尖閣諸島の問題を分かりやすく解説。中国側の主張・歴史と尖閣最新ニュースまとめ。日本はどうするべき?

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目次

尖閣諸島で何が起こってるの? 中国の主張や歴史、日本の対応を簡単に解説してみた

1昨年に尖閣諸島と油田で起こったことを簡単に

2016年のリオオリンピック開始に合わせたかのように、

中国漁船および、それを守るための中国海警局の公船が尖閣諸島周辺を航行しました。

さらに、東シナ海のガス油田には中国側がレーダーを取り付けています。

画像はhttp://www.mag2.com/p/news/22220より

中央のギザギザの線が日本側が主張する境界線です。

そして、中国側は沖縄トラフ線を主張しています。

東シナ海の中国ガス田は日本との境界線上にあります。

今回レーダーを設置したのが、こちらの油田。

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画像はhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20160807/k10010625371000.htmlより

これにより、ガス田に近づいた小型の船舶などの探知が可能になりました。

外務省は、今後この油田が軍事目的として利用される恐れを示唆し、中国側に撤去を要求。

しかし、中国側は、「主権の範囲内だ」と譲る姿勢は一切ありません。

尖閣諸島は、台湾の近くで、油田と直接の関係はありませんが、今回、この二つの問題を同時に起こしたあたり、リオ五輪開催前後を狙った計画的なものと思われます。

尖閣諸島問題は、漁船が約400隻以上に加え、中国の海警局の船が15隻(8月8日現在)航行を続けています。

8月9日現在、公船は4隻まで減少しています。

抗議を受けて減らしたのか、戻ってくるかは不明です。

11月現在は、公船は確認されていません。

また漁船の大規模活動もないようです。

(小規模な侵入は起こっている模様)

いずれにせよ揺さぶりは今後もかけてくるでしょう。

2 中国側の主張は

尖閣諸島動画はこちらからどうぞ♪(動画はANNnewsCHより)

油田に関しては、「主権の範囲内であり、日本が口出しすることではない」と主張。

尖閣諸島については、遂に岸田外務大臣が駐日大使を呼び抗議しましたが、

「尖閣諸島は中国の領土であり、緊張を高めているという批判には当たらない」と主張。

あくまで問題は全くないという態度を貫いています。

(これは竹島を実効支配する韓国も同じです。国際司法裁判所はあくまで両国の同意がないと裁判できないため、韓国は全く問題が発生していないという立場で、裁判を拒否しています)

3 まずは国際法上の領海を簡単に

国際法上の領海とは、

国の定めた基線(簡単に言うと、海岸線の平均)から12カイリ(22.2キロ)までとされます。

領海はまさに国家が自由にしていいとされる領域で、国土そのものとも言えます

よく話になる排他的経済水域とは同じく基線から200海里までのことで、こちらは領海を除けば国家の所有物ではないけれど、他の国を除外して自由に海産物や海の資源を取っていいよ、と言われる水域です。

そして、もし国同士で、領海や排他的経済水域が重なる場合は、お互いのちょうど中間に線を引き、そこまでの範囲としましょう、となっています。

そして大切なのが、たとえ領海であっても、他国の船は領海を有する国を害しない限り、自由に航行することができる、という点。

これを無害通航権と言います。

4 今回問題になっているのは、中国による領海侵犯

領海は、島から12カイリという範囲でももちろん発生します。

尖閣諸島は日本の本土からは遠いですが、日本の島とされているため、その周囲12カイリは日本の領海になるということです。

それなのに、中国の漁船が400隻以上、公船が15隻というのは、明らかな領海侵犯です。

ただ、通航するだけなら日本は何も言わないのです(無害通航権のため)。

しかし、今回は漁船。

つまり資源を取りに来ています。

これは明らかな国際法違反で、日本の資源を勝手に取られているようなものと言えます。

また、漁船ならまだしも、実際乗っているのは訓練を受けた民兵と言われています。

彼らは、尖閣諸島(中国名:魚釣島)を中国のものとし、それを守るために活動する民間人による兵隊です。

5 でも、そもそも尖閣諸島って何? 日本の領土なの? 歴史的背景は?

