天気の子ネタバレストーリー徹底考察&感想!聖地巡礼!君の名は。の立花瀧が登場!伏線とエンディング後の世界まで考察してみた!【天気の子 映画】
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画像は天気の子©およびyoutube公式pvより一部引用して考察します。
ストーリーと場面を追いながら、感想と考察を書いていくため、ネタバレを大いに含んでいます。ご注意ください!
登場した聖地やその他の設定・伏線などは後半にまとめます。
1陽菜が神に選ばれ「天気の巫女」となる
今作は雨の音から始まりました。
東京はずっと雨。
新宿のNTTビルを眺める高層ビル、その中の病院で心配そうに見つめる少女、天野陽菜。
彼女の見つめる先には、病床にふせる母親の姿。
描写から、先が長くないことがわかります。
悲しそうな陽菜は、ふと窓の外を見ると、そこには天使のはしご(天国への階段)のような日差しが一か所だけ差し込む場所が・・・。
気になった陽菜は、そこを目指して病院を飛び出します!
「それはまるで光の水たまりのようで・・・」
という表現は本当に美しいです。
見つけたのは、代々木の廃ビルの屋上にある祠。
小さな神社のようになっており、そこにはお供え物もありました。
陽菜は、そこでただお母さんに晴れを見せたくて、
「明日天気になりますように・・・。もう一度お母さんと青空の下で歩きたい」
そして、鳥居をくぐった瞬間!
その願いは天に通じ、陽菜は「空の世界」へと飛ばされるのです。
※鳥居とは、神の世界と人間の世界を分かつもの。君の名は。でも出てきましたが、鳥居をくぐった瞬間に、陽菜の願いは陽菜の体とともに、神の世界である「空」に飛ばされたようです。
気が付くと、陽菜は空高くから落下しており、そこを透明な魚のような生き物が泳いでいました。
そして、陽菜はこの場所で神の力であり、空とつながる「天気の巫女」の力を授かったのです。
【ここまでの感想】
本当に雨の中にいるようなどこかほっとする雨音から始まった本作。
東京の新宿付近が舞台ですが、設定は、
「雨がずっと降りやまなくなってしまった関東」
となっています。
実際、最近雨が多いので本当に現実とリンクしていますが、やっぱり新海監督は
「新宿」と「雨」が好きなんだなぁ・・・(n*´ω`*n)
と思ってしまいました。
あと、空から陽菜が落ちるシーンで、普通だったら、いきなり上空何万メートルから落下していることに気が付いたら、気絶するか悲鳴を上げちゃいそうですが、
すっごく冷静に反応する陽菜に「この子すごいなっ(゚Д゚;)」と突っ込みを入れちゃいました(笑)。
そんなこんなで「天気の子」となってしまった陽菜。
しかし、それは悲劇にもつながるのです。
2島から家出してきた主人公、森嶋帆高と陽菜の出会い
一方の天気の子の主人公である、帆高。
島(神津島)から家出してきた少年です。
彼がなぜ家出してきたのか。
複雑な事情があるかと思いきや、単純に「息苦しかったから」(この辺はラストに考察します)。
フェリーに乗って、島を飛び出した帆高は、このフェリーで今後世話になる須賀圭介と出会います。
フェリーに乗っていて、突然のにわか雨に喜んで外ではしゃぐ帆高。
高校生ですが、心はまだまだ幼い少年で、この描写が一番帆高の純粋さと性格を表していると思いました。
ある意味幼く島育ちでいい意味でも無知だからこそ、家出して東京さ行くべ!となり、無鉄砲だけど、素直な性格が人を惹きつけていきます。
このフェリーで出会ったのが、小栗旬さんが演じる「須賀圭介」。
いかにも怪しさ満点ですが、フェリーから滑って海に落下しそうになった帆高を助けてくれた命の恩人です。
それを恩着せがましく、高校生に食事とビールまで奢らせるという悪い大人(笑)。
ただ、最後に「困ったらいつでも連絡してよ」と名刺を渡してくれます。
そして、東京についた帆高はそこで過酷な現実に直面するのです。
16歳の高校生で住所不定な家出少年を雇ってくれるところなんてなく、
ヤ●ザが経営する店ですら、断られます。
お金もどんどんなくなり、それでも「帰りたくないんだ・・・」とつぶやく帆高。
ここで帆高はチンピラに絡まれ、倒れたごみ箱の中から拳銃を見つけます。
なんだなんだ・・・いきなり任侠映画になってのし上がるのか?と思いましたが、そんなことはなく、この銃はのちほど何回か帆高を助けます。
そしてついに陽菜と帆高が初めて出会うのです!
