目次
カメラを止めるな!ラストの結末と伏線を徹底解説!(ネタバレ注意)原作も紹介。面白いかつまらなかったか感想は最後まで見るとわかるよ!
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ここではカメラを止めるな!の伏線と最後までの結末を考察していきます。
前半のゾンビ映画としての考察は前ページでしています。
あらすじはネタバレを大いに含みますのでご注意ください!
1物語は撮影の1か月前にさかのぼる・・・
撮影クルーがゾンビになり、ヒロインが一人だけ生き残る・・・
この悲劇が起こる1か月前に物語はさかのぼります。
「ゾンビ映画を作ろうと思っています。それも一回もカットを挟まない【ワンカット】での生放送です!」
売れない映画監督、日暮のもとに舞い込んだのは、新しいゾンビ映画の企画でした。
「それもな、ゾンビ映画を撮っていた撮影隊がゾンビになって襲われるっちゅーもんや」
と、プロデューサーに頼まれたのは、
まさかのゾンビ映画を撮っていたら、彼らがゾンビになる、という企画もの。
それをまさかのお昼に生放送で番組として、しかもワンカット(中断なし)で行うという無茶苦茶なものでした。
「えぇ~む、無理ですよ・・・」
と自信なさげに最初は断る日暮監督。
彼は主にバラエティ番組の再現映像の監督として細々とやっています。
家族3人で、妻は元女優。娘は監督志望という、まさに映画一家ですが、娘は情けない父親にうんざりして、仲もあまりよくありません。
しかし、娘の大好きな売れっ子俳優、神谷が出演する、と聞いて、
「娘のために・・・」
と嫌々ながら引き受けることになります。
そう、実は前半のゾンビの悲劇はすべて「そういう設定の撮影現場」だったのです。
そして、後半は「実は裏ではこんなことが起こっていました」という撮影現場の真実を描く作品となっています。
これがこの映画の本当の真骨頂です!
前の記事で「伏線」と書いていた部分は、すべてこの後半で明かされていきます。
最初は駄作でつまらない・・・と思っていた本作。
しかし、後半にこの映画が実はコメディ兼制作現場の裏側を描いたものだったと明かされるのです。
2映画撮影開始。しかし、スタッフは曲者ぞろいで・・・?
早速、映画撮影のために集まったスタッフたち。
しかし、皆曲者だらけでした。
前のページで登場人物をご紹介しましたが、実はこれはこの「映画内の設定」なので、本当の姿は以下になります。
現実と、映画(架空)を撮る、映画スタッフ(映画の現実)というややこしさがありますね・・・。
今作では急遽、メイク係(映画内)として女優復帰。
ゾンビ映画を撮る撮影隊を撮る映画、というなんともややこしい設定ですが、
その舞台裏がネタバレとして明かされていきます。
以下、前記事の伏線を回収していきましょう♪
3映画撮影がついに開始!
