目次
北海道で国内初のマダニ脳炎による最悪の事態。危ない場所と対策まとめ
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1 まずはマダニ脳炎って何?
マダニ脳炎では、フラビウイルスというウイルスに感染したマダニが人に噛みついたり、
また、マダニ⇒ヤギや羊に感染後、そのミルク(原乳)を未殺菌で飲んだ人に感染する病気です。
症状は、1~2週間の潜伏期間を経て、高熱や悪心、筋肉痛などの症状が現れ、髄膜脳炎になります。
発症した場合、中央ヨーロッパ型脳炎では1~2%、ロシア春夏脳炎は20%ほどの確率で生存ができない最悪の事態となり、生還しても数割の方で神経学的後遺症がみられます。
2種類ありますが、日本で見られるのは、主にロシア型です。
2 北海道のどこで発症したの?
今回、発症し、札幌の病院で治療を受けていましたが、40代男性は残念ながら生還できなかったとのこと。
この事例は国内初です。
届け自体は、札幌保健所からだったそうです。
道庁の保健課に問い合わせをされた方の情報によると、
「男性が広く道内の山林を散策しており、どこの場所で噛まれたか現在調査中。風評被害を恐れての情報隠しではない」
との回答が得られたようです。
また
「今後はっきりした時点で公表する」
と述べられています。
ただ、ウイルスに感染したマダニは北海道の道南地方で以前から確認されており、1993年に酪農家の主婦の方がロシア型に感染した、という事例があり、
さらに道南地域のイヌに分布していることが判明しています。
(国立感染症研究所発表資料より)
3 危険な場所は? 対策はどうしたらいいの?
マダニは、人家の側や住宅地にはほとんど生息していません。
ですから、普通に生活する分には恐れる必要はないと言えます。
主に沢に沿った斜面や森林の笹原、牧草地などに生息しているとのこと。
そのため、森林やヤブに入ったり、牧草地で寝転がる、ということは北海道でもしない方が良さそうです。
また対策として、草が茂る場所に入る際の長袖長ズボンはもちろんですが、袖から侵入してくることもあるそうなので、裾を絞れる服装がベストと言えます。
またマダニには虫よけスプレーが有効です。
一般的にマダニに有効とされる以下の虫よけスプレーは肌にかけておくものですが、
虫よけキンチョール DF(ディートフリー) パウダーイン 無香料 200ml (防除用医薬部外品)
下のように車やレジャーシート、家の中やベッドなどにあらかじめ振っておくことでマダニが寄り付かなくなる製品もあります。
家の中にいるイエダニ対策はもちろんですが、ノミや他のダニにも有効なので、アレルギー対策はもちろん、キャンプなどの行楽に行く場合には一本あると良いと思われます。
4 もし噛まれたら?
マダニは、刺して吸うタイプのダニではなく、アゴで噛んで、吸血するタイプです。
そのため、無理に引きはがそうとすると、潰れて感染したり、アゴだけ残ってしまうことになります。
また、体が大きいので、吸血も数時間~数日になることがあります。
この場合は、ライターであぶって落とすか、ピンセットなどで頭をつまんではがすようにすると良いようです。
また、取れない場合は無理にはがさず、そのまま皮膚科に行きましょう。
そして取れた場合も、頭を残しておいて皮膚科を受診してください。
そこからウイルスがいるかどうかを検出できます。
5 治療方法は?
現在、特別な治療方法はありません。
一部特別な製剤を使うこともあるようですが、基本的には抗生剤などの投与になります。
6 予防接種もできます
恐ろしいマダニ媒介脳炎ですが、海外では毎年年間6000人以上が感染している病気です。
中央ヨーロッパや東欧、ロシアなどに旅行されて、そこで感染された日本人もいます。
そのため、海外に行く前にはあらかじめワクチンを打っておくことができます。
ただ、価格は数万円ほどかかります。
昨年は蚊を媒介にしたデング熱などもはやりましたが、ダニも重症化すると恐ろしいので、対策はしっかりしておきたいです。
九州地方では、やけど虫も流行していますのでご注意ください。
その他お役立ち情報はこちらよりどうぞ♪