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- シン・ゴジラ ネタバレあり感想。全体のストーリーまとめレビュー。ラストのしっぽの人間の謎も解明か!
シン・ゴジラ ネタバレあり感想。全体のストーリーまとめレビュー。ラストのしっぽの人間の謎も解明か!
ラストシーンのしっぽの人間の謎の考察は、当ページの下の方でしています。
途中、歴代ゴジラの身長比較や、形態変化も考察しています。
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ここから先は本当にシン・ゴジラのネタバレを含んでいますので、知りたくない方はご注意ください。
では、まずは全体のストーリーから。
1 冒頭30分間はひたすら会議!というか、全体的に会議!
まず、東宝のマークが消えた後、
東京湾に浮かぶ一隻のボートを海保が探索するところから始まります(これがラストの伏線になっています)
持ち主は行方不明。
どういうことだ?と首をかしげていると、
突如、地震が。
逃げ惑う海保の人たちを飲み込む水しぶき。
さらにアクアラインの海ほたる近郊で、海底トンネルの陥没が起こります。
その後、海が真っ赤に染まっていきます・・・。
この事件はすぐにテレビに流れ、
パニックになる人々の映像と同時に、早速「会議」が始まります。
主人公は、長谷川博己さん(39歳)が演じる矢口蘭堂(内閣官房副長官)です。
つまり、政治家です。
彼は、若くして政治家になり、さらに10年後に首相の椅子を狙っているという野心家です。
彼の後輩役にして秘書は高良健吾さん。
お二人ともいかにも優秀というオーラを出していました。
会議では、ひたすら様々な役職の政治家が字幕紹介とともに出てきます。
首相は、大杉漣さん。
内閣官房長官は、柄本明さんです。
個人的には、ゴジラvsスペースゴジラのときに、モゲラを運転し、最後までかっこよかった印象があったので、すごくうれしかったです。
主人公の先輩にして、首相補佐官役に竹野内豊さん。
本来なら矢口はかなり上の立場なのですが、出てくる人たちが、首相や大臣クラスばかりなので、まだ下に見られています。
最初の会議では、
「自然災害だ」
「いや、他国の攻撃だ」
「他国の攻撃なら、東京湾は海が浅いからありえない」
「なら、やっぱり海底火山の噴火だ!」
とお偉方が推測し、
その中で一人だけ、
「これは生物の仕業だと思われます。動画にもそのような影が・・・」
と矢口が主張します。
しかし、「そんなことはありえない」
の一言で一蹴され、首相が記者会見を行う決定をしますが、
その直前にテレビの映像が流れ、
巨大なしっぽが海に現れる様子が映ります。
「・・・。」
唖然とする一同。
やはり矢口は正しかったのです。
2 未確認生物陸上にあがる
実際のシンゴジラ第一形態の予想図の一つ。
実際はしっぽしか映りませんので、第一形態は謎のままです。
Pixivに投稿された予想図も。これはかなりリアルです。
その「巨大なしっぽ」は尾びれのようなものを海面に出し、多摩川方面に進んでいきます。
「なんだあれは」
「想定外だ」
と皆が口にし、
「巨大な海洋生物は陸に上がると自重で押しつぶされるから、まず陸に上がることはないでしょう」
という専門家の言葉を信じて、記者会見を行う首相。
余裕たっぷりに「絶対に陸には上がりません」
と、言った直後、その未確認生物は陸に上がります。
「・・・」
その陸に上がった生物の体長は170メートル。
この時点ではゴジラではありません。
そう、今回のゴジラは形態変化するんです!!
