画像はhttp://wired.jp/2012/08/03/discovery-ch-morgan-freeman/より
目次
モーガン・フリーマン時空を超えて「神とは何か?」を観てレビュー♪ 幽体離脱の謎ややり方も解明か?
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以下、番組レビューと感想です♪ 番組についての詳細はNHK公式サイトよりどうぞ☆
1 まずは簡単な番組のまとめです
今回は、「人間にとって神とは何か?」をテーマにしています。
神は存在するのか否か、という超難問な証明ではなく、
人間はどうして、神を信じるのか、
そのときの脳の作用はどうなっているのか、
というアプローチから神様の正体に迫っていきます!
途中、心理実験として幽体離脱の原因とやり方についても詳細が・・・!
2 心理学者ジェシーのプリンセス・アリスの実験
画像はhttps://pixabay.com/より
この実験は、小さな子供たちを数人ずつ2組のチームに分け、「見えないもの」にどう反応するか試すものです。
最初の子供たちは、誰もいない部屋でダーツの中心にボールを投げて当てられたら褒められる、とだけ教えられます。
最初は一生懸命挑戦していましたが・・・、
誰も見ていないことが分かると、次第にズルをして直接、的にくっつけるようになります。
一方、もう一つのグループには、「この部屋にはプリンセス・アリスという透明な魔法使いがいて、君のことを見守っている」と教えられます。
すると、子供たちは最後まで決してズルをすることはありませんでした。
つまり、小さな子供であっても(神様を信じていなくても)、人は本質的に「目に見えないものを信じてしまう」のです。
これを本質主義、と言うそうです。
3 次にフッド博士の心理学実験
次は大人を対象に行います。
本質主義は大人にも当てはまるのでしょうか?
実験では、博士から聴衆に「アインシュタインが使用していた万年筆」と「全米屈指の犯罪者が来ていた服」が渡され、それをお互いに回すように言われます。
人々は、アインシュタインの万年筆は「おぉ~」と嬉しそうに回すのですが、
犯罪者の服は、「嫌だ!」と受け取りを拒否する人も。
そして、種明かし。
実はどちらもただの万年筆と服で、アインシュタインや犯罪者は嘘だったのです。
「なんだ・・・」と思う人々。
しかし、大切なのは、ただの万年筆と服だったにもかかわらず、人々は事前情報だけでその物の中に「神聖さや邪悪さが存在する」と信じてしまう、ということ。
大人であっても、本質的に目に見えないものを信じてしまうんですね。
実際にそれが存在する、しないにかかわらず、というのがポイントです。
4 ここまでの結論 人は本質的・本能的に「目に見えないもの」を信じる。
宗教はまさに必然的に生まれて来たと分かります。
これは直観であり、人が進化させてきたものだということです。
5 本当に? 幽体離脱の経験とか、超自然なことは存在するのでは?
ここで、幽体離脱の科学的解明が始まります。
入院中に自分の体や周囲の景色がみえていた、という人にとっては、科学で証明できない神秘が確かに存在する、と言います。
そこで、実験です。
脳の特定の部位、側頭部と頭頂部の間にあるTPJという部位に微弱な電気を流すと・・・なんと、人は自分が空を飛んだり、幽体離脱して自分を真上から見ている感覚になるのだそう!
