韓国大統領パククネ問題今後どうなるのか。弾劾から逮捕、さらに北朝鮮の動きまで簡単に解説。最新情報。1 弾劾訴追案の効果とは
12月9日、韓国国会にて与党議員も含めた賛成多数により、弾劾訴追案が正式に可決されました。
弾劾って?という方もいらっしゃるかも・・・。
弾劾とは、議会による大統領を認めない!という宣言であり、決定すると「即座に大統領権限を停止する」というものです。
2 韓国大統領の不逮捕特権とは
画像は、大統領府である青瓦台。
出典:wiki
韓国の憲法には、84条に「大統領は内乱又は外患の罪を犯した場合を除いて在任中に刑事上の訴追を受けない」と記載されています。
これはつまり、
大統領である限りは、たとえわいろや刑事上の責任を問われること(例外あり)をしても、
逮捕されない、ということです。
しかし、その一方で、憲法第65条の規定で「国会による弾劾の追訴を受けることがある」と記載されています。
これによって、大統領権限を奪われると、正式に検察は「容疑者」として逮捕にのり出せるということです。
3 弾劾訴追案は国会議員の3分の2以上の賛成で可決。
今回は、まさにこの状態です。
投票の結果、賛成が234票、反対が56票、無効が7票、棄権が2となり、可決に必要な国会議員の3分の2を大きく上回る234人の賛成で可決されました。
3分の2以上というかなり厳しい条件にも関わらず、決定したということは、それだけ罪が重いということ。
一応、反対もいます・・・(;´▽`A“
これは大統領を推薦したセヌリ党の人たちで、結局推薦した責任も問われますし・・・。
そして、その結果を受けて、大統領権限は即座停止となりました。
4 これを受けて朴槿恵大統領のコメント
「今日の午後、国会で弾劾訴追案が可決されました。我が国の安保と経済が困難に直面したときに、私の不徳と不覚で、このように大きな国家的混乱を招き、国民の皆さまに心より謝罪の言葉をささげます。私は国会と国民の声を重く受け止めていて、今の混乱が収拾されることを心より願います」
このように発言されています。
不徳と不覚で・・・と、既に認めている状態です。(´;ω;`)
というより、私としてはここまでの状況でメディアの前に出て、このような発言ができる彼女のメンタルの強さに関しては(それに関してのみ)、素直にすごいと思ってしまいます。。。(;´▽`A“
5 弾劾が正式に決まるかは裁判所の判断次第。
実はすぐに大統領の職を奪われるわけではありません。
国会での弾劾決議を受けて憲法裁判所は180日以内に審判を行い、裁判官の3分の2以上の賛成があれば大統領に対する弾劾が成立し、大統領はその職から直ちに罷免される。
このように、まずは憲法裁判所の判断が行われます(最長6か月かかります)。
しかし、ほぼ確定と言っていいと思います。
その間、大統領権限は停止されていますので、その代行としてファン・ギョアン(黄教安)首相が大統領の職務を代行します。
※ちょこっとコラム。過去に弾劾された大統領っているの?
国会から弾劾追訴の決議を受けた大統領は2004年の盧武鉉(ノムヒョン)さんが過去にいらっしゃいます。
しかし、国会で可決後に裁判所が弾劾を否決し(その間2か月)、
大統領に復帰されました。
しかし、その後追及が高まると廬武鉉さんは自宅の裏山から飛び降りられました・・・。
容疑はやっぱり贈収賄。
親族ともども、企業から不正に6億円を超える資金を得ていたことが明らかになっています。
親族はほとんど逮捕です。。。
「政治はするな。得られることに比べて失うことのが遥かに大きいから。」
「大統領になろうとしたことは間違いだった」
と韓国大統領になったことを後悔する文章を残されています。
6 今後どうなるのか。
まずほぼ間違いなく、しかも早期に裁判所は弾劾を認めると思われます。
ここまで国民が大騒動をしていますので、一番に解決したいはずです(韓国そのものの危機)。
1 裁判所で弾劾決定(大統領でなくなる)
2 検察によるパククネ氏の聴取が始まる
3 正式に容疑者として逮捕・起訴
4 専門家の意見によれば、無期懲役もありえる。
これが今後の流れとみられています。
ただし、もちろん裁判所で弾劾が否決される可能性もあります。
正当性がない、混乱を避けるため、あるいはわいろの可能性、などいろいろな可能性がありますが、これは裁判所の判断を見てみないと分かりません。
※ちょこっとコラム。弾劾と辞任の違いは?
弾劾と辞任の違いについては、自分の意思で辞めるかどうか、なのですが、
ここにすっごく大きな差があります。
というのも、
韓国の大統領は辞任後、仕事をしなくても「年収1000万円以上」の年金と警備、その他元大統領としての待遇が一生保障されています。
つまり、一回大統領になれば、生涯安泰でVIP待遇ということ。
だからこそ、
朴槿恵さんは来年4月に辞任する、と表明したんですね。(^_^;)
7 日本への影響は?