形態変化は全部で5種類。これも楽しみの一つになります。
一見して、トカゲのような、目玉が飛び出し、エラから大量の赤い液体を出しながら四足歩行で街に上陸したモンスターに、鎌田の街はパニックになります。
シンゴジラ第二形態。エラから血液のような赤い液体を飛び散らせながら、ひたすら走る姿は異様そのもの。
時速13キロという遅さで進撃していくトカゲゴジラ。
正直、かなりグロテスクでした。
一方、その頃政府では・・・。
※はじめにこの物語は主人公が官房副長官ということからもお分かりいただけると思いますが、ほとんど政府内の出来事を中心に物語が進んでいきます。
そのため、基本会議や政府内の動向がストーリーの中心になります。一般市民が出てくるのは逃げるシーンかネットをしているシーンでした・・・。
続きです。
政府では、その生物についてどのように対応するかを大臣たちが大声で会議しています。
「すぐに駆除すべきだ」
「貴重なものだから、サンプルとして捕獲すべきだ」
「どうやって捕獲するんだ」
「無理ですね・・・」
「やはり駆除すべきだ」
「市民の避難も終わってないし、法的に無理がある」
「・・・」
「・・・」
「首相、どうしますか?」
首相「え? 俺!?」
のような感じで慌てる一同。
主人公の矢口や先輩の竹野内豊さん演じる首相補佐官が適格にアドバイスしていきます。
とにかく皆早口な上に、長い台詞なため、片言になったり、棒読みの人もしばしばでした。
結局、対策を立てられないまま、街の中心まで来たころ、ゴジラが停止。
そしてさらに第三形態に形態変化します。
第3形態では
体長はさらに大きくなり、ゴジラらしい顔つきになってきました。
しかし、手はまだなく、歩き方もぎこちないです。
ここで消防隊員として、小出恵介さんが少し出演されています。
本当にワンシーンだけという贅沢な起用です。
街の人々を救助するカッコいい役でした!
3 未確認生物 海へ帰っていく
政府内では、遂に首相によって、戦後初となる自衛隊による国内での攻撃命令が出されます。
しかし、付近に人がいたことから中断。
都知事は国の対応の遅さに怒り、さらに法律や規則、文書主義に縛られて何もできない政府がかなり皮肉に描かれます。
その後、ゴジラは
「?」
という感じで前の形態に逆戻りして、海へ帰っていきます。
ほっとする一同。
現場視察に行った主人公と大臣一向はあまりの現場のひどさに茫然とします。
さらに、東京都内では、放射能反応が検出され、これがゴジラのせいだと判明します。
4 石原さとみさん演じるアメリカ特使が到着
対策室に戻ると、若く生意気な女性が面会を要請してきます。
彼女は、アメリカ上院議員の娘にして、日系3世のカヨコ・アン・パタースンです。
将来の夢は40歳で大統領になることというとんでもない野心家。
肩書きはアメリカ大統領特使。
つまり、大統領権限に近いものを有している超重要人物です。
ここで驚いたのが、石原さとみさんの英語。
発音がとっても綺麗で、本当にネイティブの人が話しているようでした。
さすがイー〇ンの宣伝に出演されているだけのことはある・・・と一人感心しつつ(笑)、
他の役者さんも、英語で会話したりと優秀な政治家であることをにおわせます。
きっとすごく発音練習されたんだと思います。
その生意気な特使は、
「実はアメリカではその未確認生物について既に情報があった」
「日本のとある教授マキゴロウがその生物について研究していた」
「その生物はGODZILLA、つまり神の化身と呼ばれていた」
「ゴジラは海底に各国が捨てた放射性廃棄物を食べて育った新種だ」
「マキゴロウはアメリカのDEOという機関に送られた彼のデータを消去した」
などと重要な情報を話してくれます。
「アメリカは既にゴジラのサンプルを持ち帰っている。日本には全面協力をお願いする」
と、ひたすら上から目線な石原さん(笑)。
すごくいい役どころだと思います。
石原さん演じるカヨコは、そのマキゴロウの情報を求めて日本にやってきていたのです。
教授は現在行方不明で、
実は冒頭に出てきた無人のボートは教授のものでした。
そこに残されていたのは
「私は好きにした。君らも好きにしろ」
という謎の手紙と、地図のようなデータだけでした・・・。
(伏線で一番重要)
5 ゴジラの弱点を発見する
政府内では、優秀な官僚が集められ、研究が続いていました。
市川実日子さん演じる環境省の課長補佐は、優秀だけど嫌われ者という面白い設定です。
とても重要な事実に気付く、物語のキーパーソンなのですが、
ここで、ゴジラの弱点に気付きます。
「ゴジラの餌は放射性廃棄物で、体の中は原子炉と同じ」
「つまり、熱を放出できないと、自ら崩壊するはず」
「放熱はカラダの血液が循環することで起きている」
「熱放出を遮るために、血液を凝固させてしまえばいい」
「するとゴジラは自己崩壊を避けるために、体内の原子炉を停止させ、活動をやめるはず!」
そして、この作戦は、「ヤグチプラン」と呼ばれるようになります。
6 ゴジラ再び鎌倉に現れる。自衛隊による撃退開始!
