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目次
- ドナルド・トランプ大統領の政策(公約)と発言・行動・北朝鮮問題を分かりやすくまとめました。日本への影響は?(随時更新)
- ※日米関係に関する重要事項と発言
- 1以下、トランプ大統領の公約とこれまでの政策について簡単にまとめてみます。
- 1 税政策は? 法人税を大幅カット!相続税廃止!
- 2 TPPは即時離脱 自由貿易協定には反対。
- 3 メキシコに壁を建設!移民反対!シリア難民の受け入れも拒否 イスラム教徒の入国は拒否
- 4 グローバリズムではなく、アメリカニズムが今後の課題(外交関係)
- 5 軍事関係は?海外米駐留軍を撤退・北朝鮮への武力行使・シリア
- 【北朝鮮問題について】
- 2017年9月19日追記:北朝鮮制裁決議と国連初答弁内容解説
- ※11月20日追記 トランプ政権北朝鮮を「テロ支援国家」に再認定
- 6 オバマケアの完全撤廃
- 7核戦力を大幅強化する! 2016年12月23日追記
- 8その他の公約まとめ
- 9エルサレムにアメリカ大使館を移動させる発言の真意。なぜ首都が問題なの?理由も分かりやすく解説。
- 10環境問題は後回し!重要なのは経済!パリ協定は離脱する!
- ※追記2017年6月2日 パリ協定離脱へ(公約実現)
- ※追記2017年2月27日 2019年に再び人類が月へ
- 11公約は実現されたのか。実現状況(随時追記)2017年5月現在
- 2 大統領として世界にどんな影響があるの?
- 3 それなら誰がトランプさんを支持してるの?
- 4 トランプさんが大統領になったら、日本への影響は?
- ※追記 反トランプデモが世界各地で発生
ドナルド・トランプ大統領の政策(公約)と発言・行動・北朝鮮問題を分かりやすくまとめました。日本への影響は?(随時更新)
重要発言や政策・最新情報については随時こちらにまとめていきたいと思います。
それぞれの政策と実行したことを各項目でまとめています。
大統領令の効力や大統領の権限については以下のページをご覧ください。
まずはトランプ大統領の動向についての特に重要な最新情報を簡単にまとめていきます。
【これまでの最新情報の追記一覧】
これまでのトランプ大統領の公約実現状況→11の公約実現状況(新規追加)
2018年5月:エルサレムへ大使館移転へ→9のエルサレム問題
2018年3月:輸入制限発令へ。貿易戦争発端か。日本も対象に→2のTPP・輸出入
2018年3月:ティラーソン国務長官を解任へ。理由は?→3の移民関係。
2017年12月:エルサレムをイスラエルの首都と宣言。なぜ問題?→9のエルサレム問題
2017年11月:北朝鮮をテロ支援国家に再認定→5の北朝鮮問題
2017年11月:トランプ大統領初来日。共同記者会見内容→※日米関係(直下)
2017年10月:アメリカ、ユネスコ脱退へ。理由は?→4の外交関係
2017年9月:難民受け入れ過去最低&北朝鮮入国禁止→3の移民政策
2017年9月:オバマケア見直し法案断念→6のオバマケア撤廃
2017年9月:法人税20%に引き下げ。影響は?→1の税政策
2017年9月:アメリカ、北朝鮮へ独自制裁発表→5の軍事関係
2017年9月:北朝鮮制裁決議と国連初演説内容解説→5の軍事関係
2017年8月:スティーブバノン氏、首席補佐官解任へ→3の移民政策
2017年8月:8月12日の白人至上主義の衝突で、擁護発言。KKKとは何か?→3の移民政策
2017年7月~:北朝鮮への対応。北朝鮮はなぜこのような行動をするのか→5の軍事関係
2017年6月:元FBI長官が「トランプ大統領とロシア疑惑」を証言→4の外交関係
2017年6月:パリ協定離脱へ。パリ協定って?分かりやすく→10の環境政策
5月:ロシアとトランプ政権の疑惑をCIA元長官が暴露→4の外交関係
5月:ロシアに最高機密漏えいか→4の外交関係
4月:米軍のシリア基地攻撃。方針転換へ→5の軍事関係
3月:2019年に月へ人類が?→10の環境政策
3月:超大型爆弾でアフガニスタン攻撃・軍事拡大へ→5の軍事関係
北朝鮮攻撃も選択肢へ→5の軍事関係
2月:日米首脳会談→※
1月:TPP離脱→2のTPP政策
1月:メキシコ壁建設→3の移民政策
1月:スティーブバノン氏について→3の移民政策
1月:イスラム教徒入国拒否→3の移民政策
1月:核戦力強化発言→7の核戦力政策
オルタナ右翼とは何か?分かりやすく→3の移民政策
【目次】
※日米関係における重要事項
1税政策
2TPP・輸出入関係
3移民政策
※トランプ政権内部人事
4アメリカニズムの推進(外交関係)
5駐留米軍撤退及び北朝鮮問題(軍事関係)
6オバマケア撤廃
7核戦力強化
8その他の公約(政治関係)
9エルサレムへの大使館移動
10環境政策
11公約は実現されたのか。実現状況についてまとめています。
※日米関係に関する重要事項と発言
2017年11月5~7日:トランプ大統領が初来日。共同会見内容
迎賓館にて、ピコ太郎さんと一緒に笑顔を見せるトランプ大統領
トランプ大統領が初来日を果たしました。
天皇、皇后両陛下とも会談し、「日米関係はかつてなく良好です」と話したということです。
ここでは、安倍首相とともに行った共同記者会見の特に重要な部分のみをまとめたいと思います。
1拉致問題に言及
トランプ大統領は今回、拉致被害者のご家族の方々と直接会いました。
そして、「北朝鮮について最大の圧力をかけ、共に解決に臨む」、ということで合意しました。
拉致問題で、日米が声明を出して協力を発表したことは今後の北朝鮮問題に対しても大きな意味があると思われます。
「(オバマ前大統領時代の)戦略的忍耐の時代は終わった」とも言及されています。
2貿易問題
日本に対して、一層の市場開放を求めています。
「アメリカにとって、信頼できる日本の平等な市場を求める」とし、
アメリカ製品への輸出市場開放に言及しています。
これは、トランプ大統領の選挙公約にもありましたので当然のことですが、そのときに比べると主張は穏やかなものに見えました(ただし、外交上はかなり強く迫っているものと思われます)。
3大量の兵器購入を示唆
もう一つ、重要なのが、トランプ大統領が共同記者会見の場で言及した
「非常に重要なのは首相はアメリカから膨大な量の兵器を買うことだ。そうすべきだ。」
という発言です。
(既に2018年の概算要求にはアメリカ製のF35戦闘機を6機(881億円)、イージス艦の迎撃ミサイル(657億円)が当てられています)
これに対して、安倍首相は「さらに購入していくことになる」と発言されました。
つまり、今後もアメリカからの兵器購入の流れと圧力は続くと思われます。そのための取引材料として、2の貿易問題を出した、という見方もできます。
【ちょこっとコラム】
※ちなみに先に来日していたイヴァンカ氏の基金に安倍首相が57億円を拠出、というニュースが流れましたが、
これはG20で既に決まっていた世界銀行の基金で、日本国内で使えない外貨準備高の余剰分を使うものです。そのため、安倍首相が個人で税金をポッと出したわけではありません。
少し、報道に偏りがあるように見受けられましたので、ここに言及しておきます。
【総括】
今回はあくまで「初来日」によって、日米関係の親密さを世界にアピールする目的がメインのため、それは多いに果たされたと思われます。
そして、今回のトランプ大統領の目的は、あくまで8日からの「中国」との対話にあります。
中国には、29のアメリカの大企業の社長を引き連れて交渉するとのこと(メディアでは大きく報道されていません)。
つまり、一番の目的は中国の莫大な市場を開拓するために、習近平氏と交渉することにあったようです。
2017年2月11日:トランプ大統領が安倍首相と日米首脳会談にて共同会見
出典:時事ドットコム
アメリカホワイトハウスにてトランプ大統領と会談した安倍首相。
首脳会談の内容について、重要なことのみまとめます。
【防衛関係】
1日本は重要な同盟国であり、太平洋地域の安定と平和は日米にとって大事
2北朝鮮のミサイル・核を防ぐことは両国にとって大事
3普天間基地の返還には辺野古移設が唯一の解決策。在日米軍の受け入れを感謝している
4尖閣諸島は日米安全保障条約5条が適用される=尖閣諸島にアメリカは防衛義務を負う
【経済関係】
1麻生副総理兼財務相とペンス副大統領のもとで今後経済協議を行っていく
2日米においてアジア太平洋の自由で公正なマーケットを作り上げていく
防衛関係については、下のマティス国防長官が述べられたことと一致していました。
トランプ大統領がどのようなことを述べるか気になっていましたが、
「在日米軍受け入れに感謝。日米同盟は重要」と示されたことは、大統領就任前の姿勢を大きく軟化させたように見えます。
一方、これを受けて中国は――
中国外務省の陸慷報道局長は
「釣魚島とそれに隣接する諸島は、古代から中国固有の領土であり、これは不変の歴史的事実である」
わが国は米国に対し、責任ある態度をとり誤った発言をやめ、…問題をいっそう複雑にし域内情勢に不安定をもたらさないよう要請する」
このように述べて、警告を出しました。
このほか、マティス国防長官は
「普天間基地は辺野古移転が唯一の解決策である」
「北朝鮮の核ミサイル開発は容認できない」
とも述べられています。
1以下、トランプ大統領の公約とこれまでの政策について簡単にまとめてみます。
1 税政策は? 法人税を大幅カット!相続税廃止!
