夜明け告げるルーのうたネタバレ感想&ストーリー考察。評価とあらすじ。ルーちゃんと「人を食べる」人魚の正体とは?【映画考察】
スポンサーリンク
この先早速ストーリー考察&感想に入っていきますが、夜明け告げるルーのうたって何?誰の作品なの?という場合は、前回ご紹介した「夜明け告げるルーのうた」の紹介レビューをご覧になってください☆
以下、画像は公式より引用します。(著作権などは製作者に帰属いたします☆)
それではストーリー考察レビューへレッツゴー!(ネタバレ注意です)
1主人公「カイ」の憂鬱とは?(プロローグ)
主人公の足元海(カイ)くん。
中学三年生。
彼は東京生まれですが、両親が離婚して田舎町である日無町に引っ越してきました。
日無町は漁村であり、カイの実家は釣り船屋をしています。
この町のモデルは、京都の伊根の舟屋だと思います。
映画の街そのものの京都の舟屋。
家の下が海で、そこからすぐ船にのって漁にでられます。
日本のベネチアらしいです(´▽`)
カイは、この家に住み、その二階で音楽をつくってyoutubeにアップしています。
なんと、youtubeでは彼のアレンジした曲が大人気!
ですが、彼自身は「どうでもいい・・・」という感じです。
彼の父親は、もともとミュージシャンでしたが、今は街で一番の企業、「えびな水産」のサラリーマンとして働き、一方、お母さんは未だに東京で「ダンサー」として活躍しています。
夢を追い、あきらめたお父さんと夢を追い続けているお母さん。
そして歩む道が違うことから離婚。
中学生のカイにとっては、そのことがつらかった(特にお母さんに捨てられた、と思ってる?)のだと思います。
(お母さんからの手紙を全て読まずにかたしているところから)
2バンド「セイレーン」に誘われるカイ
そんなある日、カイのyoutubeを見ていた同級生、国夫(クニオ)と遊歩(ユウホ)に
「バンドに入ってよ!」と誘われます。
カイはyoutubeでは全国に知られた有名人。
そんな彼にドラムとキーボードの打ち込みをしてほしいと言います。
最初は嫌だ、と断るカイ。
ですが、「私たちは人魚島で練習してるんだ」
という言葉に反応します。
そして「協力だけでいいから」
という言葉で、セイレーンに加入することになります。
3日無町に伝わる「人食い人魚」の伝説とは?
毎日海を高台から見張って、「人魚」がこないか監視しているタコ婆。
実は彼女の好きだった人も人魚によって海に引きずり込まれ行方不明になっています。
画像のタコ婆はもちろん、日無町の老人は人魚を恐れ、敵対心をもっています。
というのも、人魚は人を海に引きずり込んで「食べる」という伝説があるからです。
そしてカイの祖父もまた、自分のお母さん(尼さん)が海から戻った際に太陽の光に焼かれ、海に落ちていく姿を見ています。
そのため、カイには「海に近寄るな。そして音楽をするな。人魚は音楽によってくるけんの」と忠告します。
自作の地図ですが(汚くてごめんなさい(´;ω;`))
日無町は海に面した山によって、日陰の位置にあります。
そしてその向こうに「人魚島」があり、そこには普段は絶対に近寄ってはならないことになっています。
かつては人魚島にテーマパークもあったのですが、今は寂れており、近くて養殖がおこなわれているようです。
島に続く隙間には、岩を積んだ謎の石碑?のようなものもあり、山のせいで町や周囲の海は日陰になることも多いようです(伏線)。
また、山の上にあるほこらには伝説があり、
「かつて人々は人魚を閉じ込め、ほこらで日光にあてた。その結果、人魚は燃え尽きてしまった。その後、たたりが起き、大量の海水が町を襲い、燃えた人魚の身体を持って帰った」という言い伝えがあります(伏線2)。
そのため、クニオのお父さんが宮司である日無神社は、そのたたりが起きないように作られたそうです。
そんな人魚の伝説に少なからず興味を示すカイ。
図書館から本を借りて読み漁ったりしています。
そして、自分の部屋から見える海に時々、ぽちゃん、ぽちゃん、と何かが動く気配も感じていました。。。
スポンサーリンク
4初めての人魚、「ルー」との出会い
いつも通り、音楽を作りながらソーセージを食べていたカイ。
すると窓の外の海にまたしても何かの気配が・・・。
試しにソーセージを投げてみると、パクッと食べる生き物がいます。
「??」
とのぞき込むと・・・!