日本政府はまず日中韓サミットの年内開催は見送るとしています。
それどころではないですしね・・・。(;´▽`A“
菅官房長官は、東アジアの安全保障などに与える影響について、「状況を見定める必要があるが、現時点では何ら影響はないと思う」と述べています。
ただ、韓国国内はかなり混乱していますので、政治や国際社会に影響が残ることはしばらく避けられません。
経済に関しては、
出典:ヤフーファイナンスより引用12月8日現在。
こちらは韓国のここ1年間の総合株価指数です。
騒動があっても、一定を保ち続けているのが分かります。
出典引用は同上。
一方、こちらは日本の9日の日経平均株価です。
弾劾訴追が確定的だったにも関わらず、終値は上昇しているということは、
このことは「既に市場に織り込み済み」だったということ。
韓国の政情が日本に関係あるの?という意見もあると思いますが、
国を揺るがす一大事であり、場合によってはウォンが暴落、すると、以前のアジア金融ショックのような大変な事態になる可能性もあったのです。
既に市場は終わっており、土日を挟むのでまだなんとも言えませんが、
おそらく大きな影響はないのではないかな?と思います。
8怖いのは北朝鮮ではあるけれど・・・。北朝鮮の動向は?
これまで時々コメントは出すものの、大きな動きを見せていない北朝鮮。
もしも、このリークをそそのかし、民衆を扇動して大統領を失職に追いこんだのがもし北朝鮮の影響もあったら・・・などと考えることもできます(ドラマなどでよく見る展開)。
これだけのデモを引き起こし、韓国が大混乱になっている今は北朝鮮にとってこれ以上ない好機ではないのか・・・という話ですね。
これはあくまで都市伝説的な意見ですので、鵜呑みにされないでくださいね。(;´▽`A“
と書いていましたが。。。
引用:TBSニュース
早速、金正恩さんが、このときばかりと動きました(11日)。
※12月12日追記
北朝鮮国営メディアは11日、朝鮮人民軍の特殊部隊が韓国大統領府への襲撃を想定した訓練を行ったことを伝えた。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が視察する中、ヘリコプターから降下した兵士らが大統領府内に侵入し、要人を「生け捕り」にする訓練も実施されたという。
(中略)
韓国軍は、大統領の事実上の不在を狙って北朝鮮が挑発を仕掛けることを最も警戒しており、「挑発すれば、指導部に致命的な打撃を与える」と警告した。
産経ニュースより一部引用
リアルに北朝鮮が動きましたね。。。(;´▽`A“
これはどうやら、パククネ政権によって経済制裁や強硬策をとられたことに対する「メディア的報復」ではないか?という考察もされています。
本当に潜入したり、攻撃するつもりなら、わざわざ「報道」する理由がないからです(黙って行動した方がよい)。
そのため、私見ですが、
これは北朝鮮国民に対しての
「我々の敵朴槿恵はやはり悪だった。我々は悪と戦う覚悟がある」
という、国内アピール(支持をさらに強くするため)ではないか、と思います。
もちろん、海外(特にアメリカ)にも自国の正当性を示したい思惑もあるのでしょう。
北朝鮮は、韓国が混乱していた方が都合がいいので、
こういった挑発は行いますが、
実際の行動は(かえって韓国国内をまとめてしまうため)、慎むだろうと思われます。
追記12月14日 チェスンシル氏の肉声テープが公開
スンシル氏の肉声テープが公開されました。
内容は、
「大変よ。コ・ヨンテをしっかりさせて」
「全部作り話ということにするのよ」
「我々と関係ないことにしないと、皆○ぬよ(命をとるよまたは我々の身が滅ぶよの意味)」
これは明らかに脅迫行為ともとれるものですね。。。
知人との電話らしく、コ・ヨンテ氏に口止めするように言ったものです。
追記12月20日 チェ・スンシル氏の裁判が開始し、全面否認。その意図することとは。
チェ・スンシル氏の初公判が開始されました。
これまで「私が全て悪い・・・」とドイツからの帰国後認めてきたスンシル氏。
しかし、初公判では容疑を一転して全面否認しました。
この理由について、専門家は
「朴槿恵大統領の憲法裁判(上述の弾劾が認められるかの裁判)において、朴槿恵氏が有利になるように、わざと否認して裁判を引き延ばそうとしている」
との見方があります。
つまり、
容疑を否認することによって、パククネ大統領の「弾劾理由」があやふやなものになり、結果的に、大統領に復職できるように働きかけている、ということです。
実際に、大統領に戻るなんてあるの?と思ってしまいますが、
実は憲法裁判所の裁判官のうち、3人は大統領の権限で選ばれた人。
つまり、他数名を味方につければ、弾劾が否決され、朴槿恵大統領が復職する可能性は非常に高いのです。
追記3月10日 弾劾が可決。大統領の罷免決定
韓国憲法裁判所がついに弾劾を決定し、罷免されました。
韓国の歴史上では初めてのことになります。
今後は60日以内に大統領選が実施されることになっています。
やはり今回の件は、証拠や証言も多数あり、なおかつ韓国国民の怒りも過去最大だったため、憲法裁判所としても、許されない案件だったということですね。