行く当てがなく、お金もなくなった帆高は、新宿歌舞伎町前のマクドナルドでふさぎ込んでいました。
そこにこそっときて、ビックマックをプレゼントしてくれたのが、そこのマッククルーだった陽菜。
「君毎日来てるでしょ。夕食それだよね」
と特別に帆高に食事をおごってあげる陽菜。
この時は、まだお互いの名前も知りません。
陽菜ちゃん、なんていい子なんや・・・(´;ω;`)
助けられた帆高は、そこで以前須賀圭介にもらっていた名刺を取り出し、藁にもすがる思いで、雇ってもらえないか交渉しに行くことに決めたのです!
【ここまでの感想】
「東京で生きていく!」と家を飛び出した少年、帆高。
学校はもちろん親にも内緒で、行方不明届まで出されて、一歩間違えれば人身売買とか普通にある町でめちゃくちゃ危ないヤ●ザの店にまで出入りして、正直世間知らずにもほどがあるよ・・・と大人目線では見てしまいますが、子供のころって確かにこういう無茶したい気持ちがあった気がします。
それでなんとかなる!と思っているのが(地元にいるときに仕事とかせめて考えておきなよと突っ込みたいです(笑))、帆高のポジティブさと行動力なんですね。
東京に来てすぐの描写が、「バニラ高収入!」だったのは笑ってしまいました。スポンサーなのかな?
ちなみに、家出しても、絶対に夜のお仕事はおすすめしませんし、せめてやるなら現場で身分を明かさずにできる一部の工事系とかなんでしょうが、東京っていまだに本気で危ないので、少年少女はこれ見て「俺(私)も東京に出て帆高みたいに恋したいっ」とか思っちゃわないでくださいね☆(男女限らず体も精神もリアルに全部売られてしまうかもなので)
やっぱりせめて仕事とか生活手段を見つけてからにしよう!(笑)。
それにしても帆高くん、コアラのマーチの横にちゃっかりSPAの雑誌とか持ってきてるし、やっぱり高校生・・・。
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3須賀の事務所で充実した日々を送る帆高
フェリーで名刺をくれていた須賀圭介を頼って、帆高は彼の事務所を訪ねます。
須賀の仕事は、オカルトライター。
各雑誌に寄稿しながら生計を立てているようです。
「少年、仕事探してたんだろ?」
と、帆高を雇うことを即決定!
ごはんと宿、携帯付きで月給3000円なり。
うーん、、、労働基準法違反や!w
そしてもう一人の助手が、本田翼さん演じる夏美!
就活に励む女子大生ですが、「腰掛」と称して須賀のお手伝いをしています。
彼女は本当に本田翼さんぴったりで、大人のお姉さんというイメージでした。
ちなみに須賀との関係は、愛人ではなく、叔父と姪でした(笑)。
ここで帆高に与えられた仕事は、「100%晴れ女」の調査。
都市伝説で、祈れば確実に晴れる、という女性が存在するというのです。
帆高はこの依頼を夏美と一緒にこなしつつ、事務所の清掃から食事つくりまで雑務をこなす日々に没頭していきます!
【ここまでの感想】
帆高に拾われた猫「アメ」は、須賀事務所の飼い猫に。
須賀さん人間&猫を引き取るとは超太っ腹!と思いきや、実は月収3000円でこき使っていたという超ブラック企業でした(笑)。
ただ、ホームレスだった帆高にとっては、宿にご飯もついて、しかも仕事も楽しいし、ある意味適当でいい、という天国のような環境。
須賀は「こんな大人と出会いたかった」という新海さんの願望キャラだそうです。
この雑務の日々の中で、君の名は。同様にアップテンポに日常がRADWIMPSの音楽とともに描かれていきます。あの描写はかなり好評だったので、今回も採用されたんだと思います。
(帆高の充実した日々が一番よく描かれている場面)
4帆高と陽菜の再びの出会い!陽菜の悲しい現実とは?
そんな充実した日々を送りながら、「100%晴れ女」を探していた帆高は、
ある日、以前チンピラに絡まれた歌舞伎町で、またも同じチンピラが少女をデイリーサービス(夜のお仕事)に勧誘しようとしているところを目撃します。
しかもよく見ると、その少女は以前、マクドナルドでビックマックをこっそりくれたあの少女!
帆高はとっさに少女の手を取り、救い出します!
「ハンバーガーのお礼のつもり?信じられない!気持ち悪い!最悪!」
と助けたはずの少女陽菜に言われる帆高。
助けたはずなのにさんざんや・・・(´;ω;`)
「私、バイト首になっちゃって・・・稼げる仕事を探してたの」
と事情を話す陽菜。
話を聞くと、陽菜は18歳で帆高より年上だとのこと。
「君家出少年でしょ?せっかく東京に来たのにずっと雨だね。・・・ねぇ、今から晴れるよ!」
と、帆高の手を取り、廃ビルの屋上へと連れていきます。
そこは陽菜が最初にやってきた神社。
陽菜が祈ると、空が晴れ、その場だけが光り輝いたのです!