出典:AP通信より
トランプ氏は、法人税について現行の最大35%から15%への大幅減税を主張しています。
さらに相続税についても、完全撤廃を主張。
これは、アメリカ社会のため、というより自身の企業にとっても、すごくプラスになるから当たり前のような気がします。
現在10歳の息子さんのことを考えても、相続税は廃止したいですよね(^^;)
一方で、租税回避を行った場合の懲罰措置や、富裕税の導入も主張。
年収570万円以下の夫婦世帯および年収280万円以下の単身者に対しては、所得税を免除して国民の間の格差も是正するとしています。
育児費用の税控除も主張。
え!?意外!(゚Д゚;)
と、思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、トランプさんの支持層というのは、比較的低所得で、不満を持っている方が多く、
その支持を集めるためにもこういった主張は必須です。
ただ、共和党内では、批判も出ています(共和党は小さな政府を主張する団体)。
追記4月25日 法人税15%への引き下げ指示へ。
税制改革案に、法人税率の15%への引き下げを盛り込むようトランプ大統領がホワイトハウス側近に指示したことが明らかになっています。
追記2017年9月28日 法人税20%に引き下げへ。世界への影響は?
トランプ政権は27日、税制改革案を発表しました。
公約にあった、法人税の35%からの引き下げは20%にすることで決定しました。
今後、年内の法案成立が目指されます。
本来は15%の予定でしたが、財源不足の結果、20%になったということです。
それでもこれはアメリカ史上、過去最低の税率になります。
ちなみに、アメリカの法人税率は世界最高とまで言われていました。
(先進他国は大体20%前後が多く、地方税も含めた法人税実効税率は30%前後です)
日本は法人税実効税率が29%ほどになっており、この影響から、今後各国で法人税率の減税圧力が経済界から起き、減税競争になる可能性も示唆されています。
【ちょこっとコラム※法人税って下げた方がいいの?】
法人税を下げると、企業が雇用を増やしたり、海外移転を防ぐ効果があります。
またアメリカの日本企業にとってもプラスになります。
しかし、その分政府の財源は減るため、財源を確保するために他の税が課されることになりえ、結局納税者に負担が回ってくることにもなります。
2 TPPは即時離脱 自由貿易協定には反対。
「TPPは最悪の協定だ。これ以上日本の自動車メーカーを裕福にする気か?」とTPPには断固反対の姿勢をとっています。
それもそのはず、トランプさんは、NAFTA(北米自由貿易協定。カナダ・アメリカ・メキシコ間は自由貿易)にも反対しており、
「メキシコや中国からの輸入品は35~45%の高関税をかける!」
と言っています。
基本的に自国の産業を守ろうとする保護貿易の考え方です。
※追記2017年1月23日TPP離脱の大統領令に署名へ。
早速、1月23日、TPPからの永久離脱を示した大統領令にサインをしたトランプ大統領。
これによって、アメリカの参加はなくなりました。
日本や他の環太平洋諸国は、アメリカ抜きでのTPPを行うことになります。
※2018年3月 輸入制限を強行へ。日本も対象に。理由は?
トランプ政権は、中国による過剰生産で鉄鋼・アルミニウムが安く輸入されている現状が安全保障上の脅威として、異例の輸入制限措置を発令しました。
対象には「安全保障上重要な関係がある国」を除く、とされ、
カナダ・メキシコ・韓国・アルゼンチン・ブラジル・オーストラリア・EUは除外されています。
ここに日本が入らなかったことも大きな焦点です。
つまり、アメリカにとって、日本は安全保障上重要ではないということも暗に意味しています(要は輸出を考慮しないとアメリカは日本を重要視しないぞという圧力とも言えます)
この規制の対象は中国がメインですが、日本にも車の輸出入含め圧力をかける狙いがあるようです。
また、中国の知的財産権の侵害について中国製品に最大6.3兆円の高関税をかけると表明しています。
中国はこれに対抗措置をとることも示唆。
「貿易戦争は恐れない」と表明しています。
この影響で株価もこの日下がりました。
今後、世界的な貿易戦争に発展しないか、最近ではもっとも大きな懸案事項になっています。
ティラーソン国務長官が解任されたこともこの決断に関係あると考えられます。
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3 メキシコに壁を建設!移民反対!シリア難民の受け入れも拒否 イスラム教徒の入国は拒否
アメリカとメキシコの国境に既に建てられている壁。この壁をさらに大きく、長く拡大させようとしているトランプ氏。
「メキシコからの移民が仕事を奪い、不法活動を行っている。メキシコとの国境に万里の長城のような壁を作る。費用?もちろん、メキシコ持ちさ」
と主張。
アメリカは生地主義なので、アメリカ生まれの移民の子供はアメリカ国籍を持てます(日本は血統主義)。
そうなると親も移住権を得られるため、不法移民が増える原因になると、この政策にも反対しています。
メキシコ移民の実態と建設費用などは以下のページに分かりやすくまとめています♪
実際にメキシコからの移民は年間数万規模とかなりやってきていて、いずれアメリカはスペイン語が公用語になるんじゃないかとも言われています(事実ヒスパニックがアメリカで将来最も多い民族になるとされています)。
※追記1月26日メキシコ国境に壁建設へ。
国土安全保障省を訪問し、メキシコ国境に壁を建設する大統領令に署名しました。
連邦政府の資金を壁の建設費用にあてる、ということ。
Big day planned on NATIONAL SECURITY tomorrow. Among many other things, we will build the wall!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年1月25日
As your President, I have no higher duty than to protect the lives of the American people. pic.twitter.com/o7YNUNwb8f
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年1月26日
of jobs and companies lost. If Mexico is unwilling to pay for the badly needed wall, then it would be better to cancel the upcoming meeting.
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年1月26日
訳すると、
「アメリカの国民にとってこれ以上大切なことがあるか?」
「もし、メキシコが費用を払わないのなら、大統領との会談はキャンセルした方がいいだろう。」
このように述べています。
これに対して、メキシコのペニャニエト大統領は、
Esta mañana hemos informado a la Casa Blanca que no asistiré a la reunión de trabajo programada para el próximo martes con el @POTUS.
— Enrique Peña Nieto (@EPN) 2017年1月26日
「トランプとの首脳会談を欠席することを今朝ホワイトハウスに伝えた」
と徹底抗戦の構えを見せました。
(もはやTwitterが政治の場になっています。。。(;´∀`))
実は31日にメキシコ大統領との初会談が予定されていましたが、
トランプ大統領はそのときにメキシコに費用負担を求める考えでした。
しかし、それ早速立ち消えに・・・。
メキシコとの関係悪化は必須です。。
そして、トランプ大統領は
「メキシコがアメリカを敬意をもって公平に扱わない限り、首脳会談は意味がない」と主張。
さらに、ホワイトハウスの発表で
「メキシコなど貿易赤字のある国からの輸入品には20%の関税をかける。それで年間100億ドルの税金が入る。それで壁を作る」
メキシコの関係悪化を心配する声に、
「自分たちの国民を守る方が大切だ」
と主張しています。
本当にアメリカがガラッと変わったような気がします。。。(´;ω;`)
その後、メキシコ壁建設計画は費用捻出が難しいということで中断されていますが、
トランプ大統領は
「壁に太陽光発電をつければいい。そうすればメキシコの負担は少なくなる」
と主張して、続行する姿勢を見せています。
メキシコに全額負担させるという考えからはかなり軟化していると言えます。
ただ、現在はトランプ政権は北朝鮮や国内政策に追われており、さらに実行する人員が不足しているため、メキシコの壁建設はこのまま立ち消えになる可能性もありそうです。
※追記2 スティーブ・バノン氏とは何者か?(現在はNSC解任)
ホワイトハウスの上級顧問兼首席戦略担当官に任命されたのは、
スティーブン・バノン氏(63歳)ですが、
「シリコンバレーではCEOの3分の2または4分の3が南アジアやアジアの出身者だ。私は……経済より国の方が重要だと思う。アメリカは市民社会の国だ」と述べたバノン氏。
極右かつ白人至上主義者として有名な方ということ。
バノン氏は白人至上主義者として知られ、反ユダヤ主義者として非難されてもいる。
Huffingtonpostより引用
もともと選挙対策を行っていた人物で、
トランプ大統領を操っているのは、バノン氏だとも言われています。
実際に移民制限の大統領令を提言したのが、バノン氏です。
経歴としては、海軍や証券会社・映画プロデューサーなど様々な分野で活躍されていた方です。
バノン氏の思想は「オルタナ右翼」と呼ばれるものです。
オルタナ右翼とは?
オルタナ右翼とは、「Alternative Right(もう一つの右翼)」のことで、
主義としては
反移民・反多文化・反大手メディア・男性優位などを掲げる極右の思想のことです。
まさにトランプ大統領の政策そのものと言えます。
ただし、その後の方針転換でバノン氏はNSC(国家安全保障会議)から解任されることになりました。
その理由として、ホワイトハウス内でトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏及びイヴァンカ・トランプ氏と対立しているから、とされています。
バノン氏は極右の考え方ですが、
イヴァンカ氏はどちらかというと左派であり、それゆえにトランプ大統領の政策も選挙戦当時のように右派よりではなくなっています。
やはりなんだかんだで、愛娘&お婿さんの方が影響力がある(大切)ということでしょうか・・・?
さらに、2017年8月に入って、「首席補佐官」も解任されました。
これはバノン氏が、白人至上主義のサイト「ブライトバート※」の会長だったことに起因しているとされています。つまり、8月12日におこった白人至上主義衝突の余波ではないかと考えられます(もちろんそれは一要因で、実際はイヴァンカ氏やクシュナ―氏との対立が大きな要因と考えられます)。
※「ブライトバート」って?
「金持ちで同性愛者ではない白人男性のみが多様性のある職場づくりにかかわるべきだ」
といった過激発言が多くある保守系サイトです。
※イヴァンカ・トランプ氏って?