検査の間、その人は目をつぶっていたのですが、自分が天井に浮かび、その部屋全体を見下ろしていた、と言います。
さらに、もう一つ。
これは幽体離脱のやり方としてもっと確実な方法で、
VR(バーチャルリアリティ)のヘッドセットをかぶり、そこに自分の後姿を映し出します。
ビデオでもカメラでもいいようですが、それをしばらく見続けて(実験では背中を触れられ、その触れられている様子をビデオに流しています)、動いてみると・・・
なんと自分の体が先にあるように感じ、幽体離脱しているような感覚になるのだそう。
これもTPJの影響なのだそうです。
TPJは自分の空間における場所を司る部位で、ここが壊れたり、一時的に電流が流れたりすることで、自分の位置をうまく把握できなくなるそうです。
つまり、手術前後や意識がもうろうとしているときに、この部位がなんらかの影響を受けると、幽体離脱をしたり、空を飛んだり、という不思議な感覚を味わえるということですね。
6 心理学者ジェニファー博士の実験 人はなぜ占いを信じるのか。占いにハマる人、詐欺にひっかかる人の条件とは。
この実験では、何の意味もない2択を選択し、最後にこれまた何の意味もないモザイク画像から「何か見えますか?」と問うものです。
最初のグループは、2択を選択しても、答えはなく、結局モザイク画像も「何も見えない」と多くの人が答えました。
次のグループは、2択に必ず答えがある、と教えられ、そのほとんどが誤り(間違い)になるように脳にストレスをかけます。
すると・・・人々は最後のモザイク画像も「これは○○だ!」と意味付けするようになったのです。
この実験から見えてきたのは、
人々はそもそも何かに意味を与えたい動物であり、
さらに脳にストレスを与えられると、その傾向は一層強まる、ということ。
さらにストレス→物事の意味を知りたがる→思い込みやコントロールを失う結果に。
そのため、人に騙されたり、何かを盲目的に信じてしまうのは、
疲れている人や、ストレスが大きい人だということです。
つまり、災害にあったり、意図しなかった苦難にあったとき、人は本質的に物事に意味付けをすることで、救われてきたと言いかえることもできます。
宗教はそうして生まれて来たんですね。
7 何歳から物事に意味を与えるのか?
これは研究で7歳~ということが分かっています。
たとえば4歳の子に、周囲からの神秘的なメッセージについて理解しろ、といっても、本質的にはまだ「その相手が自分に興味・関心がある」という他者目線での理解はできないそう。
つまり、自分目線で考えられますが、
周囲の神秘が自分のことを考えて、こういうメッセージを送ってくれている、という考え方はかなり高度な脳領域を使っているということです。
8 では、宗教に意味はないの? 神様は存在しないの?
これに関して、番組ではノーという結論です。
アンディ博士の研究によると、
無神論者と宗教を信じる人の脳を比べた場合、
祈っている最中、
無神論者では、脳内に変化が見られないのに対し、
信じている人の脳内では、明らかに
前頭前野と言語領域が活性化し、
さらに仏教など瞑想を行う場合は、視覚野が活発に動いていたということ。
この現象は、現実に対処しているのと同じことだそうです。
つまり、信じている人の脳内では、確かに「神は存在し」、
それは現実と同じレベルで脳内を活性化させている、ということ。
神がどこに存在しているのか、という問いには、脳の中であり、それすなわち現実である、という答えがあてはありそうです。
人間が見ている世界、現実と呼ばれるものも結局は、脳内で処理されたもの。
ならば神は確かに存在している、と言えるのかもしれません。
ちなみに、物理学の世界では、不確実性原理が定説です。
つまり、この世界に完全なものはなく、神様ですらその原則に従うということ。
「神様=完全な存在」
が定義だとしたら、
物理学的には、神様は存在しません。
しかし、脳的には、真実として存在しうる、ということなのです。
面白いです。
認知と現実の関係については
こちらに少し詳しく書いてあります♪
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9 まとめ
個人的には、洗礼も受けていないし、お経が唱えられるわけではないけれど、
神社やお寺にお参りしたり、そのときにお祈りして心がほっとなる感覚は、それこそが神秘とつながっているということなのかな、と思いました。
祈る行為は、人間がもっとも人間らしい行為なんだそうです。
さらに、宗教家の寿命は、他の職業と比べてもダントツトップ!
(浄土真宗を興した親鸞上人は当時、鎌倉時代で90歳以上の超長生きをされたそうです・・・)
信じている人も信じていない人も、今回の研究含めて、祈る・瞑想するということは体にも脳にも良いそうなので、ぜひ実践してみたいと思います。
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