「100%晴れ女!」
帆高は自分が探していた都市伝説と、助け、助けられた少女がつながっていたことに驚愕するのです。
【ここまでの感想】
逃がすまいと追いかけてくるチンピラに、帆高は以前拾っていた拳銃を発砲して逃げました。
弾はそれましたが、一歩まちがえれば大変なことに・・・(´;ω;`)
この時の映像が監視カメラに残っていたことから、帆高は警察に追われることになっていきます。
そして、陽菜ももしも帆高が助けなかったら、そのまま夜のお仕事に入って身を売っていたことになります。。
世間知らずの家出少年&母を亡くした苦労人の少女との出会い。
二人はある意味同じ境遇で大都会で頼れるものがいない感じでありながら、実は対照的に描かれているんですね。
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5陽菜と帆高の交流とお天気ビジネスの開始!
陽菜と帆高が出会ってから、帆高は彼女の家に遊びに行くまでになります。
陽菜は両親はすでに他界し、弟と二人暮らし。
本来なら児童相談所に行くはずですが、それを拒否して自分の力で生計を立てています。
それも弟と離れたくないから。
陽菜の苦労を垣間見た帆高は、なんとか陽菜の力になろうと、
「陽菜の100%晴れ女の力」を使ったビジネスを興そうと考えます。
3400円で晴れを届ける、というビジネス。
ページを作ってこういうビジネスを思いつく、というところが帆高の才能かもしれません。
そして、そんな(うさんくさい)ビジネスでしたが、ずっと雨が続いている東京には意外と需要があり、ここから二人&弟を加えた3人で大成功を収めることになります!
最初はちょっとした「占い」的な感じで呼ばれたマーケットでの「晴れ女」でしたが、そこから口コミと評価で拡散されていき、最終的には神宮外苑花火大会にまで呼ばれることに!
陽菜は六本木ヒルズの屋上スカイデッキに上り、そこから空に祈りをささげることで、見事花火大会を大成功させます。
この時の夕景の描写は見ていてもすっごくきれいで・・・(n*´ω`*n)
陽菜の圧倒的な力を示すと同時に、それはテレビ中継もされ、陽菜は全国的にも有名になってしまいます。
しかし、ここから彼らを悲劇が襲うのです。。。
【ここまでの感想】
陽菜の弟、天野凪(ナギ)。小学生ながら、彼女複数。元カノあり。
気配りときざなセリフでモテモテ。
将来ナンバーワンホストでホスト界の帝王になること間違いなしの男。
最初は勝手に家に上がり込んでいた帆高を
「誰だよあいつ」
と不信に思っていましたが、帆高の人柄と陽菜との交流を見るうちに、彼らが両想いであることに気づき、帆高に陽菜への18歳のプレゼントを指南するまでになる。
「付き合う前ははっきり言って、付き合った後はあいまいにするのが基本だろ?」←名台詞。
帆高曰く、「先輩」。
帆高は呼び捨てにされ、帆高は「センパイ」と呼んでいるという関係。
でも、性格的にすごくいい子。
帆高の興した「お天気ビジネス」にも積極的に参加する。
陽菜は帆高を家に招くまでに関係は急接近しました!