トランプ大統領の最愛の娘です。
トランプ大統領の親族や生活・年収・経歴などは以下のページに詳しくまとめていますので、ぜひどうぞ☆
バノン氏は「トランプ政権は終わった」と主張しながらも、
「これからもトランプ氏を応援する」との立場を示しています。
(ちなみにですが、選挙および就任時に側近としてトランプ大統領を支えた方々はスパイサー報道官含め現在は次々と辞任、解任されています。)
出典:朝日新聞
ホワイトハウス内にもそれぞれの派閥があって、現在大きな勢力を持っているのが、親族派です。
しかし、クシュナ―大統領上級顧問が公務に私用メールを使用していたことが判明。
法律で、大統領の活動にかかわるすべての文書は、保管するように決まっており、
ヒラリー・クリントン氏が公務で私用メールを使っていたときは、大きく批判されていました。クシュナ―氏は「違法性はない」としていますが、大きく追及されることになりそうです。
また、アメリカの官庁は大統領が代わるごとに管理者5000人ほど解任・新規任命があります。
(大統領選が起こると都市では官僚の大引っ越しがあります。日本とは違って面白いです)
トランプ大統領になってから、本来管理者になるはずだった教授などが反対を表明し、管理ポストがガラガラという問題があります。
トランプ政権になってなかなか公約が実現されないのも、これが一因です。
(これをごまかすために、トランプ大統領はツイッタ―で派手なことを言っているという指摘も・・・)
※追記 2018年3月13日 ティラーソン国務長官解任へ。理由は?
トランプ大統領がTwitterで表明した、ティラーソン国務長官の解任。
その理由は、「イラン核合意などの意見の相違」があったというものです。
ティラーソン国務長官は、国際協調路線をとっており、どちらかというとトランプ大統領の歯止め役だった印象が強かったのですが、
今後は外交においてより、トランプ大統領は「強硬路線」をとる可能性があります。
次の国務長官には、ポンペオ氏が就任する予定のようです。
※追記3 2017年1月27日 イスラム教徒の入国制限の大統領令に署名へ
出典:産経ニュース イスラム圏市民の入国禁止を命じた大統領令に反発する人々=28日、ポートランドの国際空港 AP通信
「ポートランドコーヒーはイエメン産だ!」とイエメンの人々の入国拒否に抗議しています。。
1月27日には、公約でもあった「イスラム教徒の入国制限」の大統領令が発布されました。
シリア難民の受け入れ停止はもちろん、シリア・イラク・イラン・イエメン・スーダン・ソマリア・リビアの7か国の人々の入国を90日間停止する、というものです。
(正確にはビザの発給と効力の停止)
そのため、アメリカの永住権を持っている人も拒否される場合があるなど、
空港含め、大混乱になっています。。
大統領令の署名前に飛行機に搭乗していた方約10人が空港で拘束され、
さらに数百人が、空港で搭乗拒否されています。
この結果、各地でデモが発生。
連邦裁判所は急きょ、「強制退去を禁止する命令」を出しています。
(つまり、入国は大統領令でできないが、強制的に追い出すこともできない状態)。
また15種州の司法長官は「憲法違反かつ法律違反の大統領令を非難する」と共同声明を出しました。
これに対して、トランプ大統領は・・・。
Our country needs strong borders and extreme vetting, NOW. Look what is happening all over Europe and, indeed, the world – a horrible mess!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年1月29日
…Senators should focus their energies on ISIS, illegal immigration and border security instead of always looking to start World War III.
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年1月29日
「ヨーロッパや世界で起きていることを見ろ!(難民のせいで)めちゃくちゃだ!より強固な境界が必要なのだ」
「上院議員は第3次世界大戦の開始(を考える)より、まず違法な移民や国境警備、イスラム国に力を注ぐべきだ!」
と主張。
この政策は正しいと述べています。
※その後、アップルやFacebookなど大企業が次々に「我々の企業は移民によって成り立っている」と声明を発表。
イギリスのメイ首相は「同意できない」と批判。
ドイツのメルケル首相も「人々を出身地や宗教でひとくくりにして疑いをかけるのは不当だ」
カナダのトルドー首相は「カナダは侵攻に関係なく難民を歓迎する」
イラン外務省「イラン渡航のアメリカ国民にも同様の措置を検討する」
とそれぞれ表明しました。
多数の国内外の批判を受けて、
「今後入国審査を見直し、安全な制度が導入された時点でビザ発給を再開する」
と少し姿勢を軟化させました。
さらに、司法省のトップであるイエーツ司法長官代行が、
「大統領令は合法とは考えていない」と職員に支持しないように声明を出したところ、
トランプ氏はこれを不服としてイエーツ氏を解任し、バージニア東部地区連邦検事のダナ・ボエンテ氏を後任に指名しました。
ホワイトハウスは「米国市民を守るための大統領令の執行を拒み、司法省に背いた」と指摘しています。
※追記4 司法長官VSトランプ大統領の訴訟へ発展
1 ワシントン州のファーガソン司法長官が「大統領令は憲法違反だ」として、トランプ大統領を連邦裁判所に提訴。
2 その結果、連邦地裁は「大統領令の一時差し止め」を命じる。
3 しかし、司法省(トランプ大統領側である省)は、これを取り消すように連邦控訴裁判所に控訴。
4控訴裁判所は「上記差し止めの差し止め」を退けました。
双方の意見書をもとに再審査されることになっています。
その後、大統領令の措置は2017年9月24日で期限切れになりました。
※追記5 2017年8月:白人至上主義者vs反対派の衝突。差別主義への支持で批判へ。
2017年8月12日にバージニア州・シャーロッツビルで発生した、白人至上主義団体と反対派の衝突において、
「あなたたちが言う【右寄り】のひとたちを攻撃していた【左寄り】の人たちにも責任があるんじゃないか?」
「双方に責任がある」
としたトランプ大統領の批判が過熱しました。
これは、白人至上主義団体を支持する(人種差別を否定しなかった)発言ではないか?というものです。
事の顛末を簡単にご紹介すると、
1KKKを含む白人至上主義団体がデモを決行(理由は下部に記載)。
2本来、デモ参加者を守るために州警察が警備するはずが、なぜかしなかった。
3反対派がデモを妨害
4双方が暴力を含む衝突へ発展。白人至上主義の男が車で抗議デモに突っ込む。死傷者も発生。
5トランプ大統領の擁護発言で、トランプ大統領批判へ
となっています。
白人至上主義者がデモをした理由は、
「南北戦争の南部連合の英雄、リー将軍の像を市議会が撤去を決めたから」
です。
そもそもアメリカ南部は未だに当時の奴隷制や南部の政策を支持している方が多く、南北戦争で南部のために戦ったリー将軍は英雄でした。
同時に、トランプ大統領を支持し、勝利に導いたのもこの地域の人々です。
だからこそ、トランプ大統領は「白人至上主義者」を強烈に批判することができず、擁護に回ったんですね。
デモがあれば、当然それに反対する勢力がくるのは当たり前で、
本来は必ず州警察がデモを守るはずだったのにそれをしなかったのは、
州が「白人至上主義のデモを擁護した」、との批判を恐れてだったのではないか?との見方もあります。
結果的に衝突し、犠牲者が出てしまったのはとても悲しいことです。
トランプ大統領はこれに対して
「私はネオナチや白人至上主義を支持してはいない。メディアのわいきょくである」
と批判。
しかし、これによって円・ドル相場が反落するなど市場にも大きな影響を与えました。
※アメリカの白人至上主義について。KKKって何?