ここまでを見ると、明らかに中国は国際法違反な行為をし、日本の国土を我が物顔で航行している、というとんでもない行為です。

ただ、

中国は尖閣諸島は「中国の領土だ」と言っています。

つまり、もし尖閣諸島が中国の領土なら、そこに文句を言う日本の方がおかしいということになるのです。

そこで、ここで日本と中国双方の主張と歴史的背景を見てみましょう。

1 まずは尖閣諸島の簡単な歴史まとめ

1 明治時代に、沖縄県に編入

まずは日本政府の主張から。

一番最初は、1885年に内務卿山県有朋の命令で、沖縄県を通じて尖閣諸島の現地調査を行い、清国を含むいずれの国にも属していない土地であることを確認し、1895年に閣議決定を行い、日本の領土(沖縄県)に編入したということになっています。

日本政府は「先占の法理」という国際法で認められる領有権取得の方法に合致するものと説明しています。

※先占・・・どこの国にも属していない場所を先に実効支配した国がその領土を主張できること。

2 日本の実業家、古賀辰四郎に所有権を認める

同年9月、日本政府は実業家の古賀辰四郎に対して、魚釣島、久場島、北小島及び南小島(尖閣諸島)を30年間無償で貸与することとしました。

1932年に4島は子供の古賀善次に払い下げられ私有地となり、1909年には248人の日本人が居住していたとされています。

しかし、1940年頃に古賀善次が尖閣諸島での事業を撤退し、居住していた人々も退去して再び無人島となりました。

この時点で、日本による実効支配が継続していたと言えます。

※実効支配とは・・・他国の了解などはないが、実質的にその国がその領土を支配していると言える状態です。国際法上は、昔から実効支配していた国が、その土地の領有権を持つと言えます(条約などでの取決め除く)。

3 戦後 尖閣諸島はアメリカの統治下に

しかし、1945年の日本の敗戦により、サンフランシスコ条約によって尖閣諸島は米軍の直接管理下に置かれました。

こちらは日本が放棄した場所に含まれず、アメリカが管理下においていますから、明らかに日本の領土であったということになります。

この時点まで、中国は一切尖閣諸島について主張はしていません。

4 1969年に石油の埋蔵が確認される

1969年に 国連アジア極東経済委員会による海洋調査で、イラクの埋蔵量に匹敵する大量の石油埋蔵量の可能性が報告されます。

5 1971年 沖縄返還 尖閣諸島も日本に返還される

1971年の6月に尖閣諸島も含めた沖縄諸島が日本に返還されます。

これで日本の領土になったかと思いきや・・・。

6 同年、6月に台湾、12月に中国が尖閣諸島の領有権を主張

返還後すぐに台湾と中国が尖閣諸島の領有権を主張しだします。

これは明らかに石油埋蔵と関係があります。

7 中曽根内閣時代にヘリポートを建設

しかし、中国の抗議により、後に撤去されます。

8 2000年 日本が尖閣神社および日本国旗の碑を建設

竹島で韓国が韓国の石碑を立てたりしているように、日本も領土であることを主張するために、上記のような行動を取っています。

9 2012年 日本国が登記上の所有者より購入。国土に。

日本政府は魚釣島、北小島と南小島の3島を埼玉県に所在する地権者から20億5千万円で購入し、日本国への所有権移転登記を完了しました。

これも、一種の領有権主張ですね。

日本は尖閣諸島には領土問題は存在しない!という立場です。

現実問題として存在していますが、建前上、日本の領土は絶対であると主張しています。

2 それでは、中国の主張は?

1 明の時代の文献に、既に魚釣島と記載があり、そのときから中国の領土である

つまり日本政府が明治時代に先占を主張するなら、もっと早い段階で先占が成立していた、と主張しているわけですね。

2 日清戦争によって、日本に奪われた

中国の土地であったのに、日清戦争の敗北により、尖閣諸島を含めた地域が奪われたと主張しています。

つまり、その後の日本の実効支配はやむを得なかったということです。

3 1945年日本の敗戦により、中国に返還されたはず

日本が敗戦後、中国はサンフランシスコ条約に加入していないため、アメリカの監視下⇒日本に返還の法理を認めないと主張しています。

※ちなみに台湾はもともと中華民国という現在の中国大陸を支配していた国家が共産党に追われて台湾に移ったものですので、主張としては同じものになります。

3 それならどっちが正しいの?