そして帆高の興した天気ビジネスで3人は荒稼ぎするようになります(笑)。
「私好きだなこの仕事。みんなの役に立てて」
と陽菜は喜び、導いてくれた帆高に感謝するのです。
しかし、大きな力には代償があるもの。。。
ここから物語は急展開を見せます。
6陽菜の体の異変と追われる帆高たち
お天気ビジネスは大好評だったのですが、陽菜が疲れだしたのと、テレビに中継された結果、しばらくお休みすることにした3人。
最後の依頼は、まさかの須賀からでした。
「娘と遊ぶ間、晴れにしてほしい」
実は須賀圭介には娘がおり、すでに妻は他界していたのです。
(彼については最後に深く考察します)
娘は母方の実家に引き取られており、なかなか会えなかった須賀。
喘息もちなので、晴れの日にしか連れ出せず、今回陽菜の力のおかげでそれを実現できたのです。
しかし、ここで陽菜は一緒に来ていた夏美から衝撃の事実を聞くことになります。
「天気の力は、人柱なんだ」
夏美と須賀は独自に天気の力について調査を進めており、実はその力が「天に捧げるための人柱」なのだと判明していたのです。。。。
そしてその帰り道・・・。
18歳の誕生日を目前に、陽菜に好きだと告白して指輪を渡そうとしていた帆高。
そこを悲劇が襲います。
告白しようとしていた帆高の後ろから、陽菜に迫ってきたのは、以前空で泳いでいた魚たち。
彼らは陽菜の体を包み込み、そして、その瞬間、陽菜の体は透明となり、空に舞ったのです。。
「帆高・・・私、空とつながっちゃった・・・」
ついに、人柱としてのリミットが近づいてきた陽菜。
陽菜の体はだんだんと透明になってきていました。
衝撃を受ける帆高。
しかし、悲劇はこれで終わりません。
陽菜の家に戻ると、そこに来たのは、帆高を追っている高井刑事。
「行方不明届が出ている」
と、帆高の行方を須賀、陽菜の家にそれぞれ聞きに来ていたのです。
さらに、帆高が撃った銃の行方も追っている様子。
そして、陽菜と凪には両親がなく、児童相談所へ明日連れていく・・・という話もしていきます。
追われる帆高と、住む場所さえ奪われそうになる陽菜と凪。
3人は意を決して「一緒にいる」ことを選択。
警察の追ってを振り切りながら、公務執行妨害の罪も重ねながら、夜の街へ逃げ出します。
やっとたどりついたホテルで、陽菜の体を見て愕然とする帆高。
陽菜の体はほとんど透明化しており、
しかも自分は警察に追われる立場。
行く当てもない。
絶望に押しつぶされそうになりながら、抱擁をかわす二人。
「もしも神様がいるならお願いです。もう充分です。もう大丈夫です。俺たちにこれ以上何も足さず、何も引かないでください。このままでいさせてください・・・!」
帆高は夢の中で必死に祈りながら、陽菜を抱きしめます。
「18歳の誕生日おめでとう。安物だけど、陽菜さんに似合いそうなもの探してきたんだ」
帆高は誕生日プレゼントに指輪を渡し、それを陽菜の薬指にはめます。
もう心配ない、俺がついてる。
将来もずっと・・・!
そんな気持ちを込めながら・・・それはまるでプロポーズのように。
「私ね、人柱なんだって。消えることで狂った天気がもとに戻るんだって」
夏美に聞いた「天気の巫女」伝説を話す陽菜。
「凪をよろしくね」
悲しそうにつぶやく陽菜に、帆高は言います。
「ずっと一緒だ。俺が働くから!支えるから!」
その日の夜。
帆高と凪、そして夏美と須賀は同時に同じ夢を見ます。
それは空へと昇っていく少女、陽菜の姿。
そして、翌日。
目が覚めた帆高と凪は一緒にいたはずの陽菜が姿を消していることにパニックとなり、
さらにホテルに乗り込んできた警察によって逮捕されることになります。
あんなに土砂降りだった空は快晴。
連行される中で、拾い上げたのは、昨晩陽菜にあげたはずの指輪。
しかも、警察に聞かされたのは、実は陽菜が15歳で、自分より年下という事実。
「夢を見たんだ。空の世界へ。空の上の世界で、涙を流している。空に消えていく夢を――。俺が一番年上だったんじゃないか・・・それなのに・・・。陽菜――!」
帆高は本当に陽菜が空に「人柱」として連れていかれた、消えてしまったのだとこのとき確信したのです。
【ここまでの感想】
陽菜の天気の力は実は空の上の世界とつながり、いずれ人柱となって、世界の天気のために身をささげるためのものだった、という物語の「転」に当たる部分です。
ファンタジー要素も盛り込みつつ、
現実世界の問題として、家出していた帆高へ警察の行方不明の捜査や、両親がいない陽菜と凪の保護問題などが絡んできます。
同時に、帆高を住まわせていた須賀は「誘拐犯の被疑者」として目を付けられる羽目となり、
須賀は「お前もう家に帰れ」と帆高に別れを告げます。
大人目線で言えば、
①行方不明届が出されている少年
②両親がいない本来は15歳の少女とその弟
という点で、素直に帆高は家に帰り、陽菜と凪は保護された方がいい、と須賀と同じ考えになってしまいますが、
帆高たちから考えると、
大人=理解してくれない存在であり、唯一理解があった須賀にさえ見捨てられ、行く場所すらない世界が口を広げ、今後の見通しが見えない不安の中で、さらに陽菜の体が悪化する、という八方ふさがりな感じが見えます。
そしていよいよ物語はクライマックスからエンディングに!
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7クライマックス!警察から逃亡し、陽菜を取り戻しに行く帆高!
警察に捕まってしまった帆高。
しかし、陽菜が空に消えたことを確信しつつも、それを信じようともしない警察に絶望した帆高は、自分で彼女を助けに行くことを決定します。
池袋警察署から逃亡し、夏美の力を借りて、陽菜が最初に力を授かったあの神社へと走り出すのです!