アメリカでは白人至上主義が未だに根強く残っています。
有名なところでは、WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)というアングロサクソン系の白人優位主義の立場があり、各界でもこの立場の有力者がいます。
またKKK(クー・クラックス・クラン)と呼ばれる白人至上主義団体が有名です。
KKKとは、南北戦争終了後、奴隷解放に不満を持った奴隷商人や軍人が作った結社の一つです。
主張としては、
「黒人・アジア・ヒスパニックの排斥。同性愛反対・男性優位・北方の白人民族こそ優秀な民族である」
というものです。
現在は白人の低所得者層や、労働者階級が移民反対や生活の不満を訴えて加入しているケースが多いようです(人数は8000人前後という情報もあります)。
また、アメリカ西部でも、この傾向は高く、未だに白人以外の人種(黄色人種含む)を差別し、ホテルに宿泊させない、といった風習が残っているところもあります。
日本では考えられませんが、実際に南部・西部の田舎町に行ってみると、露骨に嫌な顔をされたり、口を聞いてもらえなかったり、根強い差別があると実感できます。。。(´;ω;`)
上述したスティーブバノン氏も白人至上主義として有名な方です。
彼はこの一連の問題を受けて首席補佐官を解任。
「私たちの支持するトランプ政権は終わった」と発言しています。
もちろん、アメリカ至上主義に反対する勢力も多く、多数派は白人至上主義ではありません。
一部の白人至上主義者は、結局のところ日常生活に不満を持っていたり、移民のせいで失業したりしている方が不満を晴らすために参加している、という側面もあるようです。
9月29日追記:難民受け入れを過去最低に。北朝鮮入国禁止。
トランプ政権は、27日、難民の受け入れを4.5万人に制限する(2018会計年度)ことを決定しました。
これは過去最低の数字で、人権団体から「国際社会の現状無視」との批判も出ています。
(ちなみにアメリカには「難民法」という難民を受け入れるための法律があります)
また、イスラム圏6各国からの入国規制策に代わって、新たに北朝鮮やベネズエラを含む8か国からの入国を規制する措置を発表しました。
2017年3月に発令した大統領令は、9月24日で期限が切れるため、それに代わるものとして発表されています。
入国制限は、リビア・シリア・イラン・イエメン・ソマリア・チャド・ベネズエラ・北朝鮮となり、スーダンが外されました。
ただ、そもそもアメリカと北朝鮮には国交がないため、北朝鮮に対しての効果はほとんどありません。あくまで北朝鮮への対処を国際社会へアピールする目的です。
また、どうしてベネズエラが加えられたか?ですが、
これはベネズエラの政権が現在反米の極左、マドゥロ政権となり、敵対関係にあるからです。
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4 グローバリズムではなく、アメリカニズムが今後の課題(外交関係)
大統領就任前
アメリカニズム、という言葉を持ち出し、国際社会のことより、まずはアメリカ国内のことが一番だと主張しています。
「中国、メキシコ、日本、その他多くの場所から、仕事を取り返す。私は我々の仕事を取り返し、我々にお金を取り返す」
と中国との協調を主張しながらも、対中国・対日本の姿勢を持っていました。
「ロシアはアメリカに敬意を払っていないが、もしイスラム国を攻撃したいのならロシアに好きにさせればいい。イスラム国を排除させるのだ。我々もイスラム国を排除したいのだから気にすることなどない」
ロシアに対しては、対抗姿勢は持たず、「好きにさせておけ。協力したいときすればいい」
という考えです。
※台湾の総統と電話会談をして、中国の猛反発を招きましたが、
アメリカは中国の主張「台湾は中国と同じ国(一つの中国政策)」を尊重する姿勢だったため、これまでは絶対ありえないことでした。
結果、中国は空母を持ち出して、
台湾の周囲を一周するという威嚇行動をしました。
(子供のケンカのよう・・・と言われればその通りです。。。(´;ω;`))
ですが、これもアメリカ経済のために台湾を利用して、
中国との貿易赤字をなくさせよう、譲歩を引き出そうという取引材料にしたと言われています。。
2017年5月15日追記:ロシアにISISの最高機密漏えいか。
出典:BBC
5月15日付けのワシントンポストによると、
トランプ大統領がロシアの外相と面談した際、
同盟国(おそらくイスラエル)から提供されたISIS(イスラム国)の最高機密を漏えいした、となっています。
大統領であっても、最高機密レベルの情報は「開示同意」が必要であり、
それをせずに話してしまったことが問題のようです。
これは筑波大学の中村教授による情報ですが、
「これはロシアが仕組んだもの。ロシアはもはやトランプ大統領に近づけば、なんでも情報が手に入ると考えている。そしてその結果、トランプ大統領は議会などからも距離をおかれている。これもロシアの狙いである。」
というもの。
大統領補佐官は、「報道は誤報である」と説明しましたが、
トランプ大統領は翌日16日に
As President I wanted to share with Russia (at an openly scheduled W.H. meeting) which I have the absolute right to do, facts pertaining….
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年5月16日
「テロや航空安全に関する事実をロシアと共有したかった」
とこれを肯定するツイートをしています。
↓のロシアとの関係にも書いていますが、大統領選にロシアが関わっていたという情報もあり、トランプ大統領はロシア、特にプーチン大統領の操り人形という意見もあります。
ロシアの大統領選介入疑惑については以下のページにまとめています♪
追記5月25日:トランプ陣営がロシアと接触していたことが明らかに
出典:ワシントンタイムズ
ロシア政府によるアメリカ大統領選関与疑惑について、
5月23日、下院の公聴会で前CIA長官のブレナン氏が
「トランプ陣営がロシア当局者と接触していた」と明言しました。
既に検察官による疑惑調査は行われており、これは重要な証言として今後トランプ政権の大きな痛手になりそうです。。
トランプ陣営はこれに対して弁護士をたてて対抗するとのこと。
もしも、アメリカ大統領選が不正に行われていた場合は、トランプ大統領の早期辞任につながる可能性が高まります。
さらに追記:コミ―前FBI長官が公聴会で「捜査への圧力があった」ことを証言 6月8日
コニー氏によると、トランプ大統領からフリン前大統領補佐官(選挙中にロシアとの接触疑惑)への捜査を中止するように指示があったということです。
これが司法妨害になるかどうかは、特別検察官の判断にまかせると言っています。
「仕事を続けたいか?なら、忠誠を求める」 とトランプ大統領に迫られたというコニー氏。
しかし、5月にコニー氏はロシア疑惑の追及を強め、その結果トランプ大統領によって5月9日に解任させられました。
もはやこの時点で大統領選に不正なロシアの介入があったことはほぼ確実と言える気もします。
もし、弾劾されたらどうなるのか、は。
別記事にて解説しています。
追記:2017年10月12日 アメリカ、ユネスコ脱退へ。
トランプ政権は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)からの2018年末での脱退を発表しました。
ユネスコは日本でもおなじみの国連の機関ですが、アメリカはこれまでユネスコの最大の分担金拠出国でした(全加盟国22%。ただし、2011年からストップ)
ユネスコって?と思われた方は、
「世界遺産」の登録と保護を行っている機関と考えると一番身近かな?と思います。
日本でも冨士山などの世界文化遺産登録の申請をユネスコに行いましたよね。
もちろん、それだけではなく、特に途上国での識字率改善や、貧困、義務教育の推進など様々な活動をしています。
なぜ、アメリカが脱退したのか?ですが、
これはユネスコがパレスチナの加盟を承認し、2011年にパレスチナが正式加盟したことが発端です。
パレスチナを認める=イスラエルの主張を認めない
→アメリカは同盟国のイスラエルの主張を優先するため、抗議として脱退
という論理です。
実はアメリカは1984年にも同じく脱退し、2003年に再加入したという経緯があります。
しかし、今回の脱退は、アメリカの、とくにトランプ政権の「孤立主義」を加速させる流れとしてかなり大きな意味を持ちそうです。
2018年末には脱退し、その後はオブザーバー国として関与する、ということですが、分担金含め、ユネスコにとってはかなり大きな痛手となったと思います。
(だからと言って、お金で主張を変えさせる、という流れも好ましくないですが)
5 軍事関係は?海外米駐留軍を撤退・北朝鮮への武力行使・シリア
【就任前の主張】
「狂気じみた北朝鮮が何かするたびに米国は艦船を派遣するが、事実上、米国が得るものは何もない。どうして日本を守るために巨額の費用を我々が払う必要がある?日本は守ってほしければ費用を全額負担すべきだ!」
トランプさんは基本的には対外政策は重視せず、在外米軍の駐留経費を削減する意向を示しています。
※実際に在日米軍をすぐに撤退させることはできるのか?
これに関しては、すぐには無理とされています。
なぜなら、在日米軍の駐留はあくまで「日米安全保障条約」という国と国同士の約束であり、
アメリカ大統領は軍の総司令官で、かつ条約締結権を持っているとはいえ、
その一存で駐留を完全になくすことはできません。
ただし、軍を移動させることは可能なので、人数を減らす、などはできます。
そのため、これはあくまで日本に対しての「貿易改善」のための取引カードとして見る意見の方が多いです。
中東に関しても、「(サウジアラビアを)守りたいが、彼らはいくら負担してくれるんだ?」
と発言。
「何が起こったか見てくれ。リビヤは大惨事だ。大災害だ。イラクも大災害。シリアも大災害。中東まるごと大災害だ。全部、ヒラリーとオバマの時代に吹き飛んでしまった」として、
中東から手を引くことを示しています。
※現在の中東情勢について(2017年)
サウジアラビアは現在イラン・カタールと国交を断絶し、サウジアラビアを支持するエジプト・アラブ首長国・バーレーン・イエメンもこれに同調して国交を断絶しました。
サウジアラビア他、スンニ派の湾岸国と、イラン(シーア派)およびカタールが対立している構図です。
さらにISIS問題など、中東は混乱しています。
世界大戦の新たな火種になりうると心配する専門家もいます。
2017年:4月3日追記分 米軍シリアを攻撃。方針転換へ。
地中海の駆逐艦から、巡行ミサイル50発以上がシリア空軍施設に撃ち込まれました。
これまでトランプ大統領は、シリアについてはロシアにまかせ、撤退すればいいと発言していました。
シリア情勢について分かりやすく解説しています。詳しくは↓をご覧ください。
その結果、アサド政権がロシアの支援を受けて、反政府勢力(民主化推進派)をつぶすであろう、と予想されていたのですが、
ここにきて、トランプ大統領が方針を転換。
その理由は、
シリア軍が「サリン」を使用し、多くの市民が犠牲になったからです。
化学兵器は国際的にも禁止されているものですが(条約加盟国)、
サリンという非人道的兵器を使用したことで、さすがに黙ってられない(世論の重圧)と判断したものと思われます。
ただ、シリア軍は「アルカイダの武器庫を攻撃したら、漏れ出しただけ」と説明しています。
そしてもちろん、アサド政権を支援するロシアはこれを真っ向から批判。
トランプ大統領も4月の会見で「ロシアとの関係は史上最低の水準」と言っています。。
2017年4月14日 アフガニスタンに超大型爆弾を投下。軍事拡大へ。
アメリカは、4月14日に「GBU43/B」と呼ばれる超大型爆弾をアフガニスタンに投下しました。
これは、核兵器に次いで、アメリカの兵器では最強の破壊力をもつものです。
核兵器の使用はもちろん国際的に不可能に近いのですが、
それに次ぐ威力をもつ兵器を使用したのは、これが初めてになります。
Our military is building and is rapidly becoming stronger than ever before. Frankly, we have no choice!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年4月16日
「我々の軍はこれまでになく、急速に強くなっている。選択の余地はない!」とコメントしています。。
イスラム国の地下施設を狙ったものだと思われますが、
これまでに使ったこともない兵器を使用し始めた・・・ということは大きな意味があると思います。
※ちなみにイスラム国(ISIS)は現在どうなってるの?