一旦、海に帰ったゴジラ。
実はそれは、熱を冷ますと同時に、一定量の熱を出すと、活動が停止してしまうからでした。
今度のゴジラは遂に第4形態に進化しています!
体長は最初の2倍。
トカゲ時点で、資料に170メートルと書いていましたから、現在は約300メートル超・・・と思ったのですが、公式では118・5mだそうです。
つまりしっぽを入れた全長は300m超。身長は118.5mということ。
過去最大級の大きさです。
フィギュアで比較するシンゴジラの4形態。最後は格段に大きくなっています。
ゴジラ作品全体の比較図。シンゴジラはかつてのゴジラ作品と比べても一番大きいです。
しっぽだけでも人間視点では山のように見え、人々は逃げ惑います。
そして再び政府内で「想定外だ」の声が。
ゴジラは都心を目指して、進撃していきます。
救助法案も可決され、今度こそはゴジラを撃退しようと政府内がまとまります。
自衛隊を動かし、大量の戦車と戦闘ヘリを用意し、
多摩川にて戦闘開始です!
この作戦は「多摩作戦」とされ、
自衛隊役でお決まりのピエール瀧さんが指揮を務めます。
サイレン2ではちょっとおかしなピエールさんの自衛官でしたが、今回は真面目です。
そして、戦車に乗る自衛官役には、斎藤工さんが!
こちらもその場面だけの贅沢な起用です!
作戦1 戦闘ヘリによる攻撃
たくさん弾を撃つのですが、ゴジラに跳ね返ってまったく効果はありません。
1万6千発もの弾は無駄に終わりました。
作戦2 ミサイル攻撃
これも全く痛くも痒くもないという感じで、平然としているゴジラ。
あれ?
これってまさにATフィールドじゃない?というツッコミを入れたくなるほど、ぴんぴんとしています(笑)。
作戦3 10式戦車の出動
いよいよ斎藤工さんの出番なのですが、やっぱり全く効果ありませんでした・・・。
やっぱり演出が使徒襲来と同じく、一般攻撃は歯が立ちません。
作戦4 戦闘機による攻撃
最後に戦闘機も出撃しますが、これも意味なし。
結局、作戦は絶望とともに終了し、多摩陣営は壊滅します。
「この世界でもっとも進化した完全生物」
これがゴジラに与えられた称号でした。
7 アメリカが遂に介入を始める。そしてゴジラの最強の技が。
ここに来て黙ってないのがアメリカ。
既にサンプルを持ち帰ったり、いろいろしてはいたのですが、アメリカ大使館を守るという名目で、グアムから爆撃機を飛ばしてきます。
それを止められない日本・・・。
そして、地中貫通弾というもので、遂にゴジラの表皮を破り、傷をつけることができました!
大喜びする首相たち。
しかし・・・。
次の瞬間、ゴジラの口がバイオハザード5のマジニのように、下あごが割れてガバッと開き
さらに、体がムラサキに光始めます。
(この紫という演出は大好きでした)
これがシンゴジラの最終形態である第5形態です!