空は快晴。
超久々の晴れに喜ぶ人々。
それを横目に、線路を走って代々木へと向かう帆高。
警察も大人も誰も信じてくれない。
陽菜を助けられるのは、もうあの場所に賭けるしかない。
最初に陽菜が力を授かり、「空の世界」とつながったあの場所。
そして、陽菜が力を見せてくれた場所。
クタクタになってたどりついた廃ビル。
しかし、そこに立ちふさがったのは、須賀圭介だったのです。
「どいてくれ須賀さん!あそこから彼岸に行けるんだ!」
と必死に説得しようとする帆高に、
「しっかりしろ!」
とビンタする須賀。
須賀はオカルトライターでありながら、帆高を信じず、あくまで帆高を止めようとします。
それは帆高の感情と行動の前に、最後に立ちはだかる大人の姿=理性と常識。
「離せ!」
帆高は必死のあまり、廃ビルに捨てていた拳銃を向け、にらみつけます。
さらに、「被疑者を発見!」
と須賀を誘拐犯として追っていた警察も到着。
三つ巴のにらみ合いになります。
銃を持つ帆高に、警察も構え、それでも行こうとする帆高を無理やり押さえつけようとします。
しかし、そのやりとりを見ていた須賀は、最後の最後に帆高を信じ、警察を突き飛ばし、殴り、
「てめえら!帆高にさわんな!」
と帆高を送り出します。
(本当に公務執行妨害に暴行・傷害罪まで重ねてしまった須賀さん・・・利口な大人を演じながら、最後には帆高を信じて「感情」を優先させたんですね)
傷だらけになりながら、帆高はあの神社の鳥居をくぐります。
願いはただ一つ。
「どうか!神様。どうか!どうか!どうか!」(陽菜を返してください!)
気が付くと、帆高は空を落ちていました。
それは、かつて陽菜が経験したあの時のように。
そして、眼下には、積乱雲の雲の上、「空の世界」が広がっていたのです。
「陽菜――!」
叫ぶ帆高。
そして、その中心で泣いていた陽菜は、その声を聴きます。
「帆高――!」
陽菜を見つける帆高。
「陽菜、飛べっ!」
とっさに陽菜の手を取り、空の世界から地上へと引っ張る帆高。
「でも、私が戻ったら天気が・・・」
人柱として、異常気象を治すために空の世界へと捧げられてしまった陽菜。
もしも戻ったら「契約」が壊れ、地上は再び空の世界からの豪雨に飲まれるかもしれない。
でも、そんな陽菜の言葉を帆高は全力で否定します。
「もういい!陽菜はもう晴れ女なんかじゃない!」
「もう二度と晴れなくていい。天気なんて狂ったままでいいんだ。俺は世界より陽菜がいい。自分のために祈って、陽菜!」
帆高は感情を全力でぶつけ、そして陽菜はそれにこたえるように、祈ります。
二人はうれしそうに、陽菜は解放されたように、
二人はおでこをつけながら、地上へと落ちていくのです。
8天気の子 エンディング
そして、エンディングです。
プロローグにもでてきた、大雨を見て喜ぶ帆高は、このエンディングにつながっていたのだと思えます。
帆高と陽菜は空の世界から落ち、同時に陽菜は「天気の子」としての能力を失います。
その結果、関東は「大雨のやまない世界」へと変わり、以降、東京都心の大部分は海に沈むことになったのです。
それは本当に、首都直下型地震で大津波が来た場合に、東京が沈没するであろう・・・とされる図のように。
その後、帆高と須賀は逮捕され、陽菜と凪は保護されることになりました。
そして3年後(正確には2年ちょっと)。
帆高は島の高校を卒業し、大学進学で東京に来ることに。
学部は農学部。
3年間保護観察処分だったため、島からでられなかったようです。
一方の須賀は、なんと逮捕された後、ビジネスが大成功!
たぶん、天気の子を一番最初に詳しく取材して記事にしていたことから、その後依頼が殺到したのでしょう。
オフィスも新しくなり、従業員も見たところ5人いる事務所を構えていました。
忙しそうに仕事をしながら、帆高を迎えます。
見せられた写真には、娘と夏美、凪が楽しそうに映っていました。
「何やってたんだ!早く会いに行ってやれ!家に行けよ!」
須賀にそそのかされ、あれか会っていない帆高は少し緊張気味に、陽菜のいた田端駅南口から坂を上ります。
そこはかつて帆高が陽菜に18歳の誕生日前に告白しようとしていた場所。
時を経て、同じく雨の中、二人は偶然にもそこで出会います。
雨の中祈る陽菜。
それを見つける帆高。
本当に18歳になる陽菜を見つめる帆高に微笑み返す陽菜。
あの時、僕たちは確かに世界を変えたんだ。でも、僕はあの時選んだんだ。あの人を!僕たちはきっと大丈夫だ――。
「陽菜さん!」
「帆高!」
そして二人は――。(n*´ω`*n)
ここまでが天気の子のあらすじになっています。
以下、いろいろ考察&感想を書きます♪
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9天気の子 評価と感想 聖地巡礼情報まとめ!