2017年9月現在の情報をまとめます。
現在、ISISはかなり追い込まれており、9月20日には「シリア民主軍」がISISの首都(とされる)シリア北部のラッカの8割を制圧した、と声明を出しています。
さらに、イラクの最大拠点だった、モスルも失っており、ISISの幹部もラッカから逃亡。
それをシリア軍が追撃する、という情勢になっています。
今後、イスラム国という「国(自称)」がなくなるのは明白ですが、ISISはテロ組織として今後も世界各地で事件を起こす、という流れは続くと思われます。
【北朝鮮問題について】
出典:日経デジタル
以下、北朝鮮問題をアメリカとの関係を主点に追記していきます。
追記※2017年4月:北朝鮮への武力行使も辞さない構え
トランプ大統領は、
「アメリカの数十年来のアジア政策を維持し、同地域で結ばれている合意を破棄することはない」
と明言されました。
そして、今回、北朝鮮のミサイル発射実験に対して、
「武力行使や政権転覆の選択肢も検討」
ということになっています。
いよいよ北朝鮮も自国のありかたを見直す必要がありそうです。
4月11日には、以下のようなツイートをしています。
North Korea is looking for trouble. If China decides to help, that would be great. If not, we will solve the problem without them! U.S.A.
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年4月11日
北朝鮮は、自ら危険なことをしようとしている。中国が協力するなら素晴らしいが、そうだないならアメリカは単独で問題を解決する!
つまり、北朝鮮に対してアメリカは中国抜きで、軍事行動(空爆)に踏み切ると言っているのです。
↓のシリア空爆を見ても十分にありえることと思います。
そして実際にアメリカは原子力空母カール・ビンソンを半島付近に展開しています。
※追記:2017年8月の北朝鮮のグァムミサイル発射予告と北朝鮮情勢
北朝鮮「グァム近海に4発のミサイルを発射する」
トランプ大統領「もし、そうなれば報復をする。炎と怒りを思い知ることになるだろう」
と舌戦を繰り広げた米朝。
北朝鮮のグァムへのミサイル発射ですが、専門家の意見ではこれはありえないだろうという見方が多数です。
北朝鮮は今アメリカと戦争になれば負けるのが明白であり、中国も今回は中立の立場を表明しているため、これはあくまで米朝対話を引き出すためのカードとみられています。
金正恩および上層部の目的は、「自分たちの体制が今後も長く維持されること」であり、
だからこそ、それを脅かすアメリカ・韓国が怖いのです。
つまり、戦争を本気で望んではいません。
もちろん、軍部にはアメリカを倒す、と表明している者もいますが、これは金正恩の意向ではありません。
核兵器も、この体制を維持するために破棄することはありえませんし、
このままのらりくらりと開発が進んでいくものと思われます。
※どうしてアメリカは北朝鮮を攻撃しないのか?核開発を止められないのか?
よくこのような質問があります。
これに関しては、
「北朝鮮はシリアやイラクとは格段に違うレベルの戦闘力を持っている」
「もし、戦争になれば日本・韓国は大打撃を受けることは間違いない」
「北朝鮮の後ろには中国(現在は北朝鮮と距離をおきつつあります)、そしてロシアが裏で糸を引いているため、3次大戦になりかねない」
「ミサイル発射基地は移動しており、ピンポイント攻撃ができない。どうしても発射を止められない」
という専門家の意見が役に立ちます。
実際、北朝鮮に制裁決議が出されるたびに、実はロシアとの裏の交易は活発になっており、
今の北朝鮮はロシアが支配しているのではないか?という意見もあるのです。
こういった理由から、アメリカは北朝鮮を攻撃できず、その間に北朝鮮はミサイルをどんどん開発している、という事情があるのです。
また、2017年には北朝鮮のミサイル技術はさらに画期的に発達し、これはロシアからの機器導入(ウラジオストクからの万景峰号での密輸)、技術支援がある、との見方もあります。
いずれ、北朝鮮はアメリカのワシントンを射程におさめるレベルまで行くと思いますし、パキスタンやインドのように、「核保有国としての黙認」が世界的になされることに成ると思われます。
【現在の北朝鮮情勢について解説】
では、どうして北朝鮮はテロまがいのことをするのか?ですが、
これは経済と体制の維持、ロシアの思惑という3つの点があります。
北朝鮮の経済レベルについて
北朝鮮は人口の3分の2が飢餓にある、とされるほど本来は苦しい国です。
ピョンヤンに住む人間は選ばれたエリートで、配給もきちんとされますが、
その1000万人以外は、本当に最貧国レベル。
北国であり、農業技術も未発達のため、食料も不足しているのです。
これを立て直すには、中国がやったようにどうしても資本主義・一部民主化・情報の解放が必要ですが、
それをやると体制が内部から転覆する、という恐れがあり、独裁体制ゆえにそれができないのです。
(2017年8月には、ピョンヤン市民の人口制限で地方へ帰らせる、という指導もありました。これは比較的豊かなピョンヤンの配給を減らすためのようです)
つまり、こうやって脅しながら稼ぎ、
ミサイルなどを開発して、その技術をアピールして武器を中東やテロリストなどに売る、ということを繰り返すことでなんとかやっていっている状態です。
さらに、ミサイルや核実験で為替が動くので、それをFXや株取引に利用してかなり稼いでいるようです。
(日本では違法のインサイダー取引そのものなのですが、国がやっているので強いです・・・)
北朝鮮を簡単に言うと、暴力で脅しながら生計を立てている国、とも言えます。
また、これはロシアの後ろ盾があってこそ成立しているとも言えます。
ロシアの思惑とは?
ロシアの思惑としては、北朝鮮はアメリカとの緩衝地帯であり、もしここが崩壊すると極東におけるロシアの力がぐっと落ち、さらにアメリカの脅威に直接さらされることになります。
ロシアの言うことを聞く国がアジアにあり、アメリカを動かせる、という点で絶対に崩壊させたくはないでしょう。
だからこそ、なんとか維持させ、さらに裏で北朝鮮を利用して稼いでいる(北朝鮮の行動によって、株価・為替の変動が起きるのを利用し、さらにロシアの技術も売れる)とされています。
そして、実はアメリカもこれを利用して、日本に高額な防衛設備(今回はイージス・アショアと呼ばれる陸上型イージスシステム)を売りつけて稼いでいる、という実態があります。
※イージス・アショアとは、イージス艦を陸地に配備するようなもので、イージス艦の防衛能力をさらに拡大したものです。
イージス・アショアは確かに3基あれば日本全土を防衛できますが、
そもそも「ロフテッド軌道(超高度にミサイルを打ち上げて近距離にほぼ真下に落とす方式。速度が防衛能力を超える)」には対応できず、北朝鮮が本気でミサイルを撃てばどうやっても守れない、という弱点も指摘されています。
通常軌道(本来の放物線)では、現在イージス艦とPAC3が配備されていますが、これでも難しいと言われるレベルです。
自衛隊やその他防衛関係者は「大丈夫」と言いますが、それはミサイル1発を狙ったとき。
複数のミサイルを「ダミー」を入れて撃たれると、今の日本は到底守れませんし、それは最新設備でも同じです。
ミサイル開発で有名なMIT教授の意見では、
「ミサイル防衛は必ず後手になる。最新のミサイルが開発されて、それから防衛を考えるからいたちごっこ。どうやっても完璧に防げない」
と発言されています。
※2017年9月:北朝鮮のEMP攻撃について。EMPの何が怖いの?
