東京五輪(オリンピック)ボート会場問題を分かりやすく。メリットとデメリットまとめ。長沼が見送りになった理由も。

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東京五輪(オリンピック) ボート会場問題を分かりやすく。一体何が問題なの? どこがベストなのか。

1 候補に挙がっているのは3つ。そして推進しているのも違います。まずは東京から。

まずは東京の海の森会場。

こちらは、主に森会長率いる大会組織委員会、そしてボート協会のロラン会長が推進しています。

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メリットは、

1 そもそもオリンピック誘致の際に推薦していた場所であり、今更変えるべきではない。

2 選手村から近く、選手の負担が少ない。

3 カヌー会場と近いため、カヌー団体と連携しやすい。

4 五輪後に、国際大会や公園に活用してレガシー(遺産)になる。

整備費は519億円(試算)。

というもの。

1に関しては、現在ボート競技連盟会長や、IOC会長との話し合いの上、

変更の容認の可能性が挙げられているため、特に問題はないと思われます。

3に関しては、カヌー競技は葛西臨海公園で行われるので、どちらも近く、お互いの連携や選手サポートがしやすい、というメリットがあるそうです。

一方、デメリットは、

1 そもそもボート競技は淡水の川や湖で行うもの。浮力が違えば、結果も大きく変わり、波の影響もある。海水でボートも痛んでしまう。

2 海風が予想以上に強く、コースによって強風に当たりやすい(特に風下)ため、選手がコースによって不利になる。これが選手に非常に不評な点です。

3 羽田空港に特に近いため、飛行機の騒音が大きく、選手はもちろん、五輪以降も使い勝手が悪い。

このデメリットをなくすために、波や風をなくすための防風、防波設備を整備すればいい、という意見が出ています。

ただし、また予算が膨大に・・・。

2 次に宮城県の長沼ボート場

長沼ボート場は、主に一部の選手や小池知事、宮城県知事が推進しています。

メリットは、

1 既に完成しているので、整備費が安い(試算351億円で東京と160億円違います)