1陽菜と天気の子の秘密
今作のヒロイン陽菜!演じた森七菜さんの声はよかったです!
陽菜はとにかく頑張り屋で苦労人ながら、それを見せない女の子。
最初に「100%晴れ女」の取材をしていた場面で、占い師のおばあさんに
「稲荷系の巫女は勤勉だけど、気が弱い」
と言われていた通りの存在でしたね。
実はその時点で、
「天気の力は使いすぎると神隠しにあうと言われている」
とすでに教えてもらっていたはずなのに、
帆高は天気の力をビジネスに活用して使いまくらせるという(笑)。
たぶん、最初はまったく信じていなかったから忘れていたのでしょう。
天気の力は800年以上前の↑の絵にも描かれているほどに、天気の巫女として、有名だったようです。
この世界には、神の世界と人間の世界があり、
この物語では、神の世界は「空の世界」であって、空の世界に浮かんでいるのが、人間の社会で、それはギリギリの状態にあり、いつ飲み込まれてもおかしくないとのこと。
だからこそ、実は異常気象で大雨が続いていたのも、自然なことであり(世界が飲み込まれていた)、それを元に戻すように「お願い」するのが、天気の子であり、巫女の役目だったんですね。
陽菜はその力を鳥居をくぐって祈ることで得ました(鳥居は彼岸とこの世を隔てるもの)。
しかし、その祈って天と通じる力は、だんだんと祈り子の体を蝕んでいき、同時に天に還す(天に取り込まれる)ことになるんだと思います。
ある意味、FF10の召喚士のような設定(命を懸けて超自然を平和にする)ですが、それを放棄した結果、最後に東京は大雨に飲まれました。
東京はほとんど沈没してしまい、おそらく首都機能は崩壊、首都も移動していると思います。
(実際の土砂崩れなどの被害は数百万人規模で起こっていると予想)
そして、陽菜の力が失われたことで、首につけていたチョーカーも壊れていた(切れていた)のも注目でした。
実はこのチョーカーは陽菜の母親の形見でもあり、
母親が亡くなるときに身に着けていたもの。宝石が輝いているのが分かります。
つまり、陽菜の力は、彼岸に行ってしまった母親につながるもの(母親のいる空の世界とつながっているという象徴であり、母親と一緒にいたいという陽菜の願い)ということです。
陽菜の願いは、
「もう一度、お母さんと青空の下を歩きたい」
でした。
それをある意味、神は叶え、
青空の広がる「空の世界(彼岸)」でずっと母親と一緒にいる、ということにつながったのかもしれません。
しかし、最終的に、陽菜は「自分のために祈っていい」と帆高に言われ、帆高と一緒にいる世界を望んだ結果、巫女の使命を終えて、
同時に母親から本当の意味で離れた(死別という悲しみから「これから」を生きる)となったんだと思います。
2帆高はなぜ家出したのか?
もう一つ最初から謎だったのが、主人公の帆高の家出の理由でした。
最初は、虐待とか、とんでもない理由があって仕方なく?と思っていたのですが、
実はそんなことはなく、
「あの光の中に行きたい。僕はそう決めて・・・その光の中に君がいたんだ」
島にいたときに感じていた窮屈さと息苦しさ、
それをなんとかしたい!という気持ちがあったんだと思います。
ちなみに帆高が読んでいた本は「ライ麦畑でつかまえて」↓
うん、すっごく影響されていますね(笑)。名作なのでぜひ!
