はTwitterさえ公式文書となります。
自由につぶやけなくなったトランプさん。。。つぶやくかな・・・(;´▽`A“
まずは、とにかくこの強力な行政執行権が挙げられます。
憲法に
「行政権は、アメリカ合衆国大統領に帰属する(第2条第1節第1項)」
と記載されているのです。
「行政権って?(。´・ω・)?」
と思ってしまいますが、
簡単に言うと、
国の政策(政治)を行っていく権限のことです。
日本と何が違うの?
日本では「内閣」がこれを担っています。
日本の場合は、首相(内閣総理大臣)がその代表なのですが、
何か「これをしたい!」と行政の指針を決める際には
閣僚(大臣や官房長官たち)の同意が必要です。
これを「閣議決定」と言います。
たとえば話題の「TPP」も導入するか否かについて、まず閣議決定を行い、それから法案を国会で審議し・・・という流れでした。
一方アメリカは、
日本と同じように大臣のような長官(国務長官など)はいますが、
大統領の「これをするぞ!」の一言で、
他の大臣たちの同意なく、物事を決定することができます。
そのため、トランプ大統領が「TPPはやめるよ!」と言えば、そうなるということです。
周囲の長官が反対しても関係ありません。
ただし、12の「各省長官から意見を求める権利」がありますので、実際は周囲の意見を聞きながら行います。
2軍指揮権(アメリカ陸・海・空軍・海兵隊の総司令官)。
日本の首相も自衛隊の総指揮監督権をもっているので、そこは同じなのですが、
世界でもっとも強い軍隊の総司令官であると同時に、
常に核ミサイルの発射スイッチと共に行動する、
というのが大きく違います。
こちらはオバマ大統領の広島訪問時です。
広島に核のスイッチと一緒にくるという何とも皮肉なことになっていました。。。(´;ω;`)
これには理由があって、
「大統領はホワイトハウスに不在だが、もしそこを狙ってもすぐに迎撃・報復の準備があるぞ!」
と世界にアピールするためです。
安全の担保とも言えます。
正確には、核の発射スイッチそのものではなくて、
「毎日変わる暗証番号を打ち込むことで、核の発射許可を出すボタン」
というものです。
3法案の拒否権
大統領には、「法律を作る権限はありません」。
しかし、議会が作った法律に「NO!」という権利があります。
これが拒否権で、
正確には、法案というものには必ず大統領のサインが必要なのですが、
「そのサインをしない」、ということが拒否権とされています。
でも、議会にどうしても通したい法案がある場合、
拒否された法律は
議会の3分の2の賛成があれば、再可決されます。
連邦議会に差し戻された法案を大統領の署名なしで法律とするためには両院ともに3分の2以上の多数で再可決しなければならない
このときは、大統領のサインなしで法律となります。
ただ、両院ともに3分の2、というのがいかに厳しい条件なのか、分かります。。。(´;ω;`)
4教書によって法律や他施策を制定するように議会に勧告する権利。
法律を作る権利はありませんが、それを補うために2つの権利が認められています。
1つは、教書。
もう一つは大統領令の発布です。
教書とは、「こういう法律を作ってね」と議会に提案(命令ではない)するものです。
実際に作るかどうかは議会の可決次第なのですが、
審議を行う必要があります。
5大統領令の発布権。
大統領の最終手段ともいえる、最強の手段がこれです。
法律ではありませんが、
「大統領令」という命令によって、法律と同じような効力の命令をすることができます。
連邦政府や軍に議会を通さずに直接命令することができます。
これこそまさに大統領の強大な権限を象徴しているようなものです。
これによって、TPPからの永久的な離脱が既に決定しました。
これは議会を通すことはなく、
何度でも、
行うことができます。
まさに最強の手段なのですが、
「憲法に違反しないこと」
「既に決められた予算の範囲内」
でのみ可能となっています。
大統領令に対抗するには?
上記の2つの条件から、
連邦議会は、「予算を通さない」または「大統領令に反対する法律を作る」
最高裁判所は「違憲判断を行う」
ことによって、対抗できます。
※実際に使った大統領はいるの?