早速開始された映画撮影。
しかし、早速メイク役と監督役の俳優二人が不倫中に事故で現場にこられない、という最悪な状況から始まります・・・・。
仕方なく、本物の監督が監督役も務めるという事態に。
さらに、自分の奥さんをメイク係として起用することになります。
「俺が欲しいのは、本当の恐怖なんだよ!本物をくれよ!」
「なんで演技が嘘くさいかわかるか?それはお前の人生が嘘ばかりだからだよ!(伏線1)」
と純粋無垢なアイドルに怒る監督。
実はこの場面は、完全な監督のアドリブ。
生意気でやる気のないアイドルについ本音をいってしまった監督の姿です。
さらに、俳優の神谷和明には、
「リハからグダグダ理屈ばっかり言いやがって!(伏線2)」
と怒鳴ります。
これも、リハーサルから「ゾンビが斧を持つなんてこと納得いきません!」とさんざん理屈をこねていた俳優への本音。
映画内で言っていたようですが、実は現実のことを言っていたのです。
2撮影がグダグダに。
メイクの日暮晴美が、主役の二人に「ここはよくない噂があんのよ・・・」と語る場面。
監督が戻らないので、3人は趣味などの談笑を続けますが、気まずい空気の中、話も進みません(伏線3)
実はこの場面、裏でディレクター役の俳優がすで焼酎1本を飲み干し、ぐでんぐでんになっている状態を監督が介抱しています。
「もう酒はのまないよ」と約束していたはずなのに、フラグ通りに飲み干してしまったベテラン俳優。
そんな状態をつなぐために、趣味の話などでなんとか場をつなごうとしていたのです。
そんな気まずい雰囲気の中、突如として扉に「バンっ!」という大きな音がして(伏線4)
驚く一行の場面。
これも酔っぱらって倒れた俳優が扉にもたれかかった音。
そして外でたばこを吸っていた山ノ内洋(眼鏡くん)でしたが、
眼鏡くんに向かってリアルに吐いてしまい、現場は無茶苦茶です。
この場面も、実は演技ではなくて、本当に酔いつぶれて目が回っている状態というオチ。
でも、撮影を止めるわけにはいきません。
なぜなら、生放送だから!
ここから惨劇と悲劇がはじまるのです・・・(リアル)。
そんな中、なぜか急に具合悪そうに逃げ出そうとする音声スタッフ(伏線6)。
「おいおいっ」と監督は彼を止めにいきます。
「どこに行くの!外は化け物だらけよ!」
と止めるメイク。
しかし、彼はそれを振り切って外に走り出し、直後にそれは悲鳴に変わります。
実はこの場面も、撮影前に間違って硬水を飲んでしまった彼が下痢となり、慌てて撮影中に飛び出そうとしたというオチ。
「おいおいどこ行くんだ!」はフィクションではなく、リアル。
そして悲鳴は、飛び出して下痢がしたい俳優の彼をスタッフが取り押さえたから。
「やめてくれ~トイレにいかせてくれ~」
という本当の叫びだったのです・・・。
本当はゾンビになる予定などない音声さんだったのですが、仕方なく路線変更。
そして彼は下痢をしている最中に、ゾンビメイクを急遽施される、というさんざんな結果に・・・・。
「さ、撮影は続行する!カメラは止めないっ!」と叫ぶ監督(伏線7)。
これはまさに、現実でトラブルだらけになってしまった撮影現場で、カメラマンについ叫んでしまった場面。
そう、「カメラは止めないっ!」は現実の出来事だったのです。_(┐「ε:)_ズコー
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3メイク役の奥さんが大暴走!
取り残されたヒロイン、ゾンビ役の恋人ケンちゃん、メイクのなおの3人は、なんとかこの場所から逃げ出そうと画策する場面。
「あなた・・・かまれたの?」
ここでヒロインの足首を見たメイクさんが狂気に染まり始めます。
「大丈夫・・・念のためだから・・・」
と血に染まりながら、今度はヒロインを斧で追い回し始める場面です(伏線8)。
ゾンビだけじゃなく、頭が狂ったメイクさんにも襲われるようになったヒロインでしたが、これも実は
「演技に入りすぎたら、本当に現実の区別がつかなくなる」という元女優をクビになった日暮奥さんの暴走で、リアルに恐ろしい場面になっていたのです。。。
「だから女優はだめだと言ったんだ・・・」
と慌てる監督。
スイッチが入って止まらない奥さん。
主役たちはもはや逃げ場のない廃墟を必死に逃げ惑います(リアル)。