2 国際大会も開催できる日本最高峰のコース

3 ダム湖のため、水面も穏やか

4 復興をアピールでき、復興五輪の注目になる。県民の理解も高い。

というもの。

デメリットは、

1 選手村から350キロ以上離れていて、観客や選手の負担が大きい。

2 陸上設備が難あり。

3 道路が狭く、新幹線(2時間半)と車(30分)で乗り継がなくてはならない。車なら4時間で道も狭い。

4 ボート協会は、アジアでのボート競技の聖地として東京を使いたい。宮城は遠すぎる。

というものです。

長沼は選手にとっては理想的な環境で、予算も少ないため、小池知事が推進しています。

ただ、距離が遠い、というのが難点。

3 埼玉県の彩湖

上記2つが有力候補ですが、

彩湖も名乗りを上げています。

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こちらは、埼玉県知事や選手が推薦している場所です。

ただし、現時点では、上記2会場のどちらかに決まる可能性が高いと思われます。

メリットは、

1 選手村から25キロと近く、アスリートファーストを実現できる。

2 淡水で風や波が穏やか

3 広いので、国際基準の2000m×8コースが取れる。

4 ボートの聖地、戸田ボート場(かつての東京五輪会場)から近いため、練習場として今後も利用できる。

デメリットは、

1 整備費が558億円と最高。ただし、埼玉県ボート協会の試算は90億円で可能とのこと。

2 荒川の氾濫を防ぐための調節池のため、大雨だと使えなくなる。

3 調整池のため、法律上施設は仮設にせざるを得ない。つまり遺産になりえない。

というもの。

「え?戸田ボート場が聖地ならそこでやればいいのでは?」

と思ってしまいますが、

戸田ボート場は広さが6レーンしかなく、現在の国際会場(8レーン×2000m)としての使用はできないようです。

ただし、理想的な環境なので、練習にも使え、

さらに、五輪終了後に、戸田ボート場で行われる大会のために、彩湖を活用できる、そうです。

もし、90億円で可能なら、彩湖で仮設もありなのかもしれません。

ただ、仮設施設はIOCポリシーと反するようで、IOCの許可が下りない可能性があります。

4 韓国でやるという話が急浮上。

こちらはIOCの意見。

「予定通り海の森で建設されない場合、韓国で行うべき」

こういう意見が急浮上。

日本でもめるのであれば、

ボート会場は韓国でやればいいのでは?と述べています。

候補になっているのは、韓国の忠州にある、「弾琴湖国際ボート場」。

世界選手権やアジア大会など実績がある場所です。

確かに予算は安くなるかもしれませんが、

おそらくメンツの問題もあり、まずありえないでしょう。

しかし、IOCのバッハ会場と森会長が親密な様子が強調されるなど、

「もし東京でしないなら、韓国にするぞ」

と小池都知事に対して、一種の駆け引きをすることで、

どうしても東京でやろうとする意図が見えてきます。

ふ~む。

また何か裏の匂いがしてきます・・・。

5 一体どこがベストなの?

大会組織委員会は、東京で開催し、会場を作り残したい(おそらく東京の土建関係の利権も大きく関係していると思います)。

小池都知事は、予算削減と、復興のためにも長沼を利用したい。

選手は、近く今後も関東で使いやすい彩湖がいい。

思惑がそれぞれで難しいところです。

ただ、個人的には、「波と風の影響が強く、選手から不評」な海の森はよくないように思います。

私は大学時代にボート部に在籍したボート経験者です。
競技者から見て「海の森」は絶対に反対です。
理由1
ボート競技にとって一番の難敵は「横風」です。
「海の森」の傍らには風力発電の風車が立っています。発電ができるほど強風が常に吹いている証しです。そんな場所で競技しても日頃の練習の実力も発揮できないし、そのような場所で練習もしたくありません。
理由2
ボート競技はそもそも淡水の川や湖で行う競技です。
海水では浮力で舟が浮いたようになり風によるうねりも生じます。
何よりもボート本体が海水で錆びたり痛みます。一時的にオリンピックで実施されたとしても、その後、選手は大切なボートを海水に持って行って練習など絶対にしません。
理由3
「海の森」は羽田空港への飛行コース直下にあり旅客機のごう音によって競技の集中力が保たれない。
このような理由で
「海の森」にボート競技場を建設しても将来的にまったく使われないし
レガシー(遺産)にはならないと考えます。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10165693650より引用

結局、作っても今後使われないなら意味はないし、遺産にもなりえないのであれば、

仮に波と風対策を行ったとしても、整備費が余計に増えるだけな気がします・・・。

一方で、他の県で開催する場合、

「その整備費はどこが出すの?東京が誘致したのに、県が出すの?」

「それとも、東京が出すの?都民は納得するの?」

という問題があります。

この点に関しては、

どうやら宮城県は積極的に支出する用意があるようで、

県民の理解も得られている、という話。

復興予算が1兆円規模で使えるらしく、一部支出できるのではないかと言われています。

「復興五輪には世界も賛成するだろう」と言われており、

国際的な評価の面でも、

長沼に決まる可能性は高いと思われます。

しかし、予算を気にしないのであれば、国際的圧力もあって東京になるでしょう。

6 追記 東京または長沼に決定(11月現在)

その後、東京または長沼の2候補に絞られました。

小池知事は「復興の象徴」として長沼を残したいということ。

試算として、東京の場合は、300億円まで減らし、

一方、長沼は200億円で開催できる、というものが出ています。

ちなみに水泳会場も問題になっています。

※さらに追記

その後、長沼ボート場は見送りとなっています。

7 どうして長沼が見送りになったのか?

これは、「東京の海の森競技場が建設中止になった場合、新たに100億円が必要となったため」、です。

長沼ボート場の設備費は最終的に150~200億円、海の森は491億円から298億円に削減されていました。

しかし、海の森を辞めた場合、

契約済みの施設の撤去費用、設計費用、損害賠償や原状回復費用が計100億円になることが分かり、

「スタンドなどを一部仮設にする仮設案なら、海の森は298億円だから、その方がよい」

ということになったようです。

さらに、長沼は場所が遠いため、競技団体からの反発もあったということ。

ふむ・・・どうして、その計算が長沼案が出た時にできなかったのか、不明です・・・(´;ω;`)