さらに、それらの防衛設備では日本を防衛できない、とされるもう一つの大きな点として、
「EMP(Electro magnetic pulse)攻撃への脆弱性」
があります。
北朝鮮が水爆実験を行い、さらに労働新聞が「我々にはEMPの選択がある」と主張しました。
それにアメリカ・韓国・日本のメディアは「事実上、石器時代に戻りかねない」と報道しました。
EMPとは??(。´・ω・)?と疑問をもたれる方もいらっしゃると思いますので、以下簡単に解説します。
EMPは簡単にいうと、電磁パルス攻撃、つまり強い電磁波によって、機械のチップを破壊し、電気系統・設備を全てストップさせるというものです。
もともとアメリカが1960年代の太平洋沖核実験の際に、ハワイの電力が一斉に消えたことで発見しました。そこからソ連も含めて、EMP攻撃の恐ろしさと有用性が議論され、現在はEMPを積極的に使う兵器の開発も進んでいます。
しかし、一番簡単なのは、核兵器を大気圏内外で爆発させる、という方法です。
核爆発によって、0.01秒という単位で高電磁波が地上に広範囲に降り注ぎ、地上の電気チップを一斉にショートさせます。
EMPって電気を止めるだけ?なら、問題なさそう・・・と思ってしまいますが、
現代社会はほとんどのものにチップが組み込まれ、それがショートすれば
たとえば、飛行機・ヘリコプター・車・船・電車はもちろん、水道設備・ガス設備などインフラもすべてストップしてしまいます。
会社はもちろん、銀行もストップ。
飛行機は墜落。
自衛隊の兵器も同じく、車も動かず、上下水道設備もストップ。
これによって、水も使えず、移動も困難、救助活動も難しい、という最悪の事態になるのです。(日本の上空で爆発させると、日本全土の電気がストップされます)
運送ができなければ、都市では食糧・水の確保も難しくなり、
結果的にアメリカの場合は「アメリカ都市人口の9割が生存できない」という専門家の見解が出されるほど、危機的状況になります。
そういう意味で、「石器時代に戻る」とメディアが報道したのです。
北朝鮮の核兵器は確かに不完全であり、迎撃も不可能ではありません。
しかし、EMPの場合は、地上500キロ以上という大気圏外の宇宙空間で爆発させればよいため、技術的にも難しくなく、打ち落とす判断をする前に爆発させるということが可能です。
日本は「現在ミサイルが北海道上空を通過しました」と地上に落ちない限り、撃ち落とさない方針ですが、EMPの場合は上空で爆発なので、その判断だと間違いなく防げません。
一方、北朝鮮は「もしも迎撃した場合は、即時戦闘行為とみなす」と宣言しているため、簡単に打ち落とせない、という政府のジレンマがあるのです。
※「なんで撃ち落とさないんだ!」と質問される方がいますが、撃ち落とすと戦争になりえ、さらに一つ打ち落とすためにはPAC3やイージス艦の迎撃ミサイルが数億~数十億の経費がかかる、という問題があるためです。
つまり戦争になった場合、先に北朝鮮を破壊しない限り(ロシアが背後にいるとそれも難しい)、日本は壊滅的な大打撃になり、ミサイル発射を我々が知って逃げるまで数分もなく、EMPは防げないとされるのでもう運まかせ、と言えます。
だからこそ、そう簡単に「北朝鮮をつぶせ」とは言えないわけです。
今の日本に必要なのは、核シェルターの日常的配備(ロシアは各地下鉄駅が核シェルター。スイスは各家庭の地下にシェルター)と、北朝鮮との対話、被害を受けた時の我々の対処方法を明確にすることなのかもしれません。
※EMPは防げるの?THAAD、PAC3、イージス艦の違いを解説。
EMPは防げるのか?というご質問がありましたので、こちらに追記いたします。
以下、複数の専門家の意見をもとに簡単に解説させていただきます。
EMPは上述のとおり、宇宙空間での爆発でよいため、打ち落とす判断が難しく、爆発を止めるのはかなり困難とされています。
出典:防衛省
有名な最新鋭ミサイル防衛システム「THAAD」は、弾道ミサイルが大気圏内に再突入した最終段階(ターミナル・フェイズ)で迎撃する仕組みです。
PAC3(パトリオット3)も同じく、最終段階のさらに後半で迎撃する仕組みです。
一方、イージス艦の海上配備型ミサイルは大気圏外に出て軌道修正する段階(ミッドコース・フェイズ)で迎撃します。
しかし、ICBMのような高高度かつ高速の大気圏外ミサイルは迎撃できない弱点があります。
ICBMは高度1200キロ、ロフテッド軌道だと高度2400キロ以上になります。
国際宇宙ステーションが高度400キロなので、完全に宇宙空間です。
これを迎撃する能力は専門家の意見では、今の日本は完全に「ゼロ」とされています。
速度は音速の20倍以上なので、THAADやPAC3ではもちろん迎撃は不可能です。
※アメリカもGMD(地上配備型ミッドコース防衛システム)という最新ミサイル防衛システムを所有していますが、実験では失敗が多数あり、ICBMを完全に防衛することはできないとされています(実験では18回中8回失敗)。
つまり、北朝鮮がICBMを完全に所有すれば、アメリカでさえ防衛が難しい状態となり、
ロフテッド軌道から、大気圏外でEMP攻撃をされた場合、今の日本にそれを止める術はない、という結論です。
唯一の解決策としては、ミサイルが発射される前に基地ごと破壊する、EMP攻撃されてもよいように、重要なインフラ設備には金属フィルター(電磁波を防御します)を備えておく、というものです。
ただし、それには時間がかかるため、早急に準備に取り掛かる他ありません。
2017年9月19日追記:北朝鮮制裁決議と国連初答弁内容解説
まず、9月11日の北朝鮮制裁安保理決議で「はじめての石油規制」がされました。
核実験を強行した北朝鮮への制裁として、「原油・石油精製品の3割を削減」となっています。
石油の全面禁輸は中国・ロシアが「人道にかかわる」として抵抗。
しかし、北朝鮮の重要な外貨獲得品としての繊維製品輸出が全面的に禁止され、大打撃になったことに間違いありません。
石油が完全に断たれると、太平洋戦争前にアメリカが日本に石油を禁止→戦争へ暴走、という同じ流れになりかねないため、それを恐れて、との見方もあります。
また、9月19日、国連総会で初めてトランプ大統領が演説を行いました。
以下、その内容を簡単にまとめます。
「自分や同盟諸国を防衛するしかない状況になれば、我々は北朝鮮を完全に破壊するしか、選択の余地はない」
「(北朝鮮は)この惑星にとって災いとなっている」
このように北朝鮮を「ならず者国家」と名指し、さらに金正恩氏を「ロケットマン」と揶揄して非難しました。
つまり、北朝鮮との一方的な交渉には応じない、という姿勢を改めて強調した形です。
「完全に破壊」、と強い表現ですが、これはトランプ大統領のいつも通りの演出で、周囲の閣僚は「国際圧力から北朝鮮を孤立させて平和的解決を目指す方針に変わりない」と強調しています。
また、
「北朝鮮はかわいい13歳の日本の少女(横田めぐみさん)を海岸で拉致した」
と拉致問題にも言及しました。
拉致事件を解決する、というものではなく、あくまで北朝鮮の「悪」を象徴するために使った、という印象が強かったのですが、横田早紀江さんは「世界に知ってもらうため、意味のある発言」と歓迎されています。
さらにイランには「見せかけの民主主義のふりをした、腐敗した独裁国家」で、2015年のイランとの核開発合意は「米国にとって最悪で最も片務的なやりとりのひとつだ」と批判。
ベネズエラ政府についても、腐敗した「社会主義独裁国家」で、米国は行動に出る用意があると警告しました。
さらに中国に対しても「法を尊重すべきだ」と、南シナ海問題の改善を要求しています。
※国連演説を観て感想
終了時間を過ぎても、止まることなくしゃべるトランプ大統領。
演説というより、パフォーマンスという印象を強く感じました。
トランプ大統領の演説を「ヘイトスピーチではないか?」との批判も出ていますが、イスラエルの首相やアメリカ閣僚は拍手喝さいでした。
個人的には、冷戦時代にレーガン大統領がソ連を「悪」と強調したときと同じ流れのようにも感じます。
トランプ大統領は、就任前に国際問題には関与しない姿勢(「ロシアには好きにさせておけばいい」発言含め)を見せていたのに、ここにきて、アメリカの正義を主張し、一方で北朝鮮・イラン・ベネズエラなどを名指しで「悪」として敵対化を進めています。
北朝鮮の背後には当然、中国やロシアがいるわけで、トランプ大統領の狙いとしては北朝鮮の「悪」を強調することで、中国やロシアが国際社会で北朝鮮を擁護できない(より強い制裁のための)流れを作っていきたいのだと思います。
しかし、敵対化は国際社会の望むものではなく、今回は逆にアメリカが批判されうる要因を加えた結果になってしまったように見えました。
2017年9月22日追記:トランプ大統領、北朝鮮への独自追加制裁発表
さらにトランプ大統領は、
「北朝鮮と取引を行っている外国の銀行・貿易を行っている個人や企業に制裁を行う」
と独自制裁を追加しました。
そして、同日大統領令に署名しています。
これは北朝鮮で事業を行っている企業や金融機関がアメリカで活動することを制限するもので、財務長官(財務省)の判断により、制裁対象に指定された場合、アメリカ企業との取引停止・資産凍結となる重いものです。
同時に中国もこれに同調し、中国の主要銀行が北朝鮮の企業や個人が所有する銀行口座を全面凍結することになりました。
安保理決議と同じく、金正恩氏の資産は凍結されていませんが、これは北朝鮮にとってかなり大きな打撃になることは間違いないようです。
※追記:金正恩氏、「超強硬対応」声明
上記のトランプ大統領の独自制裁を受けて、金正恩氏は
「私自身の全てをかけ、我が国の絶滅をわめいた米統帥権者の妄言の代価を必ず支払わせる」
「史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮する」
と声明を発表しました。
最高指導者名義の声明は北朝鮮史上初とされ、
「歴代もっとも暴悪な宣戦布告だ」
と神妙な面持ちで声明を読み上げる金正恩氏。
「最高指導者の発言は撤回できず、必ず実行すべきとされる」と専門家の意見があり、
李容浩北朝鮮外相は、「水爆実験を太平洋上で行うことになるのではないか」と説明しています。
わざわざ北朝鮮の外務大臣がこのように言う、ということは
あらかじめこうなることが決まっていた、ということでもあり、
今後、太平洋でICBMの実験を行う口実にした、という見方もできます。
※11月20日追記 トランプ政権北朝鮮を「テロ支援国家」に再認定
トランプ政権は11月20日、北朝鮮を9年ぶりにテロ支援国家に再指定しました。
これはオバマ政権で解除されて以来になります。
北朝鮮メディアはこれに対して
「尊厳高い我が国家に対する重大な挑発で乱暴な侵害である」
と発表しました。
これは北朝鮮外交筋がメディアに応えたものです。
そして28日には北朝鮮が再びミサイルを発射しましたが、これも抗議の一環とみる専門家もいます。
※テロ支援国家に指定されるとどうなるの?
これは米国務省が指定する措置であり、現在イラン・シリア・スーダンそして北朝鮮の4か国になっています。
具体的には武器や関連品目の輸出販売の禁止、金融制裁などですが、正直なところ今更感が否めません。
オバマ政権の2008年に一旦解除された理由は、「2.13非核化合意」「原子炉冷却塔爆破」などの北朝鮮の行動との引き換えによるものでした。
現在は、核実験はもちろん、弾道ミサイル実験も行っており、むしろ指定しない理由が(本音として)ないと言えます。
以後、随時追記。
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6 オバマケアの完全撤廃
オバマケアとは医療保険制度改革のことです。
日本では当たり前に健康保険があり、医療を安く受けられますが、
アメリカにはつい最近まで国の健康保険制度がなかったんですね。
そのため、一回の入院で数百万、盲腸の手術で200万などとんでもないお金がかかっていました。
民間の保険はありますが、貧しい方には入ることができなかったのです。
それを改善するためにオバマさんが提言し、現在、国民全員が加盟する国民皆保険制度を推進している段階です。
しかし、トランプ大統領はそれを完全に撤廃し、「保険は入りたい人が入ればいい。入りたくない人にまで保険料を払わせるのか?」と主張。実際に撤廃に動き出しました。
※オバマケアの撤廃は可能なのか?
