目次
ドントブリーズ2ネタバレストーリー考察。あらすじとエンディングの感想評価。老人と少女の正体とラストの衝撃!
以下、画像はドントブリーズ2youtube公式©より一部引用して考察します。
あらすじとストーリーを含めて考察するため、未見の方はネタバレにご注意ください。
また、最初に前作ドントブリーズ1のあらすじもざっと追ってみたいと思いますので、こちらもネタバレにご注意ください。
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1前作ドントブリーズ1のあらすじをざっくりおさらい。謎の老人の恐怖とは
2016年に公開されて、話題となったホラー映画「ドントブリーズ(DONT BREATHE)」。
その名の通り、「息をするな」という意味です。
20年に1本のホラー映画とも評され、息つく暇さえもないスリリングな展開が続く作品でした。
しかし、ホラー映画ではあっても、幽霊だとかゾンビだとか、モンスターや超常現象の類は一切なく、どちらかというと、あらすじは悪魔の生贄だったり、ハロウィンのような「人間の恐怖」を描いたホラーとなっています。
ただ、個人的にはハロウィンなどの狂気に溢れた作品ともまた違って、ありそうな日常の、ありそうな恐怖を最大にグレードアップしたような、敵である老人にも同情の余地を残すヒューマンドラマのような側面が強いかなと思います。
ざっくりとあらすじを解説すると、
主人公は真ん中の女性のロッキー。
ロッキーはどうしようもない育児放棄かつ酒浸りの両親と暮らしていて、彼女は妹と一緒に家を抜け出し、カリフォルニアに移住することを夢見ていました。
そのために選んだ手段が盗み。
友人のアレックス(右)は、父親が警備会社のため、セキュリティに詳しく、ロッキーに片思い中。
左のマネーは素行不良なロッキーの彼氏です。
3人はお金を得るために、アレックスの父親が働いているセキュリティ会社を利用している邸宅に侵入する日々を送っていました。
そんなある日、マネーがつかんできた情報が、盲目の老人が一人暮らしをしており、しかも交通事故で娘を失った示談金で大量のお金が家にある、というもの。
アレックスは「盲目のような人の家から盗みはやれない」と最初は拒否しますが、
大好きなロッキーがカリフォルニアに行けるように、最終的には同意して侵入することになります。
「たかが盲目の老人一人だろ・・・寝かせて盗めば楽勝や!」
と思っていたのもつかの間、
実は老人は元軍人であり、盲目でありながらも聴覚が異常に発達しており、格闘術にもたけているという超人。
アメリカでは、住居に侵入した悪人は問答無用で正当防衛の対象となり、命を奪われても文句は言えませんよね。
ここから、少年少女の3人は、音を立てたら即狙われる・・・という恐怖の世界に入っていくのです。。。
まさにこれが「ドントブリーズ(息をするな)」の由来で、息する音さえも出したら命はないぞ、というもの。
ただ、これだと単純に、家に侵入した悪ガキと正当防衛の盲目のおじいさんが戦う話、話だけ聞くと、正義の老人が悪人と戦う話なんですが、実はこの老人こそ曲者であり、
実は交通事故で最愛の娘の命を奪った犯人である、お金持ちのご令嬢を家の地下室に閉じ込め、さらに自分の新しい娘を産んでもらおうとしていたのです。。。
そこでついたあだ名が「スポイドおじいさん」(;´▽`A“
詳しくは書けませんが、要はスポイドを子供を作る道具にしていたということ。
うーん、実はこの盲目の老人も、悪人だったという・・・。
しかし、この老人には同情する余地があって、
最愛の娘の命を奪ったお金持ちのご令嬢は、法律に守られ、示談金を払うことで刑務所にも入っていません。(弁護士が優秀でありお金で解決させられた、ということ)
最愛の娘を奪われたのに、その犯人はのうのうと金持ち生活を満喫している・・・。
一般人の私から見ても、ちょっと許しがたいという気持ちがよく分かります。
そこで、盲目の老人は、そこで犯人の命を奪うのではなく、新しく娘さえ生んでくれれば解放するよ、という条件をつきつけたのです。
悪人としては微妙な?やさしさを持ち合わせています。
まぁ、いずれにせよ犯罪なので、バレたら老人も捕まってしまいます。
そこで、老人はこの秘密を知ってしまった若者3人を逃すまいと追ってくることになるのです・・・。
全編を通して、この老人の家で逃げ回り、戦う描写がメインとなります。
この辺はバイオハザード7をプレイした方なら、なんとなく雰囲気が同じなので分かると思います。