しかし、行方不明届を出されても帰らないって・・・。
よほどの事情があったのかと思いきや、普通に島に帰って高校を卒業している感じから、単純に「決めたら一直線タイプ」だったんだと思います。
この作品では、帆高は「純粋さ・感情・行動」を象徴するキャラクターとして描かれ、
同時に須賀は「理性・常識・大人」を代表する存在として対照的でした。
だからこそ、最後にぶつけたんだと思いますが、
須賀の視点で見てみると、帆高は「行方不明届を出されても家に帰らない(つまり心配している家族がいる)、陽菜は空に消えたという(錯乱?幻覚?)、危険な廃ビルを上っていこうとする」など、止める要素が盛りだくさんで、
「しっかりしろ!」
という言葉がリアルに響きました。
でも、最終的には、須賀(大人)は帆高の純粋さ、忘れていた「感情」を大事にする生き方を思い出し、彼を送り届け、さらに、その気持ちで生きるようにした結果、大成功をおさめた、とも取れると思います。
ちなみに、陽菜は帆高より1歳年下ですが、最後の場面でも
「陽菜さん!」
「帆高」
と、年上のようなまま会話していましたね(笑)。
今後も年下だけど、姉さん女房的な関係になりそうです(#^^#)
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3須賀圭介の過去
今作のもう一人の主人公として描かれているなぁと思ったのが、小栗旬さん演じる須賀圭介。
43歳のオカルトライター。
新海さんの「子供のころに出会いたかった人物」。
ある意味、自由であり、子供に遠慮なくおごってもらうような常識外れの人物でありながらも、実は子供っぽい部分を無理やり理性で押さえつけているようなところがあって、その葛藤が随所に出てきています。
彼には数年前に亡くなった奥さんがいて、子供は現在その母方に引き取られています。
その子供を本気で愛し、いまだに奥さんを本気で愛しているのが、彼の本性。
須賀の会社名である、「K&A」は、どう考えても「圭介&アスカ(奥さんの名前)」であり、
あんまり生活が豊かではなさそうなのに、この仕事を続けているのも、
おそらく奥さんとの思い出を消したくないからなんでしょう。
事実、安井刑事がここに来た時、娘の身長を柱ではかった痕跡だったり、「かつての幸せ」をほうふつとさせる描写があって、須賀はいまだに過去にとらわれていて、
必死に未来に進もうとする「感情」をぶつける帆高に、だからこそ、途中で帆高を「お前もう帰れ」と追い出し、後悔し、最後は自分の気持ちをぶつけていた感じがあります。
最終的に、須賀は帆高を見送ることで、過去から未来へと進み、
結果的に愛妻との思い出の会社は場所を変えて大成功となった(妻の名前はずっと残る)ことになったんだと思います。
個人的に大好きなキャラクターです。
4本田翼さん演じる夏美がよかった!
公開前は、いろいろ賛否両論あった本田翼さんの演技ですが、個人的には、「すごくよかった」です。
あんまり本田さんと分からず、そのままお姉さん感が出ていて、声優としてめちゃくちゃいい!と思いました。
夏美というキャラクターは、男性の憧れそのものだそうで、
大人でありながら、子供っぽい、大人の気持ちも子供の気持ちも理解してくれるお姉さんというイメージでした。
最後にバイクで帆高を助けるシーンはよかった・・・。
フリクリをほうふつとさせる感じでしたが(笑)、仕事頑張ってほしいです(最後これだけは謎のまま?)。
5君の名は。の主人公、立花瀧が登場!
まさか、まさかの前作の君の名は。の主人公登場にビックリしました。
(君の名は。のストーリー考察は以下をどうぞ)
出演シーンは、帆高と陽菜が立花のおばあちゃんの家に行って、初盆のために晴れを祈るシーン。
そこに遊びに来た青年として登場しました。
君の名は。の時点で2016年で、この作品は令和元年(2019年。帆高の卒業が令和3年だったので)のため、あれから3年たっている姿ということですね。
つまり、すでに高校を卒業して、あの坂で二人が出会って、今ラブラブな状況ということでしょうか・・・?(n*´ω`*n)
この時点ではっきりしたのは、君の名は。の世界とこの世界はつながっているということ。
ふむふむ。
だからこそ、占い師が「稲荷系と龍神系の巫女がいる」という発言をしたのだと思います。
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6伏線がめっちゃ気になる
君の名は。と天気の子が同じ世界ということは、今後の新海誠監督の作品もこの世界で描かれる可能性があるということ。
実は、物語の冒頭で須賀が見せた雑誌には、
「東京を守る大量の人柱」
とすでに物語の核心が描かれていました。
さらに気になるのが、次のアップ。
2062年の未来人とコンタクトって・・・めっちゃ気になる!
個人的にはこれが一番気になっています(笑)。
もしかして、これがアップになったということは次回作のテーマは「未来」?
考えすぎかな(笑)。
10天気の子 聖地巡礼!
以下、天気の子の聖地を見ていきましょう!