これは日本国民として、日本が正当である!と主張したいところですが、

歴史的背景が複雑な上、言いようによってはどうにでも言えるため、

中国・台湾はこれからも領有権を主張してくるでしょう。

明治時代の帝国主義により、無理やり日本が中国から奪ったとも中国は言えるでしょうし、

そもそもただの島であったのが、経済水域の設定によって、奪い合いになってしまったのは悲しいことです。

ちなみに明の資料についてですが、明から1561年に琉球へ派遣された使節が皇帝に提出した上奏文に、尖閣諸島の大正島が「琉球」と明記されていたようです。

しかし、中国は琉球そのものが、そもそも中国の属国である、という立場なため、揺らぎません。

本当に一番最初はどうなっているのか、これは過去を実際に見れない以上、資料から推測していく他ありません。

それでも国際法上を考えると、日本の領土と主張するのに十分な根拠があると思われます(明治からの実効支配含めて)。

しかし、ハーグ国際仲裁裁判所が中国の南沙諸島の領有権主張を否定したにもかかわらず、中国は一切認めていません。

もはや裁判をしても中国は動かないのでしょう。

6 今後中国はどうするつもりなのか

中国としては、日本が戦争に踏み切らないことを読んで(国内世論上あきらかに)、

そのギリギリのところで少しずつ尖閣および沖縄諸島を中国のものと国際社会にアピールしていく狙いだと思われます。

中国はおそらく最悪、戦争になってもいいように準備を進めているのでしょう。

戦争にはしない前提で、すこしずつむしり取っていくつもり、と言った方が正しいかもしれません。

経済的な損失を考えると、現代で戦争を起こすというのはとんでもなう愚かなことですが、

13億人という巨大な市場がある以上、もしかしたら日本に頼らず、資源を周囲から奪った方が効率がいいと考えているのかもしれません。

要は、二次大戦を引き起こしたブロック経済と植民地化政策ですね。

アメリカ企業の排斥なども最近は積極的ですし。

国際社会では、極東のことなど気にしていないという風潮をうまく利用し、

少しずつ中国の正当性を主張しながら、奪っていく。

問題があれば中国市場と力をアピールして黙らせる。

中国国内は格差がひどく、民族問題など集積しているため、今後も対外的な敵を作ることで国内不満をしのいでいくつもりなのは間違いないです。

東アジア情勢にうとい欧米に対しては、ハーグ仲裁裁判所で出された南沙諸島周辺問題と、尖閣諸島問題をすり替えてしまおうとしているのかもしれません。

つまり、しばらく尖閣を荒らして、9月に中国で行われるG20前に尖閣から既に手を引きます、という意図をアピールして、南沙諸島の妥協を求めるのです。

7 日本はこれからどうするの?

それでは、日本はどうしたらよいのか。

日本政府としては、尖閣諸島は我が国固有の領土という立場を譲る気はありませんから、

尖閣諸島周辺に勝手に漁船が入り、その警護に中国の公船がいるというのは、明らかな領海侵犯で、許されることではありません。

外交上、いきなり自衛隊を出撃させて撃退しては、戦争になりますからそれができない、というのが難しいところ。(他国は結構、中国船を撃沈したりしていますが)

今回、岸田外務大臣が駐日大使を呼び出したというのは、かなり重い対応なのですが、

それでは全く譲らないのが目に見えています。

まず海上保安庁では、400隻という大群に対応することが難しいため、

自衛隊の出動が考えられます。

自衛隊の海上警備行動、あるいは治安出動を命じ、実際に海上に派遣することが考えられます。

しかし、そうなると中国との関係はますます悪化するため、しばらくは抗議という形を続けるのではないでしょうか。

もはや、中国と手を切ってもいい、という覚悟を見せないと、今の中国は止められない気がします。

【ここからは個人的意見】

日本はもっと国際社会にアピールするべきだと思います。

戦争は回避すべき最悪の選択ですから、武力衝突にならないようにしつつも、

領海を侵犯されているのなら、非常事態宣言を首相自らが発動して、

国際社会のメディアがこぞって取り上げるような体制を作り上げる。

さらに自衛隊を出動させ、それをカメラで国際社会に流す。

もちろん、上記の主張を同時に行い、

「これ以上領海侵犯を行うなら、自衛隊による防衛措置を行う」とはっきり主張し、

そして、アメリカ大統領に直々に首相みずから電話して、安保条約の適用を申し出ることはできないのだろうかと思います。

ここまでアピールすれば、さすがの中国も手を引くものと思われます。

関係は悪化するでしょうが、ずっと黙っていてはどうしようもなくなります。

領土問題が存在しないなどと言っておらず、

同時に国際司法裁判所に両国お互いに提訴して、国際社会に判断を求めようと、堂々と主張すべきです。

それを9月のG20の首脳会議でもはっきり告げるべきだと思います。

中国が引くに引けない状態で、とにかく国際社会という多数を味方につける。

お互いに主張を繰り返して、あいまいなままにしておく、というのも戦争を避ける一種の手段ではありますが(竹島や北方領土がまさにその典型)、中国がここまで進出している以上、

もはやこれしか尖閣諸島問題を解決する手段はないように思います。

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