(人によっては、ラストシーンを第5形態とも言います。ただ、ラストは凍結したシーンのしっぽで、既にこの時点で存在していますので、ここを第5形態としています)
そして、
地面に向けて、大量の炎を吐き出します。
この場面が今回もっとも迫力のあるシーンで、東京の中心地が全て燃やし尽くされてしまいます。
まさに火の7日間を実現した巨神兵そのものです。
さらに背中からは紫色のビームが何本も出て、空中にいる爆撃機を撃墜していきます。
このビームはまさにエヴァンゲリオンの使徒ラミエルそのものでした。
しかも、ゴジラは体の内部にレーダーを備えており、
空中にいるもの全てをレーザーで撃墜するということ。
これによって、首相官邸から逃げようとしていた首相と官房長官、大臣たちの乗っていたヘリコプターも壊されてしまいます。
圧倒的な威力を見せるレーザー攻撃。シンゴジラのスペックは、生物というより、機械に近い。かつてのエヴァの使徒以上とも言える。
主人公の矢口と数名は車での移動を命じられていたため、なんとか地下道に隠れ、生き延びることができました。
その後、ゴジラは熱を放出しつくして、停止してしまいます。
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8 世界は遂にゴジラに禁断の手を使うことを決定。翻弄される日本。
外皮はミサイルではびくともせず、
空中からの攻撃は、自動照準の背中のレーザーで対抗され、
もはや打つ手がなくなった人々。
さらに最悪なのは、
ゴジラは単体にて増殖していくという恐ろしい事実。
その個体は空を飛んだり、群体となる可能性も指摘されます。
この結果を受けたアメリカは「もう我慢できまセーン!」と安保理決議を採択。
国連から正式にアメリカを主体とした多国籍軍を結成し、
さらに東京への例の最終手段(核)を決定します。
期限はゴジラが復活すると予想される15日後。
日本に3度目の悲劇をもたらしたくない、主人公たち。
石原さとみさん演じるカヨコも、祖母が被ばくしていたことから、複雑な思いで伝えます。
首相代理となった平泉一成さんは、
いつものペースで
「困ったな~」
外務大臣「許せません!」
「だよな~」
とまったりペース(笑)。
「国連の決定を飲めば、世界が復興支援をしてくれる。日本を立て直すにはそれしかない」
と、現実主義的に復興を考える竹野内豊さん。
このとき既に、官房長官になっています(首相たちがいなくなったため)。
矢口も災害対策大臣に就任するのですが、そんな意見を受け入れることができません。
「なんとかヤグチプランを実現させよう」
こうして矢口大臣を中心に、徹底した研究が始まります。
9 ヤグチプランに光明が。
サンプルを早めに回収していたおかげで、血液凝固剤の作成は早まったのですが、まだ重要な物質が足りていません。
そんな中、マキゴロウの残した資料が実は折り紙によって立体化させると、物質構造を示す資料だと判明!
再び市川実日子さん演じる環境省の課長補佐、尾頭ヒロミを主導として、
世界中のスーパーコンピューターを結合させた解析が行われます。
ここら辺も、日本中の電力を集めたヤシマ作戦のオマージュでしょうか。
その結果、重要な微生物を発見し、ゴジラの体内にある未知の元素に効果のある血液凝固剤を創り出すことに成功します。
残された期限は2日だったところを、フランスに根回しして3日に伸ばし、なんとか間に合わせることができました。
ここで、日本から脱出していた石原さんと大統領または大使?らしき人物が
「日本もようやく外交で狡猾な手段を使えるようになったか。成長したな」
と皮肉を言っています。
これはきっと庵野監督の意見なのでしょう。
10 最後の対決。ヤシオリ作戦始動!
