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中国海軍に奪われた無人潜水機とは?なぜ奪ったのか理由と中国vs米国の今後を考察。何に使うものなのか。
ASKAさん不起訴の理由と自ら110番した謎について解説しています。
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1 まずはニュースの概要を簡単に
米国防総省は16日、中国海軍の艦船が南シナ海の公海で15日に、米海軍海洋調査船の無人潜水機を「違法に」奪ったと発表した。
米側は中国に対し、潜水機の即時返還を公式に要求した。
国防総省のデービス報道部長は「ほかに同種の例は聞いたことがない」とし、中国の行動を国際法違反と批判した。
出典:ヤフーニュースより引用
つまり、アメリカが南シナ海で行っていた調査において、
使われていた潜水機のうち1機が中国船によって拿捕されてしまった、
というニュースです。
アメリカはこれに対して、
「即時返還」を要求。
しかし、中国側はそれを無視した、ということです。
2そもそも無人潜水機とは?なぜアメリカは調査していたのか。
今回拿捕されたのは、
「ネーバル・グライダー(Naval glider)」と呼ばれる無人潜水機です。
出典:https://news.usni.org/より引用
何に使うものなのかというと、
水温や塩分濃度、透明度の情報を収集するための調査用のものになります。
そのため、決して戦闘用のものではありません。
アメリカは南シナ海において定期的に水質調査を行っていたようです。
3なぜ中国海軍は潜水機を奪ったのか。
これに関しては、考察になります。
潜水機を拿捕し、
アメリカから「返還するように」要求したにも関わらず、無視。
この行動から推測されることは2つです。
1 この場所は中国が領有権を主張する場所であったため。
アメリカが調査していた南シナ海のフィリピンのスービック湾北西沖約50カイリ(約93キロ)
というのは、一体どこなのか、というと、
出典:http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/より引用
分かりやすい地図があったので、引用させていただくと、
スービックというのは、地図上のスカボロー礁と書かれた東の陸あたりです。
つまり、今回の位置は丁度そのスカボロー礁の位置になります。
「え?(。´・ω・)?そこはフィリピンの海域だよね?どうして中国がいるの?」
と疑問に思われるかもしれません。
そもそも領海というのは、陸地から12カイリまでなので、アメリカやフィリピンの認識は、
「フィリピンの排他的経済水域であり、もちろん自由に船は通っていい場所」という認識です。
(※ヤフーの記事では公海、となっていますが、
排他的経済水域は沿岸から200海里までなので、ここでは公海と記載していません)
しかし!実はこの場所は中国も領有権を主張している場所なのです。
スカボロー礁は中国の海南島から約1,200kmのところにあります。
中国は以前より、このスカボロー礁を巡って、
フィリピンと対立しているんです。
なぜか。
それは周辺に天然ガスや地下資源が豊富に埋蔵されているからです。
事実、フィリピンとは何度も衝突しています。
そして、南沙諸島(画像参照)に人工島を建設したのも、
この場所を含めて、地域を狙っているからに他なりません。
領海や排他的経済水域などの簡単なまとめはこちらからどうぞ(^^♪
2アメリカの調査船が中国の情報を押さえに来ていると考えているため
もう一つの大きな理由は、これです。
アメリカは、あくまで「調査」の名目ですが、
実際のところ、中国の動きを読むため、
(実際どのくらいで反応するのか、どの程度まで把握しているのか、などよくある行動で航空自衛隊がよく発進するのもこれが理由)
と考えることもできます(あくまで私見です。。。)
また、人工島の建設で、アメリカがわざと挑発的に航行してみせる、という行動も今年(2016年)ありました。
つまり、アメリカ側も「ただの調査ではなく、様子を見るためだった」と深読みすることができます。
それを拿捕するのは、中国からすれば当然の判断、とも取れるのです。
中国は領有権を主張している→自国の情報を採りに来ている→当然捕まえる、
の論理ですね。。。(;´▽`A“
4今後、どうなるのか。中国とアメリカの対立は激しくなるのか。
人工島を建設し、既に緊張は高まっていますが、
これを契機にますます対立が激化するのは避けられないと思われます。
どちらもお互いに
中国「自国の正当な領域」
米国「公海だから関係ない(もっと言うと、フィリピンという親米の領域であり、自分の国のようなものだから守る)」
の立場を譲りません。
中国が人工島を対空基地にした(装備を備えた)、との報告も入っているため、
アメリカは何としてもこれ以上の行動を阻止したいでしょう。
今後、どうなるのか、ですが、
まず国際法上の解決として、アメリカは「返還するように」中国大使を呼びつけるでしょうし、
中国はそれを否定しながら(自国の領有権を主張するいい機会)、当面は返さないと思われます。
今後、対立が激化すれば、想像はしたくありませんが、
中国とアメリカでまずは東南アジアの国を「きっかけ」にした衝突が起こる可能性が高いと思います。
トランプ大統領も、中国に対しての態度を変えていますし、
国民の支持を得るために過激な行動にでる可能性もあって、ちょっと心配ではあります。。。
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お読みいただきありがとうございました。
一部私見を含めていますが、公式の見解とは異なる場合がありますので、ご了承くださいませ。
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