既に作られた法律を独自に消すことはできませんが、
新しくその法案を否定する法律を作ることによって、その効力を失くすことができます。
既に「オバマケアの見直しを行いなさい」という大統領令にも署名されています。
しかし、法案を作るのはあくまで議会なので、議会の判断にまかせられます。
追記 オバマケア廃案の撤回へ。
オバマケア改廃法案は共和党内の支持が得られず、3月下旬に撤回されました。
現在は修正版のオバマケア改廃法案を作成しているとのことです。
しかし、議会の多数派である共和党内でも、
「そもそもオバマケアの改案すらいらない。保険は不要」
「オバマケアはなくすべきではない(穏健派)」
「オバマケアの改案を作ろう(中道派)」
と勢力が分かれ、議論は混迷しています。
2017年9月28日追記:オバマケア見直し法案採決断念
オバマケアの見直し法案ですが、共和党内で造反者が続出したため、採決を断念するという結論が出されました。
新法案は、州政府に資金を提供し、代わりに州が独自の医療保険制度を運営するというものでしたが、数百万人が保険を失う、という試算が出たため、共和党内でもそれに反対する意見が出たことが理由です。
ちなみにオバマさんの現在についてはこちらからどうぞ♪
「大統領はやめてから稼ぐ」大統領退任後のすごすぎる暮らしとは?
7核戦力を大幅強化する! 2016年12月23日追記
「世界が核に関して、思慮分別をわきまえるまで、アメリカは核戦力を大幅に強化・拡充しなければならない」
とツイッターで表明しました。
.@NBCNews purposely left out this part of my nuclear qoute: “until such time as the world comes to its senses regarding nukes.” Dishonest!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2016年12月24日
この真意について、MSNBCテレビに対して
「軍拡競争すればいい」と回答。
これはプーチン大統領の
「アメリカのミサイル防衛システムに迎撃されないようなミサイルを開発する必要がある」
という発言への対抗とみられています。
専門家は、「冷戦時代の軍縮プロセスが終わりかねない」と懸念しています。
ちなみに現在の核保有数は、
ロシアが7300発
アメリカが7000発
で、世界全体の9割以上を2国が占めています。
ですが、オバマ政権時代も、核戦力の近代化を図っており、
30年間で118兆円の経費をかけて冷戦時代の老朽化した核戦力を改善しようとしていました。
これは「核なき世界」の理想に反する、として批判もされています。
また、日本も2017年7月7日に採択された「核兵器禁止条約」に参加しませんでした。
唯一の被爆国として複雑な気持ちですし、広島・長崎の被爆された方々の無念の気持ちも分かります。
日本が参加しなかった理由は、「アメリカの核の傘」を守るためです。
同盟国である以上、また、核の傘に守られている以上、参加できない、という事情があります(他にも実行力や現実性に欠けるという見解もあります)。
やはり、建前と本音は違う、というのが世界です。。。
8その他の公約まとめ
「私が大統領に就任した最初の日に、政府はワシントンの腐敗と特別な利権を一掃するために6つの対策を講じる」と発言しています。
1 議員の任期に上限を課すために憲法修正を提案する
2 自然減によって連邦政府の職員を削減するために、すべての連邦職員の雇用を凍結し、自然減を図る(軍、安全保障関係、医療関係の職員は除く)
※1月23日に早速、「連邦職員の新規雇用を凍結する」大統領令に署名しました。
3 新しい法律を作るためには既存の2つの法律を廃止しなければならないという要件を解除する
4 ホワイトハウスと議会の職員が職を辞した後、5年間、ロビイストになることを禁止する
5 ホワイトハウスの職員が外国政府のロビイストになることを生涯禁止する
6 外国のロビイストがアメリカでの選挙のために資金集めを行うことは完全に禁止する
このような公約を掲げられています。
9エルサレムにアメリカ大使館を移動させる発言の真意。なぜ首都が問題なの?理由も分かりやすく解説。
ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地として有名なエルサレム。
その複雑な理由から、紛争を避けるために
国連決議によって「どこの国のものでもない」と決定されています。
しかし、イスラエルはここを「自国の領土」として占拠している、とされています。
(イスラエル側は自国のものとしているため、あくまで意見として紹介します)。
ちなみにイスラエルの首都はテルアビブです♪
観光もできる安全な場所として、紹介されています。
「このテルアビブからエルサレムにアメリカ大使館を移動させる」、とトランプ大統領は主張しているんです。
「え?どういうこと?何か関係あるの?(。´・ω・)?」と思ってしまいますが、
「大使館は各国の首都に置く」のが通例となっているため、
アメリカの大使館をテルアビブからエルサレムに移す、ということは、
「アメリカはイスラエルの意見を尊重しますよ。国連決議よりイスラエルが大事ですよ」
ということを表明する、ということです。
これは国連そのものを軽視するものであり、
同時にアラブ諸国の反発は必須なので、
第5次中東戦争を引き起こす、とまで言われています。。。(´;ω;`)
それでも、トランプ大統領がそのような発言をする真意は、
娘のイヴァンカさんの夫が生粋のユダヤ人であること(イヴァンカさん自身がエルサレムへ大使館を移すことを宣言しています)、
政財界の有力者がユダヤ人であること、
中東戦争になれば、アメリカの軍需産業にとってプラスになること、
が挙げられています。
2月3日追記。
トランプ大統領は、このことについて少し方針を変えられました。
「エルサレム移転は容易に決断できることではない」
と新たに発言されています。
これを行うことで、今は国際社会からの批判が集まることを防ぐ目的のようです。
既に入国制限の大統領令で批判がたくさん出ているため、控えようという意図だと思われます。
2017年12月追記:トランプ大統領、エルサレムを首都に承認へ
ドナルド・トランプ大統領は12月6日、ホワイトハウスで演説し、公式にエルサレムをイスラエルの首都と認め、国務省に対しテルアビブにあるアメリカ大使館をエルサレムに移転する手続きを始めるように指示したと正式に表明しました。
これは公約にあった通りです。
「エルサレムをイスラエルの首都と認める時が来た。これは、現実を認めるということだ。そしてこれは正しい行動でもある」
2018年5月エルサレムに大使館を移転決定
中東のエルサレムをイスラエルの首都と認定したアメリカのトランプ政権は14日、大使館をエルサレムに移転しました。
これも公約通り。
そして案の定、衝突が発生しています。
在イスラエル米大使館のエルサレム移転に反対するパレスチナ自治区ガザ地区で14日に抗議活動があり、ガザ保健省によると、イスラエル軍の銃撃などでパレスチナ人52人が死亡、2200人超が負傷した。
死者のうち少なくとも6人が子どもだった。
出典:朝日新聞
トランプ大統領がエルサレムを首都とした理由については上述の通りです。
エルサレムを首都にしてどんな影響があるのか?
これは上記にも記載していますが、エルサレムを首都と認定→アメリカは一方的にイスラエルの主張を支持→パレスチナ他、中東諸国から大反発
という流れが決定的になります。
以下、各国の反応をまとめてみます。
パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長は「今回の決定は和平プロセスや中東地域、そして世界の平和、安全、安定の危機をもたらすことになる」と警告。
ヨルダン国王のアブドゥラ2世やサウジアラビアのサルマン国王も同様の懸念を表明。
トルコのタイイップ・エルドワン大統領は5日、「エルサレムはイスラム教徒にとって越えてはならない一線だ」と、強い懸念を表明し、トルコがイスラエルとの断交に踏み切る可能性も示唆。
イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は、大使館の移転は、アメリカが中東政策を行う「資格がないこと、そして失敗していることの象徴だ」と批判。
ドイツのシグマール・ガブリエル外相は、大使館の移転でさらなる衝突を生み出し、「極めて危機的な状況が加速するだろう」と主張。
イギリスのテリーザ・メイ首相は大使館移転問題について直接トランプ氏と協議すると述べ、ボリス・ジョンソン外相も「懸念を持ってニュースを見ている」と不安を表明。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領はトランプ氏との電話会談で、「エルサレムの位置付けは和平交渉を通じて解決するべきだ」と主張。
ロシアのウラディミール・プーチン大統領も5日、アッバス議長との電話協議で「中東情勢の状況を複雑化させる」と懸念を表明。
ローマ法王フランシスコは6日、バチカンで、「エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地がある随一の街だ。私はこの数日間の状況に強い懸念をもっている。エルサレムの現状を尊重すべきと、あらゆる人たちに呼びかけたい」と演説。
つまり、アメリカとイスラエルを除き、国際社会は今回の判断に多数が反対の意を示しているということです。
宗教的に、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の聖地であるが故に、国連としても「どこの国のものでもない」と決めていたエルサレム。
これを一方的にイスラエルのもの、と和平仲裁を行っていたアメリカが決めたことは、今後中東戦争の危機すら招きかねない、とも言えます。
実際に、宣言以降、ガザ地区、ヨルダン川西岸、エルサレムなどで抗議のデモが加速。
イスラエル兵士とパレスチナ人の衝突も発生しています。
2017年12月21日には、国連総会にて
「アメリカに方針の撤回を求める」決議案が賛成128か国、反対・棄権・欠席65か国で採択されました。
日本がアメリカに反対の立場をとったことでも話題になりました。
一方、トランプ大統領は、
「我々に反対するなら、これ以上の援助はない」
と賛成国には援助を打ち切ることを示唆。
実質、反対や棄権を表明した国家は、アメリカの援助を受ける中米や南米、アフリカの国家、太平洋諸国が含まれています。
「アメリカの言うことを聞かないなら、カネはない」という脅迫的発言にもまた批判が集中しました。
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10環境問題は後回し!重要なのは経済!パリ協定は離脱する!