ゾンビ役すら総動員して必死に奥さんを止めようとしますが、止まりません・・・。
最後は頭の狂ったメイクを斧で攻撃して倒す場面(伏線9)ですが、これもどうしようもなくなった奥さんを日暮監督が三角締めで気絶させるという、現実のハプニングだったのです。
そして頭に斧を刺すという特殊メイクでなんとか危機を乗り切った一行。
それを見たヒロインは倉庫に逃げますが、
愛していた恋人がやられ、襲い来るゾンビの姿を見て、思わず口を押える場面(伏線10)。
「まさか・・・」。
これも実は
「斧を奥さんに使用してしまったので、外においた新しい斧をもっていって」
というカンペを見て驚いた顔。
なんで都合よく斧が2本もあるんや・・・
と思っていたら、やむなく用意されたものだったのです。。
覚悟を決めたヒロインはそばにあった斧(伏線11)を拾い、最後の対決へと向かいます(リアル)。
屋上に戻ったヒロイン。
「ケンちゃん!」と叫びますが、振り向いたかつての恋人は最初の撮影の場面と同じく、ゾンビとなって襲ってきます。
それを喜びながら「クライマックスだ~!」と撮影する監督。
「ケンちゃん、やめて!」
止まるゾンビ。
「ケンちゃん、目を覚まして!」
再び足を止めるゾンビ。
ゾンビにはかつての記憶があるのか?なぜかヒロインの声に反応して時々足を止めます(伏線12)。
これも暴れた奥さんのせいで、撮影用のクレーン機材が壊れてしまったため、残ったスタッフでピラミッド(体操)を作っていたから、その時間稼ぎ。
そして、最後の結末は、生気をなくしてしまったヒロインが斧をズルズルと引きずりながら、歩いていき、空を茫然と見つめて・・・(伏線13)
まさかの大の大人たちが必死の形相でピラミッドを作って震えている様子を唖然と不安そうに見ているヒロインそのものだったのです。
そして、生放送は散々な混乱の末に無事に終了。
「ようできとったな!」
と何も知らないで笑いあうテレビ局スタッフ(実はこれが最初の場面を見た観客の私たちそのものという視点)。
この映画の主題は、実は撮影現場ではハプニングとの闘いとこんな大変な事情があるんですよ、とコメディを入れて教えてくれるものだったのです。
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4最後と結末と感想
情けない監督が自分の本心をぶつけて、
生意気なアイドルが、本当の演技を学び、
理屈っぽい俳優が、感情とハプニングで新しい演技を開花させ、
さらにお父さんを馬鹿にしていた娘が、父の苦労と愛情、さらに実際の現場で立派な監督代行として仕切って見せる、という見せ場がたくさんあった本作。
父が俳優として動き、娘が現場を仕切って一緒に作品を完成させる。
最後は、仲が悪かった娘がカメラを構え、ピラミッドの最上段で監督のお父さんの背中にまたがって撮影を終了させる(かつて仲が良かった幼い頃と同じように)、という家族愛も含んだテーマでした。
コメディなので、その面白さはどうしても文章だと伝えきれませんが、
とにかくこの映画は実際に2回見ると、最初の場面も「裏」がわかってより楽しめます。
最後の結末には、この生放送をやり切ったスタッフ全員の笑顔が映され、爽快な気分になります。
実際は、こんなにやさしい監督はいなさそうですし、現場は緊張に包まれたり、もっと大変だと思いますが、「映画撮影ってすっごく面白そう!」
と思わせてくれるものだったと思います。
特におなかを下した彼の演技には、本当に皆で大笑いしました。
2017年上田組へ(さらけ出した自分を受け入れてもらえる)。
というスタッフ紹介通り、さらけ出しまくってましたね(笑)。
実は原作は舞台の「劇団PEACE!」による「GHOST IN THE BOX」という作品なんだそうです。
上田監督は脚本を担当。
宮藤官九郎さんにもちょっぴり似ている上田監督ですが、今回の大ヒットを受けて、これからたくさん出てくると思います。
今後の作品も期待しています。
無名の俳優さんたちでクラウドファンディングから始まった本作でしたが、これからもどんどんこういう作品が増えたらいいな~と思います♪
見知ったベテラン俳優さんや旬の俳優さんたちも好きですが、やっぱり無名の方からどんどん発掘して、面白い作品は「知名度は関係ない」ということを証明したという意味でも、今作はよかったのかなって。(#^^#)