いよいよ作戦開始です。
作戦1 まずは陽動作戦(無人新幹線爆弾)
まずはしっかりと寝てくれていたゴジラの足下に、新幹線をぶつけ、それを爆発させます。
無人新幹線爆弾と呼ばれます。
実はこの威力は、戦闘機から落とした2000ポンド爆弾の4100発分に当たるそうです。。
1両あたりに30トンの爆弾×5編成車両=1650トンクラスの爆弾。
想像以上に威力があるものでした。
作戦2 次にゴジラの熱放射を使い尽くさせる
次に無人攻撃機プレデターを在日米軍の協力のもとで複数発進させ、空中から攻撃します。
ゴジラはもちろん、背中のレーザーやしっぽの先のレーザー(!?)で攻撃します。
作戦3 ビルを壊して、ゴジラを足止めする
高層ビルをゴジラにぶつけ、ゴジラを倒すことに成功します。
作戦4 すかさず、血液凝固剤を投入
これは結構面白かったのですが、
なんとクレーン車とタンクローリーに大量の凝固剤をのせ、
それをゴジラの口元に挿入して、流し込むというもの。
なんかゴジラが口から栄養剤を入れられてるようでした。
しかし、一度目は失敗。
起き上がったゴジラは怒って火を吐きます。
タンクローリーや戦車の第一部隊は壊滅です。
作戦5 在来線を足下にて爆破(無人在来線爆弾)
今度は在来線をゴジラの足下にぶつけ、転倒させます。
すごい作戦だ・・・。
倒れた先は東京駅。
そこで再び、作戦4の凝固剤投入です。
そして、必要量の100パーセントを投入し・・・。
それでも起き上がるゴジラ!_(┐「ε:)_
しかし、起き上がった先で、体が硬直し始め、氷のように固まってしまいました。
体内温度はなんとマイナス196度。
ついにヤシオリ作戦は成功したのです!
11 そしてエピローグへ。ラストシーンのしっぽの謎を徹底考察!
ゴジラは神の化身にして、人類に福音をもたらすもの、とされています。
体内に未知の元素を宿し、水と空気だけで生きられる細胞膜。
これらの解析に人類は展望を見出すことができるのか、
そして、登場人物たちの
「日本は必ず復興する」と力強いメッセージ。
これはきっと震災で被害を受けた日本へのメッセージなのでしょう。
カヨコと矢口も物語の最後には意気投合し、
いずれはアメリカ大統領と首相になろうと話す二人。
あれ?
カヨコさんツンデレ・・・にひひ。
ただ、ゴジラは一時的に凍結しているだけで、今後復活するそうです。
そのときに再び同じ作戦がうまくいくのか、それとも・・・。
最後にゴジラのしっぽの先にまがまがしい人間?のような姿をした存在が多数くっついている場(ゴジラ第五形態)で、映画は終わります。
あれはゴジラにやられた人間の姿なのか。
あるいは、ゴジラを生むきっかけとなったものなのか、
それとも、ゴジラの体から生まれようとしている別の生命体なのか、
全ては謎に包まれていました。
ネットでは、ゴジラから新たに生まれようとしている増殖体という意見が多かったのですが、
公式にて、ラストのしっぽの人間は実は
「最初にボートから転落した人間たち」
という見解が出されていた、という見方もあります。
ついに公式がシンゴジラ尻尾先端の人らしき形の正体を明かしたな。「ボートから身投げした人物」だと。ゴジラの正体が明らかになってきた。 pic.twitter.com/AigcOVYccZ
— シキ (@ShikiNovember) 2016年12月13日
ただし、2016年12月12日のニッポン放送ミューコミプラスというラジオ番組内で、この見解について樋口監督が「今、多くをこれ以上語りませんよ」と言っていることから、まだまだ考察の余地ありだと思います。
もしも、ボートから身投げした人物たち・・・・つまり、マキゴロウ教授たちだとすると、
彼の残した「私は好きにした。君たちも好きにしろ」というメッセージには、
「自分たちはシンゴジラという究極の生命体と一体化することを選んだ。人類を滅ぼすことになるだろう。人類(お前たち)はどうするのか?」
というメッセージも含むことになります。
あるいは、シンゴジラは実はマキゴロウ教授の関与によって存在しえた「人工の兵器」という見方もできます。
ラストのしっぽは、人間のようにも見えますが、よくよく見ると、頭がい骨の形は人間のそれとは違います。
この姿は・・・
そう、巨神兵にそっくりなのです。
(巨神兵とは、宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」に出てくる、7日で世界を滅ぼした、とされる火の巨人のことです。)