こちらもビジネスマンのトランプさんらしい政策です。
こちらの池上さん解説まとめでも書きましたが、
トランプ大統領は環境より経済という考え方です。
そのため、早速、環境関連の各省や局に環境関係の情報配信を控えるように指示しているとのこと。
トランプ大統領は地球温暖化に懐疑的ですので、
政権は経済優先のために、今後二酸化炭素排出量の削減などを止め、
世界一の排出国として君臨していくのかもしれません。
ちなみに現在の一位は中国です。
※追記2017年6月2日 パリ協定離脱へ(公約実現)
2017年6月2日、トランプ大統領はホワイトハウスでの会見で、
「(パリ協定は)他国に利益をもたらし、アメリカの労働者には不利益を強いる」
として、パリ協定からの離脱を表明しました。
これは公約通りの結果になります。
「今日限りで協定や我が国に課す目標の全ての履行や財政負担をやめる」
と宣言したトランプ大統領。
中国に次いで第2位の排出国であるアメリカが離脱するということは非常に大きなことです(アメリカの世界全体の排出量は17%ほど)。
規定上、実際の離脱は2020年以降になります。
※そもそもパリ協定って?
出典:国立環境研究所より引用
パリ協定とは、温暖化を食い止めるためにCO2排出量ゼロを目指して、
2015年に190か国以上の国が合意し、2016年に発効した条約のことです。
(本格的に始まるのは2020年より)
最大の特徴は、先進国と発展途上国を問わずに、自主的な削減目標を決め、全体で調整しながら、最終的に今世紀末には実質的な排出量ゼロを目指そうというもの。
京都議定書との大きな違いは、発展途上国も含まれるという点です。
中国は含まれるの?
含まれます。
中国が?と驚く方もいらっしゃるかも。。。
中国は2030年をピークにそれから排出量を削減していく、という計画です(譲歩されています)
日本は、2030年までに2013年比で26%減らすという目標になっています。
中国はこの件に関して「(アメリカの離脱表明は)大きな誤りである」とコメントしています。
しかし、アメリカが離脱してしまうと、今後中国も離脱を表明する可能性はなきにしもあらずかもしれません。。
※追記2017年2月27日 2019年に再び人類が月へ
これは、NASAが2021年に計画していた新型有人宇宙船を月軌道へ周回させようという計画です。
これをトランプ政権は、2019年に前倒しにするように指示。
ただし、月へ着陸はせずに、
周回軌道を回って、帰ってくるそうです。
急がせた理由は不明ですが、
成功すれば、アポロ以来になりますから、
すごく話題になりそうです♪
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11公約は実現されたのか。実現状況(随時追記)2017年5月現在
1オバマケア修正案
オバマケア改廃法案は共和党内の支持が得られず、3月下旬に撤回されました。
修正版のオバマケア改廃法案を現在作成中。
9月の時点で、オバマケアの改廃法案は断念、と発表されました(公約不実現)。
(詳細は上述の「オバマケア」の項目をご覧ください)
2減税について
(法人税率を35%から15%に引き下げを指示しています(4月26日)。
相続税、その他は未だ実現ならず。
9月の時点で、法人税20%への引き下げが決定しました(一部実現)。
また、所得税も従来のものから、最低税率を10%から12%に上げ、また3段階の税率に補正されました。
3外交・軍事関係
【ロシア】
トランプ陣営が選挙期間中にロシア側と接触していた疑惑が浮上しました。
その結果、トランプ氏は、このところプーチン大統領と距離を置く姿勢をみせています。
4月には、シリアへの巡航ミサイル攻撃をプーチン氏が非難、
トランプ氏は、対ロ関係が「史上最悪かもしれない」と発言しています。
【北朝鮮】
トランプ政権は、国際制裁の強化と外交圧力を通じて、北朝鮮の兵器開発を阻止する方針です。
こちらも公約前の「好きにさせておけばいい」とは違う行動となっています。
詳細は上述の北朝鮮の項目をご覧ください。
【シリア】
シリア内戦への関与をこれ以上深めたくないと述べていましたが、シリアで化学兵器が使用されたことを受けて、シリア空軍基地への巡航ミサイル攻撃を指示しています(上述)。
【その他】
期間中にNATOを「時代遅れ」と批判していましたが、4月中旬には「時代遅れではない」と評価する姿勢に転じています。
4移民問題
【メキシコの壁】
トランプ氏は国境への壁の建設について、予算審議の難航から、壁の建設をいったん断念しています。
【入国制限】
入国を一時制限する大統領令を発令しましたが、連邦裁判所が大統領令を差し止めしています。
3月初旬には、修正を加えた新たな入国制限を命じましたが、やはり連邦裁が差し止めを指示。
現在は、入国制限はされていないとのこと。
ただし、保守派のニール・ゴーサッチ氏を最高裁判事に任命。議会上院で承認されています。
その後、9月24日で大統領令が失効。
新しく、ベネズエラと北朝鮮を含めた8か国に対して、入国制限の措置が取られました。
5TPP離脱
環太平洋連携協定(TPP)からの離脱の大統領令に署名しました。
今後はアメリカを除いてのTPPとなりそうです。
中国を為替操作国に認定するとしていましたが、4月半ばの為替報告書では見送っています。
6環境問題
既にオバマ前大統領時代の気候変動関連の各種規制を撤廃しています。
さらに、自然保護地域や歴史的建造物について指定の見直しを指示しています。
また、パリ協定も離脱しました。
7議会関係
大統領令で政治任用者に離職後5年間ロビー活動を禁止、外国の政府や政党のための活動は永久に禁止しました(公約実現)。
8エルサレムをイスラエルの首都に
2017年12月、トランプ大統領が正式に表明しました(公約実現)。
詳細は上記をご覧ください。
今後随時追記。
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2 大統領として世界にどんな影響があるの?
つまり、トランプさんの政策は、「アメリカの国益のためだけに動く。他のことは知らない。まずは内政をしっかりしてアメリカ国民を大切にしたい」
という一貫した姿勢が見れます。
貿易においては、もし保護貿易主義をとった場合、アメリカ自体が輸出入に依存している以上、大打撃になると思います。
一番問題なのは、海外米駐留軍撤退です。
撤退する、となると、これまで均衡を保ってきた地域のバランスが崩れます。
特に東南アジア。
専門家の意見では、
仮にアメリカが撤退した場合、東南アジアは「親中国派」「反中国派」に二極化するとされています。
実際に、米政権幹部が「アメリカと中国の戦争は70%以上の確率で起きるだろう」と述べている、という報道もありました。
フィリピンのドゥエルテ大統領の過激な発言(「アメリカと決別する!」)の裏には、
「これ以上、アメリカからの経済援助は見込めない。なら中国に近づいて援助してもらおう」
という意図があります。
そして中国は「ここぞ!」とばかりに進出するでしょう。
それを恐れた「反中国」の国は、自国を守るために核を保有する必要性も問われます。
韓国からその話がまず間違いなく出てきて(北朝鮮に対抗するため)、次に日本も同じく出てくると思います。
中東でも、アメリカ軍が秩序を維持している地域がたくさんあります。
それが一斉に撤退した場合・・・
そして、アメリカの民間企業は軍需産業もたくさんあります。彼らを推進した場合・・・
起こりうることは、想像に難くないと思います。
3 それなら誰がトランプさんを支持してるの?
これは主に移民や海外企業に仕事を奪われた労働者階級(白人・黒人・ヒスパニック問わず)や、生活に不満を持っている貧困者層が主な支持層です。
アメリカは日本以上に、知識人階級と労働者階級の差が激しく、その不満も大きいです。
意外なのは、こうした労働者階級の移民の一部がトランプ候補の支持をしているということ。
移民廃絶を唱えるトランプ候補なので、反対の立場かと思いきや、
一向に改善しない生活苦や不満のはけ口として、トランプさんの過激な発言に同調し、支持に回っているというのです。
「え?政策?知らないよ!」
という方も大勢いる様子(日本では考えられませんが、それくらい教育格差も大きいのです)・・・大金持ちのトランプさんを、不満のはけ口として支持する姿はよくよく考えると悲しい気がします(´;ω;`)
実際にアメリカの世論調査では「入国禁止の大統領令」に対して、トランプ大統領を支持すると答えた方の割合の方が多い、ということなっています。
日本では批判的な報道が多いですが、
実際アメリカでは移民に仕事を奪われていた方々や州によっては圧倒的な支持を集めているようです。
4 トランプさんが大統領になったら、日本への影響は?
出典:http://diamond.jp/articles/-/90700
まずはTPP。
TPPが実現しなければ、米農家や畜産関係は競争にさらされることがなくなるため、メリットがあります。
一方、自動車産業や食品産業、機械産業などは、関税をかけられるために、これ以上伸びることはありません。
対中国政策も日本にとっては悪影響になります。
一番の問題はやはり在日米軍の撤退または、維持費用の全額負担になるでしょう。
さらに経済政策でアメリカが中国に歩み寄れば、日本は外交上軽視され、
一方、アメリカが中国と敵対すれば日本企業の中国展開が厳しくなる、というどっちに転んでもマイナスになってしまいます。
※ドナルド・トランプ大統領が決まりました。
関係者の感想と日本の対応、さらに詳しい影響についてまとめています。
※追記 反トランプデモが世界各地で発生
米国の主要都市で21日、トランプ米大統領の過去の女性蔑視発言などに抗議する女性たちを中心に大規模なデモが行われ、抗議デモは世界各地に広がった。
米国のデモの主催者によると、参加者はのべ500万人近くに上った。
女性の他にも、メキシコ移民やイスラム教徒、障害者、環境保護主義者など多様なグループがトランプ氏の発言や政策に強い不満を抱いている状況が浮き彫りになった。
ただ、大半のデモは平和的な雰囲気の中で行われた。
出典:Newsweekより
さらに世界でも同じくデモが発生したようです。
こちらはフランス・パリですが、
シドニー・ロンドン・スペインでも同様のデモが起こり(日本でも)、
規模は250万人以上に上るということです。
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