狭い空間で圧倒的強者に追われる恐怖。
これがドントブリーズの見所であり、恐怖の源です。
最終的には、女性のロッキーのみが生き残り、大金を手に入れて妹と一緒にカリフォルニアへと旅立つ描写が描かれます。
不良のマネーは老人の最初の犠牲者となり、ロッキーを愛していたアレックスは、捕まったロッキーを助け出した後に、老人に追いつかれて命を落としたのです。。。
ロッキーは一度は家から抜け出せますが、犬に追われて再び捕まり、その後、アレックスに渡されていた防犯装置を鳴らすブザーによって、老人の聴覚を奪い、老人を倒すことに成功しました。
そして、「く〇やろう」という言葉とともに、ロッキーは倒した老人を見下して家から出ていきます。
老人の家に侵入して盗みをする彼等も十分に悪なんですけどね・・・(´;ω;`)
映画自体は、主人公であるロッキーが妹と大金を手に入れてめでたしめでたし、と比較的さわやかに終わりますが、その後に実は倒したはずの老人が生きていた・・・という展開が描かれています。
世間的には老人は悲劇の被害者であり、誘拐などの証拠は残っていません。
ロッキーの親友だったアレックスとマネーはあくまで一方的な悪人として発表されたのです・・・。
そして・・・ここからドントブリーズ2のあらすじへとつながっていきます。
【まとめ】
ドントブリーズでは、最愛の娘を失って悪に身を落とした老人が描かれた。
ドントブリーズの敵は、盗みに入った若者3人。
ドントブリーズでは狭い家の中で逃げ回る恐怖が描かれた。
老人は生きていて、娘を取り戻すことをあきらめてはいない・・・。
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2ドントブリーズ2 ストーリー考察(ネタバレ注意)8年後。
ドントブリーズ2のポスターには新しく少女が描かれ、さらに8年後の話であることが明かされていました。
(さらに、前作では「盲目の老人」とクレジットでもされていた男の名前が、ノーマン・ノードストローム であることも判明しています)
老人の目的は最愛の少女を取り戻すことなので・・・つまり・・・。
以下、あらすじストーリーを考察しながら、感想も書いていきたいと思います。
1舞台は8年後。盲目の老人の家で平和に暮らす少女
冒頭から犬に追われて逃げる少女が描かれます。
てっきり、また少女を追いかけまわしているのか!と思ったら、実はこれは訓練。
少女フェニックスは、老人と二人で暮らしており、老人をパパと呼んでいます。
老人は「敵」を恐れており、いつ敵が来てもいいように少女フェニックスを鍛えていたのです。
フェニックスは老人のことをパパと呼び、慕っています。
しかし、年頃なのになぜか学校にも行かせてもらえず、街にもほとんど行かせてもらえない、外出も制限される、という束縛だらけの生活に不満を持っており、近くにある養護施設の子供たちが自由に遊ぶのをうらやましく思っていました。
フェニックスは老人に母親のことを聴きますが、「賢い人だった」という返答だけで、写真もないのです。。
一体この少女の正体は誰なのか?
なぜ、老人と一緒に訓練をしながら暮らしているのか・・・?
2またも悲劇が!今度は襲われる側となった老人と少女
そんなある日、またもや老人の家に恐怖の時間が訪れます。
今作ドントブリーズ2では主人公が老人とフェニックスであり、敵は元特殊部隊の連中、という前作とは真逆の演出がされています。
言うなれば、ターミネーター1で敵だったシュワちゃんが、2では味方になったようなもの。
前作ドントブリーズで主人公と私たちを恐怖に陥れた盲目の老人ノーマン・ノードストロームが、今作では頼もしい味方になるのです。
・・・しかし、前作の敵が素人の若者だったのに対して、今作ドントブリーズ2では、まさかの元特殊部隊員。
彼等はなぜかフェニックスを付け回し、老人の家に狙いを定めて襲ってきたのです。
老人は必死に戦いますが、複数人の元特殊部隊が相手では分が悪く、最終的に最愛の少女フェニックスは連れ去られ、家も燃やされてしまいます。。。
なんでこの老人ばっかり不幸が続くんや。。。(´;ω;`)
一体、この元特殊部隊員達の目的とは?
なぜ、少女を連れ去ったのか?
そして、一番の謎。この少女の正体は一体?
ドントブリーズ2の核心に当たる謎が明かされていきます。
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3フェニックスの正体と謎が判明!