たくさんいます。
最近ではオバマ大統領が頻繁にこの大統領令を使っていました。
というのも、オバマさんは民主党(自由・民主主義)で、議会の多数派は共和党(自国優先)だったからです。
6裁判官、大使、各省長官をはじめとするすべての連邦公務員の指名権。(上院の承認が必要)
これも強力な権限です。
たとえば、日本の場合、
内閣(首相や大臣)が代わっても、
霞が関の官僚や役人(国家公務員)はそのまま変わりません。
しかし、アメリカでは毎回高級官僚も4000人近く、ごっそりと入れかわります。
職を失った官僚たちが田舎に帰るため、
「ワシントンでは大統領就任後、血統書付きの野良犬が増える」、という都市伝説もあるそうです(笑)。
つまり、全て大統領の指名次第ということです。
すごいです。。。
自分に優位になるように徹底的に変えられるということですね(もちろん議会は除く)。
これには7の「各省長官の罷免権」も大きくかかわっています。
自分に反対する人間は近くにおかなくていいということです。
これに対抗できるのは、「議会」です。
議会も同じく「国民の代表」であり、
大統領の弾劾(職務停止)を行ったり、
ストップを行う権限を持っています。
2大統領に対抗する「弾劾」
議会が大統領に対抗する権限として、重要なのが、「弾劾」決議です。
大統領に強大な権限があるとはいえ、
暴走してしまった場合は、さすがに止める必要があります。
弾劾された場合は、職務停止から権限のはく奪になりますが、
条件として、
「収賄」
「国家反逆など」
の罪で下院の3分の2以上の賛成で大統領を辞めさせることができます。
※過去に弾劾された大統領はいるの?
これはまだいません。
クリントン元大統領の女性問題のときに、
「議会への偽証」を行ったということで、
弾劾の審議が行われたことはあります。
ただ、3分の2には及ばず、弾劾にはなっていません。
他に弾劾裁判にかけられたのは1868年のアンドリュー・ジョンソン大統領(南部再建問題での議会との対立)がいます。
しかし、いずれも有罪は成立していません。
1970年代のウォーターゲート事件に関与したニクソン大統領の場合、権力の乱用などの理由で下院司法委員会が下院に弾劾を勧告した段階で、辞任しています。
3アメリカ大統領の日常って?
ホワイトハウスや近くの公園で一緒に遊んだり、楽しそう♪
オバマさんはこういう姿がとっても素敵でした☆
1アメリカ大統領の勤務時間は?
勤務時間は自由です。
「自分で必要と考えるだけ働けばよい」とされています。
オバマさんは1日8時間と決めて、あとは家族とのんびりされていたそうです。
うらやましいです・・・日本でも導入されないかな(n*´ω`*n)
2朝いちばんの仕事は?
大統領の朝最初の仕事は「日例報告」から始まります。
首席補佐官、国務長官、国家情報長官らが大統領が寝ている間の世界の情報の報告が行われています。
3業務はどこで行われるの?
日常的な執務は「オーバルオフィス」と呼ばれる大統領執務室で行われています。
位置はホワイトハウスのウエストウイング内なので、ワシントンに行かれた際は、
「あそこかな・・・?」と見物してみることをオススメします。
ちなみに見学ツアーもあります(さすがに執務室は無理のようです(笑))。
4記者会見や重要事項の説明はいつ行うの?
定例の記者会見は定められていないそうですが、通常は月に1度以上実施されるようです。
毎週土曜日の朝には定例ラジオ演説を行う場合もあります。
トランプ大統領の場合は、Twitterも公式文書となりますので、チェックしておくと株価などの変動も分かるかも・・・?
5お休みの日は?
休日は大統領専用の別荘であるキャンプ・デービッドで過ごすことが慣例のようです。
トランプ大統領の場合は、ご自宅(トランプタワー)で過ごされるのかも。。。(;’∀’)
※これは雑学ですが、
アメリカ大統領になった場合、自家用機は使えません。
そのため、移動はエアフォースワンを含む、大統領専用機またはアメリカ軍機となります。
4アメリカ大統領の年収は?
大統領の給与は年額40万ドルとなっています。
日本円で4000万円~ということなので、
日本の首相と同じ・・・?と思ってしまいますが、
これにさらに必要経費5万ドル(約550万円)、旅行経費10万ドル(約1,100万円)、交際費1万9,000ドル(約210万円)が必要に応じて支給されますので、
統計で7000万円ほどになるようです。
といっても、トランプ大統領はそもそも年収が200億円以上なので、必要ないのかも・・・。(;´▽`A“