目次
ドナルド・トランプ大統領誕生へ。勝利宣言と関係者感想。TPP、日米安全保障はどうなるのか。日本への影響大!円高はなぜ?
1 トランプ氏勝利宣言まとめ 70歳で史上最高齢の大統領へ。
「たった今ヒラリークリントン氏から電話がありました。我々をおめでとうと祝福してくれました」
「ヒラリー氏はアメリカに多大な貢献をしてくれました。感謝しなくてはなりません。」
「私はこの国全ての人の大統領になります。皆さんが誇りに思うような大統領になりたい。」
このようにヒラリーさんをねぎらい、これまでの過激な発言は慎んだようです。
一方、
「世界に言いたい。アメリカの利益が一番だ。その上で公平に協力していく」
「スラムを改善したい」
「アメリカの美しい夢を再び成功させる」
とも。
会場にはドナルド・トランプ一族が勢ぞろいして、それぞれと抱擁を交わしています。
2 どうしてヒラリーさんは負けたのか。敗因は?
第一に、健康問題。
アメリカは日本以上に「強い大統領」を求めます。
フラッと倒れかけた姿を撮影されたのは大きな痛手だったようです。
次に、メール問題。
5万5000通もの不透明なメールを私的に行っていたとして、FBIの捜査が直前で入ったこと。
さらに不透明な資金問題や多額な献金問題
モルガン証券などの大企業が軒並みヒラリーさんを支持。
大企業からの多額の献金と以前から言われていた膨大な資金の不透明さをトランプさんは批判しています。
「大企業から多額の献金を受ける人間が、貧者のために動くと思うか?」と批判。
ヒラリーさんが女性であることも影響?
日本とは比べようがないほど、人種や男女間の差別も未だ残っていると言われているアメリカ。
トランプさんの支持者には白人労働階級の人が多く、「大統領に女性は・・・」という層が一定以上いたと言われています。
ヒラリーさんに12月に逆転の可能性も示唆される
ただし、人口の多い州や都市部、ニューヨーク含めた東部沿岸地域、カリフォルニア含む西部沿岸地域などは、ヒラリーさんが勝っており、しかもまだ一部の州で開票が全て終わっていません。
選挙人獲得数はトランプさんが勝利しましたが、得票数はヒラリーさんの方が勝っているとも言われています。
今後、激戦州などで、わずかな差があった場合、再び精密な開票作業を申請することで、12月の選挙人による大統領選挙で逆転しうる可能性がある、と主張する専門家の意見もあります。
2 日本へ大きな影響が。株価暴落、円高へ。なぜ?
ヒラリーさん優勢で、朝は株価は上がっていましたが、トランプ氏優勢になった途端、1000円を超える暴落になりました。
さらに為替も101円台の円高ドル安になりました。
これは、アメリカを不安視した投資家が、円を買いに走った結果です。
(円は世界でもっとも安全な通貨と言われています。危機的状況になると、世界の投資家は円を買いに走ります。日本は大きな借金がありますが、そのほとんどは国内での国債発行のため、最悪『円を刷る』ことで対応できるということを麻生大臣が示唆しています。)
株価は、明らかに世界経済の不安から投資家が「売り」に走った結果です。
その代わりに安全とされる円や金などが値を上げています。
一方、株は「売り」でも利益を出すことができるため、大喜びしている投資家もいます。
※簡単に言うと、金融機関を通じてあらかじめ株を借りて、それを現金化しておき、
株が下がったときに買い戻して、金融機関に返す、という「空売り」という手法です。
現在10万円のA社の株を借り、その場で売却すれば10万円が手に入りますよね。
その後A社株が9万円に値下がりした時に、再び買い戻せば、費用は9万円で済みます。
これで借りていた株を返却すれば、差し引き1万円の利益が手に入ります。
http://www.777money.com/tameru/kara_uri.htmlより
投資家の多くは誰もトランプが勝つ!と思っていなかったため、これを予想していた投資家は大儲け、ということですねΣ(゚Д゚)すごい・・・。
3 日本では早速、首相が補佐官をアメリカへ派遣。緊張感が高まっています。新しい政府関係者と会合へ。
安倍首相は、すぐに首相補佐官にアメリカへ飛ぶように指示しました。
来年1月にはトランプ大統領が誕生するため、早速新政府関係者とつながりを持っておこうということ。
伝える内容は、もちろん「日米安全保障」についてです。
首相及び菅官房長官は、「日米安全保障がいかに大切か伝える」とおっしゃっています。
トランプ氏は、「在日米軍は撤退させる。どうしてアメリカの金で日本を守らないといけないんだ?もし、守ってほしいなら日本は全額負担すべきだ!」と主張していますよね。
日本の政府関係者は、「おそらく、撤退まではいかないだろう。しかし、日本に駐留負担額を増加するよう主張してくるのは間違いない」
一方、アメリカの国家安全保障局の担当者は、「日米安全保障について、トランプ氏はおそらく、安全保障については何もわかっていないだろう。これから時間をかけて説明していく他ない」
とコメント。
大統領権限はものすごいものですが、議会や各省庁はどちらかというと、トランプさんに歯止めをかけようという方向に動いているので、そこまで大きな暴走はないと思われます。
ただし、アメリカ報道関係者の一部は「我々はパンドラの箱を開けてしまった――」とコメントしています。
沖縄の人々の意見は、
「基地が減る可能性があるなら、良いと思う」
「これまで一向に変化がなかったから、(トランプ氏で)いいと思う」
とおっしゃっています。
4 TPPはどうなるの? TPPって何だろう。
TPPとは、環太平洋貿易協定のことで、つまり輸入品に関税をかけるのを止めて、
自由に貿易できるようにしよう!という協定です。
日本は海外の安すぎるお米やお肉などに高関税をかけることで、国産品の価格を守っています。
一方、アメリカは日本からの自動車に関税をかけることで、国内自動車産業を守っています。
これらの関税を失くして、市場競争にまかせていこう!というのがTPP。
トランプ氏は、TPPについて、
「TPPは最悪の協定だ。これ以上日本の自動車メーカーを裕福にする気か?」とTPPには断固反対の姿勢。
それもそのはず、トランプさんは、NAFTA(北米自由貿易協定。カナダ・アメリカ・メキシコ間は自由貿易)にも反対しており、
「メキシコや中国からの輸入品は35~45%の高関税をかける!」
と言っています。
基本的に自国の産業を守ろうとする保護貿易の考え方です。
このように述べており、まずTPPの参加はなくなるでしょう。
日本では、明日10日に強行採決を行って、TPP参加を決めてしまおうという準備が行われていましたが、
これはあくまでヒラリーさんが勝利をし、オバマ大統領がTPP参加表明をすることを見越してのこと。
つまり、今、TPPを強行採決することは、
「アメリカの参加がないのに、日本が強行採決してどうなるの?」
と国際的に呆れられる可能性がある、とのこと。
アメリカは今後、輸入を減らし、国内産業重視でやっていくとみられており、経済界の不安は収まる様子がありません。
5世界各国でも株価は急落へ
ロンドン株式は2パーセント以上値を下げ、ヨーロッパ市場は荒れて始まりました。
今は株やFXに手を出さない方がよいと思います(空売りなど自信がある方以外)。
イギリスは、EU離脱後に経済だけは協力していこう、という姿勢でまとまっていました。
しかし、今回の発表を受けて、「冷や水を浴びせられた模様」だと言われます。
6 中国の意見は?
表向きは「協調していく」、と中国は声明を出しました。
北朝鮮情勢について、トランプ氏は「(中国に)まかせる」、と言っているため、中国とアメリカは今後接近していく可能性があります。