海の中からルーが登場!
ひぇっ!ここまでの展開だとホラー映画だよ!Σ(´∀`;)
と思っちゃいますが、
現れたのはかわいい人魚の女の子でした(#^^#)
彼女は「ルー!」と名乗り、音楽を鳴らすとなんと尾びれが足に変わって踊り出します。
(人魚ですが、陸の上でも大丈夫です)
どうやらすごく音楽が好きな様子。
「く、喰うのか?俺のこと・・・」
とカイ。
ううん、と首を振るルー。
「みんな、仲良し!仲良し!」
そしてにこっと笑って海の中に消えていきます。
バイバイと手を振るルー。
とってもかわいいです♪
5カイたちとルーの触れ合い
それからルーはたびたびカイの前に現れます。
遠泳大会では、犬にすら負けるほどのへたっぴだったカイですが、ルーが下から持ち上げて猛スピードで泳いだり、
人魚島でセイレーン(バンド)の練習をしていたら、ルーが音楽にのってダンスして歌ったり。
このシーンはとってもかわいいし、
ルーのうたは、「スプラトゥーンのアオリとホタルのうた」にそっくりなので、個人的にすごく好きでした。
↓にその様子が一部紹介されています(オリコンチャンネル公式より)
ルーたち人魚は水を操る能力を持っています。
水を空に浮かせたり、その中を自由に泳いだり、とにかく自由に音楽を楽しむルー。
そんな姿をみて、楽しくなって踊る3人。
帰りには、密漁をしていた連中から3人を守ってくれたりもします。
6ルーの過去とカイのキモチとは?
人魚は太陽の光にあたると体が燃えてしまいます。
そのため、ルーは基本的に夜や雨の日にカイに会いに来ます。
また、なんと人魚が噛みついたものも、同じく人魚になってしまうという特性を持っています。
閉じ込められていた野犬たちにかみつき、次々に人魚に変えてしまうルー。
噛みつかれた野犬は尾びれがはえて、海に潜っていきます。
ここまで分かった人魚の特性をまとめると、
1人魚は太陽の光に弱く、あたると燃えてしまう。そのため、山によって日陰になっている日無町と周辺は絶好の住処。
2人魚に噛みつかれ、その血がまじったものも「人魚化」する。人魚となったものは不老不死となる。たとえ、骨だけになっても生き続ける(太陽によって消されない限り)。
3人魚は基本的に人間に危害は加えない(共存を望んでいる)。
4人魚は水を操る能力をもっている。
5人魚は歌やダンスが好き。彼らの歌を聞いたら、人間も勝手に楽しくなって踊り出す。
このようになります。
う~ん。これだけ見ると、ヴァンパイアみたい(笑)。
ちなみに、ルーのお父さんはホオジロザメの人魚です。
おそらく、サメが人魚によって噛まれた存在だとおもいます。
ということはルーももしかしたら、幼い人間の少女が噛まれた結果変化したのかもしれません。。
ルーのお父さんは、なんと町の商工会議所のメンバーでもあり、人間社会に溶け込んでいます。
この姿で!?Σ(´∀`;)
ルーのお母さんは人魚ですが、かつて人間の網にかかりそのまま・・・という過去があります(´;ω;`)
カイにお母さんがいないことを教えられたルーは「ルーと一緒だね」とカイに告げます。
カイはそれでも自由なルーを見て、
「本当は俺、この町も、誰も好きじゃなかったんだ・・・」
とこれまでの孤独な心を語ります。
でも、ルーと出会えてそれが解放されている、と伝えたかったんだと思います。
7灯篭祭で、イベント開催!ルーのことが知れ渡ることに。急展開。
ルーのうたがすごいことに気付いた3人は、灯篭祭というイベントでルーを隠してバンド演奏をするのですが、ルーが飛び出し、動画でとられたことによって
その正体が町や全国にしれわたることになります。
その結果、「もう一度日無町を復興させよう!」と考えた大人たちはルーを利用することを決めます。
そして、人魚ランドを復活させ、全国から「ルー」を求めて観光客が大勢集まる事態に。
カイは反対しますが、大人たちによって押し切られ、カイ不参加のままイベントが開催。
大量のフラッシュという強い光におびえたルーはその場から逃げます。
一方、セイレーンというバンドではなく、ルー目的で集まっている人々に愕然としたユウホは、
「皆人魚に食べられちゃうよ!」というメッセージを自虐的に残し、失踪してしまいます。
(あるいは、そのメッセージは人魚反対派がねつ造したものかも?)
