画像はhttp://jiyuubito21102.com/archives/3541より
目次
大隅良典博士のノーベル賞受賞内容をわかりやすく解説。オートファジーって一体何?オートファジーの役割と活用法をご紹介。
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1 まずはノーベル賞を受賞された大隅良典博士についてご紹介します。
大隅博士は現在東京工業大学で研究をされています。
もともとは福岡県の福岡高等学校ご出身で、
東京大学理科2類に進学されました。
当時は珍しかった分子化学の道を選ばれ、
大学院時代に2年後輩として入ってきた奥様(大隅萬里子さん)と出会われます。
※検索ででてくる大隅典子さんは奥様ではありません。
そしてご結婚。
お二人とも研究者でとっても優秀だったんですね。(#^^#)
それから、
「存在はしうるが、証明は極めて難しい。一生かかっても成果はでないかもしれない」
と言われた「オートファジー」の研究に着手。
現在まで30年近く、オートファジーの専門家として研究されています。
2 どうしてノーベル賞受賞になったの?
これは不可能と言われた「オートファジー」の発見と、その仕組みを説明した功績です。
これによって以下に述べる、新しい医療の道が開拓されました。
ちなみに、ノーベル賞受賞の賞金は、日本円で9500万円です!すごい!
ちなみに使い道ですが、
「若い研究者を恒常的に支援したい」と企業からの協力も得て、奨学金や研究費を提供する仕組みをつくっていくそうです。
これがまたすごいと思ってしまいます。
3 オートファジーって一体何?わかりやすく解説します
画像はhttp://ruo.mbl.co.jp/bio/product/autophagy/autophagy.htmlより
オートファジーとはギリシャ語で、
「自分を食べる」の意味です。
「え!?」
と思ってしまいますが、
人間の体では常にこれが起こっています。
オートファジーの役割は、
1 古くなった細胞のタンパク質をアミノ酸に分解して、新しい細胞の材料にする。
2 余計な有害物質を完全に分解して除去してしまう。
の二つです。
順番に見てみましょう。
1 人類はオートファジーによって飢餓に耐えてきた!
人間の体では、常に細胞分裂が起こって、新しい細胞が生まれ、古い細胞は分解されています。
このときにオートファジーによって、古い細胞のタンパク質を膜で囲み、
その膜内のものを分解する作用が働きます(上記図参照)。
ここでアミノ酸に分解されたものが、新しい栄養として使われるのです。
面白いのが、
人間が口から食べ物としていくらタンパク質をとっても、
アミノ酸に分解できる量・吸収量には限界があり、
必ず不足してしまうということ(東京大学 水島教授談)。
オートファジーはこの不足分のアミノ酸を補う不可欠な役割を担っているのです。
ちなみに、もっともオートファジーが働くのは、
空腹時。
栄養が足りていないときだそうです。
どんどんタンパク質が分解されて、それを新しい栄養にしていきます。
だから、水だけで2週間とか生きることができるんですね(脂肪はエネルギーにしかなりません)。
痩せちゃうから、ボディビルダーの方にはつらいかも・・・。(´;ω;`)
もちろん、タンパク質を補給してあげれば、過度に分解されることはありません!(笑)
2 余計な有害物質を完全に分解して除去してしまう、も大切!
この有害物質の分解もとっても大切な役割です。
肝臓や腎臓でも同じようなことは行っていますが、
細胞内でも、体の老廃物や有害物質を除去してくれていたんですね。
これができないと、細胞内にごみがたまり、病気になってしまいます(後述)。
3 ちなみにアポトーシスとオートファジーの違いは?
広義では、どちらも似たような作用ですが、
ざっくり言うと、
がんなど、細胞がストレスを受けて異常変異を起こした場合に、自ら消えてしまおうとする作用がアポトーシス。
異常や変異などなくても、普段から古くなった細胞や老廃物を分解していく作用がオートファジーだと考えられます。
4 オートファジーの研究が進むことでどうなるの?今後のオートファジー活用法
現在注目されている研究が以下の2つです。
1 パーキンソン病の治療
2 がんの治療
1のパーキンソン病は、神経細胞内で有害物質が貯まることで引き起こされます。
ミトコンドリア不良とも言います。
つまり、細胞内でうまく有害物質を分解できないことで引き起こされるのです。
オートファジーの研究が進めば、うまく有害物質を除去する薬が発明され、パーキンソン病の治療に役立つと考えられています。
2のがんの治療は、反対の作用です。
がんはオートファジーによって得たアミノ酸を栄養源にしています。
つまり、がん細胞へのオートファジー機能をなくしてしまえば、栄養が得られないがん細胞が消えていくのです。
これは画期的な理論ですよね♪
ただし、どちらも今後20年近くの研究が必要とのこと。
まだまだオートファジー研究は序盤の段階だそうです。
今後、解明が進んで新たな活用法も出てくると思います!
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