連れ去られた少女フェニックス。
しかし、目覚めたベッドの横にいた主犯格の男レイラン(画像)は、ここで衝撃の事実を発しました。
「俺はお前の本当の父親だ。8年前に家が火事になり、俺は責任を負わされて刑務所にいた。なんとか火事から逃げ出せたお前は道路で倒れ、その後であの老人がお前に【父親】だと嘘を言ってだまして連れ去ったんだ」
と。
8年前なので、少女もまだ幼く、家が火事となった事件のことも本当の父親や母親の記憶はありませんでした。
そして、老人はそんな少女が火事から逃げ出して倒れていた場面に偶然散歩中にでくわし、そのまま自分の娘として育て始めたのです。
映画の描写では、フェニックスは自分の本当の名前も知らず、父親や母親の顔も覚えていなかったため、老人が育てても違和感がなかったのでしょう。
少女は最初は半信半疑でしたが、主犯格の男レイランが自分と同じく一部に白髪があること、そして途中で登場した女性が、フェニックスが唯一覚えていた子守歌を歌っていたことから、ようやく実の両親に出会えた!と喜ぶのです。
さらに、少女の本当の名前はフェニックスではなくて「タラ」であるとも明かされます。
この時点で、老人はやっぱり悪。
フェニックスは自分を育ててくれたけれど、誘拐した老人よりも、実の両親と一緒に暮らせるタラとしての人生を選ぶのです。
この時点では、やっぱり老人は老人、悪側だった・・・(;´▽`A“
という気持ちと、今作主人公として描かれていたため、あまりに悲しい結果に愕然としましたが、ここから先の展開で救われる?ことになります。
4老人VS悪の特殊部隊員。クライマックス
本当の両親と出会えて、少女フェニックス的にはハッピーエンドだったはずが・・・、
実は両親はもともとド〇ッグの製造と売買をしていた悪人であり、その工場として使っていた家が火事になっていたのです。
元特殊部隊員たちも、そのお金で生活をしていたまさにギャング。
さらに、8年前の火事で心臓をやられてしまったフェニックスの母親は、まさかのドナーとして実の娘であるフェニックスの心臓を欲しがります。
なぜ彼らが執拗に少女フェニックスを求めたのか。
それは最愛の娘を悪の老人から取り戻すためではなくて、
薬の工場で制作を取り仕切っていた母親が命を落とすと困るから、その唯一の適合者である少女を手に入れて、無理やりドナーにしてやろう、という鬼畜の限りの理由だったのです。
この事実を実の母親から聞かされて茫然自失となる少女フェニックス・・・。
そして、適合手術を行う医者は、臓器売買をしていて指名手配となっていた人間・・・。
あまりの悲劇に、少女の命が奪われそうになったその時・・・!
ついに悪人たちの隠れ家にやってきたのが、最恐の盲目の老人ことノーマン!
老人は少女を連れ去った犯人が、実の父親だとも知っています。
本来ならそこであきらめてもおかしくはないのですが、、あきらめないのがノーマン。
もしも、実の両親がいい人で、フェニックスがタラとして幸せに生きる世界があったなら、ノーマンはただの極悪人であり、執拗にフェニックスを追い回す「悪」だったはずです。
しかし、今作ではその両親こそが真の悪であり、同じく悪であったはずのノーマンが回りまわって正義の味方となるという展開が描かれました。
ここからノーマンはアジトを停電させ、暗闇の世界で圧倒的な強者として元特殊部隊員たちを次々にあの世に送っていくことになります・・・まさにドントブリーズの「恐怖」が味方になった瞬間です。
この辺はランボーやプレデターの演出にも近いかもしれません。
実はノーマンもまた元ネイビーシールズという最強特殊部隊の出身であることも今作明かされました。
5ドントブリーズ2エンディング。ラストの老人の言葉に感動
元特殊部隊員の命を次々と奪い、最終的にノーマンはフェニックスの父親レイランと一騎打ちをすることになります。
「お前にも私が見ている世界を見せてやろう・・・」
ノーマンがレイランの視界を奪うという恐怖の展開・・・。
そして、ギリギリの所でノーマンはフェニックスを救い出しますが、近寄るフェニックスに声を荒げて言います。
「私に近づくな!私は罪を犯した・・・命を奪い、女性もおそった・・・私はモンスターなんだ・・・」
「もう行け!二度と私に近づくな・・・」
ノーマンはあれほど求めていた「自分の娘」フェニックスを最終的に自ら手放し、自分の欲よりも、フェニックスの未来を選んだのです。
しかし、ここで終わらないのがドントブリーズ2。
目を失い、倒れていたレイモンが蘇り、ノーマンを背中から襲います。。
そして、ノーマンVS実の父親レイモンの対決を目の当たりにしたフェニックスは・・・。
最終的にレイモンを背後から倒し、ノーマンを助け出したのです。
しかし、ノーマンは重症。
「絶対助けるから・・・(I will help you)」とどうしようもないことを悟りながら泣きじゃくるフェニックスにノーマンは言います。
「お前はもう私を救ってくれたんだ・・・(you already have)」
そして、ここに最愛の娘を求め続け、時にモンスターとなりながらも、最終的に「娘」を助け出し、逆に心を救われた男の人生が幕を閉じたのです。
それから、フェニックスは冒頭に出てきた養護学校の門をたたき、
「名前は?」
という問いに、
「フェニックス!」
と笑顔で答えてストーリーは終わります。
ここから感想と評価を書いていきます。
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ドントブリーズ2の感想と評価!