以前にも書きましたが、天気の子の一番のスポットは、田端駅南口の坂です。
陽菜の家に向かう途中ですね。
最後に二人が出会う場所でもあります♪
田端駅南口。小さい駅舎のほうです。
実際に歩くとこんな感じ。私が来たときはくもりだったので、ちょうど最後の場面っぽいかも。
そして↓が富士見坂。
天気の子 の聖地、富士見坂。
金曜公開ですが、早速朝イチの回予約しました。
楽しみです。
撮影日 2019/3/26#聖地行った#天気の子 pic.twitter.com/Sx16DZRNLq
— SGR (@sgr_channel) 2019年7月15日
帆高が最初に見た景色。
こちらはレインボーブリッジの真下になります。
主人公は神津島出身だそうです。
竹芝桟橋から伊豆大島や八丈島へ行くフェリーに乗ったり、竹芝桟橋から、お台場行きの連絡船に乗るとこの景色になります♪
天気の子の島の聖地にさっそくきたオタク#天気の子#神津島 pic.twitter.com/4FWOjlTiS1
— pしょうq (@anime_pq) 2019年7月19日
帆高が職質受けた場所(笑)。新宿歌舞伎町の天下一品前です。
陽菜がアルバイトしていて、二人が初めて出会った場所。
マクドナルド西武新宿店。
こちらは歌舞伎町前の高架下になっていますね。
ちょうど歌舞伎町の入り口が道路を挟んであります。
帆高がうずくまり、アメと出会った場所。
同時に帆高が陽菜を助けた場所です。
この辺は新宿歌舞伎町。新宿西口から行けます。
実際は、「母性」なし(笑)。
母性めっちゃ気になります(笑)。
ここはわかりずらいので、地図を。
この辺はちょっと危ないので夜はいかないほうがいいです。
また、昼でもキャッチなどがいるので注意。
一番気になるのがこの廃ビル。「代々木会館」。
屋上は立ち入り禁止です。
ちなみに神社はありません。取り壊し予定なので行く場合は早い方がいいかも。
(警備員がいるそうなので、あくまでマナーを守って遠くからのほうがいいと思います)
天気の子聖地
代々木会館を撮ってきましたちゃんと許可撮って撮ってます
場所は人が押し寄せたらあかんので伏せときます pic.twitter.com/KceT9uVuJW— シリウス (@kiminonaha_hiro) 2019年7月19日
陽菜のお母さんが入院していたのが、「JR東京総合病院」。
ここからの景色が↓。
映画「天気の子」をみて聖地巡礼に来たんですが、屋上への階段にすでに警備員さん配備されてて笑ってしまった。 #天気の子 pic.twitter.com/3cw9yNDZaY
— たけおり (@takeori) 2019年7月19日
こちらはお台場の自由の女神像横ですね。
最初に天気ビジネスの依頼を受けた場所です。
こちらは東京テレポート駅前。
一番きれいで感動したお祭り前に祈った場所が、六本木ヒルズスカイデッキ。
一般の方でも行けます。
最後の依頼を受けた須賀と娘とみんなで遊んだ公園は「芝公園」です。
途中、ちょっと出てきたのが、気象神社。
高円寺南口から徒歩二分の場所にあります。
全国で唯一、気象の神様を祭る場所です。
ここが本当の聖地かも!
新宿ルミネ。帆高が指輪を買った場所ですね。
ミノルカフェ 銀座三越店。
須賀とお母さんが子供について話し合っていた場所です。
こんな感じでしょうか。(n*´ω`*n)
また見つけたら追記します。
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11最後に天気の子 感想と評価
すっごく楽しみにしていた本作。
さっそく朝いちばんで見ましたが、今作は王道ストーリーでありながら、新海さんらしい
「水」と「空」の美しい描写が本当に素敵でした。
特に好きだったのが、↑のシーン。
神社に入るときのこのお盆のお供えもののナスときゅうりのきれいなこと!
陽菜の家の↑の飾り物とか、そういう描写もカラフルで大好きでした♪
(ちなみに全部youtubeのpvで見れます。盗撮じゃないですよ!(笑))
もうすでにキャラクターについては書いてきたのですが、最初に出てきたチンピラが大嫌いだったのですが、途中で晴れるシーンの一部に実は彼にも家族がいて、赤ちゃんと奥さんがいるんだぁ・・・と思うと、人それぞれやっぱり人生があるんだなって、細かいところまで描かれていることに感心してしまいました。
ストーリー的には、引き込まれてみることができたし、大人と子供の壁だったりいつも通りの哲学的な要素もあって大好きです。
それにしても、新海監督は、
①新宿
②雨
③空
④神秘
⑤年上の女性
が好きなんだなってあらためて思いました(笑)。
君の名は。はアクションだったり、スピード感がもう少し強めでしたが、今作のまったりした感じも個人的に大好きです(一番好きなのは言の葉の庭。私もよく御苑にいます(笑))。
それにしても、今作は新海節でラストがどうなるかハラハラしていたのですが、ある意味よかったのかも。
これからの二人はハッピーエンドしか見えないっというくらいの終わり方だったので、次回作にも出てきたらうれしいです。(n*´ω`*n)
というわけで、長くなりましたが、天気の子のレビューと感想でした♪
評価は☆5中、4.5です!
同じく話題作のトイストーリー4の考察もどうぞ♪