巨神兵は1000年前に産業文明を崩壊させた「火の七日間」で世界を焼き払ったといわれる巨大な人型人工生命体。
そして、ビームを出すところも共通。
シンゴジラと同じく庵野監督が「巨神兵東京に現る」を手がけているところも。
つまり、(あくまで推測ですが)、シンゴジラと巨神兵は決して別の話ではなく、
シンゴジラから新たに誕生した存在(第6形態)が巨神兵であり、その後、人類は崩壊。
そして、ナウシカの世界につながる・・・という考察(妄想)も不可能ではないと思います。
ただ、あくまで別作品として見るならば、シンゴジラのラストのしっぽの人間は、
「かつてボートから転落し、シンゴジラと一体化することを選んだ人間たち(マキゴロウ教授)の成れの果てであり、凍結後に新たなるシンゴジラ(第6形態)として生まれようとしている存在」
という見解ができます。
人間たちには背びれのようなものができており、頭蓋骨も変化していることから、第二次大戦やその他で犠牲になった人間たちは吸収され、最終的に新たな生物として誕生する・・・という考察です。
そう考えると、人類の福音となりえる、というシンゴジラは、「新たな生命体として、人類がたどりつく究極の存在としての救い(生命体としてだけではなく、人類の進化(吸収)の果て」という別の視点が生まれることになります。
こう考えると、庵野監督の旧エヴァンゲリオンのラストシーンでもあった、
人類は最終的に、全てが一体化し、個々の存在としての人間は終わる、という衝撃シーンを残した庵野監督の思想にもつながるのかもしれません。
シンゴジラにも随所にエヴァンゲリオンの要素(音楽、使徒性)がちりばめられていますので、
シンゴジラの続編がありうる、と考えた場合、最終的に人類は滅び、新たな歴史と生命が始まる・・・という結末になる可能性は高いと推測します。
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※ちょこっとコラム:ゴジラのモーションキャプチャー―はなんと野村萬斎さん!
これも個人的にかなり驚きました。
でも、確かに歩き方が能の歩き方っぽかった気がします。
さらに、KREVAさんやその他有名人も多数出演されていました。
ほんの一瞬だけなので、中々分かりづらいです。
何度か見れば分かるかも。
12 感想まとめ
最後にこの作品が伝えたいテーマを勝手ながら要約すると、
1 放射能の怖さと人間の過ち
2 官僚主義で機能しない日本の政治への主張
3 他国との外交関係改善
これを大きく主張されていた気がします。
ほとんどの場面が政治でしたもんね(笑)。
庵野監督の伝えたいことはエヴァのときからあまり変わっていない気がします。
人間への警告とも取れるかもしれません。
個人的にすごく気になったのが、ゴジラが上陸したのに、次の日には都心で平然と学校に通ったり、笑いあってる人達。
放射能も出てるし、あんなモンスターが出たら、普通なら我さきに他の県に避難したり、学校は休校になると思うのです・・・。
しかも、鎌倉ではゴジラの姿が見えてるのに、普通に写真撮ってたり、ゆっくり移動したり。
リアルにならないと分かりませんが、もう少しパニック感を出してもよかったかな?と思います。
政治より、市民目線での日本全体でのパニック感があった方がもっと面白かった気がします。
ただ、高速道路でバスが列をなしていたのはすごかったです。
「巨神兵東京に現る」での成功で、庵野監督におよびがかかったそうで、
最初は断ったものの、承諾され、エヴァンゲリオンを後回しにして全力で作り上げた今作。
とてもすごかった、と形容できます。
また、
音楽はちょくちょくエヴァンゲリオンの戦闘シーンや会議で使われた
デン、デン、デンといういつもの曲がたくさん出ています。
音楽担当は鷲巣さんで、摩砂雪さんも関わっています。
やっぱりエヴァンゲリオンっぽい雰囲気がたくさんありましたので、エヴァンゲリオン好きの人はたまらないかもです♪
エヴァンゲリオンの続編も期待してます!
シン・エヴァンゲリオン考察と情報↓
ゴジラ-1.0の考察と感想↓
官僚主義 というのは本来悪いことでもなんでもないですがね
平時には極めて有効な政治行政の運営方法です
いざというときに強力なリーダーのもとある程度民主主義を無視して動けるような体制を作っておくべきではあるが、それが出来ないのはゴジラの写真を撮って喜んでる奴等やゴジラを守れと騒ぐシールズ連中のような奴等の存在のため。