1では圧倒的な恐怖の「敵」として描かれた盲目の老人ことノーマン・ノードストローム 。
しかし、全編を通して、彼の目的は失った「最愛の娘」にあり、そこには同情すべき余地が多分にあるように感じます。
1のラストで、老人は最後まで恐怖の対象であり、主人公ロッキー視点で「やられてもおかしくない人間」として描かれていましたが、正直、1を見た時は
「自分の最愛の娘を奪った相手に対して命を奪わないけど、代わりを産んで償ってもらう」
というやり方は確かに法的には絶対悪ですが、気持ち的には分かるし、
勝手に家に侵入して命を取る(かもしれない)相手を倒そうとする老人に、絶対的な悪を感じなかったのも事実です。
1でも、言ってみれば悪vs悪という描かれ方でしたが、2でもそれは健在で、
見知らぬ道で倒れていた少女を勝手に家に連れ帰って、街にもほとんど出さずにある意味軟禁のような状態で育てていたノーマンは、やっぱり「法的には」悪でしょう。
上にも書いた通り、もしも、フェニックスが両親とともに「タラ」として幸せに生きる世界があったとしたなら、アジトに乗り込んできて再び少女を取り戻そうとしたノーマンはとんでもない悪であり、ドントブリーズ2は最後まで悪人として描かれたに違いありません。
しかし、最終的に実の両親が悪人の極みであり、自分の命と生活のために、自分の娘の命を盗ろうなどと考える存在だったため、ノーマンはむしろ最後には正義として描かれたのが、今作の面白いところです。
「悪」とは何か?
法律で絶対的に定義できるものなのか?
そういう哲学もメッセージとして含んでいる気がしてなりません。
また、今作では1のオマージュ的に、1でノーマンが主人公たちにした行為が自分に因果応報で降りかかる、という描写も面白かったです。
たとえば、1でアレックスが2階から落とされてガラスの窓から下に落ちるシーンや、1で自分がけしかけていた犬に、今度は自分が追われる展開になるなど。
もしかしたら、そういう「無力な存在が許されることなく襲われる」という経験を経て、ノーマンは自分が1でしたことに対しても罪の意識を抱き、最後にフェニックスに対して「近づくな」と自分の罪を告白したのかもしれません。
そして、ノーマンはエンディングでフェニックスに「お前が救ってくれた」と話します。
それはきっと、自分に最愛の娘の代わりという精神の安らぎを提供してくれた、という点だけではなくて、自分の罪を認めて、その罪と向き合い懺悔する機会を与えてくれた、という意味合いも含んでいたと思います。
最終的にノーマンは自分の欲としての「娘を欲しがる」のではなくて、本当に「最愛の人の心こそ優先されるべき」という利他の精神に達したのかもしれません。
キリスト教では悪人であっても最終的に「自己犠牲(利他)」に達することよって救われる、という価値観がありますが、まさに今作のノーマンの描かれ方がそれだったような気がします。
ちなみに、ノーマンを演じたスティーヴン・ラングさんは普段はこんなにさわやかな方。
公開時点で69歳だそうですが、こんな強いおじいちゃんいたら頼りになりますね。
ドントブリーズ2はホラー映画ではまったくなくて、どちらかというと、アクション映画の分類に当たる気がします。
敵にも兄弟愛があったり、「少女の命を取るのは俺の主義に反する」というかっこいい奴もいて(今作では彼だけが唯一敵として生き残った)、人間ドラマとしても見ごたえがありました。
それにしても、やっぱりどんなホラーを見ても、一番怖いのは「人間」ですね・・・。
(;´▽`A“
もしも、あんな屈強な男たちが一人でいるところを狙ってきたらどうしようもないでしょうし、最初の場面でノーマンの友人の元女性軍人が狙われた描かれ方は本当に怖かったです。
(´;ω;`)
昔だったら、あんなのは日常にあっただろうし、今の世界が、特に日本がいかに平和か、自分が守られているかを実感もしました(笑)。
最終的に感想をまとめると、
今作は1のホラー映画とはまるで違って、ターミネーター2とスターウォーズのジェダイの帰還のダースベーダーの「お前はもう既に救ってくれた・・・」の良い部分を含めたアクション&人間ドラマを見たような感じだったというのが率直な感想です(n*´ω`*n)
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