8町の怒りが爆発。捕らえられたルー!
ユウホの失踪と、「人魚に食べられる」というメッセージ。
さらに、養殖していた魚は、ルーが解放した野犬の人魚に食い荒らされ、
骨の魚が町を歩く――という事態に、
反対派の怒りが爆発。
「人魚は人を食べる。絶対に許してはならん!」というタコ婆の意見もあり、
ついに人々はルーを捕まえることにします。
観光のため、とルーを利用しておきながら、危険と思うとすぐに隔離・退治しようとする人間・・・(´;ω;`)
特にこのユウホのお父さんは、人魚を目の敵にして「ユウホの仇だ。太陽の光で燃やしてしまえ!」と命令します。
「助けて!」
と泣くルー。
その声を聴いたルーのパパは、太陽の光を浴びながら、体を燃やしながら助けに行きます。。。
※カイやユウホは何してるの?
そんな事情を知らないカイは、まだ町の人々がルーを利用しようとしている(イベント)の最中)、と思ったまま辛い気持ちで部屋に閉じこもっていました。
一方、当の本人であるユウホは先輩の家にころがりこんで相談しました。
「本当は自分に自信がないこと。そして、挑戦できない自分が嫌なこと。」
先輩は
「本当のことは自分の中にしかないからね。やりたいようにやってみなよ」
とユウホを励まします。
そこへ町の異常とルーのことが伝えられます。
この事態に驚き、カイやユウホたちは大人たちからルーを助け出そうと捕まっている工場へ急ぎます。
スポンサーリンク
9いよいよクライマックス!ついにおかげ様の呪いが。
体を燃やしながら、なんとかルーのもとにたどりついたパパとユウホたち。
そしてルーを助け出すことに成功します。
そこまではよかったのですが、人魚のピンチに反応したのは海でした。
かつての伝説どおり、人魚の叫び声を聞いた海(おかげ様)は、呪いのように高波を起こし、街を飲み込もうとします。
おそらく、海を操る人魚のように、海も意志があり、人魚のピンチ=海に戻して助けようというシステムが働いたんだと思います。
その結果、街が浸水し、人々は高台に避難するパニックに。
しかし、そんな人々を救ったのがルーを含めた人魚たち。
人魚たちはその能力で波を海に戻そうとします。
さらに、逃げ遅れた人々を助け出します。
しかし、時刻は夜明け。
太陽の光をあびた人魚たちは次々に灰になっていきます。。。(´;ω;`)
さらにルーたちも能力を使い切り、どうしようもない――というとき、
カイはある決心をして人魚島へ急ぎます。
人魚たちは歌が好き。
そしてそれによって能力が回復する・・・そう考えたカイは一人大声で町と海に向かって歌います。
ルーたちを元気づけるために。
うたうのは、斎藤和義さんの「歌うたいのバラッド」。
この曲は1998年発表だそうです。
名曲の一つですよね(#^^#)
↓の動画(公式)に一部出ています。
そしてカイの歌の結果、人魚たちは海を落ち着けることに成功。
しかし、その結果、山が削り取られ、おかげ岩もなくなり、日無町は太陽の降り注ぐ街になります。
※ちょこっとエピソード。タコ婆やカイのおじいちゃんはどうなったのか。
最後の最後まで人魚やルーを目の敵にしていたタコ婆。
最後はもりを手に、ボートを運転してルーを倒そうとします。
(ルーは人々を助けようとしているのに(;´▽`A“)
そんな彼女を止めたのは、なんとかつて人魚に食べられ海で行方不明になっていた恋人。
彼は昔のまま容姿を変えずにタコ婆のボートに現れます。
そして、タコ婆に「本当は海でもうどうしようもなかったときに人魚が助けてくれたこと」、「その結果として人魚になり、自由に生きていること」を伝えます。
そしてそれを受け入れたタコ婆は、彼に噛まれ、海の中へ・・・。
「あたしゃ、人魚になっとる!」
と最後は憎んでいた人魚になる、という結末でした。
カイのおじいちゃんも同じく、
子供の頃に行方不明になっていたお母さんが高波から彼を助けます。
そして、過去を語ります。
尼だったお母さんは、崩れてきた鉄筋によって海中でおぼれ、命がなくなりそうなときに人魚によって助けられ、人魚になったこと。
その結果、太陽の下では生きられずにずっと海から見守っていたことを伝えます。
それを聞いたおじいちゃんは、泣きながらうれしそうにお母さんに抱きつき、そのまま海へ――。
彼らが人魚を憎んでいたのは、自分にとって最愛の人を人魚によって奪われたと思っていたから。
でも本当は彼らを救い、彼らもまた人魚として自由に生きていたんですね。
憎んでいた人魚に自分もなる、という結末はある意味救いだったのかもしれません。
10エンディング
エンディングでは、山が崩れ太陽のあたる町になってしまった日無町から離れる人魚とカイたちのその後が描かれます。
「俺、ルーのことが大好きだ!だからずっとそばにいてほしいんだ!」
「ルーも好き!大好き!」
と2人はうれしそうにお互いを抱きしめます。
しかし、もう陽の光のあたるこの地にはすめません。
そして夜明けとともに新しい居住地を求めて去っていく人魚たちとそれを見送るカイ。
ユウホは自信をもって、東京の高校に進学し音楽をしていくことを決断。
町が嫌いだったカイは、山向こうの高校に通い、そして
「俺いつかこの町に戻ってくるよ。そしてまたルーたちが住める海を探しにいこうと思う。いろんな海が見たいんだ」
と、いずれ海に出てまたルーに会いに行く――という道を見つけて終わります。
スポンサーリンク
11最後に評価と感想♪
最初は「世間ではポニョ、ポニョと言われてるけど、大丈夫かな・・・(;´▽`A“」
と思っていた私。
でも、実際はいい意味でストーリーはジブリっぽく、
ジブリにコメディ要素や音楽をうまく融合させた作品だったと思います。
映画館を出るときに笑顔になれる作品が大好きなのですが、今回はまさにそんな映画。
まったりが大好きな方にはお勧めしたいものになりました。
人魚、というある意味不老の存在との交流は、アリエッティのような雰囲気もありますし、間違えるとホラー向けなテーマではありますが、最後までルーちゃんのかわいさと、ルーちゃんの素敵さが前面に出ていて(2回行っちゃうくらい可愛いです(笑))
かわいいもの好きな方にもおすすめできます。
一方で残念だったのは、カイ君の過去や動機、行動が今一つだったところと、
ヒロインとの出会いから、捕まって助けて、危険が迫る、という王道ストーリーにカイ君がもっと積極的にからんでほしかったな~というところです。
また、最後はポップな作品なので、皆で一緒に暮らすことにして、人魚と共生した町を作り、
(助けてくれた人魚たちのために人間が岩を積み上げるなど)
ダンスと歌で笑って終わらせてほしかった、という気持ちがあります。
エンディングで最後お別れして――というのは、少し残念でした。
それでも斎藤和義さんの「歌うたいのバラッド」やルーちゃんの歌や天真爛漫さをうまく入れて、
「人の目を気にせず、やりたいことやろうよ!自分の心の中にそれはあるんだよ」
というテーマは確かに伝わってきました。(#^^#)
というわけで、評価は☆5中、3.8という感じかな♪
ジブリ系やまったり系が好きな方はけっこうハマるかも?という感想です。
スポンサーリンク
次回の映画考察は、「バイオハザードヴェンデッタ」、「ちょっと今から仕事やめてくる」を考察したいと思います~♪
どちらも楽しみです☆